第5回参加作品の評価はここから↓↓↓

★『鏡界ノイズ』砂原樹さん

************

(尾崎ゆうじの)

『第5回小説の「続きが気になる度」を評価してみた』


 評価シート


************


作者さんへ……このたびは企画にご参加いただきありがとうございます。

読者さんへ……本ページにお越しいただきありがとうございます。

      この作品が良さそうと思ったら、作者さん並びに尾崎のフォローをお願い致します。



1 作品タイトル『鏡界ノイズ』

作者名:砂原樹さん

作品リンク

https://kakuyomu.jp/works/1177354054922434237

────────────────

2 本作のキャッチコピーとあらすじ引用(抜粋)

 

(キャッチコピー引用)


『狂気に呑まれるな。帰りつきたいのなら。』


(あらすじ引用)

 

『午前零時。合わせ鏡を覗いた先に続く道は、異界に通じている。


目覚めた世界は、何もかもがおかしかった。

文字盤が逆になった時計。テレビで流れる鏡文字のテロップ。家の間取りも、通学路も、学校も、全て左右が反転していて、違和感が付きまとう。

何もかもがが真逆で、おかしな世界。


逃げるように閉じこもった自分の部屋で、大きな姿見の中に映った俺は、好き勝手に動いていた。

その、俺の姿をした何かは、紙に文字を書きつけると、鏡越しに突き出した。


『元の世界に戻りたい。協力しろ』 


※本作品には死の描写や鬱表現等が含まれます。 』



 ※以上、引用でした

────────────────

 

3 尾崎が作品を最初に読んだ日: 


 2020年10月8日 



4 各項目の評価・採点(各最高15ポイント(⑦のみ10ポイント)):


・今回から『評価モード』というシステムが設けられました。

 ※モードの詳細が知りたい方はこちらを参照ください。https://kakuyomu.jp/my/works/1177354054914254604/episodes/1177354054933984345


 本作のモードはノーマルです。グロ、鬱表現があるみたいです。わくわく(?)。 


 1話目の文量が結構多めだったので、時間内で読めたのは第2話の途中まで。肝心のグロまではいけませんでした。うーん、あとで読みたいと素直に思いましたが、どうしよう。えぐみのあるダーク作品は好きですが「結局俺も現代っ子のひとりか…」と俗物感を感じ、勝手に少し自己嫌悪しました笑


 評価の大部分は時間内で読めた部分なので、ptとは関係ないですが。


 結局5話目まで読んだので、そのぶんで気になったところがあったらコメントちょっと残してます。より良くなってほしいから!



①[タイトルやあらすじなど……12pt/15pt]


 タイトルは可もなく不可もなく。虹色デイズ、みたいな感じですね(無関係)。


キャッチコピー、なんか良いですね。デスゲームとか、パニック系の雰囲気を醸しています。


あらすじ、雰囲気も引っ張り具合もすごく良い。期待感が増すし、これだけで1話目を読んでみたくなる。


ですけど、1行目と『目覚めた世界は』の部分にもう一つ具体性のあるステップが欲しいと思いましたね。理解できるけど、すぐに想像がつかないというか。読んでいて、「異界の中に入り込んだ自分」を素早くイメージできなかったので、良いんだけどちょっとまどろっこしいかもしれないなと感じました。


まごまごしちゃって、ちょっと足止めを食らってしまうようで、もったいない。その先まで順調にステップを踏んでいけば一定の読者は第1話へ勝手に進んでくれそう。一応の提案でした。ちょっとだけ、考えてみていただければ幸いです。



②[掴み……12pt/15pt]


 冒頭少し長めかもしれない。必要な長さだと感じているのなら、最初の方でスプラッタ系を連想させる描写とか、無駄に挟んでもよいかなと思い、勝手に例を上げてみます。たとえば三上がやってるのがグロ系のゲームとかで、その画面を俺に見せてくるとか。


 いまはオカルトへの好奇心オンリーで引っ張ろうとしているので、少し弱めかもしれません。


 でも、飛んですぐ異界にいるのは素敵。ばっさりやって、かっこいいです。描写もいいし、キャラが家を歩く動機もいいですね。キャラ起ちもできて一石二鳥。



③[文章……13pt/15pt]


 全体的にさらさらしていて上手いです。腕上げたような気がします。異界の表現や描写がすごくいい。


 ただ各人の台詞(3人の絡み)はちょっと読みづらいかもしれません。


 あと細かいことを言うと、リモコン落下直前の表現、なんか大げさ? な気がしています。


なんで気になるのかというと、それのせいで後の『痛み』の心理描写が弱くなっちゃってるように思えるから。リモコン自体が何かやっちゃうのでは? みたいな警戒心を持ちながら読んでしまったので、「あ、ああ、そっち!? たしかにね!」という湾曲した驚きになってしまいました。もったいない。そこはストレートに落下→痛い→あれ? のほうが個人的には良いんじゃないかなって思ったのですが、もし同意いただけるなら、修正かけてみてください。


ちなみにリモコン『大きく傾ぎ』になってますよー。


 それと4話目、かな。茶色の物体がもにょもにょするところとか、鎌のところとか、雰囲気はいいんだけど、ちょっと視覚的じゃなくて何がなんだか……という感じでした。主人公が状況を認識できていない、としても、それは読者を優先してあげたほうが優しいかなと思います。具体的には茶色の描写をもう少し。あとは鎌の行動がもたらした結果も、もう少しほしいです。


ここ、頑張るところですよ!



