赤い蝋燭の灯

 そうだ。重要なことを思い出した。


 あの後、先に帰ったと思った2人は家に帰っていなかった。えーと、えーと・・・名前はそう、・・・佐藤!あと、田中だ!思い出した。なんで忘れていたんだろう?出かける前に、最後に親御さんと話した時、僕と遊びに出かけると言っていたから、親御さんから電話が来たんだ。いつから忘れていたんだろう・・・いつから・・・それも大事なことだと思うけど、もっと大事なことを思い出した。そうだ・・・2人が帰らなかった翌日に、一緒に居た女の子も・・・名前が・・・思い出せないけど、彼女も消えてしまった。どうしてみんな消えてしまったんだ・・・。勇治・・・勇治はなんで2人だけで行ってきた、帰ってきたんなんて言ったんだ?

 消える前、最後に、彼女は友人に言っていたらしい。”やばい。蝋燭が一度消えてしまったから”って。そう言えば、最後に帰る前、あの蝋燭はどうしたんだっけ?確か彼女が僕から受け取って・・・もしや消したのか?そうだ・・・彼女の名前・・・思い出した・・・彼女の名前は・・・。


 勇治が蝋燭を持ったまま考え込む僕の顔を覗き込んできた。勇治は微笑んで・・・僕の持っていた赤い蝋燭の灯が、風が吹いたのか、勇治が消したのか、また1本消えた。

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蝋燭の火 QAZ @QAZ1122121

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