★『この音が聴こえたら』國信
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第3回気になるどープロジェクト 評価シート
1 作品タイトル『この音が聴こえたら』
作者名:國信
2 作品のリンクはこちら↓
https://kakuyomu.jp/works/1177354054919169428
3 尾崎が作品を最初に読んだ日:
2020年 8月 28日
4 メモ(感じたこと、作品内容など):
① コンテスト応募作ということで、気合が伝わってきますね。そんでもって、作者さんからの要望が3つあったのでそれも踏まえて読み進めました。
1話目を読んで時間もあったので、その後の展開はどうするのかなー、という気持ちで第2話も読みました。
② (良かった点)
(1) ダンス描写が良い
作者さん本人が心配していたダンス描写ですが、非常にかっこいいですね。ブレイキンなので、なおさら激しさが伝わってきます。熱いです。
動画でも述べていますが、一箇所だけ「一般読者にとってややこしいかも?」と首をひねった部分がありました。とはいえ勘繰りのようなレベルのもので、たぶん一つの専門用語(しかも難しすぎない)としてスルーできる範囲じゃないかなと思います。
魂をだいぶこの部分に込めたなあ、という感じがします。とても良いですね。
(2) テーマがハッキリ。
私が今回読めたのは第1話と2話ですが、その時点でテーマがはっきりしていてわかりやすいです。主人公の境遇にも共感できました。
これが小説の世界でなければ「ダンスやめたら?」と真剣にアドバイスしちゃいますね。あるいは「他人と比較するのをやめたら?」かな。
(3) リアリティ
世界大会がアメリカで行われているということですが、その会場の雰囲気が出てます。リアリティがしっかりしてますね。向こうのダンスバトルとなれば、そんな雰囲気だろうなー、というイメージが湧きます。
(4) まとまってるう!
文章が全体的にちゃんとまとまっていますね。安定感があります。構成もしっかりしていますし、これからどうなるか、という感じではありますが、ぶっとんだ急降下はしないだろうなあと落ち着いて読めますね。
③ (全体を通して気になる点・主な指摘事項)
これといった指摘事項は無いです。動画でも少しの提案と、誤字などの指摘をしている程度です。いちおう他の作者さんと読者のために、前もって列挙しておきます。
(1) タイトルがストリートっぽくない?
青春小説っぽくはあるのですが、ストリート感はあんまり感じないなあと思ったんですよね。まあ、でも好みですしね。作者さんの気持ちと、対象読者が誰でどんなワードに反応するかで決めていただければいいのかなと思います。
(2) 第1話冒頭
出だしは良いっちゃいいけど……私はまだ何も知らず信頼関係を築けていない人物から天才とか才能とかの価値観を語られ、上から押しつけられるのは好みじゃないなあと感じました。
それなりに納得できる内容ではあるし、主人公がそもそもその道のトップランカーであり、そのうえで自分の才能に限界を感じ、体感として得たものを提示している──と捉えれば「ははぁー」と傾聴するでしょうが、「いや、でもフィクションだしなあ」と思うと、わずかばかりの反発心が芽生えます。
この部分を読んでスルーしきれない自分がまだまだ子供なだけなのかもしれませんが……そんなにいい気分じゃないですねえ……どうしたものでしょうか。私だったら、この天才に対する持論は、主人公が何者かを充分紹介できたあたりに持ってきた方が無難かなと思いました。動画では残す方針で語っていますが。
持論というものは、正しいかどうかが問題じゃなく、誰が言うかどうかで相手の反応が変わる、というのは理解いただけると思います。
最近の例でいうと、大阪なおみさんが黒人差別問題に言及し、良くも悪くも賛否を巻き起こしましたね。私は黒人差別も警察の暴挙もスポーツ選手の行動に目くじらを立てる人間も、すべて無視できない問題だと思いますが、そういった明確な答えのない主張に反発心を抱く人はいますからね。
特に天才と凡人といえば、現在才能の壁と戦っているような現役スポーツ少年や、あるいはプロの作家を目指して日夜努力している人などへ余計な刺激を抱くおそれのあるデリケートな話題なので、初っ端にいきなりそれを持ってきて突きつけることにリスクはあるんじゃないかなあと考えます。
冒頭であえてそれを刺激して先を読ませるか、あるいは素直にサッとストーリーへ連れ込むか。
どちらも作戦としてはあり得ますけど……作者さん次第ですね。
(3) キャラクターの台詞たまに説明口調
詳しくは動画で述べてます。
☆というわけで、もっと詳細が知りたい方は、こちらのyoutube動画をご覧ください。
口下手の尾崎ゆうじが一生懸命細かく解説しています。(だらだらしてるので倍速再生推奨!)
動画のリンク↓
https://youtu.be/FXqHKsoJ9v8
では、採点に移ります!
5 この作品の『 続きが気になる度 』は……
…
……
…………
【90%】です!
100%というほど引っ張られなかったのは、きっと私の好みが関係しているかも。あと他作では掴みの3要素も含めて評価しているので、それも含めると考えたら、少しだけ低くした方がいいかなと判断しました。でも充分面白いと思います。
この調子で進み、展開させ、盛り上げて、きちんと落とすことができたならば、よほど畑ちがいのところに応募しないかぎり、最低でも1次審査はパスするでしょうね(コンテストの審査員はしたことないんですけど……そのつもりで読んでほしいということだったので)。
かつて一度だけ読者モニター的なものに絡んだことがありますが、その時の佳作(?)よりは上手いし、魅力があるかなと思います。それにかつて1次選考を通過した拙著2作品よりも、クオリティ高いですしね。
ちなみにお節介ですが、カクヨム上のあらすじは読まなかったけど、応募時に添付する方のあらすじは、けっこう大切だと思うので、あまり粗末にしないよう、丁寧に書いてあげてくださいね。(あくまで私見です)
6 読者のみなさまへ:
→ ザ・青春です。若々しく、苦々しい。
もしたら、『青のオーケストラ』っぽいイメージかも。そういうのが好きな方は、一読の価値があるかもですね。
ダンス作品といえば、『YOU GOT SERVED』が私の中で最高だったのですが、本作からはそれくらいの熱量が生まれる可能性を感じます。
そんな熱さと青さを感じたい方へ、ぜひ読んでほしいかな。少なくとも1,2話のクオリティは高いですよ!
以上、最後まで目を通していただきありがとうございます!
気になった方は、ぜひ↓のリンクからこの作品を読んでみてくださいね!
https://kakuyomu.jp/works/1177354054919169428
では、次の作品紹介をお楽しみに!
尾崎ゆうじでした!
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