編集済
おぉ、良いですね。
安易に「ヒット打って良かったね」で終わってないところが好きです。
話自体はストレートに進むのに、読了後わずかに残る苦みというか問いかけというか。
面白かったです。
読み切って、首をひねりました。
中村くんはとても真面目で、努力家な中学生です。
中学生なんてまだまだ子供ですよ。ほかの同級生より少し成長が遅い中村くんを、バカにしたりとか煽ったりとか、あるあるだなって思いました。挙句の果てには顧問からも戦力外通告受けたりとか。
でも、野球を続けたい一心で補習もきちんとこなし、引退後も練習も続け、最後の最後の試合で奇跡、いや彼の努力の賜物で結果を残せて。かっこいいです。
他に好きなのは、チームメイトの同期が年を追うごとに中村くんに優しくなっていくところです。
最後の試合で同期が彼を呼びに行った時、「中村にも見せ場あげなきゃな」というような義務感ではなく、ちゃんとしたチームメイトとして接しているような、三年間頑張ってきた仲間に声をかけてやるような。
素敵な青春小説でした。
作者からの返信
三森電池さん
感想ありがとうございます。
もう、書いたのが随分前なので自分でもほとんど内容を覚えていないのですが、首をひねらせることができただけでも書いた甲斐がありますね笑
若い時の方が、どうでもいいことに夢中に、というか必死になることができる……のかもしれないです。長く生きていると嫌でも生活とか進路とか現実っぽい現実が邪魔してきますし。
チームメイトの様子は……割と実体験かもしれないです。
本当、読んでいただき嬉しいです
青春とは何か。
何が青春なのか。
野球部に頑なに続ける中島君の3年間を第三者視点から語る。
この生き方を、なんと言えばいいのだろう。
あまりにひたむきで不器用なまでに拘り続け、その全てを燃やし費やした。一瞬の、あまりに一瞬だけの輝き。
名の知らぬその輝きが今の自分にはあまりに眩しい。
同級生、後輩、顧問と三人の視点から、それぞれ中島くんの生き方が語られる。
その言葉の一つ一つに含まれる「正しさ」や「理解」を感じてしまう自分に、自分は輝く側でなく、言う側になってしまったことを思わせ苦笑するしかない。
逆に今輝いている人、輝こうとしている人ならば、跳ね返せるはず。
前回が「痣」によって、心のなかに潜む暗い陰を思わせたのにたいし、今回はその眩しい中島くんの生き方が、自分の心に陰を落とした。
作者からの返信
陸道さん
感想ありがとうございます!!
ご返信が遅くなり申し訳ありません。
中村君ほど厳しい境遇ではありませんが、何かを書いてる自分も似たようなものなのかもしれないと思うと、やっぱり書きながら感情移入してしまいました。
これからも頑張って書き続けようと思います。
是非、今後ともよろしくお願いします。
はじめまして。野栗と申します。
主人公はこのあと多分「底辺校」→「Fラン大学」→非正規労働者→使い捨て→生活保護、というルートを高確率で辿ることでしょう。そして、新しい環境の中で、みんなにでくのぼーとよばれ、ほめられもせず、苦にもされない、そんな人生を送るのでしょう。それぞれの場所で、自分だけの景色を見つめながら。
ちなみに、私は中学時代、主人公と真逆の選択をして、それはそれで幸せな人生を送っております。