bloodrain

池塘春草

血塗られた記憶

 旧ワラキア公国ルーマニアの山中。荘厳なつくりでありながら、華やかな装飾がいたるところに施された城があった。

 かの英雄ヴラド三世の元居城である。

 ヴラド家の子息が生活していた頃は幾人もの使用人、下僕、召使い、執事が何人も行き来していた。

 しかし、今現在そのような人が生活していた面影は一切見られない。

 代わりに見られるのは、数世紀前に流れた

その血だまりに一つの影が白いエーデルワイスを献花する。そして影は辺りに溶け込むように消え、冷たい風がエーデルワイスを撫でた。


今宵も吸血鬼により血の雨が降る。その雨は過去を洗うためか、それとも単なる復讐かは誰にもわからない。

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bloodrain 池塘春草 @yuzukimuu

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