016話 風の哀愁、土の覚悟
「皆が平等で平和な未来なら、今からでも…」
私は意味を成さない反論を呟いてしまう。
「……今からでは…もう、遅いんだよ…あんた妖精だろう!?なぜ人間側に味方する!?…妖精こそ絶滅しそうな種族の筆頭だろう?」
《
私は…私は……。
「…」
私は……何なのだ…?
私が応えることが出来ないと踏み、《
「この世界では、人間と言う種が、気付けば悪でした。人間が利便性を追求する反面で、空気は濁り、水は汚れ、土は荒れていったのです。結果として、妖精、巨人、エルフ、ダークエルフ、竜人、ドワーフ等は総じて種の存続の危機に直面しました。ある一種族、人間だけを除いて…」
《
「…種の
イマリが反論した。
ナルが続く。
「よくわかんないけど…私達の神は現在を、あなた達の神は未来をってことは…やるしかないってことよね!?」
衝突を回避しようという考えがないのがナルだ。
《
「あんた解るねぇ!!…今この場に、竜、剣、闇、風そして土」
《
「七つ中、五つのオーブが揃っている。この闘いは熱いよ!種族を賭けた闘いだ!」
イマリが姿勢を低くした事に反応し、《
「闇さーん、慌てないでください、動くと私の《アルテミス》が誤射しちゃうじゃない?」
「あっちが《
《
「そして私は《
アースという《
なんという怪力だろう。
ナルの馬鹿力を凌ぎそうだ。
「やるしかないわねっ!」
何故か楽しそうに《アマテラス》を構えたナル。
―― こうして四人の巫女による死闘は始まる。
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