第2話 転生者、羞恥プレイを受ける

不意に目が覚めた。


物凄い空腹感からだろう。


いつの間にか俺は先程の部屋から移動させられたようだ。


部屋には誰もいない。


「あー!……うぅぁあっあぃあぃ!!(あのー!お腹すいたんですけど!!)」


取り敢えず叫んでみた。


すると、すぐに部屋の扉が開き先程の女性ーーー俺の母親が入ってきた。


「あぁ、ヴェルデ!起きたのね!……ミルクが欲しいのかしら……」


そう言って俺に近付いてきた母親……って他人行儀だな…よし、母さんは急に衣服の胸元をはだけた。


……え?はだけた?


あぁ……そうか授乳か……。


俺、精神年齢は24歳なんだけど。羞恥プレイなんだけど!?


「ほら、ヴェルデ。たくさん飲んで元気に育つのよ……」


結局空腹感には勝てず、大人しく飲みました……。


くっ……これからこんな羞恥プレイが続くって……冗談じゃねぇ。


これから成長していく過程を想像するだけで憂鬱になる。


そもそもこの世界にどんな立場の人として生まれたのかもわからないし。


貴族だったりしたら何かと苦労するだろうけど、生活は楽かもしれない。


平民……はないかもな。母さんと父さんの服は豪華な感じだった。


異世界転生って面倒くさいな。


いっそトリップの方が何倍もマシだった気がする。


だって、立場とかはその世界にないから、自分で作れるし、帰れる場合もある。


まあ、そんなことをぼやいた所で既に元の世界での俺は死んでしまっているだろうし。


無い物ねだりはほどほどにして、俺は時の流れに身を任せることにした。


抗っても良いことないだろうし。


はぁ……こんなんでやってけるのかよ俺。


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異世界に転生したけど、種族差別があったのでどうにかしようと思います。 風御紫苑 @kazami-shion

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