転入生

古歌良街

転入生が……

 転入生が××××だった。

 担任についてきてる××××を見た瞬間、これは見ちゃいけないものだと思った。「うわ」とか「えぇー?」とか半数近くが言ってたな。「ありえなくない?」「ありえないでしょ?」「マジヤバイ」が口癖のやつらがやっぱりそれを言ってた。

 それで担任が淡々と黒板に名前(○○○○っていかにも××××っぽい名前)書いて転入生が自己紹介みたいなのしはじめたんだけど、そこでクラスのアイドル的存在の人が体育の笛みたいな音出したと思ったら泣き出しちゃって、その人の隣の人が「保健室! 保健室!」とか叫びだして阿鼻叫喚。なんかゲロ吐いちゃったやつも三人くらいいた。

 そこで散髪ブタ野郎(あだ名)が多分なんとかしようとしたんだろうけど、

「俺はむしろ興奮する!」

 って大声。

 そのとたん担任が教卓をドガンって叩いて、

「むしろ興奮とはなんだっ! なにが興奮だ!」

 って一喝したらもう、その場の全員一瞬静まった後この世の終わりみたいな空気になって、すすり泣きが三人か四人以上かになった。転入生の方がどう反応してるかは、俺には見る気にもなれなかった。

 でもそこで俺の隣の△△さんが、

「××××って初めて見たけどすごい! なんていうか、□□□だし、☆☆☆☆☆☆だし、だって普通の人は普通なんだけど普通じゃあない!」

 とかなんか普通じゃないすごいすごい言いながらダッシュで転入生のとこいって転入生を連れてそのまま教室出てどっか行っちゃった。

 今日はそのあと二人とも帰ってこなかった。担任はあとで別の教員に叩かれたりするんだろうな。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

転入生 古歌良街 @kokarage

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