④[ストーリー……14pt/15pt]


 すごくいい感じです。ぞくぞくするし、主人公が良い具合に異界を徘徊し、あとで愕然とするところがまず良い。


 構成も良いと思います。第1話冒頭を普段の3人の絡みで始めるのであれば、『掴み』で提案したような、読者へのジャブや牽制球を打ち込んでおくと、緊張感が出そうですよ。良ければお試しあれ。


 ただ、誰も死んでないのに死屍累々はちょっとズレてるんじゃないかな、とは思いましたね。タイトル詐欺みたいな、ちょっとしたがっかり感があったことはお伝えしておきます。みんながそう思うとは限らないですけど、私は「あれ……?」と感じながら読んでました。


 三上で引っ張るの、良いですね。



⑤[キャラクター……11pt/15pt]


 3人の悪ガキども、という感じで、なかなか良いですね。今後の異界で彼らがどういうふうになっているのか、はたまた三上は!? という興味が湧きます。


 特に主人公が良いですね。怖いもの見たさというか、オカルトに惹かれてやっちゃおーぜ、という軽率さと、エネルギッシュな悪ガキ感が舞台に合ってる気がします。彼がどう変化していくのかが楽しみ、そういう物語ですね。


逆に冒頭を読んだかぎりでの羽柴がちょっぴり好きになれないかも。微妙に揺らぐ感じや迷いはリアルな人間には存在しますが、ちょっとこの物語上のその場面では、どっちなんだよぉ、という感じでした。強がっている雰囲気でもないし、どう表現したかったのか、ほんとに微妙に伝わらず、です。ごめんなさい。


 もしかするとまだ書きながら彼の性格を探っている最中だったかもですね。あとでちょっとだけふり返って「そういえば冒頭がどうとか、尾崎に言われたな」なんて思い出してもらえたらうれしいです。


 そのうえで、私が感じた違和感というか、羽柴のあやふや感をたしかめてほしいですね。もし「これぞ羽柴」な感じならば、単純にちょっと台詞を減らしてあげた方がいいかなと思いました。寡黙というか。ストーリー進行もスムーズになりそう。掴みの部分で感じた「長めかも?」という箇所にかかってるところですね。


 5話目まで読んだ感じでは、そういうことかーと思ったけど、やっぱり羽柴はちょっとだけ固めてあげた方がいいかも。


 それより、5話目までの主人公の心理描写めちゃくちゃいいですね。混乱して怒ってわけわかんなくなって、そんで自責の念…みたいな。提示する順序やタイミングがすばらしい。



⑥[オリジナリティ、本作特有の魅力など……11pt/15pt]


 すごくオリジナリティ! というわけではないとおもうんですが、異界描写はなかなか一見の価値ありだし、同ジャンル内でも上質な部類に入る作品だと感じます。一区切りついてどんな具合か…それによっては、一つの雑誌のホラーやデスゲジャンルのような一角を担っていても違和感ない感じですね。


他の同様の作品にぎりぎり埋まらずにいられるんじゃないかなと思います。それくらいのオリジナリティはあると感じました。良きです。



⑦[続きが気になる度……9pt/10pt]


 作者さんによる「グロ描写あるんですけど…」という前置きによりバイアスがかかった可能性も否定できないので、10はつけませんでした。


 いやー、やべっすな。読んじゃいました。


(個人的には●●がある世界、というのは良いとして、途中の茶色や鎌展開が「そっちかあ…」と少し期待と違って残念に思ったんですけど、きっと「そっちキタ!」と喜ぶ読者もいると思うので、それは好みの問題ですね)


 何はともあれ、追いかけてみたいのは事実です。気になるどー、ですね。


 いやー、応援したくなりました! ……でもこういうのでテンション上げてる感じを他の作者さんや読者さんに見られるのは、ちょっとやだなぁ笑



[おさらい]

・タイトルやあらすじなど……12pt

・掴み……12pt

・文章……13pt

・ストーリー……14pt

・キャラクター……11pt

・オリジナリティ、本作特有の魅力など……11pt

・続きが気になる度……9pt



5 総合得点は──


(82)pt!


【最後に一言】


 ……とりあえず気になってしまって、5話まで読みました。


 ……怖いなぁ。この作品のそこかしこが。


先日決めた評価基準に照らしながら採点したら、私の感覚よりも少し低めになりました。これがノーマルモードって感じですね。……が、魅力はあるなーと思いました。すごく良かったです。



6 読者のみなさまへ:


 → ホラー系、スプラッタ系が苦手な方は、ちょっとやめた方がいいかもしれませんね。スプラッタ描写はそれなりに抑え気味というか、抽象化されている状態ではありますが、やっぱり苦手ジャンルを無理して読むことはないですからね。


 以上、最後まで目を通していただきありがとうございます!

 気になった方は、ぜひ↓のリンクからこの作品を読んでみてくださいね!

https://kakuyomu.jp/works/1177354054922434237



 では、次の作品紹介をお楽しみに! 

 


創作コーチ

尾崎ゆうじ

(note) https://note.com/ozaki_yuji

(youtube) https://www.youtube.com/channel/UCu54sC6pviWQUC1eA6dqDKg/featured?view_as=subscriber 

 ※初級者向けの『ゼロから講座』は、主にyoutubeとカクヨムにて実施してます! 一緒にゼロから小説創作たのしみませんか?

 

************



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る