『眠れる塔の魔法使い』小林礼
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第3回気になるどープロジェクト 評価シート
1 作品タイトル『眠れる塔の魔法使い』
作者名:小林礼
2 作品のリンクはこちら↓
https://kakuyomu.jp/works/1177354054887122175
3 尾崎が作品を最初に読んだ日:
2020年 8月 31日
4 メモ(感じたこと、作品内容など):
① 今回も特に要望は無かったので、いつもどおり読んで評価しました。
明らかにコメディ色の強い作品だよなあと、トップ画像を見た時点で感じていました。結果的に2話目まではすべて読むことができました。
② (良かった点)
(1) トップ画像に散らばるユーモア
キャッチコピーやあらすじもユニークですが、個人的にはタグ付けされている『ボーイミーツおっさん』に惹かれましたね。そんな小さなところでも、なんか読んでみようかな、と考える要素になるのだなあと勉強になりました。
(2) スムーズな第1話
だらだらすることなく軽快に進み、多少あえて脱線させつつも盛り上げて、きちんと最後のオチまで持って行く、という流れが非常にスムーズでした。なかなかどうして、素直に優秀だなあと感じた次第です。
(3) 文章のうまさと対照的な「何それ」感
文章が上手です。特に第1話は上記のとおりさくさく進んでいきます。台詞らしい台詞もない主人公1人の語りですが、ボケるところはボケて、というバランスが妙ですね。多少突っ込みが少なめかもしれませんが、すらすらと流れるように全ての経緯を説明しつつ、「何それ笑」的なボケを混ぜて進んでいく感じは、「ああ、コメディ好きなんだなあ」という印象を受けました。
③ (全体を通して気になる点・主な指摘事項)
今回はささっと1話、2話をまとめて読むことができて、ちょうどよく動画でまとめることができました。
ほぼ言いたいことはそちらで全部話しているので、評価シートでの指摘は簡単にまとめたいと思います。
※もし普段は動画観てないという方も、良ければ覗いてみてくださいね。
(1) あらすじでちょっとイメージがしづらい?
シンプルで良いあらすじですが、動画でも話しているとおり、画として浮かぶ部分が少ないというか、なんだか言語情報だけでまとまっていて、少しもったいない感じがしました。
とはいえ仮にそのままでも特に問題ないと言える程度の話かなと思います。もし気になる場合は動画開始5分くらいのところで解説していると思うので確認してください。
(2) 第2話という階段をのぼれるか
正直なところ、第1話はすごくなめらかに進んでいくのですが、第2話でその流れがストップしている印象です。
途中でおっさんが口にする『美女と野獣』の話が特徴的で「もしかしてそこが軸なのかな?」と思うほど、良い視点でその物語を捉えているなあと思うのですが、それ以外はほぼストーリーと関係ない部分の言い合いで終始してしまうので、引っ張られないなあと感じました。
コメディ小説の難しいところだと思います。まあ結局は読者をいかに引っ張るかの問題なので、ジャンルが何であれ、読者の気を引く何かが無いと先には進まないのです。
(3) そもそも誰が得をするのか……と感じた俺。
誰得なコメディ作品を書きたくなる衝動はすごく理解できますが、小説であれば特に、誰をターゲットにしているか、という問題は重要だと思います。
いち男性読者として「読みたくないなあ…」という感想を私は抱きましたが、それについては動画でかなり喋ってますので割愛します。
しかしながらこれは本作の感想と少し離れますが、ギャグやコメディ要素を小説に上手く使うのは本当に難しいと感じる今日この頃なんですよ。
同じように誰得で考えると──。
私は小学生のころ『ミスタービーン』にハマりました。さすがに断片しか記憶にないですが、すべてのエピソードを地元のレンタルビデオ店で借りて観ました。
……でもよく考えたら、あんなおっさんがひとりですったもんだしている作品なんて、誰が得するというんでしょうね。それなのにわくわくしながら漁るように観ていたのは、やはり映像作品だからこその良さがあったのかなと思います。もちろん笑い要素のクオリティが高いのは絶対条件。
小説って本当にハードルが高い。笑いを誘うためのチャンネルが少ないうえに、そのほかにも制約があって……今さらながら、葵せきなさんやおかゆまさきさん、竹宮ゆゆこさんなど、あんなふうに『笑い強め』でありながらも、何作もシリーズを読ませ続けるなんてすごすぎる。しみじみとリスペクトを送る次第です。
というわけで、あとは動画で。
☆もっと詳細が知りたい方は、こちらのyoutube動画をご覧ください。
口下手の尾崎ゆうじが一生懸命細かく解説しています。(だらだらしてるので倍速再生推奨!)
動画のリンク↓
https://youtu.be/ZQvdmXuT9lY
では、採点に移ります!
5 この作品の『 続きが気になる度 』は……
…
……
…………
【40%】です!
おそらく作者さんは「この作品、思っていたような反応にならなかったなあ。完結したけど、ぶっちゃけどうだったんだろう?」という感じの動機から、応募いただいたのだと思います。他にも魅力のありそうな作品を書いてますからね。次へのステップアップのために清算しとこうかなー、という気持ちなのでしょうか。勝手な想像だけど。
感想は上記のとおり。でも文章は上手いなあと思ったので、いちおう存在する評価基準に照らして採点しました。
6 読者のみなさまへ:
→ 誰にお勧めしたらよいか、よくわかりませんが……
「おっさんが出てくる作品が好きです! というか自分おっさんが大好きです!」
という読者なら、もしかしたらワクワクするかも。銀髪でやや小汚いちょい悪おやじ的なおっさんですが、いかかでしょう。
以上、最後まで目を通していただきありがとうございます!
気になった方は、ぜひ↓のリンクからこの作品を読んでみてくださいね!
https://kakuyomu.jp/works/1177354054887122175
では、次の作品紹介をお楽しみに!
尾崎ゆうじでした!
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