アダルトチルドレンからの卒業

 2度とならないように、細心の注意を払っていたつもりだったのに、3度目のうつ病になってしまったことは、悔しく、腹立たしい。でも、今回、3度目のうつ病になったおかげで、私の心にある大きな変化が起こった。

 それは、長い長い間、私を支配していた過去への執着から解放されたことだ。「もう、過去のことはどうでもいいや」と思えたことだ。両親への恨み、憎しみがつきものが落ちるように、すうっと川が海に流れ出るように、消えていった。

 過去を手放すと、心が随分と楽になる。それまで、自分の心を占めていた、怒りや、憎しみや、悲しみ、後悔、そんなマイナスの感情から解放される。53年間、私の中にあった、強い自己否定感が消えて、自分のペースで生きられるようになる。今何をすればいいのか、そのことに気持ちが向かう。

 3度目のうつのおかげで、私はアダルトチルドレンから卒業することができたと思っている。今、私は、経済的にも、精神的にも、私を援助してくれている、両親に感謝の気持ちしかない。かつて母親に「地獄に落ちろ」とまで言った私がである。

 私は今、働きたいけれど、主治医にまだ無理だと言われている。おそらく、まだまだ体力的にも、精神的にも、十分準備ができてないからだと思う。4度目は絶対あってはならないので、指示に従って、今はデイケアに通うことと、その他の日は、自分なりに過ごしている。早く働きたいという焦りで、どうしても、そちらにばかり気持ちが行って、今、この生活に満足できない自分がいる。でも、必ず、働ける日が来ることを信じて、なんとか、毎日をしのいでいる。

 実際、働きだしたら、おそらく何も考える余裕もなくなると思う。仕事中心の生活となって、今とは全然違う生活になると思う。そうなった時にも、ちゃんと肉体的にも、精神的にも、自分をコントロールできるようにならなければならない。そのための準備期間として今があるのだと思う。

 まずは、楽しい気持ち、明るい気持ちを取り戻したい。心の底から笑える自分を取り戻したい。今は、働かなければという気持ちが先走って、そういう何かを楽しむことを忘れているような気がする。

 あと、できれば何かに夢中になりたい。何かに夢中になると、その時間は楽しくて、無心になれるから、上手に気分転換ができるようになる。

 今、こうして文章を書いているのも、その一つだ。自分の思いを文章にするのは難しい。でも、うまく言葉にできたとき、言いようのない満足感に満たされる。

 きっと、こうして書くことは、回復につながる一歩だと思う。ドラマを観たり、DVDを観たりという、インプットすることばかりではなく、アウトプットすることも、心には必要だと思うから。

 いろいろ書いたが、私は今揺れている。主治医から就労許可が出て、働いたとして、果たして、経済的に自立することができるのか。娘が言うように、独り暮らしは厳しいから、遠方の実家に戻るべきなのか。

 バリバリ働いて自活する自分と、実家で両親と暮らしながら最低限働く自分と、どちらが現実的なのか。

 今は、バリバリ働いて自活する自分をイメージしたい。そうなれるといいと思う。そうなりたい。

 読んでくださってありがとうございました。

 


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る