第64話 証拠

「おはようございます、ユキコさん」

「おはよう、アイリスちゃん。大丈夫かな?」

「はい。まだ完全に割り切れたわけではないですけど、私は一人じゃないってわかったので」

「ならいいわ。なにかあったら、私に相談してね。イワンさんとアンソニーさんもいるけど」

「あはははっ……」


 翌朝、アイリスちゃんは元気に見えた。

 昨日のことを完全に過去のこととするには時間がかかると思うけど、空元気も元気のうちって言うし、イワンさんもアンソニーさんも彼女をとても気にかけている。

 大丈夫だと思う。

「で……ララちゃんは、なにこの世が終わったような顔をしているのかしら?」

「(アイリスさんが、今日から急にユキコさんと名前で呼び始めた……これはつまり、同じベッドで寝ているから、その関係が急に深まって……でも、私も同じベッドで一緒に寝ていて……ユキコさん、最近私の胸を触らなくなったから……飽きられた!)」

「ララちゃん……なにをブツブツと?」

「えっ! いえ、なんでもないです! 掃除します!」

「ララさん、私も一緒にやります」

 今日も昼からお店の開店準備を行い、夕方、店の入り口の前に気が早い常連たちが並び始めたその時。

 私が予想していなかった人物が姿を現した。

 いかにも悪趣味で、お金だけはかけている金ピカな服装に装飾品の数々。

 数名の屈強な護衛を連れており、彼がイワンさんとアンソニーさんが言っていたガブス侯爵なのだと思う。

 痩せ型みたいなのだけど、お腹だけ異常に出ていて、お酒の飲み過ぎで中性脂肪過多なんだと思う。

 生活習慣病に気をつけないで大丈夫なのかしら?

「この店の店主はいるか?」

「はい、私ですけど」

「アイリスとかいう小娘は?」

「私です」

「屋敷に来い! この私、ガブス侯爵様の命令である!」

「「「「「「「「「「……」」」」」」」」」」

 ガブス侯爵は、見た目どおりとても偉そうだった。

 自分の命令だから、私のお店で働いている従業員に屋敷に来いと命令する。

 出来の悪い時代劇でもあるまいし、いくら貴族でも平民にそんな無茶を強いる法などない。

 まともな貴族はそんなことはしないけど、評判の悪いガブス侯爵なので、店の外で待っていたお客さんたちは全員、『こいつならやりかねないな』といった表情を浮かべていた。

「(本当に、評判が悪いのね……)ガブス侯爵様、無茶はやめてください」

「平民風情が、この私の命令に逆らうのか? 王国建国以来の名家であるガブス侯爵家の当主であるこの私に? 無礼にもほどがあるぞ!」

 もの凄い上から目線。

 アホに特権が組み合わさると、ここまで醜くなるのね……。

「ですから、私と彼女は正式に雇用契約を結んでいるのです。彼女を誘うのは、それが終わってからにしてください」

 いつ雇用契約が終わるのか……しばらくはないけど。

「そんなこと知るか! 私が屋敷に来いと命じているのだぞ! いいか、この私がだ!」

 完全に話が噛み合わないのが、逆に凄いと思う。

 どうしようかな? 

 この人、本物のバカだ。

「私に逆らうということは、この国にいられなくなるということなのだぞ!」

「そうなんですか?」

 私は、静かに店に入ってきたイワンさんとアンソニーさんに声をかけた。

 二人とも、このガブス侯爵を警戒していたら、このところ毎日お店に来ていたからだ。

 さすがに身分がバレると困るので、裕福な平民といった感じの格好をしていたけど。

「ガブス侯爵殿、貴殿はあまりに能力に問題があり、なんの役職も得られていないだろうが」

「そんな人がたとえ貴族でも、少女を屋敷に連行する権利なんてないのだ。理解できたかな?」

 イワンさんも、アンソニーさんも、侯爵様をそんなに挑発して大丈夫なのかしら?

「なんだ? お前らは?」

「おいおい。頭が悪すぎて私たちのことまで忘れたか?」

「同僚の顔も覚えられないとは、それは仕事がないわけだ」

 ガブス侯爵の頭が悪いのは事実だけど、随分と煽るのね。

 もしかして、以前からよほど腹に据えかねていたとか?

「なんだと! 平民風情がこのバカに……あっ! 貴様はビックス伯爵家の次男坊じゃないか! そしてそっちは、サレトル男爵家の跡継ぎか!」

「正解だ。本当に私たちのことがわからないんだと思ってた」

「貴殿は、三歩歩くと全部忘れるからな」

「貴様らぁーーー!」

 これは、二人でわざとガブス侯爵を煽り、対立の軸を貴族同士の争いにしようとしているのかしら?

