★『青帝国学園のエゴイストたち』青月 猫さん

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(尾崎ゆうじの)

『第5回小説の「続きが気になる度」を評価してみた』


 評価シート


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作者さんへ……このたびは企画にご参加いただきありがとうございます。

読者さんへ……本ページにお越しいただきありがとうございます。

      この作品良さそう、と思ったら作者さん並びに尾崎のフォローをお願い致します。



1 作品タイトル『青帝国学園のエゴイストたち』

作者名:青月 猫さん

 作品リンク

https://kakuyomu.jp/works/1177354054917511113

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2 本作のキャッチコピーとあらすじ引用(抜粋)

 

(キャッチコピー引用)

 皇帝を巡る、権威派・独立派・自由派・王党派。貴方は誰に賭けるのか?


(あらすじ引用)

 青帝国学園——そこは、天才たちが集う戦場。


学園で絶対的な権力を持つ「皇帝」を巡り、「皇帝権威派」「独立派」「自由派」の三つの派閥が睨み合う中、二年次首位の成績を誇る青葉 優は切り札となる少女の入学を前に革命を起こし、第四の勢力——「王党派」を創設した。


頭脳を駆使するのは勿論、時には心理戦、暴力も厭わず、水面下で裏切りが勃発するこの世界。誰もが画策し、その思考が入り混じり、己のエゴを曝け出す。新たな皇帝により出来た、学園を混沌とさせるシステム——「コンクエスト」と「懲役」

果たして、彼の精巧な策と、彼女のバケモノじみた奇行の行く末は——……



(以上、引用でした)

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3 尾崎が作品を最初に読んだ日: 


 2020年 10月 12日 



4 各項目の評価・採点(各最高15ポイント(⑦のみ10ポイント)):


・評価モードはノーマルです。当企画参加のために気合を入れていただいたみたいで、こちらとしては多分に恐縮です。ありがとうございます。


 時間内で読めたのは、プロローグ~4話目の途中まで。ちょっと時間が過ぎましたが、気になったので頑張って時間外労働しました。

 

 とりあえず、熱い作品だ! とだけ先に言っておきます。かっこいいです。つい熱くなって、評価シート作成も時間外です。うわぁ…。



※評価モード・採点基準について知りたい方はこちら

https://kakuyomu.jp/works/1177354054914254604/episodes/1177354054933984345



①[タイトルやあらすじなど……15pt/15pt]


 タイトルすごく良いです。学園とエゴイスト、という組み合わせにプラス複数形。そいつらが学び舎で何をおっぱじめようとしているのか、とりあえず気になってあらすじを読みたくなりました。


 キャッチもいいですね。タイトルも含めてインテリジェンスを感じます。


 お好みでいじってほしいのですが、若干、漢字だらけで全面的につぶれてる感じです。どこにフォーカスしようか、みたいな迷いが生まれそうです。『巡る』『貴方』くらいは、ひらがなに開いてあげた方が読者に対して親切かもしれません。

 作品の雰囲気がキリっとかっこいいので、現状は現状でも良いですが、少しくらい力を抜いてあげないと、作者さんも読者も少し疲れそう。

 

 それで、読みたい読みたい! と思っていた肝心のあらすじですが……。


 サイコーですやん。


 いまどきって感じですね。かっこいいですよ。


 ただ、2話目か3話目を読んでようやくわかったのですが、青帝国学園ってどう読むんだろう……とずっと考えながら本文を読んでました。『あお』だと語感が悪い。でも『せい』だと、全体の語呂はいいけど、逆になんで創設者は『せい』だけ付けたんだ……? 『せい』サンが創設者だったのかな。中国人……? そんな深掘りをしたくなりました。


 プロローグで読みがなは、ほしいです。おそらく位置づけとしては青春学園みたいな感じなのかなーと思ってスルーしましたけど、やはり気になる。



②[掴み……14pt/15pt]


