バリ島冒険譚Ⅰ
バリ島で書く別名義作Ⅰ。字下げなしで始まるのが二行あるのは章のタイトルと話のタイトル。対宇宙人用に宇宙人のようになった美女魯山がたまたま仲良くなる地球人と強制ロボバトルし自害で地球人守ろうとする話はⅡ
バリ島で書く別名義作Ⅰ。字下げなしで始まるのが二行あるのは章のタイトルと話のタイトル。対宇宙人用に宇宙人のようになった美女魯山がたまたま仲良くなる地球人と強制ロボバトルし自害で地球人守ろうとする話はⅡ
邂逅から始まった愛・恋・仕事
最強最凶最恐最狂宝具:クサナギノカタナ
身長百五十九センチメートル、体重は普通のキログラム……これがおれの身長体重……ココロガオレソウだ。おれは、いい高校に入れなかったから毎日三時間かけて電車で通学する必要がある学校に通っていたが、つらすぎて、自殺を考えながらも中退を考え、中退宣言をまず母親の前でした、大喧嘩だった、あとからノンキな親父もリヴィングルームに入ってきた、もっと大喧嘩だ、その日は泣きながらゲロはいたんだよ、ベッドもよごれちまった、マットレスだから、かえるの面倒くさいし、重い……いろいろと……。
おれはとりえもない。頭も顔も悪いんだ。ハゲだしたのは十代なかば。
登校を頑張ってる、そしておれより年下の女子高生と並んでも背が彼女らよりも低い、きっと同情すらもされない。
最近はずっとものの音が聞こえる、それも、なにの音か聞き覚えのない音なんだ。もうはっきりとわかったよ、心因性の幻聴だ。音が嫌いになった、昔は、アニソンやゲーソンをはじめとしたさまざまなものがスキだった、でも、おれはヒップホップとか、ロックとか、メタルとか……エトセトラ……ともかく、そういうの聴くのなんか似合わなくて、自己嫌悪。
ボブ・ディランシャマンっていうミュージシャン、ノーヴェル文学賞を取った。でも、そういう世間的な有名人の曲も、似合わないおれ。しかもそのボブ・ディランシャマン、イケメンなんだ……、邦題で『追憶のハイウェイ19』の自撮りしたジャケット見ればわかるけど……結局おれとイケメンの親和性は低いんだ。
ボブ・ディランシャマンもフランズ・カフカもアーネスト・ヘミングウェーイもイケメン、おまけにロック史で伝説とも言われる、歌詞に評価の重きをおかれがちなアートロックバンドのピンク・フロード、それの中心人物のJ・D・ギルムーアもイケメン。
おれはそんな状態であっても、アートを積極的に見るようになっていった。二十が過ぎた頃の話だった。そして、ニートの影響で、毛が伸びたが、これではただのお笑い芸人ではないか、しかも変なのを売りにしたド道化の。
運動神経は良くないおれ。でも座学系のことも不得意。
そもそも譫妄? みたいな状態にもなるし、すごい嫌な感じだ。
ニキビも多いし、ムシバも多い……なおしに行くヒマがないんだ、ニートでも、怖くていけない、もう人が怖いんだ。結果いろいろと悪い意味でしみるし、いま冬で寒い、惨めなんだ、この時期。
おれは小中高といじめられていた。どうしてなのだろうか、きっとカリスマ性がないからだと思った、でも、カリスマすごくあって、おれと真逆のスペックみたいな同期のイケメンは、嫉妬によってボロボロにされて廃人になったんだ。そのカリスマイケメン廃人ボーイもいまは死んだとか噂あるぐらいで信頼されていないんだと、ある時聞いた、昔馴染から。その昔馴染はおれが唯一メルアドを知っていた者で、おれはケータイはまず使わないからガラパゴスケータイのまま、で、相手はリア充だからスマートフォン。おれの電波のとびとかも悪いガラパゴスケータイ、あれじゃあまともに通話もできないし、相手も相手で返事途中から返してくれなくなった、勝手に廃人と思われて見捨てられたのかもな、確かに廃人だが……。
おれの背の低さがカリスマをなくしてるのかなんて思うのは違うよ、小さくても、カリスマはカリスマなんだ。おれの祖父はおれより数センチだけ高いから威張ってくる、家族だっていうのに……。
実は……おれはいじめをしたこともあった。おれは中学の時、不良にあこがれていたんだ、いまでは考えられない。不良グループが後輩ですごく勉強もできないでかっこ悪いやつを脱げなどと脅していじめていた、そして、おれもそれにつられてしてしまった……すると、問題になった。おれは学校で呼び出しをくらいいろんな教師に怒られた、中学時代。おれがいじめに加勢したから問題になったとは違うんだ、元々問題になるながれはできあがっていたのだ。
おれがいじめた後輩の親は、元暴走族。そして、息子のクラスのマドンナがあるイケメンにフラれたことを知って、そのフッたイケメンを殴りに行こうともしたぐらいのオカシイのだ。そして息子のいじめられのことも知って、車を違法改造して、違法デシベルにした。俺は、その騒音で、嫌がらせを受けている、うるさすぎるし、スモッグだらけで、換気もしがたい、おれの家の周りに来るスズメの数も急に減った。
おれは騒音車を何度も壊そうと思った、騒音者も壊したい。
毎日三百十デシベルを無理に鳴らせる改造がほどこされた違法改造車。おれはもうその存在を許容することは無理だと思った。
正月の事だった。熱田神宮に行った。西暦で二〇一八年の事だ。
熱田神宮、そこに、来た、例の違法改造車。おれを追ってきたのだ、もうこれで何年も経つのに、ねちねちと。
吹かした車をおりて、タバコに火をつけ、こっちに向かってきた。ただでさえこの辺一帯に喫煙者は多いっていうのにさ。タバコノケムリでとても息苦しくなった。
宝具クサナギノカタナがここにあることを知っていたおれ。
おれはもういっそのこと、芸人のパフォーマンスか何かに見せようと思って、神殿に侵入してクサナギノカタナの封印を無理にといた、そしてクサナギノカタナで違法改造車を乗る違法改造者を殺そうと思った。
この時、クサナギノカタナの封印をといてしまった呪いによって、おれは異世界にとばされた。
ヤイバとサヤ
オレ、は、もう、おれ、ではない。
オレは、クサナギノカタナの封印をといた呪いでゲス顔。オレ様気質になったのさ。でも、やはり、オレは、おれで、性根は別に変わっていないさ。
オレは、自信がある時に、カタカナの表記でオレというタイプ、想像で。
そんなことより、オレは、いま、女をふたり、抱きかかえていた。
よくわからない光景。
オレは、クサナギノカタナを莢からヌいて、持って、状態的には莢の上にクサナギノカタナがくる感じだ。そして、重くてかかえた時に、神か何かに怒られたようで、転移。
クサナギノカタナという宝具は、神の力が宿っているんだ。
クサナギノカタナは使い手が、愛用した時の気合の入れようが大切な女を想う気持ち以上だったということと、実質、そうやって、最良女伴侶だと思っていたから、女のカタチにも、なれるんだろうとオレは思う。なにせ、神器で、そういうのは、逆にあたりまえだとも、オレは思ったんだ。
ちなみにオレ、オレを漢字で書けない。まあ低学歴だからな。
中卒、これ、オレの地元ではオレと、中学校一のワルだけ……な、はず、だ……オレの知識上。
オレは友達とかを中学後期にはまるでいらないと思いだしていたし、ヲタクでも、ヲタク仲間もいなく、むしろ、オレ以外のヲタクは実はヲタクなんかではないのでは、とも思うぐらいに鬱なんだ。
「どなた?」と、オレは言った。
「ヤイバ」
「オレの腕からおろしてもいいですか?」
ふたりは特にカラダが小さいわけではないのだが、軽い。まあ、綺麗な女だからそう感じれただけかもだけれど。
女とはいっても、彼女らは、恐らく、魔力の強く宿された道具だ、だから、女でも人ではない……でもカタチは〝ヒト〟そのもの、動物だ、よって、ヒトなのだろう。アンドロイド、っていうわけでもない、やっぱり魔力っていうものは、すごいんだ、キセキだ、これこそ、本当の。でも、もっとキセキは起こるのだろうって、オレは思っている、もうキセキは、オレとオレと親しいモノの間でしか、うまれないんでは、って気分になれるほど、ハイな感じだ、廃人だった頃が、懐かしくなるってぐらいに、何か、いま幸せを、感じている……でも、まあ、まだこの子たちに、認められたっていう、わけではないが……でもだ、何か、オレは、イケるんじゃないかって、思えるんだ、きっと、これは、イケる。前でも、いつも、そうだった……っていうわけではないが、暮らしている場所が違った、ここでならば。
オレは、高校にいって、テリトリーを、つくった。まあ、テリトリーなんて、偉そうにいうのは、変だけどな。オレは、あえて、路をかえて登下校をした。オレは、みんながしない登下校の仕方をしていた。初期のほう、通学路違反と言われ、急に現れた怖い教師にキレられたけど。キレられないルートっていうものもあってさ。登校中は電車が特に混む、このとき裏技を使う。オレは、昔、登校中は絶対に電車のトイレに入る男だ。なんか、便器の擬人化みたいなイメージを毎日その車両の辺とか出会う人に植えつけたんだろうなとは思っているが平気だ。オレは、トイレひきこもり登下校法を使って登下校したある日、ドアをすごいノックされて、出たことがあった。冴えないが気迫のある小太りのオバサンが出たらいた。オレは、ノックされたらトイレからは出る、と心がけていた、が、ある激太りの少年にトイレを譲ると、彼はずっと出てこないし、誰かに何度も激しいノックをされても出ないのだ、この前それで漏らした老人がいたよ。
オレは、神経が麻痺していて、片目が死んだ感じになっているんだ、ピーティーエスディーっていうやつだ。いわゆるトラウマというものと程度が違った。俗世間ではどうでもいいようなことにでもトラウマと言う。でもピーティーエスディーはようするにトラウマに該当するワード。
