第2話 虚無
水もなく、食料もない。ましてや感情の入り込む余地すらもない。
麻痺毒は、広く散布されていた。その麻痺毒に対するワクチンなどあろうはずもなく、人々はただそれを受け入れるだけであった。免疫のあるものは毒に侵されず、ないものはそれに体を蝕まれる。ただ、金属板と紙がワクチンになるらしいという不確かな情報だけが、一人歩きをするのみであった。骨の髄にまで紙を埋め込んでいる者もいた。それらを崇拝するかの如く、人々はそれらを集め続けた。その行方は知る由もなく、知ろうとするものもいなかった。
怪光 Tako @Takoyarou_Kaku
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