あとがき - 桃井家のフシギな物語2（佐々蔵翔人）

今回の主人公である桃井香菜子は小学生の時にはとこの広翔と共にリトルリーグに入団する。

香菜子は入団して男の子たちが速いボールを投げて、遠くに打球を飛ばすのを見て羨ましいと思うのと同時にあることを悟った。

同じ舞台で戦っていても試合に出ることは出来ないと。

ではどうすればチャンスが巡ってくるか考えた時に前のバッターが塁に出たらバントで確実に塁を進める。長打が打てないのならば内野ゴロでもファーストミットより先にベースを駆け抜ければ出塁することが出来る。そして自分が塁に出たら果敢に次の塁を狙うと。

それ以外に香菜子は幸い左投げで野球では左投げ投手は重宝される傾向にある。2刀流でさらに試合に出場する機会を増やす。

香菜子は投手としてレベルアップをするために変化球特集の本を買い、広翔と共に練習をして｢かなちゃんボールニコニコ｣を完成させた。

中学時代、1年生大会で優勝を飾るもののケガをきっかけにフォームを変える。香菜子はサイドスローでもよかったが、広翔の左投手のアンダスローは聞かないという言葉が決め手でアンダースローに転向する。

高校時代には北岡高校で全国大会の庚午スタジアムで1年生ながら出場するも開幕戦で先頭打者初球デットボールで早々にスタジアムから離れる。その2年後、決勝戦で陽凛擁する喜多方北高校に勝ち、優勝を果たす。その後、高校日本代表ではなくオールジャパンに選出されて秋のドラフトでは12球団競合の末、びわ湖ビクトリーズに入団する。

プロでは投打の2刀流として華々しい活躍で1年目から活躍し、メジャーに移籍する。

メジャーに移籍しても活躍を見込まれたがケガにより1年でリリースとなり、再びびわ湖ビクトリーズに戻ってきた。

日本球界に復帰し、びわ湖ビクトリーズを、2年ぶりの優勝に導いて自身もカムバック賞を受賞する。その後、キャンプで中学生の太鳳と運命の出会いをする。太鳳は1年生で庚午スタジアムで優勝し、テレビの企画でプロ野球選手相手に三振を奪う。太鳳はキャンプで香菜子と出会い一緒に参加し、1打席勝負をして1勝1敗で香菜子は太鳳にプロで会おうと誓った。

2年後に太鳳はドラフトで陽凛が監督を務める福島いわきレイクスに入団する。太鳳は開幕戦でプロ初先発、初勝利を挙げてリーグ優勝にも貢献した。日本シリーズでびわ湖ビクトリーズと対戦する。日本シリーズは第8戦までもつれ、9回に代打で出てきた香菜子に代打サヨナラ逆転満塁日本一ホームランを許す。香菜子は表彰式に太鳳と出会いプロ野球界のバトンを渡してグラウンドを去った。

香菜子ははとこの広翔と共に野球を始めて、陽菜美、伊東、陽凛、太鳳といった仲間やライバルと出会い切磋琢磨していた。時にはケガという挫折、時には優勝という栄光と栄光と挫折を経験して歩んできた。

香菜子、広翔、陽菜美、陽凛はグラウンドではライバルとしてプライベートでは桃井家ファミリーとして食事に行ったりする程仲がいい。

そして日本シリーズの舞台で4人は相対することになる。