【まとめ】間違いな日本語は悪か?

 

 これまでたくさんの「間違いな日本語」を見てきましたが、それらはそれぞれがきちんと言語的な変化だったり、また納得のいく変遷をたどってきたものでした。ここでは間違いな日本語について総括的にまとめます。



 〈間違いな日本語とは何か〉

 ほんと言うとこれは最初に定義しておくべきものでしたが、まあいいでしょう。間違いな日本語を私なりの基準でまとめると、これは「今現在大多数の人が話している言語にそぐわない日本語表現」、あるいは「自分の話している日本語が絶対的に正しいと思っている人にとって間違いであると思われるもの」です。間違いというものの基準はやはり「今は話されているもの」か「主観的で相対的な評価」でしかないので、こう思っています。

 ただ、そうは言っても言語とはとても曖昧で流動的なものですから、変化しないことは無いんですよね。言語が変化するからこそ新たな言葉が生まれたり新たな意識段階に上ることができたわけで、だからこそいつも人間も新たな時代へと移り変わることができたのです。根本的なことを言うと、例えば今

・この本マジヤバイよ。めっちゃオモロイ

・これこそいとをかしやかなる本なりけれ

 とは言いません。当たり前だと思われる方もいるでしょうが、しかし現時点で、新しく生まれた言葉や変化した「間違いな日本語」を潰す行為は、していることに等しいのです。



 〈間違いな日本語は悪か?」

 上の説明を聞けば、あなたの考えがどうであれ、とりあえず私は「間違いな日本語」を悪とは思っていないことをわかっていただけるでしょう。上で出した例のように極端なものはさておき、新しい(あたらしい)はその昔、「あらたしい」と読まれていました。その証拠に、新たな(あらたな)という言い方がありますね。この変化が起きた時代はきっと今の様に「けしからん日本語だ!」と責められていたでしょうが、今やそんなことを気にする人は誰一人としていません。

 しかし、現代は情報革命によって日本語(あるいは言語)の世界に絵文字や英語、顔文字、スタンプなど様々な要素が入り乱れており、歴史的にも類を見ないほどの「間違いな日本語」が増えていることも確かです。確かに上で話したように肯定できる面もあるのは事実ですが、実を言うと一方ではあまり歓迎できないそれもあることは確かです。その内訳は次にお話ししましょう。

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