オレが、ニートの時に、親に本気で説得して買ってもらった映画があった。違法動画を見ればいいと思う人もいるだろうが、その映画はネット上にはないものだった……が、今なら誰かがアップロードしてあるのかもな。題名は、『ソドミーの市』で、それはエグいんだ。そして男優も女優もスペシャルゲストの上裕っていう日本人も微妙な良さしか発揮していないイタリアの映画。
作者はボロボロニャアニャア大出身の鬼才作家ピエール・パオーン・パゾリーニな『ソドミーの市』。パゾリーニの中でもっともエグかったのがその『ソドミーの市』。
なんで『ソドミーの市』を買ってみたのか。これは、大きな理由があって、そうなった、絶対に。オレは、買いたいものが買えない経済力しかない、よって、買うものは本当に必要なもののみだった。本当に買いたいものだけ買う、これだと世界も広くできないのではってなる、それに、べつに本当に買いたいものを買えているのかというわけでもなく、ニートしていて楽だったか? という質問の答えはNo、だ。何回も同じことを繰り返すような趣味はないが、あくまでもさっきからなんかいろいろ言っているの、これは解説で、自分の人生をよりドラマにする妄想力から脳内解説をするよ。オレは、ニートで、でもアーティスト精神があるから、ある意味それが仕事だとも言えるんだけど、ヒモ男とかになれるような存在ではないし、パトロンだとかいうのも当然つくれないんだろう。もう働くという気力がない、でもオレは実際半神経麻痺状態だ、これで働いてても同情されるかもだろ、きっとされないけどな。
オレと同期の学校一のイケメンも、そいつはそいつでオレのように神経麻痺した状態でいる。女にはまだモテるだろう、だがもうそのオレと同期の学校一のイケメンは女と会う気力もないぐらいに壊れたようだから、もうオレと同じぐらいに発狂しているんだろう、きっと。
オレは、お年玉とかをもらう関係で、親戚とは会うようにしているが、親戚と会うのもすごいニガテだ、ニガテになったんだ。でも、無理して熱田神宮行ったら、別の世界に転移できた、これは大変収穫だったとは思う、でもこっちで、うまくはやっていけるかはまだ謎、でもだ、やっぱりオレは、無理して熱田神宮行ってよかったと、人生観喜っていう感じだ。人生観喜っていうのは、たしか仏教用語で、親鸞聖人だか法然上人の事書いてある本読んで知った。仏教のイメージは、いまではニルヴァーナなんだ。
カート・コベーンという男がいて、そいつはかっこいい系なのだが、比較的小柄。まあ、百五十九センチで高校過ごしたオレがもっと大きいカート・コベーンに小柄なんていうのも変だが。
カート・コベーンは自殺した。でも、実は死んだことにしたんじゃって思ったりもするし、いや、ほんとに死んだのかもなってなる。
カート・コベーンはいま生きていれば、もっと大スターだったんだろうってぐらいの実力がある男だったがオレは彼のことを認めてはいない。オレは、いつのまにか、オレと同期の学校一のイケメンのいま廃人のやつしか、すごいやつとして、認めれないぐらいに病んでいるんだ、もう、普通にいいとされるものが、わからない。
カート・コベーンの音楽もいいとは思わない、オレは、結局、リスペクト気味のアーティストまで見下しすぎている。
「その履物、焦げている。もう少しで破けそうだ」
「オレ?」
「ああ」
オレのいまの格好は、上下セットで白のスウェット。
下のほうのスウェットの股間部分が、焦げていた……そして破れそうだ、既に破れているから破れそうなのだが。
熱田神宮でタバコを違法改造車のあれにポイ捨てされた時にあたって焦げてたんだろう。
オレのあともう少しで完全に破れるスウェットは、きっと、ブリッヂのポーズ取ると破れる。オレは、小学校の頃ひとりだけ、運動会の時にブリッヂ失敗した。しかも過去にそういう児童は存在していないんだと。
「ブリッヂのポーズしたときに破れそうだ」
「ブリッジ?」
「知らないか? いや、知らないのですか?」
オレは、オレ様的になっていても、怖くて敬語を使うんだ。
「知らない」
「そうかぁ、きっと外国語とかが日本にない時、活躍した剣だったんでしょう? いや、正式名称はクサナギノカタナだから、とても昔に活躍したカタナだったんでしょう?」
「いや、昨日寝たところだ」
「……もしかして、ずっとスリープモードだったからそう思うのでは?」
「よくわからないことばかりを言うやつだな、ブリッジとか、スリイプとか」
「わかったんだよ。オレは、祟られてこっちに来た、オレは殺される。でも、あなた様方に気に入られれば、殺されないでもすむ、と」
「何を言っているご主人」
「ご主人?」
「そうだ、格好は変だが」
「人違いでしょ?」
「格好とは、その格好ではない、服装のことだ」
「……」
「ン?」
(そうか、この女たちは、宝具であって神の力が宿されたものでもあるけど、この女たちには、大した力があるわけではない……? いや、試しているのか、わざと、変な対応をして……。そして、きっと、オレは、前の持ち主と、似ていたから、勘違いされているのだろう。まさか、あの神話の刀士が、こんなブサメンだったとはな)
「ンっ?」
「いや、ありがとう」
「何が」
(もしかして、本当にアンドロイドなんだろうか)
オレはニートの時、トミー・ヨークというアーティストと出会う。出会いと言っても、それは、直接的な意味はない。トミー・ヨークはレディオノワヘッドという、オルタナティヴロックバンドのリーダーなんだ。
オレはレディオノワヘッドの『ボケ・コンピューター』という西暦の一九九七年に売られたアルバムからサイバーパンクの洗礼を受ける、自己解釈気味で。
オレはレディオノワヘッドの曲が何度も聴きたくなるような心地いい曲だとは思っていないが、雰囲気が好きだった。オレと共感できるものが、やや、あった。
オレは外国人とかにすごく関心があるとかとは違ったが、アートの話になると、別、外国のアートはたしかにすごいものが多い、が、オレはそれに満足はしていない。
『ボケ・コンピューター』の核として売られた『パラノイア、アンッ、ドロイド』は、心因性の幻聴の事、どんなに残酷な目にあっても、殺されても、それでも神は人を愛して創っているんだよという諷刺のようなところもあり、歌詞を知って急に見下しにくくなったオレ。
だが『パラノイア、アンッ、ドロイド』、これ、音がうるさすぎるところがあるんだ。伝説のバンド、ピートルズでもそう、ピートルズの『レヴォリューション100』はイントロがマチガイかよってぐらいにうるさい。まあほかはうるさい曲はなかったけど、ピートルズ。ピートルズは『レリビー』や邦題で『ゲイ重度』って曲ばかりもてはやすミーハーが多いけどオレは全然それとは違う、前期から後期までとしっかりと語れてよくわかってる、でも、やっぱり違うんだ、オレは、ピートルズには満足できなかった。
オレは、嫌がらせでずっと騒音車に苦しまされたから、大したことない音までも敏感に感じてビクつくようになったんだ……。でも、異世界に来れたであろう、このついに始まろうとしている第二の人生のようなものとオレが、共鳴し合えば、きっと、そんなくだらないような、でも深刻な悩みは、消えるんだろうって、思ったんだよ。
310164
ゲトるって言葉がある。
ゲトるっていうのは、ゲットするっていう意味だったと記憶するオレ。
Dataって言葉がある。だた、とも読める。普通はデータ、だが。だからオレは、その通じ合っているとはいい難くても、通じ合っている言葉をダジャレのように使うことがある、まあ、オレ流だ。
ゲットするの小さいつを抜いて、ゲトる。なら、〇〇だった、とかの、だった、これも、だた、にしていいのではないのか、とも思うんだがまた別か。
オレは低学歴だから、国語もままならない。
就職活動もしていないから、敬語もよくわからない。中学とかで高校はいるときの面接用に敬語にしろとはきっと聞いたが、オレが通ってたあんなところなんて、敬語っぽくしてれば合格だ。
そもそも、オレの進学した高校はほぼ高校でもない施設だ。オレはそういうところしか進学できないほどに、駄目なやつだった。
オレの進学した学校の面接は、ただ、これからやっていけるかという問いかけに、はいとか言ってれば、はいれるんだよ。
いま生きていてたのしいよ、なんか。
異世界って思えれば、もうそれは、ヴァーチャルでも何でももう異世界だとオレは思うね、だって、実際異世界って言っても問題はないし、ほんとに異世界に言ったとしても、そこが異世界だってすごい人から言われても、オレはもしかすると異世界ではないんじゃないかって疑ってしまうから。
オレは、かっこよくないから、むしろ、メタル化して、ロボットにでもなろうかなって考えていたこともあった。きっとオレは、そっちのほうがかっこいいからだ。
オレがロボット化したときは、310164って呼ばれたいよ。310164でサトウヒロシって読ませるんだ。
オレの今横にいる女たちは、ある意味もう既にロボットだ、いわゆるロボットとは違うものだしそれっぽくはないけどな。道具であり、それが動けれる、そういうところがロボットなんじゃって気にさせるんだ。機械は定義上、人間がつくったものでないといけないらしい、でももっと調べればその限りではないのかもだが。
オレの横にいる、ヤイバアンドサヤ。彼女らは、神によって創られているんだとオレは思ってる。オレは神話とか、詳しくないから、そこのところ微妙なんだけど、きっとそれ。神器ってことは聞いたから。
痩せたカラダのヤイバ。サヤも痩せた体だが、ヤイバよりも抱擁力があり、フクヨカだ。でもどちらもイイオンナ。ヤイバのカラダだって、サヤに、勝るとも劣らない。
