同学年生>同級生
〈範囲が広まった同級生〉
本来、同級生とは読んで字のごとく、同じ
〈拡大解釈と言葉〉
私が少し前から気になっていたのは、スパゲッティとパスタの関係です。この二つは同学年生>同級生のような関係を示すとすれば、パスタ>スパゲッティとなり、つまりパスタはより広義の言葉なのです。そもそもパスタの中にスパゲッティやニョッキ、マカロニなどが位置していることを知ると、この図式がより鮮明になりましょう。でも今の日本では、明らかにスパゲッティそのものをパスタと言い現わしている場面も多く見受けられますね。確かにパスタは三拍という、日常使いしやすい語彙ではありますが、こうした拡大解釈は、言ってみればそこら辺に歩いている猫を指して「哺乳類だ」と言うようなものです。
拡大解釈の問題点は、ずばり単語の多義化・曖昧化です。勿論紆余曲折を経て拡大解釈の後に意味が単純化すればいいのですが、残念ながら私たちが違和感を持っている間はずっと多義的曖昧であるはずです。
具体的にどんな時に困るかと言いますと、例えば最初の同級生。私とほか二人の計三人で話しているとして、みんながみんな同級生の定義が違っていたら混乱しますよね。調べた限りでも
1.クラスが一緒である人
2.同じ学校内の同学年の人
3.全国の同学年の人
など、大きく分けて三つの意味がありました。わざわざ「私は同級生と言う言葉をこういう感じで解釈しています」とは自己紹介しないものですから、ある程度話が進んだところで躓くでしょう。他にも、パスタの例で言えばスパゲッティ=パスタと思い込んでいる人が本格イタリアンのお店で○○のパスタを頼んで、マカロニが出てきたりすることも起こりうるわけです。
言葉は常に変化し続けるものです。今当たり前の物もいずれは全く違うものになる可能性もありますが、やはり今回味わったように、その過渡期が面倒なのです。パスタは近い将来完全にスパゲッティと同化すると思われますが、それは外来
まあ一つ言えることは、きちんと言葉の意味を調べて使ったほうが、いろいろと為になりますよ、ということでしょうか。
――補足
(1)スパゲッティはパスタの分類の一つですが、本国イタリアではさらにスパゲッティも、その直径によってカペッリーニ、フェデリーニ、スパゲッティーニなど細かく分類されます。こういう点で、外来語は半ば正しく伝来しなくても仕方のない面があります。
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