☆『或いは惑いの域』MAPRILさん
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(尾崎ゆうじの)
『第5回小説の「続きが気になる度」を評価してみた』
評価シート
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作者さんへ……このたびは企画にご参加いただきありがとうございます。
読者さんへ……本ページにお越しいただきありがとうございます。
この作品良さそう、と思ったら作者さん並びに尾崎のフォローをお願い致します。
1 作品タイトル『或いは惑いの域』
作者名:MAPRILさん
作品リンク
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917488496
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2 本作のキャッチコピーとあらすじ引用(抜粋)
(キャッチコピー引用)
民間伝承と都市伝説 幽霊と人間の悲哀と親和
(あらすじ引用)
周囲からの視線が気になり孤独を選んだ男 卯川瑞和は今日も一人。
高校生活初めてのゴールデンウイークすらいつもの土日と同様に特に楽しみもせず自堕落に過ごした。
再び学校に通う日々が到来する。
そして投稿初日、同学年が電車に跳ねられた事件を聞くがそれにも無関心だった。
(以上本文でした)
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3 尾崎が作品を最初に読んだ日:
2020年10月10日
4 各項目の評価・採点(各最高15ポイント(⑦のみ10ポイント)):
・特に作者さんからの要望は無いようだったので、評価モードはノーマルです。
時間内で読めたのは、2話目『退屈な日々1』の途中まででした。文章に特徴があるので、文量に対して時間がかかった印象です。ちょっと頑張って2話目の最後まではざっと読みました。
①[タイトルやあらすじなど……8pt/15pt]
タイトルの字面は絶妙です。『或』してますね! けっこう良いと思います! うなりました。
キャッチコピーはあんまり刺さらない気がしますね。漢字の名詞ばかりなので、読者を掴もうという感じではないのかなと思います。専門書とか、学術論文のタイトルという印象です。そういう意味ではあんまり良くないと思いました。仮に内容が面白かったとしても、面白くなさそうな見た目ですよ。すごく損してます。
「あいつ、実はめちゃくちゃ面白い奴なんだぜ」と友達がフォローしてるのに、むっつり黙って本を読んでる奴、という状態です。せめて少しくらいリアクションとればいいのに。つまり動詞だとか、動きのわかるワードが一つくらいあるといいかなと思いましたね。参考までに。
たぶん、あらすじに誤字ありますね。それとあんまりあらすじとしては成立していないように思いますね。孤独で、周囲に無関心で、自分の世界に閉じこもっている男子高校生の休日あけ……。
どっちかというとそのあとが知りたいなと感じたんですけど、まあ、それは一般論といえば一般論なのかもしれませんね。
我が道、という雰囲気でしょうか。
②[掴み……6pt/15pt]
いやーな主人公のモノローグという印象で、それなりに気になって読んでしまいますね。でもなんだか、読みながら胸がもやもやと嫌な気持ちになります。正直なところ、個人的には好きこのんで読みたい出だしでなはいかなと思いました。
主人公の置かれている状況や葛藤に対しては共感できる気がします。じわじわ読ませていく感じなので、企画としては、「結局どういう話になるのかな?」と探りに行きたい気持ちになりました。とはいえ、掴みとしては微妙な気がします。まっさらな状態で読んだら、2話目まで読みたいとは、思わないかもです。ごめんなさい。
③[文章……6pt/15pt]
句読点をほぼ使わないので、読みづらくはあります。あまり読者に優しい印象ではないです。どんな言葉を言い出すのか文脈も想像しづらいので、やはり読むのは苦労しますね。まあ、個性の部類といえば個性の部類なのかもしれませんが……。
句読点うつのめんどくさくさい時ありますよね。気持ちはわかります。あれ、私だけ?