こんなこというと、ドン引かれるかもだが、言うよ。オレは、屁が好きなんだ、特にイイオンナの。オレの横にいる彼女たちは、屁をこくのだろうか。オレは、屁の音も、ニオイも好きだ。
「ねぇ、屁って好きですか?」
「私たちにはないものだから、どこかあこがれる。好きだ、何度も顔面の前でもこいてもいいぞ。そもそも以前からそういう関係だっただろ」と、ヤイバは言った。
オレが310164ならば、ヤイバ×サヤは、818×38、か。
818×38をすると、31084になった。サトウハヨ、と。早くオレの家の女になりたいっていう、のを、この子らも、神によって、宿命づけられているのかもだな、ハハハハ。
オレはいつも思うことがあるんだ。本当に、この世界って、なんなんだろう、ってさ、元いたところでもだ。神がいないという視点もできて、神がいるっていう視点もできる。なんなんだろう。でも意味をもたせたくて、いろいろしたんだよな。
人生に意味なくても好きな何かはいてほしい、結果それが意味にもなる、逆にいうとそれで人生の意味なんてどうでも良くもなる。
現在地は、砂漠で、でも不思議と嫌さがないんだ。元いた世界だと、砂漠ってさ、行ったことはないけど、オレんちの近くの砂浜とかなら行ってな、んでさ、そこ、靴に砂入ってくるんだ、なんかイラつくんだって記憶はある。でもリア充は海とか好きなんだよな。でもオレ、リア充って言葉がなんかしっくりいかないんだよ、だって、充実って、不幸な意味でも使えれるしさ、リアルに充実していても、幸せ者ではないケースだって、あるんだよって。
サイバーパンクって言葉がある。タイヤがパンクするとかのパンクときっと違う意味だが、作家でいえば、リーアム・ギブスンとかいう人がそれの権威なんだとか聞いたな。でも、サイバーパンクって、タイヤがパンクっていうのと結構通じ合っているとも思うんだ。オレの知識上では、ハイテクと廃れの融合体がサイバーパンクなんだって思うんだ。たしか、パンクバンドとかの、パンクとも違ったようなきがするが、オレのいうことだ、信頼しないほうがいいぞ。サイバーパンクは、数値化すると、31889……無理やりすぎたかな。
っていうか、オレは、誰に語りかけているのか? それは、脳内にいる、何かだよ。まあ、厨二病の一種だと、思ってくれればいいよ。サイバーパンク、イケてるよ、大好きなんだ、その手の作品ほぼ見てないけど。
レディオノワヘッドの『カーマ・スートラ・ポリス』あれ、サイバーパンクになるんだろうか。PVはそっち系ではなかったけどな、メロディーラインはそっち系。でも、あれ、ピートルズの『セックス・セディー』と似てるんだよな、まあいいけど。メガロポリスとか、テクノポリスとか、いうから、やっぱ、ポリスっていうのは、サイバーパンク的で、セカイ系だろうなってのにはなる。でもさ、警察はべつにリスペクトないよ。警察って、頭よさそうだけど、実はあれ、学歴低くてもなれて、資格も簡単なんだからさ。暴走族も捕まえようとかえていこうともできない、中には、騒音車のはりこみを、ぶが悪いなんて言いだすやつもいるんだよ。
オレんちの横の人は、音楽やっていた、だから防音加工されたいえ、だから、そういうのは平気だったのだろうけどな、オレんちは音通すし、嫌だった、本当に。元の世界に残された家族らは、まだあの音におびえているんだろうか。
一九九〇年代はサイバーだ。でも二〇一〇年代はもっともそう。ほとんど来年の二〇一九年は、人類史上もっともサイバーなトシになるだろう、オレがまだあそこにいたら、そうしていきたいが、オレにはそこまで変える力はないだろうってなる、でも、もし、誰か、それっぽいかもって思えたら、それだけでも、オレはその誰かに少しでも支援はしたいなって、いまだからなんだろうか、なるよ、オレは、アートと無意識で絡んでいって、そして、他者と協力する心を学んだ。
Reino
寝すぎてしまうという経験。ひさしぶりだ。
オレの部屋は、散らかりすぎてて、寝るにも、寝れなかったんだ。
寝れないし、練れないし……。
オレはいま、テントの中だ。
砂漠にはられたそのテントは、豪華で、こんなにもできるんだなって気分になった。オレはテント入ったことないし、特にな。
オレはきっと一度だけだが、夢の中でならテントに入ったことがあった。きっと校外学習で、中学校の時っぽいけど、なぜか行ったところは小学校に行くような雰囲気のとこ、で、森の中だ……。しっかりとは覚えてないがあれは、夢ではないとは思うこともある。あれが夢ではないことで今後、何かとつながってくるのだろうか。
朝立ち。
オレは金はない、でも、金のために、ヤイバやサヤを売るわけにもいかないのさ。
オレがいまいるこのテントは、ただだった。
オレが元いた世界で、見るテントは、ほぼ決まって、ホームレスが、公園で使っていた。ホームレスなのに、テント、これは、どうせゴミ捨て場からひろってきたんだろうなって感じにさせられた。
一番印象的なホームレスは赤い橋の下でテントをはって、本を見る。なんの本か。際どい本だろうよ、あのへんそういうのよく落ちてるから。昔、同級生たちがあそこに集まって遊んで、ソファーとかも持ちこんで、基地にした。ポスターとかもはっちゃってさ。枝切りだすのもいた。
オレは、小学校の時から、友達はゼロ。一応、それっぽいのいても、裏切られたよ。まず、オレは好きな女子の載った学年通信を切り取って、輪っか状のものにその女子を切り取ったのをはって、何かに使っていたから、そういうの見られるの嫌だし。でもゲームのコントローラーばかり握ってて力強いやつだから強行突破させられたよ。
中学の時のは、オレのこと執拗にいじめようとしてくるからオレが好きじゃないやつだと言いたくないがつい言ってしまったやつらがいた、オレがもっとも信頼していた仲間だと思っていたやつはそいつらを連れてきた。もう愚痴らないと気がすまない状態だった。愚痴は、吐くたびに毎回喧嘩になってしまった。親も弟も誰もオレのことなんか理解してくれなかった。中学の頃不登校で代わりに通わされた、福祉施設だってそう、あそこにいた生徒は、つらくて不登校ではない、ただ、勉強についていけないだけとかさ……よく運動はできて……。
オレの中学の頃好きだった女子は運動ができた。そしてその女は、卓球部の部長、もうひとりはテニス部の部長、そしてもうひとりは水泳部の部長。オレのことを君付けで呼んでくれていたし運動できないやつにもやさしかった、イイオンナらだ。だが、そのうちのひとりが、ある天パーのヲタク男子に向かって、キモいって言うんだ……それはなんかショックだった……オレにはどう言ってくるんだろうか。何にしても、いつも複数人で戯れる空想をした。
そのキモいと言われた天パーのヲタク男子は運動はほぼできなくてもアニメの影響で、野球部に入ってきた。そして、自己紹介の時に、泣くんだ。緊張したのか。で、あくびをしたふりしてその泣いたのを誤魔化そうともする。そのような過去がある。
こんなやつもいた。これは教師でだが、アニメの影響で、テニス部の顧問して、野球のアニメにハマったら、野球部の顧問しだしたの……。RPGが好きなようだ。
オレは、その中学校の時に好きだったオンナらよりも、イイオンナと今寝ているんだ。すげえぜ、オレ。
Lカップある、サヤは普通よりもベッドを占領するのさ。ベッドは、際限がある。よって、オレはいま、一つのベッドでふたりと寝る。すげえ、こんなことがあるとはな。
オレの長髪は、侍のようにみえるのだろうか。そもそも、侍の時代に活躍したのだろうか、ヤイバらは。
侍は、長髪で、ほかの人はその時代はそうでもなかったのだろうか。
宿のオンナオーナーが服を洗濯してくれると言った。オレはよって、裸。でもオレは、ちゃんと布団に入っている、べつに法的にも問題ない光景だ。
そうだ、こっちの世界の法律は、何なのか。どうなっているのだろうか。
言語は、元の世界と一緒のようだ……。よかった。もし違ったりでもしたら、勉強しないといけないから。
英語ですらもままならないオレ。洋楽は聴いた、でも英語でわかるのなんて、ちょっとだけだ。
英語がままならない、なら、異世界の語学だって、無理なことだろう。
でもどうしてなのだろう、元いた世界と言語が一緒、なんて、何か変ではないのか、いや、そういうものなのか、いや……何か隠れた秘密があるのかもしれない……こっちから、流出して……だとかさ。
中学生の事だった。心霊写真が撮れた。あれは、不幸な出来事だった。
オレは大きいお寺に特別にお祓いをしてもらった。おフダももらったさ。
心霊写真は学校一の不良が撮った。複雑で残念な事情があってオレは、一時期不良たちにいじめられながらも絡んでいて、パシりだったことがあった。不良の男たちはみんな彼女持ちでいろいろとヤっていた。不良の男の姉がいた、オレはその姉に、ガラパゴスケータイに保存したオカズの写真を見られ、ドン引きされた。
こういうのもなんか変かもだけど、オレは、元いた世界で壮絶な経験をしてきた。たのしくはなかったけども。
きっと、心霊写真は合成で、そのあと見せてきた血みどろ人形も、どっかの保存したもの、どうせ、オレの家には霊はいなかった。
不良たちは急にオレの家にやってきて、夜勤で忙しい父の睡眠も妨害した……嫌だったよ、いつもAVの機器にハマっていてパラノイアなのだけど、今思うとごめんなって気持ちになるわ、親父に。恨んでるけどな、今でも。
実は、オレの背後には、霊が、いた。
「あの……」
声がした。
「ん?」
オレは誰が声を出したのかよくわからない。
「私の名前は……レイノ、です……」
「えぇ?」
オレは戸惑うオレはずっと霊なんて結局は物理現象のイタズラである実体はないと思いこんでいたのだから。
