見えてきた希望

 「私のうつ病日記」を書き始めて、見えてきたことがある。それは、過去を冷静に見つめる自分だ。以前は、過去のつらかったことを思い出すのも嫌で、こうして文章になんて書けなかった。でも、今は、あの過去があったから、あのつらい思いがあったから、今があるのだと思える自分がいる。

 今はまだ、うつ病の治療中で、完全に回復したわけではない。けれど、自分は確かに回復しているという確信を持てるようになってきた。うつについて綴ることは、うつからの回復を早めてくれる。もちろん、元気になって、仕事ができるようになるのにはまだまだかかるだろうけれど、必ず、そこまで元気になるのだと、信じる気持ちが生まれた。

 「もう、自分には未来はない。早く死んでしまいたい」と思っていた過去が嘘のようだ。離婚して、子供たちと離れ離れにならなければいけなかった時から、人生に絶望してしまって、それからずっとそう思ってきた。あれから7年以上の年月が経っても、私の中には、そういう気持ちがずっとあった。

 それを消してくれたのは、今回の3度目のうつ病だ。先生には入院を勧められたけれども、入院せずに独りで「死にたい気持ち」と闘いながら、何とか乗り切ったことには大きな自信をもっていいと思う。

 いつの間にか、私の中から「死にたい」はなくなった。そしてつらい過去もまた、これから生きていくヒントになるのだと思えた。人生に無駄なんてない。どんな失敗も、必ず、先で役に立つ、と今は、思える。

 そうしたら、未来に希望が見えてきた。今より、ずっと元気になって、体力、気力であふれている自分。笑顔で働いている自分。過去の失敗を糧に、うまく感情のコントロールをしながら働いている自分。家事もそれなりにこなし、文章も書いている自分。

 今は、精神科デイケアに通い、カウンセリングを受け、診察を受け、治療していることが、未来の自分につながっていくのだと信じて、毎日を過ごす。無駄なことなど何もない。すべてが回復につながっていく。

 道は四方につながる。すべてのつらかったこと、苦しかったこと、過去の出来事を糧にして、今を生きる知恵にしていけば、その先には思わぬ未来が待っているかもしれない。

 今、心からあふれるままに、私はこの文章を書いている。今は書かずにはいられない。今の私にとって、書くことは希望だからだ。

 書いたことが現実になると信じたい。

 

 読んでいただきありがとうございました。

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