でも行頭の一字空けくらいはした方がいいかなあと思うんですけど基本的な文章のルールとしてもそうだし事実として無駄に読みづらくなってしまうのであまり得策じゃないですよー。
あと、誤表記でしょうかね。『そこまでして学校側は悪くない事を証明したのだろうか。』になってますが、作者さんにとって正しいか、確認してください。
2話目『退屈な日々1』では、ちょっとそういう感じの?な表記が散見されますので、改めて読み直すことをお勧めします。
④[ストーリー……7pt/15pt]
評価をしようと思うと不利だなあと思いました。前述のとおりじわじわと進んでいくので、結果的に読んだ範囲だけでは、『同学年の人』が電車にひかれて亡くなったこと以外に筋がわからないので、ちょっと判断が難しかったです。悪く言えば主人公の身の上やモノローグ、価値観などが先行して、展開が後ろに押し出されていっている感じです。つまり進行が遅い。
⑤[キャラクター……9pt/15pt]
主人公に共感できないこともないけど、うーん……なんかズレてるような。いや、文章の妙で、ズレているように読めるのかも。なぜそう感じるのかというと、1話目、2話目ともに論理的にぶれたり、一気に2,3歩先に飛んだりして、読者の理解を置いてけぼりにされている感じがします。
『友達』とか『級友』とかじゃなく、『知り合いと一緒に帰った記憶』、という箇所はなんか切ないですね。主人公の悲哀が伝わってきます。理解できる読者とできない読者がいそうですけど。
2話目、道を自転車で走っているときに学生の姿が目につかなくて小さな幸福を感じるところがユニークで、私もひねくれていた年頃には、そんなふうに感じたかもしれないと思い、少し感心しました。あんまり他の作者さんが切り取らないシーンかなと思います。
ただ、誰しもが感じる「そうそうあるある!」というような感覚ではないので、いきなり『小さな幸福』と書いてしまうと、「どこが幸福なの?」と首をひねる読者は多いと思います。主人公が寂しさも同時に感じているだけに、なおさら理解できない人は理解できないので、そういうリスクは孕んだ書き方ですね。
もし良ければ、どうしてそれが幸福となるのか、何かでたとえたり、理由をさらりと説明できないか模索してみるとよいのかな。
⑥[オリジナリティ、本作特有の魅力など……7pt/15pt]
文章と主人公(本作ではほぼ同義)は独特といえば独特。
読んだ範囲だけでは、それくらいしかわかりませんでした。タイトルはちょっとプラスポイントだと思います。でも、タイトル派生で物語を作っているとすれば、けっこういばらの道かも。
⑦[続きが気になる度……3pt/10pt]
企画としては気になるけど、普通に読んでいたらきっとそうならないかなあと思いました。申し訳ない。
[おさらい]
・タイトルやあらすじなど……8pt
・掴み……6pt
・文章……6pt
・ストーリー……7pt
・キャラクター……9pt
・オリジナリティ、本作特有の魅力など……7pt
・続きが気になる度……3pt
5 総合得点は──
(46)pt!
【最後に一言】
うーん、判断が難しかったです。
いちおうどういう物語にしたかったのかなあと思って企画外で3話目まで読んでみたのですが、「そういう話なんだ、へー」という良い意味での驚きがありました。
もっと上手く書ければ、独特な世界観の物語が構築できると思いますけどね……。もう少し繰り返しブラッシュアップしてみるといいかも。文章が読みにくいというより、読者がどういうふうに感じながら読んでいるかに注意しつつ、文章を組み替えて連れていく感じでしょうか。
今回の私の企画が少しでも役に立てばいいなと願っています。
6 読者のみなさまへ:
→ ちょっと取っつきづらいかもしれません。でも作者さんの参考にはなるかも。けっこう1人称主人公が疎外感を感じつつダークな心理描写をしていく作品って見かけるんですけど……なかなか共感されにくいから、それを踏まえて読み進めさせるよう仕掛けを作っていくのって、実は難しいんですよね。
そんな作品に挑戦したけど、どうも上手くいかない、思ったような反応がもらえない、という方は、この作品を評価と照らし合わせながら読んでいくと、何か気づきがあるかもしれません。他人の作品なら冷静に読めるはず。
以上、最後まで目を通していただきありがとうございます!
気になった方は、ぜひ↓のリンクからこの作品を読んでみてくださいね!
https://kakuyomu.jp/works/1177354054917488496
では、次の作品紹介をお楽しみに!
創作コーチ
尾崎ゆうじ
(note) https://note.com/ozaki_yuji
(youtube) https://www.youtube.com/channel/UCu54sC6pviWQUC1eA6dqDKg/featured?view_as=subscriber
※初級者向けの『ゼロから講座』は、主にyoutubeとカクヨムにて実施します! お楽しみに!
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