「私は、若年期に、自殺した。そして、共鳴を求め、探し続けて貴方様と出会いました、世界中をさまよってわかりました、もう貴方様しか、いない、と……」
「なに人?」
「古代ユダヤ人」
「ユダヤって、それ、国の名前ではないよな……? 聞いたことはあるさ」
「実体化、できます。こっちでなら、魔力の波長が合うので」
霊のは実体化し、オレは、三人と一緒に寝た。
フレンチェスコ法皇一派
オレらは、宿屋から出発してイった。朝立ちで。
どこへ向かうのか。それは、気分だ。とりあえずは、どっか、町にでも、イけばいいんだ。
「そもそも、キミたちはこっち来たことあるの?」
「そもそも、こっちが本来の世界だ」と、ヤイバは言った。「ほかのはまず、現人神以外はバツとして生きる世界。当然な話……聖書だって、ホトケだって、言っている。ボケたのか」
「そう」
もうオレはどこにでもイけばそれでいい、イきまくってそれでいいって、気分だ。
村についた。
夜のことだ。
酒場で。
オレは思ったんだ。女を大量に連れている……これ、狙われるんじゃ、って。女も、オレも、狙われる、と。でもだ、ひょっとかすると、オレの連れている女たちは、姿を変えれる、犯すことはできないのかもだ……なにせ、神器だ、そして、霊。この女のすべては、もう、オレのものになるのかもしれない。
オレの心の中は、レイノには、読まれていたりするのか……? ……まあいいか、どっちみち、オレについていた霊だ。もういろいろとばれてるしさ。
「ねぇ? いつからレイノはオレについていたの?」
「貴方様の思春期、頃から……」
「へぇ、ならもういろいろとばれてるな、べつにいいよ、もう、そんな」
「ごめんなさい……」
「謝るなって」
「どこか私たちよりも霊のほうが馴れ馴れしい。水臭いぞ、私たちに」と、ヤイバは言った。
「仕方ない、いつも取り憑かれてたってわけだから。水臭いねぇ、その言葉、なんか変だ、水が臭いみたいで。まあ、所詮は元いた世界の言葉……いやでもこっちでは……ちょっと訊いてみようか」
「おかしい。神器である私たちにも知れない女の霊がついていたなんて」と、ヤイバは言った。
「半端なんだよ、霊力が」と、オレはドヤ顔で言った。
「た、確かに、ご主人には霊力で負ける面があったのは認めているが……」と、ヤイバはイった。
酒場のカウンターで、おっさんがいた。
「あの、すみません。水臭いって何かわかりますか」
「水が臭いってことか? 知らないねそんなワード。俺は一流大学出てから教師だった。俺に知らないワードなんてないはずだ」
「ワードって言葉もあるんだ」
「あぁんっ? 何が言いたい?」
「外国人で」
「そうか」
テレヴィで、綺麗な女が映った。
「あの、あの女性の方は」
「フレンチェ様。そのぐらい外国から来たなら知ってるだろ?」
「フレンチェ……?」
「あの女のことが好きなのか」と、ヤイバは言った。
(確かに……あれは、ヒロシくんが、好きなオンナのタイプだわ……)
「いや、ずっとひきこもりだったんで知りませんでした」
「ザバカティンボウ市国のフレンチェスコ法皇の孫娘」
「ホウオウ?」
「有数の超最高権力者のひとりだ」
「敵になったりは」
「しないよ。ザバカティンボウ市国の法皇は、代々こっちに敵意を向けてたけど、ダイザヤマトゥ皇に対して初めて好意を持った法皇が、あの、フレンチェスコ法皇」
「ダイザヤマトゥ皇って」
「失敬だぞ。この国の、皇だ」
「なるほど……」と、オレはフレンチェを見ながらイった。
「最近は、ザキングダムジエイランドのリズ女王もザダイヤマトゥに親密になろうとしてきた」
「リズ王女は」
「前まであまりそういう態度はとっていなかったけど、勲章とか渡したりはしてきたけどな、この国のものにも」
「へぇ、そうなんだ」
「へぇ」と、サヤはイった。
(へぇ)と、レイノはイった。
「ありがとうございます」
オレは、高校の時、中退考える前、チューハイだが、酒をがぶ飲みした。中学の時、不良と絡んでいたこともあって飲まさせられたけどな。
オレの近所の駄菓子屋のオバちゃんは、ボケていた。お笑い芸人できるぐらいにボケていた。
平然と賞味期限切れた駄菓子を買わせるオレの近所の駄菓子屋のオバちゃん。
平然と地元のワルガキにもタバコを売るオバちゃん。
「ああ、教師だったていう面もあってか、ああいう仕事柄、平然と語れるんだ、感謝なんてしなくていい」
「どうも。ではイってきます!」
「おお、いっておいで」
「はいイってきます!」
オレは酒場から出た。
今日は、テントではない宿屋に泊まろう。
村は、町よりであり、綺麗だ。
宿屋についた。
風呂があった。一つの部屋に、結構のダイヨクジョウが。
「使い勝手がよさそうな風呂だ」と、ヤイバは言った。
「ほんとだ! いっぱい入れそう!」
オレは風呂に入った。
「このホテルもベッドは一部屋に一つしかないですね」と、サヤはイった。
「でもいいよ、昨日みたいにねればさ!」と、オレはイった。
「そうだな」と、ヤイバはイった。
「うんっ」と、レイノは逝っているがイった。
ヤイバにはえた、ヤエバ。これは、彼女と向き合って、初めて、ちゃんと見た。
ヤエバは、元いた世界の女のなんて、どうでもよかった、が、オレは、ヤイバのヤエバなら、このめれるんだ。
「うんっ!」と、オレは何度もイった。
オレはベッドに移動。
「寝よう」
「うんっ!」と、オレは、その日、あるゆる場所で、イった、何度もな、まあ。
6は英語で「セックス」
煎った、行った、逝った、炒った、言った……などと、イったはさまざまなイったがあるのだ。
オレはイった。今日これで何度目? とりあえずオレはいっぱいイッたよ、笑顔だ。
オレ、こっちにきてからは結構笑顔。
いつも絶世の美女以上の美女たちに囲まれているよ。
前までは人生とか、くだらないって、もう死後も期待してないって、そういう状態だったが。
まあ今でも死後は期待していない。でも、こっちの世界ではオレは好きに生きても善行したということで、死後も平和、そうなることを期待している、もう、そうなるって、俺にはわかるんだ、なるよ。よっしゃあ。
あと今思ったのでイってみますが、男女平等という概念がありますが、女性が下に見られているというのは、思い込みとかの要素があるのでは、と感じることはあります、オスとしてか? これは? ……まあいいさ。なんにしても俺は、男のがいきにくい気がするんだ、元いた世界。でも、女が男の力で抑えられたりとかは、否めない、か。こう思ってしまうオレはクズ男なのか?
カート・コベーンが言った。犯される女を守るより先に、男を犯されないようにしないと、女は犯され続けると。犯しへの否定でもある、でも、同時に、愚痴にも聞こえてくる、まあ自殺した男のことだ、完璧なことを言ってるかは不確かだ、と、自殺願望ありまくってたオレにでも思うんだ。
女より先に男を犯されないようにしろ、オレはこの言葉を深いかどうか判定するなら、普通だと思う。
確かに、いまのオレにはしっかりとわかるが、たとえば、普通の男が、変な女でもいいから、やさしくしてくれば、その女を犯したりはしないと思うんだ。
俺に取り憑くレイノ。この女、綺麗だ。こんな人間がいたんだ、っていうぐらいに美形。そして、爆乳。
古代の人、でも、いまの発育がいいといわれる少年少女よりも発育している。まあ身長は、百六十四センチだが。いや、イエ=スキ・リストという神が古代ユダヤ人だったあれのように、レイノも現人神とかそういうたぐいなのかもしれない。
あと今思ったのでイってみますが、男女平等という概念がありますが、女性が下に見られているというのは、思い込みとかの要素があるのでは、と感じることはありますっていうオレの主張、これさ、オレが、まあいいやとなっていても、前いた世界では、大問題、って感じに取られがちだ。その件以外でも、LGBTだっけ? ああいうのもただそれを理解はしなくたっていいとオレは思うんだ、許容さえすれば。受け入れようとしない、そんな簡単なことができない人がいるから駄目なんでしょ? ってさ、でも宗教やら、代々の意思やらと事情はあるんだろう、うるさくは言わないよ……。オレは百合とかヲタク文化としてなら好んでいたし、実際にそういうのあっても、平和って場合もあるだろうし、いいんだと思う、そもそもオレは男、だから、レズの気持わかるよと共感しまくるのもどうかとも思うが。あとオレ、ヲタクってイメージのときと、オタクってイメージのときがある、これは、どっちでもいいんじゃってなるわ。でも、オタクはより広義っていうか。ヲタクはほんとに、萌! って感じなさ。
あと今思ったのでイっときますが、男女平等という概念がありますが、女性が下に見られているというのは、思い込みとかの要素があるのでは、と感じることはあります。ってこういうのは、オレが、作家になったりしたとき、テーマの一つにできるかもだ。
俺は、元いた世界では、作家なんて、変に見られると思われて、踏み出せないんだ。上村春樹って日本の作家がいて、その人、売れてるほう。でも、ある女の声で、上村春樹ぐらいのルックスだと、主人公が全然かっこよくうつらないから、上村春樹作品にドン引きしてるって女、知ってる、会ったことないけど。そういうのも聞くし、オレには作家はハードル、高いよ。高いハードルはくぐれ? それ、反則だよ、意味ない。
高いハードルはくぐれって、誰かがいった。その誰かとは会ったことないけど。
オレたちは、町から出て、街にイった。
オレは、すぐに、どこかで休みたい。
ホテルだ、ホテルが見える。超高層ビルだ。
摩天楼? なんかそういうかっこいい言葉もあるよな、よく知らないけど、高い建物のことそう言ってればいいんだろ?