 それならただの貴族同士の喧嘩ってことで、王国も私たちを罰することはないはず……だよね?

「(お爺さんも、親分さんも、ミルコさんも、アンソンさんも静かにしている……)」

 彼らの場合、貴族と争いになると、平民なので不利になるから静かにしているのだと思う。

 イワンさんとアンソニーさんとは、すでに打ち合わせ済みってわけね。

「無礼だぞ! 二人とも!」

「では決闘といこうか?」

「私とイワン。好きな方を選べ。決闘の名目は貴殿が考えればいい」

「うっ! 決闘だと!」

 貴族同士で揉めた場合、決着をつけるのに決闘が用いられるケースがあると聞く。

 決闘を申し込まれたガブス侯爵が急に静かになったけど、間違いなく二人に勝ち目がない……ガブス侯爵に腕っ節で負ける人はほぼいないとも言えるわね。

「どうした? ガブス侯爵」

「……ビックス伯爵家ほどの大貴族の人間が、軽々しく決闘などと……」

「そうかな? 我がビックス伯爵家は武で名を馳せた家だ。無駄に家の歴史が長いガブス侯爵家の当主なら知っていよう? それに私は次男だ。父も兄もなにも言わないさ。さあ、決闘を始めようか?」

「なんなら私でもいいぞ」

「……今日はこれで引き上げるが、覚えておけ! その小娘は必ず手に入れてやるからな!」

 イワンさんとアンソニーさんの妨害に苦慮したガブス侯爵は、捨て台詞を残すとそのまま店を出てしまった。

「これは、第二ラウンドがあるな」

「ですよね」

 親分さんは、ガブス侯爵が引き下がるわけないと思っていた。

 今日は、たまたまイワンさんとアンソニーさんがいたから失敗したと思っていそうだからだ。

 あの人、バカっぽいからなぁ……。

「ご注文のある方はどうぞ」

「俺様、お任せ串焼き五本セット、塩で」

「俺は同じ物をミソダレで。あと、エールお替り」

 そのあとは、まるで何事もなかったかのようにいつもの光景に戻ったけど、問題は明日からだよねぇ……。




「ふと思ったんですけど、極力アイリスちゃんを家業に関わらせなかったおじさんが、アイリスちゃんに隠し財産のヒントなんて渡しますかね?」

 その日の夜中。

 お店を閉めてから、店内で夜食の賄を食べながら、みんなで今後のことを相談していた。

「ふむ、ガブス侯爵家の財政状況を考えるに、そのお嬢ちゃんが絶対にヒントを持っていると思いたいのであろう」

「お祖父様も、ガブス侯爵には随分と金を貸したんだぜ。昔の俺様も人のことは言えないけど、あいつに金を貸すなんて、ドブに捨てるようなものだ。あいつが嫌いな商人は沢山いるんだぜ」

 ミルコさんによると、王都のある規模以上の商人でガブス侯爵に金を貸していない人はいないそうだ。

 相手は侯爵なので断り辛く……お金は捨てたもの、必要経費だと割り切って貸していた……にしても、腹は立つでしょうね。

 そして当然のごとく、銅貨一枚返済されていない。

 わかりやすいクズ人間ってことね。

「いくら大貴族でも、それはないんじゃないのかな?」

「さすがに、陛下や他の貴族たちに釘を刺されてな。それに、一度も返済実績がないんだ。一度お金を貸した商人はもう貸さない。ガブス侯爵のせいで大損をしたと申告して税を支払わなかったり、少なく納税するくらいの知恵を絞るのが商人だ。そうしないと生き残れないからな。王国としては非常に困るわけだ」

