004話 竜の巫女との激戦
ナルはカイハーンに向かって高くジャンプした。
《
ナルのジャンプに合わせて、黒い
ナルの攻撃は、全体重と馬鹿力に空中での一回転がプラスされた《アマテラス》による強力な垂直切りだ。
「
叫ぶナルを見上るカイハーンは、受けを選択したようだ。
"ガギンッ!!"
《
「…くっ!」
想像を超えた威力に、カイハーンの膝が
そこに忍び寄っていたのは、地を這う黒い
カイハーンの影か、イマリか、解らない闇から、《
《
次に、その中の柔らかい血肉に食らい付く。
筋肉の筋を断ち切りながら、膝下への侵入を進める。
刃が骨に触れる感触を、イマリは感じただろうか。
"ドグォチャッ"
《
吹き飛ばされたイマリは片膝を付き、体勢を整えるが、その首筋からはひどい出血だ。
イマリの血が、地を赤く染める。
「…ガハッ」
イマリは耐えきれず両手を地に付き、大量に吐血する。
「イマリッ!!」
降り下ろした《アマテラス》の反動に加え、カイハーンの肩に蹴りを入れ、再度ジャンプしたナルがイマリの前に着地し、カイハーンに対峙した。
カイハーンの足元では、イマリの血を味わうかのように、血にまみれた竜の尾が揺れている。
その竜の尾は、背中から先端まで強靭なトゲが二重に並んでいる。
殺傷能力の高い凶器だ。
イマリからは、完全な死角だっただろう。
竜尾の一撃を、まともに食らったイマリの出血は止まらず、大量の血を吐き続けている。
私の出番のようだ。
「ショコラ!イマリをお願い!!」
カイハーンを睨み付けたまま、ナルが叫ぶ。
カイハーンの右足からも、イマリによる攻撃で出血が見られるが骨までは達していないようだ。
トントンと右足で地面を叩き、感触を確かめつつ、
「お強いですね。すごいです。」
カイハーンは、この状況でも笑顔だ。
「……」
ナルは私がイマリの肩に止まったのを横目に確認した。
カイハーンの言葉には無反応だ。
"バチンッ!"
竜の尾が地面を打つ。
気合いを入れ直したのか、右足をしっかり地に付け《
「うおおおぉ!」
ナルの声と同時に、銀の流線が水平に走る。
《アマテラス》が猛スピードで、カイハーンに襲い掛かった。
《
追撃の刃は、カイハーンの頭上だ。
すぐさま、間合いを詰めたナルの振り下ろしがカイハーンを襲う。
受け止めるのは、不可能と判断したのかカイハーンは横手に転がり刃の襲撃を避ける。
《アマテラス》が切り裂いたのは地面だ。
地面に食らい付いた《アマテラス》の持ち手を変え、ナルは叫ぶ。
「
深々と地面に食らい付いた《アマテラス》は、さらに地面を切り裂き、二回転目の垂直切りへと移行する。
一撃目よりも、早く、強力だ。
思わぬ猛襲に、カイハーンの顔に焦りが見える。
カイハーンは更に身体を回転させ、二回転目の、垂直に迫る銀流も回避した。
地面に二度目の刃が食らい付いた《アマテラス》は二人の間に粉塵を巻き起こす。
粉塵の中から、何かが飛び、地に落ちた。
それは、釣り上げた魚のように、ピチピチと脈打ちながら苦しみ、次第に動きを止める、竜の尾の先端部だった。
カイハーンは竜尾の半分ほどを失い、その切り口から大量の血を吐き出している。
距離を取るべく後方へ跳ねたカイハーンだったが、ナルの猛襲は止まらない。
一気に間合いを詰め、《アマテラス》で突きを繰り出す。
カイハーンも《
"カン、キン、ガキン"
《アマテラス》と《
―― 「イマリ、大丈夫よ」
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