「大丈夫ですか、あの後輩ちゃん。突然立ち上がって走っていきましたけど」

「大丈夫です。うちの自慢の後輩ですから」

「課長さっきからそればっかりですね」

「あなたも自慢の部下ですよ」


「彼氏と、あの後輩が、我が娘の掩護2トップか」

「お母様は?」

「あ、二人目作るので、一人目はもう全然」

「ドライですね」

「私のお腹から出てきた子なので、いたいとかいたくないとかは分かりますけど、心の中まではねぇ。心がいたいってのがあんまり」

「鋼の心臓なんですよ、おれの妻は。おれもそこそこ度胸があるほうなんで、軽子は別系統だな」


「いずれにせよ、我々はまだ、あの二人のように優しく軽子さんに寄り添うことはできていないんですね」

「課長。凹まないでください」

「課長なのに。面目ない」


「大丈夫ですよ。職場は後輩、それ以外は彼氏。充分じゃないですか」

「いいこと言うじゃねぇか」

「私たちは、軽子と普通に接していればいいんです。軽子にとっての普通になることが、私たちのやるべきことです」

「頼りになるわね、同僚さん」

「ええ。自慢の同僚ですから」

「課長さっきからそればっかりだな」

「いやあ照れますね」


「ようし。ここはおれのおごりだ。全員、杯を持て」

「おっ」

「太っ腹」

「さすが私の愛する人。かっこいいわよ」


「俺たちは、最後の最期まで、あいつの普通になってやろう。乾杯」

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最期は… 春嵐 @aiot3110

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