 さすがに、ガブス侯爵家の権威で金を借りて返さない戦法はもう通用しなくなった。

「だから、ダストン元男爵家の隠し財産に拘るのかぁ……」

 でもそれって、一発逆転を狙う、ギャンブルで身を持ち崩した人みたい。

「人間、追い込まれると、周囲の人間がクビを傾げるようなことを信じたり、始めたりするものだ」

 親分さんは、過去にそういう人を何人も見てきたのであろう。

 私も、借金塗れの人が変な投資話とか詐欺に引っかかる話を聞いたことがあった。

 切羽詰まって心に余裕がないからこそ、よく考えないで大博打に出るのが人間なんでしょうね。

「借金塗れで困っているはずなのに、ガブス侯爵はよく高級レストランに大勢を連れて来ているって聞いたことがあるな。せめて節約でもすればいいのに」

「実はガブス侯爵って、大金をこれみよがしに大勢の人たちの前で使ったり、贅沢な生活を送ることでしか、大貴族である自分を表現する方法がないのかもしれないわ」

 そう思うと可哀想な人でもあるのだけど、同時に彼は、自分は大貴族なので平民であるアイリスちゃんをどう扱おうと構わないと思ってもいる。

 イワンさんとアンソニーさんがガブス侯爵を追い落とそうとする理由がよくわかった。

「そんなわけで、アイリスはなるべく一人にならないでくれ。買い物なども控えた方がいいかな」

「そうですね」

 イワンさんの考えは正しい。

 お店にいれば守れるけど、アイリスちゃんが一人で外出している時にガブス侯爵の手の者が誘拐でもしたら守りようがないのだから。

「ララちゃんには悪いけど、しばくはアイリスちゃんにお遣いとかはさせられないわ」

 ちょっと細々としたものの買い物とかも仕事としてあるのだけど、ボンタ君とララちゃんだけに任せることになりそうだ。

「すまないね、二人とも」

「別になにかが変わったわけではないですから」

「大した手間でもないですしね」

 アンソニーさんに謝られ、ボンタ君とララちゃんは恐縮していた。

「時にお嬢さん、念のために聞いておくが、亡くなった父君からなにか預かっていないかな?」

「預かったものはないです」

 もしかしたら親分さんは、本当にアイリスちゃんが、お父さんから隠し財産がある場所のヒントなどを預かっているかもしれない、と思ったみたい。

 優しくアイリスちゃんに尋ねていた。

 優しく少女に声をかける親分さん、いつもと違っていいかも。

「父は数ヵ月に一度、ボクにお土産を買って来るのが決まりでした。お花やお菓子、食べ物だったこともあるので、残っているのは……」

 アイリスちゃんが私たちに見せてくれたのは、何着かの可愛らしい服、小物類、アクセサリーはペンダントだけ。

 そして、かなり大きな熊のヌイグルミであった。

「このヌイグルミ、いいなぁって思ってんですよ」

 ララちゃんは、アイリスちゃんのヌイグルミを羨ましそうに見ていた。

 この世界では、ヌイグルミはかなり高価な品だった。

 大量生産などできるわけがなく、すべてが職人の手作りで、素材や縫製技術でも値段に大きな差が出て、有名な職人の手作りだとコレクターズアイテムとして高額で取引されることもあると聞くわ。

「ふむ。有名な職人の作ではないが、いい仕事がしてある品だな。大切にしなさい」

 お爺さん、ヌイグルミにも詳しいんだ。

「商人はな。ご機嫌伺いで、貴族の子供が喜ぶヌイグルミをプレゼントとして持参することが多いのだ。奥さん向けにアクセサリーや香水などもか……」

 役職や権限を持つ貴族の役得ってわけね。

「これだけか。となると、お嬢さんはダストン元男爵家の隠し財産について知りようがないな」

 親分さんの予想は外れてしまった。

「あっ、でも。このペンダントの中にメモが入っていたりして」

 ボンタ君が、ペンダントを開いて中になにか入っていないか確認した。

 物語だとなにか入っているケースが多いのだけど、残念ながらなにも入っていなかった。

「残念です」

「ボンタ、このお嬢さんがとっくにペンダントの中を開けて見ているという考えはなかったのか?」

「親分にそう言われると、確かにそんな気がしてきました」

 ボンタ君、やっぱり君は自警団には向いていなかったわね。

「となると、本当にアイリスはも知らないのかな? ユキコ君はどう思う?」

 なぜかイワンさんは、私に聞いていた。

 私、刑事とか探偵じゃないんですけど……。

「もしかしたら。そのヌイグルミの中になにか入っていたりして」

 私も、ボンタ君のことは言えないかも。

 私もきっちり物語脳であったという……。

「ヌイグルミの中かぁ……しかしこれは、父君の形見だからな」

 親分さんは優しいなぁ。

 ヌイグルミの中身を確認するためには、縫い目を切らなければならない。

 アイリスちゃんの、数少ないお父さんの遺品を壊すのはどうかと思っているのだから。

 それに、私はヌイグルミの中からなにも出てこない可能性が高いと思っている。

 だって、あまりに方法がベタすぎて……。

「別に構わないです」

「いいのか? お嬢さん」

「はい。お母さんもお父さんも死んでいなくなってしまったけど、こんなにもボクのことを心配してくれる人たちが沢山いて嬉しいんです。ヌイグルミはまた縫えばいいんですから」