 素晴らしい。めちゃくちゃ面白そう。よく考えたなーという感じで、しかも雰囲気がかっこいい。トロッコ問題からの、皇帝までの繋がり、そして少女の回答まで、すごいです。


 掴みという観点で言うと、まず少女の回答が導き出せた時点で勝ち、という感じですね。2話目には進みたくなる。


 第1話(プロローグ)に関しては現状でも充分及第点だと思います。


 でも個人的には、ちょっとした改善はした方がいいかなと感じました。さんざん改稿したかもしれませんが、くじけないで。絶対に設定その他は面白いので、ぜひとも素敵な形で書ききってほしいです。


 改善してほしい、というのは、主により「読者に優しく、楽に読めるようにしてあげてほしい」という旨の提案です。


 まず、冒頭のトロッコ問題。確かに昨今では『シュレディンガーの猫』なみにエンタメ作品にも使われはじめている問題です。


 でも万が一「知らない人もいるのでは?」ということも考慮して、先に問題の内容をさらりと説明してほしいです。そして少女の台詞ではトロッコ問題の内容についての言及は削ぎ、「ああ、トロッコ問題、か。それなら知っている」みたいな感じで調整、最後にキメ。


 すると問題を知らない読者がその回答について思いを巡らせ、「正解は何だろう?」という疑問のもと、物語を読み進めていく。そうしたらもう、彼女のキメ台詞を聞いた瞬間、イチコロですよ! 


 


③[文章……10pt/15pt]


 文章も上手いですね。とにかくキリッとしていて、格式張っているというか、気品を演出しているような感じが素敵。まさしくかつてのヨーロッパの皇族の邸宅を訪問しているかのような、緊張感があります(なんだそりゃ)


 とにかく、軍服とかが似合いそう(なんじゃそりゃ)。


 ただ、そのぶん表現が難しいのと、文章の構築、構成は苦労してますね。まだまだブラッシュアップしていかないと、アラになって目立ちそう。


 プロローグの皇帝の説明、難しいですね。もうちょっとすっきりさせると、よりシャープでカッコよくなると思います。


『学園側は、何を考えているのか』から、『ガラリと変わる』ところまでの皇帝制度の歴史の部分は、何か冗長かもしれません。


 皇帝は影の支配者→けっきょく形だけ?→学園の意図がわからんが、そんな具体的な意図なく制度を作ったのか?中途半端に?→つまんないから派閥作った皇帝がいる→みんな盛り上がる


 本当に学園サイドの意図がわからないので、のちにその秘密が明かされるのかもしれないけれど、ここでそれが露見するのは逆に「設定甘くない?」と勘繰られそうに思ってしまいました。いらぬ詮索というか、あらぬ誤解というかを、読者に与えてしまう。


 ──もとは学園統治、治安維持のための制度だったが、それに退屈したとある皇帝が、改革を試みた。それが三派閥の構築である。


 みたいに省略して、余計な情報は隠したほうが、読者もさらっとストーリーに入るし「いまの皇帝、どんな奴なんだろうな……」みたいに、皇帝への期待感を高められるとおもいます。わざわざここで皇帝という未知なる存在の位置を下げる必要はないと思いますね。


 あと、2話目の屋上でのやり取りが、ちょっとダメかもです。ごめんなさい。


 少女が水雫なのはわかるけど……あとはよくわからない。もしものちにこのシーンが読者のミスリードを誘うものなのであればまだ救いがあるけど、そうでなければ、相手がだれかを隠す必要はないので、なんかなあ…と感じています。どっちだろう。3話目の冒頭で『もちろん水雫のことである』って書いてるけど、2話目のそれがあるので、どこが『もちろん』にかかってくるかわからない。屋上の人物は青葉なのか、いや、でも自由派のリーダーとも書いてる。結局どっちだ…? と首をかしげながら読みました。


 私の感覚では、4話目でようやく青葉と水雫のつながりが明確になった感じで、それ以外では単独のシーンだと思っています。その解釈で合っているなら、それはいいのだけど……。


