☆(再)『隣のデスクは弟くん』夢彩

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第1回気になるどープロジェクト応募作品


1 作品タイトル (再評価)『隣のデスクは弟くん』

  作者名:夢彩(2回目)


2 作品のリンクはこちら↓


 https://kakuyomu.jp/works/1177354054914194549


1回目の評価リンクはこちら↓


 会社が勘違いコントみたいな場所に。予想外の気になる度!

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054914254604/episodes/1177354054914707304


3 尾崎が作品を読んだ日: 


 2020年 7月 28日


4 メモ(感じたこと、作品内容など):


 ようやく来ました! 第1回小説の『続きが気になる度』を評価してみたプロジェクトの参加者みんなの作品を読み、今度はその2周目になります。


 ここからは依頼に従って『再評価(前回評価したけど、リライトしたのでもう一度読んで!)』とか『同作者の別作品評価(1人3作品までOKと言って募集をかけたので)』になってきます。


 今回は再評価ということで、とっても楽しみです。依頼を受けた時から読みたくてうずうずしていました。


 それでは参りましょう。


① おおう、キャッチコピーいいですね。前のキャッチはぼんやりとしか思い出せないけど、絶対良くなってるのは間違いないですね。なんか少女漫画やTL、BL系小説のキャッチコピーを彷彿とさせるわかりやすい内容ですね! 


 少なくとも、キャッチだけで「つまんなそー」なんてことにはならないと思います。


 ではあらすじへ。


 いーんじゃないっすか(にやにや)? もとから作品のテーマというか、筋がとてもわかりやすいコメディ小説だということもあるのでしょうか。たしか作者さんにとって初めての小説と言っていた気がしますけど、私が突っ込んだ内容がしっかりカバーされていて、突っ込みどころがない。


 そして面白そう。


 いや、ほんとに。初見の目線でも同時に見てるんですけど、一定のファンは付きそうです。ただ類似作品はいっぱいあると思うので、ストーリー本文でどこまで差別化できるか、が問題でしょう。


 では肝心の本文へ。こっちはあんまり改善できてないんじゃないかなぁと予想してますが、どうでしょうか。


 楽しみ。


② 第1話『弟現るの巻』。この○○の巻にはこだわりがあるようですね。きっとお笑い好きな作者さんだな。


 いいですね。あいかわらず独特の描写をカットした手法。ネット小説っぽい。


 弟が登場した時の橘のリアクションの理由が丁寧に紹介されてて、わかりやすい。前提となる制約が過不足なく伝わってくる。


 「こういう前提のものと主人公は困ってしまいました、だからどうにかしなければ(秘密にしなければ)!」という風呂敷を広げ、「面白そうだったら次を読んでね」という意味合いを込めて第2話へ、ですね。


 いやはや、初見のつもりで読んでいるのですが、やっぱり再評価というバイアスはどうしてもありますね。


 すっごく良い作品に見える(笑)!


 そのままするっと何のブレーキもなく第2話へ進みたくなりました。


 でもちょっと待てよ、と思ったんですよね。

 

③ 前回の評価で網羅できなかったところかもしれないのですが──


 (1)血の繋がった正真正銘の弟がうちの会社に入社、しかも隣のデスク

  ↓

 (2)会社の人間にバレたら即転勤、その対象は絶対わたしだ……そんなのいや!

  ↓

 (3)だったら秘密にしようじゃないか……!

  ↓

 ……という流れで、面白そうではあるのですが。私が仮に初見読者であれば、第1話の最後で主人公の結論が出た時に、


「じゃあ秘密にしたらえーやん」


 と感じると思うんですよね。


 どういうことかというと、常識的に考えたら、


弟「ねーちゃん、この会社だったの?」

姉「う、うん。ねえ、肉親だって会社にバレたら転勤になっちゃうから、秘密にしよう?」

弟「あ、そうなんだ。わかった」


 以下平穏。終わり。


 ……ってなるじゃないですか。現実だったら。読者はそれを想像するので「ハードル低くない? 何をそんな大層な……」と、主人公の決意に対して感じると思うんです。


 第1話の締めで、これから第2話に引っ張りますという時に、そんな反応をいただくのはもったいない。


 この場合、キャッチコピーにあるとおり、弟のド天然っぷり、いつ起爆スイッチをうっかり押すかわからない危なっかしい感じを、第1話のどこかで演出する必要があると思います。


 あくまでも例ですが、ベタなところで言えば、


 姉と気づかずに近寄って挨拶してきた弟前田が、びっくりしすぎて「ね、姉ちゃ──」と大声を上げそうになり、それをぎりぎりで橘が口をおさえて制止するとか、ボディブローで「ぐ、ぐう……」と黙らせるとか、そういう方法が思いつきます。