オレが元いた世界で聴いた曲、『ホテルカルフォルニャ』。オレは、アメリカのことはべつにあこがれていなかった。でも、『ホテルカルフォルニャ』、あれ、あのアメリカにはあこがれた。実際、薬物の恍惚を曲で再現したんだっけ? でもオレは薬物依存とかを推奨しているわけではない。
『ホテルカルフォルニャ』とは、アメリカのホテルではなく、幻想上に存在するものなのだろう、そうだ、いまオレがいるこの世界のような。
元いた世界では、生活に不満だらけ、音も気になっていたから、音楽というものを音楽できていないところもあった。でもこっちなら、話は別、また、あの曲、『ホテルカルフォルニャ』を聴きたい。
「なあ、レイノ。ホテルカルフォルニャって覚えているか」
「イイグルの」
「そうそう。あれ、どんな旋律だったか覚えてる?」
「あの曲には強くタマシイが入っていますから、ヒロシくんにとり憑いていますよ」
「いまならあの曲聴いて泣けそうだ。霊力でながしてくれよ」
ホテル到着。
「感じますか」
「ああ、気持ちいい」と、オレは泣きながらイった。
ホテルのテレヴィに姫が映った。
この国の姫だ。
「さっきの法皇の孫娘並みの美人さんだわ~」と、レイノは言った。
「なあ、このテレヴィ、霊力でとめて、今のシーンっ」と、オレはイった。
レイノは、霊力で、姫が映るシーンでとめた。
「これでナニをするの?」
「そりゃ、昼食のオカズへのスパイスさ!」
「本当は、法皇の孫娘もみたい?」
「そりゃもちろん」
「じゃあ」
レイノは、霊体のフレンチェを登場させた。他のところの映像から抜き取ったのだ。タマシイは抜くなとか聞いたことある、宗教で。でもさ、レイノはそういう乱暴なことはしていない。レイノは霊体でもあるから、こういうのは得意中の得意。
霊体のフレンチェ、でも、限りなく、実物に近い。
元々、かなり、妄想癖があったオレ、嘘もホントのように感じれる時が、あった……。でも都合いいことには、ならない、嫌なことだけ、その妄想は現実のように感じるんだ。でもいまは、より、フレンチェを現実のように映している。オレは、そっと、触れた、そのフレンチェの霊体を。揉んだ。
「すげえいいな、これ」と、オレはイった。
オレは思いっきり立った。
「マンコウ気持ちいい?」
「マンコウ?」
「満腔」
「あ~なるほど」
「なすりつけたらどうですか」
「いい感触だ、さすが貴族」
「貴族じゃなくたって気持ちいいですよ!」と、レイノは言った。
「ああほんとだ、気持ちいいよ、レイノの感触ぅっ!」と、オレはイった。
「6人いると思ってもいいということだな。まあ人知を超えた存在の私たちにはこんなものはあたりまえの現象だが」と、ヤイバはイった。
ホテルの女従業員がノックしてきた。
「お飲み物はいかがでしょうか」
「そうだ、ロッパイ!」
「ロッパイ?」
「6つのオッパイは、ロッパイ! ……いや、6人分のオッパイは、ロクニジュウニで、ジュウニッパイ! だぁっ!」と、オレは言った。
「あの、私の胸元に、帽子がありますが、被りますか? ご主人様?」と、サヤはイった。
「ああぁっ! 被る被る! ついでに咥えてみよう。オレ、帽子、ツバとか、そういうとこ、付けてあるとこ、吸ってみたくなる感情が昔からあってさ、ほら、小学校とかで強制的に帽子被るでしょ、ああキミたち知らない? いや、人知超えまくってるんなら知ってるか。ああいう帽子見てもさ、そりゃスキな女の子のもののが吸いつきたいかな~」
オレはサヤの胸元にある色白で大きい乳臭い帽子を頭に乗せた。乗り切らず、端のほうは垂れてるが。
「どうです?」
「ああ、すごく柔らかくて気持ちいい帽子だ。耳あてにもなる! 防音効果も期待できちゃかな~? すげええええええええええええええぇっ!」と、オレはものすごい勢いで立ちながらイった。
「ああ、急に立つから、私の大きい帽子が落ちましたよ」
「ははっ、まだ帽子フラフラゆれてやがんの」と、オレはイった。
「それ元々被る用ではないからな」と、被れないような小さな帽子をお持ちのヤイバは言った。
「サイズオーヴァー過ぎたかな? 被るようじゃない? ならなに用なのさ? 吸いつくようかな?」
オレは、本気で帽子を吸った。
「あ、またイってしまいそうですか?」
「うん! イってやんよ! 満腔!」と、オレはイった。
オレはまた帽子を吸いまくった。
「すごい吸いつきよう……」
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァッ!」と、オレはイった。
「ヒロシくんのダンシング、激しすぎ……」
「マイク・ジャクソンよりも早い腰振りだわ……」
「レイノ、マイク・ジャクソンのことスキか? オレよりも? たしかに、あいつ、かっこいいもんな、中々。整形でも」と、オレは冷めた感じにイってやった。
「いいえ、当然、あなたのほうのが共感できますし、甘えさせてあげたいんです」
「だろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」と、オレはイった。
ベッド上でのオレの腰振りダンスはまた始まった。
「あの画面から、抜き取ることだって、できるんだろうに」
「ナイスツッコミヤイバ」と、オレはイった。
レイノは、姫を霊力で、抜き取った。
出てきた姫ももちろん霊体。
「すべてのものには、タマシイがあります。その強さは異なりますけどね」
「さすが幽霊、いや、幽霊ではないか、こっちでは」
「でも、正直にいいますけど、イメージですから実物とは感触が異なる場合がありますよ」
「ははっ、なんか、それって、商品の注意書みてえだ。いいよ、霊体のほうでも愉しんどくからさぁ~」
「ヒロシくん、ステキ。まさに男の中の男だわ」
「ははっ、どこがだよ、元いた世界ではヘンタイだろ? そんなことレイノならわかってるくせに」
事後。
「たくさん寝ましたね」
「ああ行くぞ、また朝立ちだ!」
「雨だ」
「雨の意味でも朝立ち!」
「こんなに素晴らしい6名様は初めてです」と、女従業員はイった。
「だろ? 6は英語でセックスっていうんだ。英語って、わかりる? もとい、わかる?」
「いえ、なんでしょう、英語とは」
「6って外国語だと普通なにさ」
「シックス、でしょうか」
「英語ではセックスだよ! アハハハハハハッ!」と、オレはゲス顔でイった。
6は英語でセックス、嘘ではない。だってほんとにそう聞こえるんだから。
オレは、ヤイバやサヤとかの英語よくわかってない子ちゃんたちにも宿屋などで、こっちきて数日前にいろいろ詰め込んでやって、開発してやった。だから英語はある程度はわかるよ、ほとんど日本訛りな和製英語だけれど。
「おっパイナップルだ」
とりあえず長いものに巻かれようとオレは特に思い始めたのは高校中退した頃。
権力もないスラム街出身のオレ。よくあんなところで親は子孫繁栄しようと思ったなってほどにスラム街なあそこ、子は親の奴隷か? って毎日思ってた。気持ち悪い親だったよ、ほんと。正常には思えなかったよ、特に大人になっていくたびに。まあ、街といったらいいすぎなぐらいで田舎よりだが。そして世界一不細工が多いとかホントかウソか知らないけどいわれる愛知県。
長いものに巻かれるとかは、自分の意志に反していて嫌だ、オレは自立したいんだ。でも、オレは、それでも、頼りたいんだよってぐらい苦しいんだ。だからといって、危険な仕事はしたくはない、だからニートのままだった。
オレは、馬鹿だ。でもその馬鹿と反しようとしている。でも、もっと馬鹿なのがいて、そういうのは、その馬鹿さによろこびを感じているんだ、なんもいい方向にもってもいけない暴走とかしてさ。疲れたんだ、あの元いた世界っていうところは、言い伝えのとおり、本当に馬鹿は死なねば治らないのだろう、チクショウゥッ。自分の馬鹿さにも他人の馬鹿さにも鬱陶しさを、感じるよ、ああ。
でもさ、こっちきてそういう糞さもなくなって、いいんだ。
「なあ。この世界って、オレがまえいたところと本当に別のところなんだよな。レイノはどのぐらいこっちのこと知っているの」
「こちらは確実に前いたところとは別の所。神器に触れたものしかまず行くことはできない。ご主人は、私たちを、封印して、こちらから去ったのだ。そして、またこちらに来た。もう忘れたのか」
「私は大してこちらのことは知りませんが、霊力を通して把握していることはまあまああります」
街、そこには女子高生がいた。
異世界の女子高生。
異世界の女子高生はオレの元いた世界の女子高生と顔は基本似ていないが、雰囲気、そして服装は、似ている。
女子高生、オレは、このワードが大好きで、よくネットで検索したし、いろんな画像を見た。そしていろいろと見抜いたりもした。
「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァッ!」
「あ? なんだ?」
オレは、指をさされ、叫ばれた。
「きゃああああああああああああああぁっ! 見て! あの人かっこいいわよ!」
「ほんとだぁっ!」
率直に言おう。オレは、こっちでは絶世の美男に見える外見をしているのだ。
ちなみに、叫んでる女子高生たちのがオレよりも背は高い。
