第1話 空飛ぶ黒い船

朝、いきなり白兎の家のドアが開けられる

「おっはよー、白兎君起きてるー?」

ヘルドュームが元気な声で来た。その服は前の服とは違い(少しへそが見えている)制服姿だった。

「おはよ、変態。

白兎はまだ寝てるよ」

ミアが対応した。

「ああ、昨日色々あったもんねぇ」

前の日に白兎達は『ダークネス』に閉じ込められるが、『ダークネス』のリーダーヘルドュームが幼い時に死んだと思ってた『ミキ』だと知り、少し解決し、このように堂々とヘルドュームが来ているのである

「その、色々の原因は全部お前にあるだろうがこの人殺し。」

ミアがマチェットをヘルドュームに突きつける。

「や、やめて。ぼ、暴力反対?」

「お前が言うなって言うかなんで少し悩んでるのよ。私でもその言葉の意味ぐらいわかるよ」

「薫・・・エディターから昨日聞いたから合ってるか分からなかったから」

「はぁ、まぁいいや。上がるの?」

そう言ってミアはマチェットをしまい部屋の方に戻っていく。


「白兎君、おっはよー」

そう言うとヘルドュームは白兎に飛びつく

「んわ。ちょっと」

その勢いで白兎は起きた。が、

「んん、んぅ」

ヘルドュームにずっとキスされていて白兎は暴れている

「おい、そんなに長くやってると白兎が息できなくて死ぬぞ」

そう言うとマリアはヘルドュームの頭を持ち無理やり引き剥がす

「待って、痛い痛い。首もげる」

「全く、いつでもはしたない女でござる」

紅政が呆れている

「え?好きな人には朝起きたらキスするって聞いたんだけど違うの?」

ヘルドュームが聞く

「この国じゃその文化はなかった気がするし、わざわざ遠くから来てしてたら世の中のカップルの時間の使い方に不安を感じるわ」

マリアが言う

「あれぇ?まぁ、いいや。朝ご飯まだかな?お肉用意したから今から作ってくるからキッチン貸して」

ヘルドュームはそう言って用意を始める

「某は既に頂いてしまったが。」

紅政が言う

「は?マジで?何故に?つか何食べた。」

マリアが聞く

「主君がここまで遅起きと思わなかったから。ちなみに納豆ご飯でござる」

「あ、ナットーって僕が嫌いな奴だ。よく食べれるなぁ」

マリアは少し引き気味にそういう。

「匂いが独特であるからな。好みは別れるだろうな。」

紅政が変に納得している

「出来た〜。お肉焼けたよ。」

ヘルドュームが肉を皿に分け、テーブルに用意した。

「なんだろ・・・すごい美味そうなんだけど敵が作ったって思うと食べたくないな。」

マリアが少し警戒しながら、言う。

「主君、主君、某が毒味をしてもよろしいでござるか」

紅政が白兎に言う

「え?いや、まぁ毒はないと思うけど、分かりました」

紅政は自分用の箸を用意し、肉を少し切って口に運んだ。

「・・・

お、美味しぃ」

紅政がいつもと違って目が光り輝いていた。

「そんなにか」

マリアが少し呆れながら言うが、

「そういえばミキさんは料理が得意でしたね」

白兎が思い出したかのように言う

「うん、あれからも結構料理したりしてたからそれなりに腕は上がったかなぁって思うよ。」

ヘルドュームが笑顔で答える。

「お?美味しそうな匂い」

桃火も奥の工場(作業場と物置の合体程度)から出てきて、朝食を皆で済ました。

朝食が終わり皆がそれぞれの行動をしている時空が突然暗くなった。

全員が空を見ると、とても大きな飛行船が飛んでいた。

全員困惑してたが1人だけ、白兎だけがその船を睨み、呟いた

「『ぜろ』だ」

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