 とはいえ2話目の屋上シーンは、もう少し見直したほうが良いと思いました。もったいないんですよね。


 途中でキャラクターがあやふやになるような台詞があり、ちょっと混乱。どちらが喋っているのかわからなくなってしまっています。ほんとに。それと、『皇帝はここにいる』と『身を隠すのも至難の技』の意味について、解釈の仕方が多すぎて困ってしまいました。


 伏線とするには、もう少し読者に優しくしてあげたほうがよいです。現状では、やや内輪の会話感があるのはいなめず、ここだけ何を目的としたシーンかがわからないんですよね。



④[ストーリー……13pt/15pt]


 前述の文章と絡んだ評価になります。


 想像するだに設定とストーリー構成に関しては文句なしだと思いますが、文章で雰囲気づくりをしつつ、さらにシーンなどもカッコよく、という全体のハードルをぎっちぎちに上げた作品なので、その文章ひとつのミスや粗い部分で、誤解が生まれがち。


 おそらく面白い作品になる。それは間違いないと思います。だから表現も含めて、これからもっとブラッシュアップしてほしいです。負けないでください。磨き上げられて「これだ」という最適解が見つかりさえすれば、必ずほかに類を見ない輝きを発する作品になるはず。現時点でもこんなに光が漏れているのだから、あとはちょっと研磨してあげるだけで、高級ブランドの店頭に並べても遜色ないものになるはず。



⑤[キャラクター…… 11pt/15pt]


 よくもあり、悪くもあり。


 プロローグでの少女の回答、最高でした。ハードルがすごく上がるところを、見事に乗り越えましたね。素敵。


 みんなそれぞれが高みにのぼっている奴ら、という感じで、まさしくエゴイスティック。良いです。


 ただ前述のとおり、屋上シーンの表現がよくわからなくてキャラぶれが起きているように感じてしまう箇所があるので、それぞれのキャラクターの動きや描写はしっかり捉えつつ、どちらがどいうしゃべっているか、もう少しだけ丁寧に。私の中では、いまだに水雫のキャラが定まってないです。


 あと少し気になったのは、門の前に立つ門番ですね。どうしてもイメージとしては鎧兜で槍や斧を持った兵士が思い浮かんでしまい、学園の生徒だと言われても、どんな感じなのか画にしにくい。服装とか軽く描写してほしいです。



⑥[オリジナリティ、本作特有の魅力など……13pt/15pt]


 にじゅうまる。


 前述でだーーーっと語った良い点のほとんどは、この作品の持つ特別な魅力であり、それはなかなか他で類を見ない種類のものです。とても独創的でした。



⑦[続きが気になる度……9pt/10pt]


 気になる。以上。



[おさらい]

・タイトルやあらすじなど……15pt

・掴み……14pt

・文章……10pt

・ストーリー……13pt

・キャラクター……11pt

・オリジナリティ、本作特有の魅力など……13pt

・続きが気になる度……9pt



5 総合得点は──


(85)pt!


【最後に一言】


 なんか、若いエネルギーを感じた気がします。すごい。ぜひ書ききってほしいし、最適な形に磨き上げてほしい! 



6 読者のみなさまへ:


 → 受験勉強があるみたいです。更新はそんなに早くないかもだし、まだまだ粗い部分だとか、足りない部分だとかあるかもしれないけど、改善を繰り返していけば、間違いなくエキサイトする作品になると思います。


 要フォロー作だと思いますよ!


 以上、最後まで目を通していただきありがとうございます!

 気になった方は、ぜひ↓のリンクからこの作品を読んでみてくださいね!




 では、次の作品紹介をお楽しみに! 

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054917511113


創作コーチ

尾崎ゆうじ

(note) https://note.com/ozaki_yuji

(youtube) https://www.youtube.com/channel/UCu54sC6pviWQUC1eA6dqDKg/featured?view_as=subscriber 

 ※初級者向けの『ゼロから講座』は、主にyoutubeとカクヨムにて実施します! お楽しみに!

 

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