「そうか、ありがとう」

 親分さんは、アイリスちゃんから預かったヌイグルミの背中の部分の縫い目の糸を丁寧に切り始めた。

 すると中からは当然のごとく白い綿が出てきたけど、さらにその中に丸めて紐で閉じた羊皮紙が。

「まさか本当に出てくるなんて!」

 あのおじさん、意外とベタなことを……。

「もしかして、ガブス侯爵はこのことを知っていたのでしょうか?」

「偶然であろう。ただ単に、このお嬢ちゃんがダストン元男爵家の血を引いていたから狙っている。中身を確認しよう」

「わかりました。ええと……これは!」

 丸められた羊皮紙を確認するイワンさんであったが、すぐにその顔は驚きに包まれた。

「イワン、どうなんだ?」

「黒だな……ガブス侯爵の野郎め! あの元当主に出した手紙だよ。羊皮紙まで使って、随分と期待していたようだな……」

 手紙は、ガブス侯爵があのおじさんにあてたものらしい。

 もし自分に資金援助してくれたら、王宮に図って男爵位を取り戻してやると。

「ご丁寧に、サインと花押まで……。あいつは本当にバカなんだな……」

 アンソニーさんが呆れるのも無理はない。

 だって、サインと花押がガブス侯爵本人のものと認められたら、彼が麻薬の密造と密売をしていたダストン元男爵家と繋がっていたことの証拠になってしまうのだから。

「まだあるぞ。王都に入ろうとする密売人たちに便宜を図ったお礼の請求書だな。これは」

 王国もバカではない、なので麻薬の取り締まりは行っている。

 具体的には、王都に入ってくる人たちの目的を聞いたり、荷物を検査したりだ。

 王都に入ってくる人は多いので、どうしても全員を隈なくというわけにいかず、さらに貴族本人やその家族。

 貴族の招待状を持っている人などは検査されなかった。

 ガブス侯爵は、ダストン元男爵家の息のかかった密売人に招待状を出し、密売人が検査されないよう便宜を図っていたようね。

 で、そのお礼を請求した手紙もあったというわけ。

「凄いのが出てきたな」

「これはもう、陛下にお見せするしかないな。ガブス侯爵を貴族の恥さらしだと思っている者たちは多い。奴はこれで終わりだな」

「明日の朝、王城に向かうとするか」

「あのぅ……ちょっといいですか?」

 はあ……。

 私って、どうしてこうみんなよりも敏感なところがあるんだろう。

 この世界に飛ばされた直後、死の森でサバイバルをしていたから?

 竜を毒殺して、レベルが上がったから?

 レベル表示なんてないけど、そんな気がしてならなかった。

「女将、どうしたんだ?」

「ふと思ったんですけど、この手紙はガブス侯爵がアイリスちゃんのお父さんに出したわけで、しかもダストン元男爵家の人たちが捕まった時に押収もされませんでした。いくらガブス侯爵がバカでも、一刻も早くこれを取り戻そうとするのでは? 今、店の外が殺気でビンビンしているけど……」

「抜かった! この店から出ればよかったんだ!」

 親分さんはそっと部屋の窓を開け、すぐにこのお店が多数の殺気が篭った人たちに囲まれているのを確認した。

「テリーたちがいればなぁ……」

「親分、彼らはいないのか?」

「ご隠居、今彼らは仕事で郊外の新しい縄張りにいるんですよ。残っている連中で頼りになる奴が……いないな……」

 へえ。

 テリー君って、私が思っていた以上に親分さんから頼りにされているんだ。

「戦えるのは、俺、イワン殿、アンソニー殿に……」

「俺様も狩猟はするから」

 そういえば、ミルコさんもハンターだったわよね。

 しかも、見た目よりも強いという。

「でも、武器がないな。この店には包丁くらいはあるか?」

「女将さん、僕、ララさんも狩猟はするので自前の装備があります。あと、予備の武器が何本か……」

「ボンタ、気が利くな!」

「アンソン、お前はそういう経験がほとんどないだろうが!」

「狩猟の経験はあるぞ。この状況で戦わないわけにいかないだろうが」

「ワシは現役を退いて何十年も経っているからのぉ……。しかしなんとかせねばな」

「女将、予備の武器を貸してくれ」

「わかりました!」

 お店は完全に包囲されており、これでは誰かを通報役にするわけにもいかず、私たちがメインで戦うしかない。

 イワンさんとアンソニーさん、親分さんは帯剣していたから武器はあるけど、ミルコさん、アンソンさん、お爺さんは私たちが予備の武器を貸した。

 戦闘は難しいので、アイリスちゃんの護衛を頼むしかないわね。

「俺は前に出ないと話にならん。店の表口で阻止線を張るしかないな」

 そんなわけで、私、ララちゃん、ボンタ君、ファリスさん、親分さんは武装してお店の入り口に陣取るのであった。

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