倍なる・カスライン

ジュン

第1話

ナギーブ・マフフーズの『バイナル・カスライン』を今回のパロディの出典にした。しかしだ、この作品の内容がわからない。私は、パロディの「ネタ本」は、原則、現物を手にとって読むようにしている。インターネットは便利だ、しかし、ネット上で済まさないようにしている。作者(著者)に対する敬意を表すためにも、本で読むようにしている。できるだけ。しかし、この作品、絶版、重版未定ということで入手することができなかった。古書店にもない。さあ、どうするか……インターネット・オークションを利用する手もあるが、金がかかる。結局、現物に目を通さずに、パロディにすることになった。さて、『バイナル・カスライン』をどう「料理」しようか考えたが、名案が浮かばない。これには理由がある。ナギーブ・マフフーズはエジプトはカイロの作家で、イスラム教の影響が強い。一方、私は日本人で、イスラム教に疎い。ナギーブ・マフフーズはノーベル文学賞をイスラム文学で初めて受賞した、ということだが、私は、イスラム文学、アラビア文学、アラブ文学等の違いをきちんと理解できていない。さあ、ショートショートにどうまとめる!私は、『バイナル・カスライン』に、いつもの倍なる労力を費やしたのです。


終わり

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倍なる・カスライン ジュン @mizukubo

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