057話 呪いから解かれし者たち

"ドゴォォオオオォォォ…"


天から大地に向かって

輝く柱、が落ち…消えた。


直後、

大地は震え、空気が引き裂かれる。


続く、

世界の終わりを思わせる轟音。



雪が舞う寒空に、

それは突然、起きた。



私は、その光、轟音に覚えがあった…。


ただ、今の現象は、記憶のそれより遥かに凄まじい。



輝く柱が落ちて消えた、スノウスと名も無き村の

中間あたり……。


私はそこへ向かって飛んだ。




―― 魔の巫女、ローズ=マリー

彼女が、雪が舞う夜空に浮いていた。


ローズ=マリーが居るのは理解出来る。

あの最期の瞬間とき、彼女は生きていたのだから……。


しかし、こちらは……

どういうことだろうか……?


ローズ=マリーを地上から見上げている、身体を淡い光に包んだ女が居る。

彼女は…光の巫女、宮崎ヒュウガ。



ヒュウガは、私の目の前で

首を跳ねられ、光の珠となって消えたはずなのだが…?



「ようやく、ソルの呪いが解けて魔力が戻ったというのに…やはり、あなたには効かないのですね……残念です」

まったく残念そうな素振りを見せず、マリーはヒュウガに語りかけた。


「ここはどこですか!?一体何が起きているのです!?」

ヒュウガの辺り一面だけ雪が溶け、地面から黒煙が立ち上がっている。

おそらく、雷系の魔法をマリーが放ったのだろう…だが、ヒュウガはそれを気にした風もなく、質問をぶつけていた。


マリーが、私に気付いて、こちらに視線を飛ばしてきた。

私の姿に一瞬、目を見開いたが……

しかし、再び視線をヒュウガに戻し、手にしていた金属製の杖を、横に納めた。

「ちょうど、ソルの呪いが解けた剣の巫女様も、いらしたようです。少しだけ、お教えしましょう」


マリーは、懐かしむかのように、優しい表情で夜空を見上げた。


そして……真実を独白する。



―― マリーを信じるならば、

衝撃の真実が、いくつか明らかになった。


それらは……





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