第2話 突入

「という訳だからお願い、薫。白兎君達と一緒に空の船追いかけて。」

ヘルドュームがエディターに頭を下げてお願いする。

「いや、まぁ、そういう理由やったらしゃあないな。せやけど、こっちの飛行船、出すには時間かかるさかい待っとれ。」

エディターは準備に取り掛かった

「すみませんね、ミキさん。」

「白兎君のお願いだしね。それにあの飛行船。何か嫌な予感はしてたから。

それじゃあ、『ダークネス』の人たちも呼んでおくね。」

そう言ってヘルドュームは色んな人を呼びに行った。

「そうだ、あいつにも連絡しときますか」

白兎は携帯電話で誰かとメールしていた

「お待たせ、仲間揃うまで船で待っとって。」

仲間も揃ってき始めた。

「ちゃんと席順作っといたさかい、ちゃんと座っとって」

そう言ってエディターは席順の書いた紙を渡した。

「あ、ここですか。」

白兎が席に座った瞬間

後ろの席から手が伸びて白兎の首元にトランプを用意していた。

「小僧、現役の時より腕が落ちたか?それとも戦場から逃げて、気が緩んだか?」

「何事でござるか?」

紅政は刀に手をかけていた。

「その声は・・・

じいさんですか!?」

白兎は聞いた

「ほぉ、声で分かるとは、耳は腐ってないようだな。」

白兎の首元に置かれたトランプは戻された。

「白兎のおじいちゃんってこと?」

ミアが聞く

「本当の祖父ではないぞ、白兎が戦士時代に同じ軍に居ただけだ。」

そういうのは『じいさん』というあだ名にあうような。老兵がいた。

「『ジョーカー』さん、白兎君と知り合いだったんですか?」

ヘルドュームがいつもの戦闘服(上はサラシと赤マント下は青色の水着)に着替えて白兎の隣の席に座りながら聞いた。

「『ジョーカー』って名前なのか?」

マリアが聞く。

「そうだが、昔から多くの人から『じいさん』と呼ばれてるな」

そんな会話をしていたら、前から尻尾のはえた女性が睨みながら近づいてきた。

「お前!!よくも山を襲ってくれたな!!」

その女性は紅政の肩を掴みながら怒鳴ってきた

「え!?そ、某が何したと?」

「白々しい!!オレは覚えてるぞ!!赤い鎧の侍にオレ達の山は襲われたんだ!!」

女性は怒鳴り続ける。

「ちょ、ウルフさん、どういう事です?」

ヘルドュームも驚いてる。

そんな中、ジョーカーは冷静な声で言う

「ウルフは、『人狼族ガルー』だったな。確かに『人狼族ガルー』は赤い鎧の侍に襲撃された記録はあるが、確か、かなり前だった気がするぞ。お前が何歳の記憶なんだ。」

「5か6歳頃だったかな」

ウルフは答える

「お前の今の年齢は20だったな。そこの赤い鎧の女は今いくつだ」

ジョーカーが聞く

「14歳でござる」

紅政が答える

「この女はまだ生きていないような時代だ。似た鎧なだけの別人なんだろ」

ジョーカーは呆れたように言う

「そ、それは、悪かった。けどオレは侍が嫌いだ。」

そう言ってウルフは席に着いた。

そして、エディターの声がアナウンスで聞こえてきた。

「「準備も完全に終わったさかい離陸するで。必ず席に着いて安全ベルト閉めてや」」

その後、飛行船は離陸した

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元・殺戮の鬼と白き殺人獣 HAKU @HAKU0629

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