急いては事を仕損じる
「仕事を始めるのは来春から」と主治医に言われて、なかなか、納得できなかった私。だって、ずいぶんと元気になったし、精神的にも安定してきたし……。
でも、今朝起きた時の気分は「あ~また1日が始まるのか~」だし、「夕ご飯何にしよう。面倒くさいなあ」だし。部屋の掃除はしてないし、文章は進まないし……。
「肩の力を抜いて過ごしてはどうですか」という主治医の言葉が頭をよぎる。
肩の力を抜くって、どういうこと?
ぼつぼつ回復していくってこと。
来春まで力を蓄えるということ。
いろいろなことがおっくうでなくなって、どっしりしてから、仕事を始めるということ。
たぶん、そういうことだ。
うつ病の回復には時間がかかる。もちろん、個人差はあるけれど、1年とか2年とか、かかることもある。私も、昨年の今頃を思えば、ずいぶんと良くなった。1年があっという間だ。来春もあっという間にくるに違いない。
それに、仕事を始めたら、自分の時間はかなり減る。こんな風に文章を書く時間も少なくなる。それまでに書きたいだけ、文章を書いておいた方がいい。たくさん文章を書けば書くほど、文章はうまくなる。少しでも、文章の精度をあげたいものだ。
今、誰も私を急かす人はいない。急いでいるのは私だけだ。急ぐな私。ゆっくりやろうよ私
今は仕事のことを考えずに、他のことができるようになろうよ、私。家事とか、買い物とか
文章を書くとか、本を読むとか、テレビを見るとか。
きっと、主治医や両親や、他の人の目には、私はまだ十分回復しているようには見えていないと思う。私だけが、気ばかり焦って、仕事復帰を急いでいる。
今、仕事を始めたら、十中八九、うまくいかないだろう。そして、せっかくよくなった調子がまた悪くなって、仕事復帰がさらに遠のくだろう。
何度も同じことを書いてくどいが、急いては事を仕損じるだ。着実に回復していかなければいけない。
こうして、書くことで、自分の中の焦りや急ぐ気持ちを吐き出して、本当に心から、どっしり構えたい。
今の自分にできることは書くことしかない。
それをしているだけだ。
読んでいただきありがとうございました。
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