★『男なのに乙女ゲームのヒロインに転生した俺の味方は、悪役令嬢だけのようです ~ぐいぐい来すぎるイケメン達にフラグより先に俺の心が折れそうなんだが~』綾束 乙

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 第3回気になるどープロジェクト 評価シート



1 作品タイトル『男なのに乙女ゲームのヒロインに転生した俺の味方は、悪役令嬢だけのようです ~ぐいぐい来すぎるイケメン達にフラグより先に俺の心が折れそうなんだが~』


作者名:綾束 乙


2 作品のリンクはこちら↓

 

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054892302117


3 尾崎が作品を最初に読んだ日: 


 2020年 8月 29日 


4 メモ(感じたこと、作品内容など):


① 特に要望はなかったので、いつも通りの感覚で書評していきます。


 かなり人気作という感じで、10万PV超っていうのは素直に尊敬しますね。すごい! 


② (良かった点)


(1) 掴み3要素がこれでもかと…!


 タイトルの長さ(サブタイトル含む)については賛否あるでしょうが、どこを取っても作品の内容がわかりやすく、しかも「どんな話になるのだろう」とそそられるような魅力を感じます。


 長文タイトルについては、個人的には私も「またこんな長いタイトルで異世界転生かあ?」と溜息まじりになりますね。とはいいつつも、やはり「えーっと、どれどれ?『男なのに乙女──』」と読んでしまいますので、読者の性というか、自分でも気づけば行動してしまっているという事象に、人間の本質がかくれているのだろうと思いました。ありがとうございます。

   

(2) 第1話冒頭のスムーズさ


 異世界転生といえば、現実で突然の死を迎え、そのまま異世界に飛んでしまい、主人公はその状況に戸惑う──というのが基本形ではありますが、それを踏まえたうえで、本作は導入が驚くほどスムーズで、かつ無理のない流れになっています。脱帽です。


 舞台が過去に主人公がプレイした経験のあるゲームの世界であり、かつ彼のキャラクターも相まって、しっかりとコメディの土台ができているおかげでしょう。サクサク進むことに対して、まったく疑問を抱かずに読み進めてしまいますね。


(3) 主人公の突っ込みとリアクションの的確さ

  

 これはおかしい、という部分を的確に突っ込み、そしてきちんと地の文でリアクションする、フォローする、というところに実力を感じます(作者さんの)。



③ (全体を通して気になる点・主な指摘事項)


 今回ももちろん動画を撮影したのですが、そんなに指摘事項がなく、ただただ読んで感想を述べ、最後にちょっとまとめたり、多少の脱字っぽいのをお知らせしたり、という程度の内容に留まってしまいました。


 作品の完成度(とくに前半部分)がいかに高いかを物語っており、私の動画は主に指摘のためにあるのだなー、という実感を得ました。ありがとうございます。


 ※でも打ち込んでいるうちに、動画では触れてないことも思いつきましたので、少し書いていきます。



(1) 主人公の口調


 序盤では彼もキャラクターをとりあえず保つために、置きにいきました……という感じで丁寧口調にするのは自然で良いと思うのですが、徐々にストーリーが進んで他のキャラとの絡みが出てくると、どうしてそんなに自然にお嬢様口調が出てくるのか、いや、そもそも絡まれたくないイケメンキャラたちに対して、どうしてそこまで丁寧な口調を貫く必要があるのか……という疑問は湧きました。


 別にゴリゴリの野郎口調じゃなくても、ちょっと荒っぽく「そうっすかねー」くらいのやり取りをしてもいいわけじゃないですか。


 序盤以降で、彼が「丁寧口調でいくぜ」という選択をした理由については、一文でもフォローが必要かなと、私が読んだ限りでは(4話目までそれなりに熟読)感じました。


 まあ、要は場の空気を読んだのだろうし、ハルシエルとして生きることを覚悟するようなモノローグ箇所もあるので、不要といえば不要かもしれませんけどね。イケメンに絡まれたくない以上は、何かしらそうする理由を説明してくれた方がいいかなと思いました。


 作品のおもしろさとしては、お嬢様連中のなかに粗野な男勝りのハルシエル、という構図の方が刺激的だとは感じますね。



(2) もっとひねる必要性があるのでは?


 面白い。とりあえず読んだところまでは面白かった。


 しかし下記で取り上げる内容との絡みもあって、じゃあ前半で掴んだけども、その後は何をどうしましょうか──というところに刺激が少ない感じがします。


 悪役令嬢を追う。その障害物としてイケメンたち、という構図は面白いけど、たとえば一緒に死んだであろう家族が一人ひとりモブキャラになっていたり(特に姉とか)など、かき回し要因があるとさらに引っ張られる感じがしますね。



(3) 誰が得をするのだろう? 誰に喜んでほしいんだろう?


 これが本作において一番あたまの痛い問題点かなと思います。


 これについては、動画でも結構語っている(最後のまとめなどで)ので、よければそちらを参照ください。テコ入れだったりをしようとしても、どちらの読者に手を差し伸べている作品なのかがわからないことには、どうしようもないですよね。ラブコメなのであれば、特にです。


 ※補足


 動画で喋ろうと思っていたのに忘れてたので、ここで補足します。


 第3話で、『ハルシエルの中身が藤川陽だと知られたら、面倒ごとになる予感しかしない。』という箇所があるのですが、ここはそもそも藤川陽という個人のことなど誰も知らない完全にフィクションなゲームの世界なので、それを言うならば『藤川陽』じゃなくて『別世界から来た男子高校生』のような、広い括りとしての自分を指す必要があるんじゃないかなーと思いました。


 ハルシエル…あなたってまさか、藤川陽なの? というお話には、どう転がってもならないじゃないですよね。(まあ、家族や知人もこの世界に転生している転かいになるなら別ですけど)



 というわけで以上です。あとは動画に譲ります。

 

☆もっと詳細が知りたい方は、こちらのyoutube動画をご覧ください。

 口下手の尾崎ゆうじが一生懸命細かく解説しています。(だらだらしてるので倍速再生推奨!)

 

 動画のリンク↓  

 

 https://youtu.be/VYBah9Mo9gs


 では、採点に移ります!



5 この作品の『 続きが気になる度 』は……

 

 …


 ……


 …………


 【95%】です!


 じつに優秀です。設定の魅力、語り口の魅力、どれもがハイクオリティ。


 とりあえず掴みと第1話の引っ張り具合は恐ろしく、2話、3話、4話とさらさら読み進めたので、それなりの採点はせねばなるまいと思った次第です。


 「こりゃ100%だ!」と言い難いのは、この設定の面白さだけで終わってしまうのでは? という懸念が4話まででぬぐえなかったことと、指摘事項の(3)で示したような事情も垣間見えたからです。


 こればかりはそもそもの設定も絡んでくるので、惜しいなあ…という一言で済むのだろうか、という感じですね。仮に伸び悩んでいるとすればその辺りに原因はありそうですが……ではどうするのか、という点については作者さん次第だなと思います。



6 読者のみなさまへ:


 → とにかく面白いのは面白いので、ぜひ読んでみてほしいです。とはいえ「誰に向けてお勧めすればいいのだろう?」という疑問はあります。


 できればどなたか読んでみて、その後の展開について教えてください。せめて男向け、女向けくらいは知りたいなあ。



 以上、最後まで目を通していただきありがとうございます!

 気になった方は、ぜひ↓のリンクからこの作品を読んでみてくださいね!


https://kakuyomu.jp/works/1177354054892302117


 では、次の作品紹介をお楽しみに!


 尾崎ゆうじでした!

 

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