「絶世のイケメンよ!」
オレは、女子高生から大人気アイドルが浴びるような歓声以上の歓声を浴びている。
「ねえ、ちょっとあの子らのほうよっていかない?」
「イケメンくんがこっち来たわよ!」
「ねえねえ、キミたちいい帽子持ってるじゃん、その胸の」
オレは、その女子高生の中で一番爆乳でイイクビレ持ちの子の胸にぶらさがった帽子を露呈させ、吸った。
「いい味の帽子だ」
「きゃああああああああああああああああああぁっ! ありがとうございます!」
「ほんとに味なんてしたの? ……イケメンくん、私のもあげるよ、帽子」
「え、ありがとう!」
オレは、もっとも綺麗な配色をした帽子を持った女子高生の帽子も吸った。
「あ、あの! 私のも吸ってください!」
「いいよ、ちょっと待ってな」
「やった!」
オレは、そばにいる女子高生でもっともいい形した帽子の子の帽子を吸った。
「ああ! 帽子最高!」
「いまからぁ、学校あるんだけどぉ、今日早帰りできる日だから、その後ビーチいくんだけど、一緒にいかない? イケメンくんも」
「イクイク! ワイマール憲法も一九一九年でイクイク!」
「あはは、イケメンくんなんか意味不明なこと言ってておもしろ~い」
多分ワイマール憲法とかは通じていないんだろう。
「サイコウ。マジ性格もタイプなんだけど」
オレは長いものに巻かれる主義だ。が、オレの長いのは毛と、鼻の下と、鼻の幅と、顔と、落ち込んでいる時間と、胴だけ。下半身は特に短い。
「待ってるのもなんか面倒だし、学校行こうか」と、オレは言った。
学校は、またさっきいたほうに戻る位置にあった。が、これも旅の醍醐味だ、いろいろと彷徨こう。
学校には、ヤイバとサヤとレイノもつれていく。
ホテルから出て数分後、フレンチェと姫のレプリカはとりあえず、もとに戻した、レイノが。
レプリカ、といっても、バストサイズや身長はガチで合致するものだ。
フレンチェの身長は百六十九センチ。姫の身長は百六十八センチ。
オレ、元いた世界の学校は大嫌い。好きなのは女。でも本当は女も好きになれない。女をモノのように見ていて好きだったんだ。でもいまは、そんな悲観視はしていない。
学校に着いた。
「よし、イくぞう!」と、オレは気合を入れてイった。
オレとヤイバとサヤとレイノはいま保健室で待機中。
「ここなら宿泊もできそうだな」と、ヤイバは言った。
「だよな。でもここを宿の代わりにするのは不躾ってやつだろ」
オレたちはベッドでとりあえず寝た。
数時間後。
「あ~」と、オレは言った。
「あ~」
「気持ちよかったな、寝るの」
「はい」
「よし、出よう」
オレたちは保健室から出ていった。
女子高生たちと合流。
「イケメンくんオマタセ~」
「よお!」
オレが元いた世界で、陰キャラでモテないとされるであろう外見の男がこの学校で一番かっこいい男、と、されていたが、オレがこの学校にきてからは、それが覆ってしまった。オレはこの学校の生徒ではないが、この学校にいる男で一番かっこいい男、と、された。
「ご主人、また、見てみたら」
「え? ナニを?」
「この学校の部室とか。いってみたらどうだ。愉しいかもだぞ」
「ああいるかもな、カワイイ女の子! でもまただ! 今日はビーチの日なんだよ!」
ビーチに向かった。
パイナップルが実る木が大量に生えていた。
「おっパイナップルだ」と、オレはイった。
バトる
「名前は」
「カオリン」
「カオリン……リンちゃん」
「あはは、リンちゃん、いいね」
「だろ?」
オレのニキビは治っていない。オレは、ずっとニキビが治らないでいる。
でも、ニキビは、こっちでは、モテるんだ。
見た目がすべてではない、そんなことは知っているさ。見た目で苦しんできたオレだからこそ余計にな。
オレが元々いたところで、ニキビは青春のシンボルだって、よく聞いた。
でも、ニキビがオレのコンプレックスだったってのには全く変わりはないことだった。
オレが中三の頃の担任は、オレがノーヘルでチャリンコを乗っていたところをキレてきた。その担任は、少年時代、ニキビが欲しくて悩んでいたんだと。贅沢な悩みだ、いや、それは悩みなのだろうか。倒錯的な教師だ。
オレの父親は、チャリンコのことを、ケッタクルマシーンって呼んでいた。
よくわからない父親だった。こっちではたくさんのチチがいる……オレの周りに。血は繋がっていないから、義理のチチ。いいチチだ……大好きだよ、愛してる。オレは女が好きだ、堂々と言うよ。
やっぱ女ってイイ。甘えたいんだ。
オレはリンちゃんの帽子を吸った。美女の帽子を吸うこの癖、治りそうにない。
でも、リンちゃんは、ヤイバ、サヤ、レイノ、フレンチェ、姫より美人ではない。まあオレが元いた世界のクラスのマドンナって程度? でも大好きなんだ、すげえ甘えたくなる。
昔オレは母親の帽子を吸っていた。先が日に焼けた感じの茶色い帽子だった。
オレは、リンちゃんの帽子に、多量のケフィアヨーグルトをぶっかけた。そしてそれを、ヤイバに舐めさせた。オレは命令しまくっている。オレは、王だ。
オレが今いる国、ザダイヤマトゥ。そこに姫の名前はなんなんだろう。
「ヒロくん、プリマ様と結婚するの?」と、リンちゃんは言った。
「プリマ……?」
「姫」
「プリマっていうんだ。オレは、そういう差別できない。オレは、オレが好きな女と全員結婚したいんだよ」
「ステキ!」
「だろ? キミのさっき言ったステキで思い出したんだけど、ステーキ、食いにいかね? そのあと乱闘パーティーしようよ! 長期戦しよう! 人は傷つけないけどバンバンと撃ちまくってやるよ! そのあと口直しに帽子と栗と栗鼠とアワビその他モロモロで豪遊させてもらうよ」
「いぇ~!」
オレたちは海岸沿いにあるレストランでステーキを食いにいくことにした。夕暮れ。
「佐藤?」
「誰だ?」
オレは、ふりかえった。
「佐藤宇宙だろ、おまえ」
「もしかして……」
元いた世界で外出時、知ってる人と会うと、恥ずかしいなんかあの感覚を思い出した。
オレの今まで見てきた中でもっともイケメンの男は、オレの地元にいた。
不細工が多いと言われている地域、でも、あの男は、絶世のイケメンだ。
何を根拠にして絶世のイケメンだとするのか。もうそれは勘だとしか言いようがない。あの神経質なオレでもな。
そう、オレは神経質。ものすごいこだわりを持っている。なのに、オレの所持している女たちはそのワガママなオレを満足させるほどに美しい。
女なんて嫌いだって、元いたところではよく思ってもいた。が、もうそういうの、ゼロだよ。こっち来たからだろうか、すげえ、もう感覚がまえいたところと違う、まえいたところでは、見るものすべてが鬱陶しいって感じあったしな。
オレは、父母と祖父母にもいじめられていた。
最低な家族だったとオレは思う。でももうそんな糞さもないんだ。でも、オレは、いま、その大嫌いな世界で会ったことのある、男と、対面している。
オレと同じ地元の絶世のイケメン、その名字は、無量井。
「おまえまで髪伸ばしていたんだなぁ」
「ムロイこそ」
無量井は、ふたりの女といる。
「クレイヴ・ソリッシュ……これ、ヲタクのおまえなら、聞いたことぐらいは、あるだろ?」
「知らないけど」
「……なら、カラドボルグ」
「それも知らない」
「俺は、今、そのクレイヴ・ソリッシュとカラドボルグっていう女とつきあっている。これは、すごいことなんだぞ? ……そして、まえいた糞なところから、こちらに転移した。俺は、イケメンだ。もう、この事実は、覆せない。俺は、だからみいられた」
「なるほど、ムロイもオレがヤイバとサヤといるように、女を所持していると」
「この人、変……」と、リンちゃんは言った。
「……俺か?」
元いた世界での絶世のイケメンは、こっちでは、ブサメン、だ。
「勝負だァッ!」
「何をだ?」
「オレは、こっちではムロイよりも強い。さあ、オレの部下になってそのおまえのガールフレンド以上の彼女たちを渡せ。触ったりしたのか?」
「勝ち目がないってことか。確かに、俺は、いま、たくさんの女たちから、気持ち悪いものを見られている目を向けられている……」
「そうだ。こっちでは、おまえの味方はその横にいるふたりの女だけだ。さっさと負けを認めてオレのほうにつくんだ、いいな」
大体、百九十五センチの無量井。まるで、架空の伝説のナイト。オレは、こっちに来てもそのかっこよさは知っている。でも、こっちでは、全くかっこよくない存在の無量井。
夜、男女間の交わり
「ガマンしすぎて汁が出た」
オレは、今、帽子とにらめっこしている。大変変態な笑顔。
オレは、にらめっこで負けそうだ、だって、帽子、しゃぶりつきたいから。
いまは夜だから、帽子がはっきり見えないから、また明るいところでじっくり見てやるよ、虫眼鏡も使ってさ。ちなみにメガネしている女はいまのところこっちの世界であっていない。
「汁って、汗のこと?」と、リンちゃんは言った。
「うん、このまま汗だくサックスもやりたいね。そういえば、汁と汗って漢字似てるね!」
「汗だくサックス?」
「汗だくになってサックスやるの。意味そのまんま」
誰の帽子とにらめっこしてるのかというと、ムロイの連れていた女のひとり。胸がデカいほう。ふたりともデカいがな。その胸がデカいほうは、クレイヴ・ソリッシュ。
「俺はこのふたりを彼女だとはいったが、性的な関係はもっていないよ」
「それはよかった」と、オレはイった。
オレは、帽子とにらめっこする前、急に相手の胸元にある帽子をつかまえた。外に出した。
オレは、この世界では最強なんだと思う、実際さまざまな証拠があってそういっている、問題ない。でも、この相手は、オレより、もっと実は強い存在かもしれない、と、今更だが、気づいた。
つまり、帽子を外に出すのは、問題行為だったのではないのかと思うんだ。
でも、オレは、ムロイより強いんだ。だから、大丈夫だろう。
「ほら見ろよオレのサックス」
オレは出した。
オレはいまドキドキしている。鼓動が早くなった感じだ。こっち来てから口の中が何度もジワァ~ってきて、感動。あの感覚は、まえいた世界でも、あった、ネットで女子高生のいい帽子の画像見たりしたときとかでも。でも不快感はそこにはない。オレはこっちの世界に来てから一度も不思議と不快を感じていないのだ。
オレは思い出した、『移民の唄』を。
オレは確かに移民だ。
「小さいサックスだな」
ムロイはオレのよりも十センチメートル以上長いサックスをボロンと出した。
確かにオレのサックスはサンプルの小さくしたサックスのように小さい。
「きゃああああああああああああああああああああああああああああ!」
女子高生たちはムロイが出すサックスを手で見ない状態にして叫んだ。
こっちでは大きいサックスはウケが悪いのだ。そもそも、オレが元いた世界で大きいサックスのがもてはやされるのかは不明だが、サックスを大きくデキるツールの広告はやたらとよく見かけるし、そういう意味では、洗脳的に大きいサックスがモテるかもだ。
「ほら、誰かオレのサックス吹いてよ」
オレはとりあえず前にいるクレイヴ・ソリッシュの口にサックスの先端を接触させた。
ちなみに、クレイヴ・ソリッシュは、ムロイがただそう呼んでいるだけであり、本名は不明。ホントにそれが本名かもしれないが。
カラドボルグも、ムロイがただそう呼んでいるだけであり、本名は不明。ホントにそれが本名かもしれないが。
オレはノリノリだ。こっち来てからとりあえずノリノリな感じはいつもあった。
オレがまえいた世界では、見えない何かにいつも追われていた、おっかけされていたこともあるが、オレを嫌がらすためのものだ。そして、気を抜いても自殺が待っている的なものもあって、嫌だった。でもこっちにはないよ、もう、自由だ。やった!
ヘッドバンキングしているオレ。
今オレの脳内でながれている音楽は、『移民の唄』。レッド・ゼップリンの楽曲だ。
元いた世界でスターなんてムリムリ。ステージ上がっても頭おかしいやつだとされるとオレは思うんだ。肩書上お笑い芸人でも通らないだろう。でもこっちでは、そんなことはない。かっこいいよ、オレ、スターだ。
ムロイはレッド・ゼップリンのメンバーにいてもおかしくないぐらいにかっこいい。でもこっちでは絶対にオレのほうがかっこいい存在で、イケメン。
オレはレッド・ゼップリン気分でヘッドバンキング。いや、オレはレッド・ゼップリン以上の存在なんだ!
「俺の女になんてことしやがる……すげえやつだ……」
「デンデデデレ、デンデデデレ」
オレは『移民の唄』のメロディーを熱唱、ヘッドバンキング。
「きゃあああああああああああああああああああああああああああ!」
オレ、やっぱりかっこいいと思われている。きっと天才作曲家とも思われている。
そうだ、これから、元いた世界のアートをパクってこっちでスターになろう。もうスターだけどな。
そしてオレ、調子にのって、ムロイの女二人の帽子を寄せ集めてから同時に吸った。
すげえ、オレ、スーパーマンだ。
オレは思い立った。
「おいアワビ見せろよオマエ」
オレはムロイの女二人のアワビを出した。
「きゃあああああああああああああああああああああああああああ!」と、女子高生たちは歓喜。
オレはスター。モテ男。そうだ、だから、こうやって、アワビっていう高級で貴重な品を見せろといってもかっこつくし、色男。
オレは、浮気しても、かっこいい男、大胆ですごいってされるんだ。
「ほらアワビもってた。ヤイバとサヤも同じだった」
オレはオレのサックスをアワビに突っ込んだ。
数秒後。
ケフィアヨーグルトをアワビにぶちまけた。
ああ、いい気持ちだ。
もうオレは決めた。こっちではなんでも好きにやっていくと。
「……たしかに、俺は、佐藤に逆らったら、牢獄にでも入れられるんだろう」
「だからオレには逆らわないと?」
「ああ。まあな」
「なんかゴメンなぁ。ハハハハハハハハハハ」
「いや、いいんだ。俺は……ホモなんだ」
「え?」
「だから、おまえに、よろこんでもらえて嬉しいよ。確かに彼女だとはいったが、それが、いわゆる恋愛関係だとは限らないだろ?」
「ムロイ……いいやつだ、おまえって。ぜひオレの家来になってくれよ」
「ああ、いいぞ。俺の彼女は、俺の心の支えであって、家政婦だ。でも俺はホモ、彼女たちが他の男と結ばれようが、平気だ」
「ムロイ、廃人になったって噂、ホントなんだろ?」
「ああ。ずっとニートだった。ヤバいよ、マジメに」
ツボの深さ
「食べ物を粗末にするなよ」
「だよな。アワビ大切にしないと」
「俺は食べ物じゃなくても大切にした。もう誰からも奇人扱い同然だ」
「ようするに、ゴミとか採っていたんだろ」
「ああ。ゴミ屋敷の住人だ」
「オレもだ。屋敷っていうほどデカい家ではないけどな」
「廃人は似るんだろうな、割と」
「でもさ、ゴミ屋敷住んでるの何人も見たことあるが、あれは、共感できないっていうか、べつに精神的には苦しんでいないやつだ、ってなんか思うわ、ホームレスのにも」
「ニセモノってことだろ。オレたちはホンモノ、廃人マスター」
「ニセモノ……だろうな、そういう表現もできる」
「それにしても、オレはまえいたところでムロイとは話したことはない関係だった。こんな馴れ馴れしくていかったか?」
「その程度のことで悪いだなんてそんなことはない。ホンモノどうしにそんな気遣いは不要なはずだ」
「だよな。それにしても、オレはもといたところで毎日引っ越したい気持ちでいっぱいだった。嫌なんだ。そもそも、オレを騒音で苦しめたりしたやつは、オレの近所では新入り。オレはずっとあそこで暮らしていた。きたない家だったけど、あの新入りが近所に来るまえまでは、割と平和だった。そして、その新入りのほかにも恨んでくる騒音嫌がらせ野郎もいたから、オレは一日中ずっと気が抜けなかったんだ。新入りこそ引っ越せよって気分だった。でもうちのジジイもジジイでありとあらゆる音をうるさくたてようとするから、夜もねれないし、不快だったよ」
「それ、俺もなんだ」
「奇遇だ」
「きっと、騒音のそいつが佐藤の家から出て、屯する場所が俺の家の前。あいつ、絶対ニートだ」
「オレの家の前から頻繁に出発してムロイんちの前に行っていたと……。そうだ、レイノ、あいつら、どうにかできなかったのか?」
「私もあいつらは嫌いでしたが、処分するというまでの力は発揮できずにいたんですよね……」
「あいつらじゃ絶対落とせない、こんな美人にまで不快にさせやがって、チクショウ。あいつの嫁、見たけどめちゃくちゃ不細工だぞ。もしかしてあの嫁ごときでゲットして調子のってるのか、だからってあの嫌がらせはねーよ」
「でもこっちならあんなやつらもういないだろ、ラッキーだ」
「な。でもあいつらはまだ異世界あこがれもいだけずあの世界で愉しくやってるよ」
「……ああ。それさ、思うんだ。そのくせ、あいつらって、その大好きな、あいつらにとっては愉しい世界を、壊しているのにな、矛盾しすぎだ」
「テキトーに子どもつくって、虐待とかな。よく赤ん坊が泣き叫んでる声聞こえたよ」
「あいつらって、絶対小学生以下の、年齢だけの大人だよ。なのに酒とか飲んでな。タバコも吸って」
「ああ、ほんとだ。でもいいさ、そんなチクショウってなることも忘れて、豪遊だ!」
「だな!」
オレたちは、レストランに向かう。
「食い終わったらバンガローに泊まろう」
「いいな、バンガロー。異世界バンガローには浪漫を感じる」
「だろ、まえいたところのはなんかな、しっくりこねーわ」
「でもさ、ムロイって、ホモなら、男、つくらねえのか?」
「そもそも、俺は佐藤の家来だ。だから、勝手に男つくるのも不躾ってものだろ」
「いや、そんな拘束はしないよ」
「まあ、気分だな」
レストランに着いた。
焼肉専門店だ。でも屠殺ではない。
この世界の肉は、ただ肉であり、屠殺ではない。
「テキ屋っていうんだっけ?」
「違うよ。テキ屋はステーキのテキではない」
「あのジジイ……。うちのジジイがテキ屋はステーキ屋のことだって。得意気にいうから……」
「でもビーフステーキの略がビフテキだよね」
「自信満々そうだけど、それも違うよ。ビフテキはビフテックからきてるって」
「……まぎらわしいっ」
「だよな。コミケにしろ。コミマでいいのにな」
「検索してみよう。いや、検索してもこっちはネットとかできないのか? そもそもパソコンもケータイ電話も持ってきてないが」
メニューにビフテックの文字があったのでそれを注文しようと思う。