 ベタだなあ……笑 


 でも、すごくスムーズですよね。殴って黙らせたうえに、「あれ、前田君お腹痛いの?」と気遣いトイレまで案内するふりをして連行──「てめえ、ぜったい姉弟だってバレないようにしろよ」と2人きりになり、念を押す。


 どういう方策でいくにせよ、そうなると2話目の冒頭もちょっと変わってきますので、どうするかは作者さんにお任せです。


 とりあえず読者を続きへと引っ張るには、


『こういう状況なので姉弟の秘密を隠し続けることは大変なのだ!』


 というハードルの高さを、読者に提示する必要があります。


 合わせ技で、第2話にて高橋が姉弟に絡んできて


「さっき前田君、何かに驚いてたみたいだけど、もしかして2人って、知り合いだったりするのかな?」


 みたいな探りを入れたりすると、この時点でもうピンチが演出されて、さらにハードルの高さが追加されます。


 そのぶん読者はドキドキするので、ぜひ参考にしてみてください。


 橘のごまかし方によっては、そこからもう一ネタできて一石二鳥じゃないでしょうか。


 それはともかく、やっぱりユニークな作品ですね。もし今回の改善ができれば、第1話目以降に進んでくれる読者の割合が増えるとおもいますよ。


 何回も改善改善でしつこいくらいではありますが。


 これはもう、諦めましょう。創作活動というのはそういうものですから。プ


 ロだって、書き出しだけで何回も直したりするそうですよ。


 いっぱい書いて、いっぱい直して、止まることなく成長するが吉、と私は考えています。


 では、ちょっと早めですが、伝えたいことは伝えたので、採点に入ります。再採点ですね。



5 この作品の続きが気になる度は……

 

 …


 ……


 …………


 【70%】です!


 掴めてます。あとは第1話の引っ張りくらいしか言うことないような……。


 文体も、ここまでくると読者の好み次第だし。


 それでこの点数という感じです。テーマと文体と、好む人は好むし、私は読んでみてもいい作品じゃないかなと思っているので、80%と60%の間をとりました。


 もちろん気になる度が高ければ高いほどいいんだろうけど、実際に人気になるかどうかはまた別なので、気にしないでください。


 それと、基本的に1話目以降に言及するのは企画の範疇じゃないですしね。


 それでもまだ、作品が完結するまでの間にいろんな問題が出ると思いますから、都度都度、何が課題か、何が読者を遠ざけてるのか、あるいは何が受け入れられ、面白がられているのか。模索し、改善していくといいと思います。


 気をつけてほしいのは、完結して改善を繰り返しても人気が出ないこともある、という可能性は頭に入れておくこと。


 その場合は、テーマがそのタイミングで受けるものじゃないとか、似たような作品で強いものがあるとか、そもそもカクヨムに女性読者が少ない(ことはないと思うけど……)とか、いろんな要因があると思います。


 そういう場合はかたくなに「この作品は面白いんだー! 読まないお前らがおかしい!」と諦めずに粘るのも大事なことではありますが、リアルタイムで受けているような作品をチェックしたり、世の中のニーズ「私こういうことに悩んでるのよね」みたいなものにアンテナを張り、世の中の人が飛びつきそうなもので自分が書けそうなものを書いてみたりとか……いろいろやってみるとよいと思います。


 本作も、結局のところ面白い作品にはなると思うのですが、それが何万PVも取るような人気作にまでなるかは、そもそものテーマ含め、よくわかんないんですよね。


 こればかりは、私も絶対にこうすればいい、という答えを出せません。女性向けですし。


 でも少なくとも、面白くて、誰か(一定数以上の人)が特別に喜ぶような尖った作品を書くことができたら、書籍化くらいはできると思うんですけどね……。簡単なように言いますけど、なかなか難しいです。


 そもそも作者さんがどんな目標を持っているかわかりませんが、その実現に向けて、どんどん模索していくのみ、前進していくのみです!

 

 全部ひっくるめて、創作を楽しみましょう!

6 読者のみなさまへ:


 → 軽くさくさく進みますので、ぜひ肩の力を抜きたい時など、お勧めです。特に女性読者で、社会に出た方なんかに。


 以上、最後まで目を通していただきありがとうございます!

 気になった方は、ぜひこの作品のリンクをコピーして読んでみてくださいね!


https://kakuyomu.jp/works/1177354054914194549

 では、次の作品紹介をお楽しみに!


 尾崎ゆうじでした!

 

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