&α
「だめだ」
「えっ」
「だめ。だめだから。ゆるさない」
「課長」
「転職しないで。ずっと私の側に。側に」
「あぶない」
「側に。そばにいてよお。どこにもいかないでよお」
「課長。くるしいです」
「いいおとこにならなくていいから。そのままでいいから。わたしがやしなうから。とおくに。とおくにいかないで」
「酔ってるんですか。こまったな」
「うえええええ」
「わかりました。わかりましたから。転職しません。残ります。残りますよ」
「ほんと?」
「ほんとです。ほんと。だから一回離してください。腰の骨が砕けそうです」
「あ、ごめんなさい。つい」
「鯖折りでころされるかとおもった」
「ごめん。だめなやつだな、わたしって」
「よかったですよ。俺としては。課長も人の子なんだって。あと泣き上戸」
「おまえのせいだからな」
「おかえしだ。よいしょっ」
「うわっ」
「お子さんは何人ほしいですか?」
「おろせっ。はずっ、はずかしいっ」
「言ってくれるまで下ろしません。公衆の面前でお姫様抱っこの刑です」
「ふっ、二桁っ。二桁ほしいっ」
「えっ」
「うわっ。落とすなら落とすと言えっ」
「あ、すいません。大丈夫かな俺。心配になってきた」
月は微笑む 春嵐 @aiot3110
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます