第1.5回『気になるどー!』

☆(お試し①)『この世界に鍛冶屋はいらない』たかしゃん

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(おためしモニター企画)

 第1.5回気になるどープロジェクト


 まず作者さんへ、モニターへのご協力ありがとうございます!

 

 この企画は、第2回気になるどープロジェクトを前に、作者さんのため新しく『動画も使ったより詳しい評価・指摘』ができないかと考えまして、果たしてそれが上手くできるのかという判断を下すためのお試し企画です。


 評価シートの構成は、①事前情報の紹介、②読んでみて良かった点、③指摘事項をざっと ④より詳細な指摘・感想の動画、⑤採点、となります。


 今回はモニター企画として特別に、タイトル~あらすじ&1話~3話まで読んでいきます。


 それではさっそく参りましょう!



1 作品タイトル『この世界に鍛冶屋はいらない』

作者名:たかしゃん


2 作品のリンクはこちら↓

 

https://kakuyomu.jp/works/1177354054888522989


3 尾崎が作品を最初に読んだ日: 


 2020年 8月 10日 


4 メモ(感じたこと、作品内容など):


① (読む前に、事前情報など)


 前回の『第1回気になるどー』で評価した作品です(リンクを下に貼っておきます。良ければそちらも読んでみてくださいね)。


 今回のモニター募集では1話~3話分を読むという条件で、作者さんの希望により第17話~19話を読んだ感想、評価となります。


 こちらの作品はプロローグがとても秀逸で、「おおおっ」と感心したのですが、メインとなるストーリーが『大本編』で、そちらが第17話からのスタートという構成になっています。


 そのため、今回は第17話から読み進めたらどうなのか? ということを検証するための応募のようですね。



② (良かった点)


(1) 相変わらず、キャッチコピーとあらすじ、登場人物がわかりやすい。


ちゃんと読めばの話ですが、すんなり前提となる情報を持ってストーリーに踏み出せる配慮がなされています。

   

(2) 偉そうな連中との論戦


 多少ベタではありますが、他国の偉そうな御仁と論戦して打ち負かすという構図は、良いでしょう。 


(3) 世界設定が細かい。

 

 王族や貴族みたいな地位に関する知識って、けっこうしっかり勉強しないと使えないんですよね(かく言う私はあまりよく知らない汗)。


 それに、ファンタジーにおいて各法律を設定している人はどれくらいいるのだろうか(作者さんはどこまで設定してるのかな……)。設定が細かくなれば縛りがきつくなると思っていましたが、だからこそ逆に裏をかいたりする発想は生まれてくるのだと感じました。


 表側を設定して読者に見せておかないと、裏は突けないんですね。設定説明の流れとかも、すらすらで感心します。

  


3 (全体を通して気になる点・主な指摘事項)


(1) やっぱり事前情報なしはきつい。


 第17話から読むには、やはりそれなりに知識が必要に感じます。第16話までを読んでいなければわからない固有名詞や例がわりと多く登場する印象でした。


 特にパン屋の少女が絡む部分ですね。


 主人公、ヒロイン共に彼女から何かしらの影響を受けているにも係わらず、彼女の人となりがわからない状況はけっこうストレスで、結局1話~16話の中を探さなきゃいけないことになるんですよね……。


 それでもいいという読者なら構わないでしょうけれど、私は「えー……」という感じでした。


(2) 圧倒的強者のわがままは共感しづらいという逆転現象


 ②で評価した『偉そうな御仁との論戦』についてですが、そのアイディア・構想については文句ないのですが、現状だと、最終的にサラの論理は「我が国の王族が無罪って言うんだから無罪よーん」と言っているように感じられるんですよね。


 だったら、水戸黄門スタイルの方がまだわかりやすく、共感できますし、力でねじ伏せる感覚ですっきりします。現状だともっさりもやもやです。主人公の判断ミスということになるんでしょうか。それともサラの力不足ということになるんでしょうか……?


(3) あらすじとの落差 


 もっとサクサクとメインストーリーが進むかと思いきや、そうでもなくて。特に主人公が罪人になったあとはけっこう皆さんがのほほんとしている印象。


 特に、パン屋の少女の場合は拘留されそうにすらなっていたのに、彼は執行猶予のような感じなのはどうして、という矛盾がある。理由があるならフォローしてほしいです(それが領主と青騎士のはかりごと? だとすればちょっと伝わってないかも。謎を謎として明確にしてほしい)


 同じように、主人公が在任認定されてからの展開がなんだかぬるいです。特に19話は、主にパン屋の少女とサラとのやり取りになるのだけど、ここで書いている通り、まるで団円という感じでまるまる1話を使っていて、

もったいない。本当にストーリー進行に必要な情報が含まれているようにも感じないので、私は削ってもいいと思いました。


 これら3話に関しては、木で喩えると、幹より枝葉の方が強かった気がします。


 この作品の課題は、現在進行しているストーリーに入れ込むべきシーンかどうかをそれぞれ考察し、いかにその後で必要な時に必要な情報を取り出して紹介するか、を練るところにありそうだと、私は感じました。(もちろん、枝葉も作品の魅力の一部ですが)


 昨今では、各キャラクターの核となるバックボーンに関しては、わりと後出しじゃんけん的な紹介でも受け入れられる傾向にあると感じます。(小説ではないですが、特に鬼滅)


 新しい発想を打ち出して実行する勇気のある作者さんであれば、そんな新しいアイディアも浮かぶはずです。

 

 もっと面白く!


 

☆作者さんorもっと詳細が知りたい方は、こちらのyoutube動画をご覧ください。

 口下手の尾崎ゆうじが一生懸命細かく解説しています。(だらだらしてるので倍速再生推奨!)


 ※本来は30分で区切る予定なのですが、今回は3話分(文字量も少し多め)の書評をしたら、1時間を超えてしまいました汗

 

 動画のリンク↓  

(カクヨムのリンク以外はハイパーリンクにならないようです。お手数ですがリンクをコピーし検索かけてください。なんとかする方法があれば教えてください)


 https://youtu.be/Zh4-di7mwFE

 


 では、採点に移ります!



5 この作品の『 続きが気になる度 』は……

 

 …


 ……


 …………


 【40%】です!


 特に第18話で興味が削がれ、第19話で引っ張る力も失われたように感じます。プロローグはすごく優秀なのに、小説って難しいものですね……。


 19話までで積み上げが充分でないことも原因でしょう。手ぶらで17話から読むのと、前からいろいろ積み上げて19話まで読むのでは、同じシーンでも受け取り方が変わりますからね。


 構造改革が必要になるかもしれません。



6 読者のみなさまへ:


 → うーん、あまり17話からのスタートはおすすめしません。興味がありましたら、まずプロローグから読んでテンションを高めてから、お好きなところを読んでいくとよいのかなと思います。



 以上、最後まで目を通していただきありがとうございます!

 気になった方は、ぜひ↓のリンクからこの作品を読んでみてくださいね!


https://kakuyomu.jp/works/1177354054888522989


(前回の尾崎の評価はこちら!)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054914254604/episodes/1177354054917722150


 では、次の作品紹介をお楽しみに!


 尾崎ゆうじでした!

 

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