「こっちもカタカナが使われているんだな。カタカナしか見ていない、いまのところ」
「こっちはカタカナだらけかもな」
「カタカナって実は日本語ってわけでもないだとかさ、佐藤も聞いたことあるだろ」
「ああ! たしか古代の!」
「いいな、カタカナ」
「ああ。でもさ、ムロイ、なんでスターにでもならないんだ。生きにくくても、ムロイなら、なれただろ、スターに。モデルでも、ミュージシャンでも、いろいろ」
「実は俺、すげえ頭馬鹿になっててさ」
「ええっ、あの学年一位の、天才がかっ?」
「そうだ。もう、何も、覚えれないんだ……ほとんど……」
「……」
「壊されたんだ」
「知ってる。知ったかしたいわけではないけど、ムロイ、おかしくなってたから。すげえ元気、なかったもんな、後期。いじめられた経験あるオレからも思うけど、オレの従者であるムロイをいじめするああいうやつらは許せねえ」
「野生動物みたいにされた気分なんだ」
「でも、それ、大抵の女はよろこんで大金出して買ってくれるぞ、ムロイなら」
「でも、かっこよくはないだろ、それじゃ。どんどん壊れてってるしさ、いつか捨てられそうだ」
「どんなにかっこいい男だとしても合わせれる女は滅多にいないと」
「だろうな。女版の俺か、女版の佐藤ぐらいだけだろうよ」
「佐藤なんていっぱいいるぜ」
「そういう意味じゃないよ」と、ムロイは微笑しながら言った。
オレは、ツボに関心がある。
ツボとは、ツボ。笑いのツボ、とかのツボとは別だ。
「ねえ、ツボ見せてくれねえ? 奥まで? カラドボルグ、だっけ?」
「ああ、しっかり見てやれよ」
「奥どのぐらいまであるの? これ?」
「なにか挿れればわかるだろうよ」
ビフテックが届いた。
ビフテックの上には、ミルクイが。
このミルクイもさっきの肉のように屠殺ではない。伝わりにくいかもだがともかくそうなんだ。この異世界の感覚は実際に来てみないとわからないかもだ、語られても。
「そうだ、ミルクイ挿れよう」
そのミルクイはデカい。
オレはミルクイをカラドボルグのツボに挿れた。
「ああっ」とカラドボルグはイった。
「お? 届けよ?」
届いた。
ツボの奥までミルクイが到達した。
オレは、すぐにミルクイを引き抜いてから食った。
「どうだ? 気持ちよかったか?」
「はい、キング」
「キング?」
「俺のことだよ。でも実質キングの俺より上の佐藤はゴッド、だろうか」
「ツボの中の液が絡みついて余計に美味しくなった、ありがとな」
「ありがたきお言葉」
「それにしても、誰のツボが一番深いのか試さないか? ヤイバとサヤとレイノとクレイヴ・ソリッシュとカラドボルグのは長時間見たから確認済みだけど、みんな持ってきてるよね? ツボ? オレさ、長時間見ないと確認したことにしないんだ」
「それ俺もだ。わけがわからなくなるんだよ、俺、しっかり見てないと、見たんだっけ? ってさ」
「まさか、あの、完璧超人のムロイがな……」
「だろ、でも俺を気に入ってくれたこのふたりがいるからなんとかなってるんだ」
「でももうオレの女だけどな」
「いいんだ。友だちいっぱいいるといいとかよくもといた世界でもなんかいわれてただろ。みんな仲良く、だ。べつに佐藤は悪い男じゃないよ。浮気っていうやつかもしれない、でも、結果平和なら、それ、いいことだ。不倫とかそういう社会問題は、仲が荒れるから問題とされているんだ。みんなと仲良くして誰もフラずにぶっ通す、これは、平和だ」
「いいこといった!」と、オレはイった。
「そうだ。ツボの汁、飲んでやれよ」
「ナイスアイディアサンキュームロイ」
オレは、よく見た映画俳優の真似をしてツボの汁を大量に飲んだ。
「これなら砂漠でも生き延びれるかもな」
「たしかに。あ~美味しい」
オレはそこでそこにいた女全員のツボの液を飲んだ。
「口直しになったか?」
「うん」
「もう夜遅い時間だ。バンガローはまたにしてこの辺の宿で泊まろう」
「あ、ならさ。学校に行かね?」
「学校か。あいてるのか」
「あいてるよ、部活で、夜からも使っている人いるから」
「へぇ、そうなんだ。夕方も部活、で、夜も部活と。考えられないわ。オレ夕方の部活でも一杯一杯だったのに」
「そうだよ、私たちはしてないけどね、そこまで」
「だよね! 当然だよそんなの」
オレたちは、再び学校に向かった。
オレたちは、学校に泊まる。
「文芸部もあいてるかな」
「文芸部? 女子は?」
「女子しかいないよ」
「よっしゃあ!」
文芸部員のいる部屋に向かう。
「入るよ?」
「ねぇ、誰あのイケメン」
「オレ現人神だからさ。だって、さっき王を超えたってさ、いわれちゃった」
「ねぇ、すごくない? あの、イケメン具合」
読書中の部長。
部長が顔を上げ、オレのほうを向いた。
「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
「オレのこと? 照れるなぁ、こんなのべつにかっこよくないのに」
「そんな、謙遜しなくてもいいのに」
「そう? じゃあさあ、この学校にいる女子みんな、集めてオレと大乱闘しようよ」
「大乱闘?」
「まあ寝技っていうかさ」
「乱取りですか?」
「そう、それ! ……この学校にいる女子全員! 乱取り! よーい始め!」
オレはまず部長から乱取りしていく。
オレは開き直っているんだ。確かにオレはもっといい女を知っている、手にした。でもだ、オレは、ここにいる女子全員と乱取りしたいんだ!
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」と、オレは言った。
オレはとりあえず気合を入れるために叫んだんだ。
ジジイがオレが寝てる中でもお経唱えだすからうるさくて叫んだこともあったけど。さっきの叫びみたいな声で。
オレ、ムロイは嫌いではないが、他校の先輩に、嫌いな先輩がいた。その先輩は、美形で、でもムロイよりかは不細工さ。でもその先輩は、学校の女子全員の帽子を吸いついたことがあって、オレはそれを聞いて許せなかったんだ。
で、いまオレ。学校の女子全員の帽子を吸いついた先輩のようになろうとしているが、わけが違う。その先輩が悪い、オレをこうさせたんだ、きっと。チクショウ。
オレは明日、学校の女子全員の持参したアワビを味わいつくそうと思う。オレは先輩を超える、オレは神をも超える、ああ超えてやるさ。
「すごいがっつきよう……」
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」と、オレは言った。
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん!」と、部長は言った。
「会長がイケメンくんの噂聞いてすごい真剣な顔で走ってってるって」と、外野は言った。
「ホントだ、会長足速っ、廊下走っちゃだめってさんざん普段はいってるのに、自分で走ってるよ」
テニス部女子で一番手の会長、会場に乱入。
オレのもとにがっつきにきた。
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」と、会長は言った。
急遽、会長も参戦。
すごい激しい夜の大乱闘。
オレは高速で腰を振った。
いまは柔道ではなく、ダンスのバトルになった。
男はオレひとりのダンスバトル。
「アッ! ウアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」と、オレは言った。
腰振りダンスが激しすぎたゆえに体力の限界がきたのだ。
オレは、会長の帽子に顔をうずめた。
会長の帽子はフカフカした素材である。
「こんなイケメン、初めて見た……」と、会長は言った。
「二の腕だっけ。キミの帽子と二の腕の柔らかさって同じなの?」
「そうだと思います」
「ホントに?」
「実際に比較したわけではないのでわかりませんが」
「ならオレがやってやるよ」
体育館の真ん中でのダンスバトルはドロー。ドローは引き分けの意味だ。
「もっと私を好きになってください」
「いいけど、キミ、結構がっつきすぎるタイプだ。会長って外野が言ってるから、キミ、会長なんだろ。会長のくせに気が荒いんだな。よし、なら一番いい女、出してよ。いや、もうそれは明日にしようかな。いや、今日一緒の部屋で寝る用に!」
オレは、体育館に校内の女子全員を整列させた。
オレは体育をしたいから彼女たちの体育で使う帽子の持参をチェック。
食糧のアワビの持参もチェック。
オレは気に入った女の帽子とアワビを吸った。
「キミのツボ浅くないか? オレの小さいサックスでも奥届いたぞ。どこ由来なんだろうか」
オレはサックスをツボに挿れた。
「いいサックス置きですね」
「だろ? 話がわかる。さすがは吹奏楽部だ」
「私、フルート派何ですけど」
「副部長……」
「べつにいいよ、オレのサックスフルートにもなるから」
「ホント、だ」
「マジック」
「さすがイケメン」
オレは副部長にフルートをふかせた。
「ウマいね、キミ」
「きゃっ!」と、吹奏楽部副部長は言った。
オレは再び急に腰を振り出した。ダンスダンスんでダンス。
「ダンスの神様だろ? オレ?」
「はい」
「かっこよすぎ?」
「かっこよすぎます」
「アアアア!」と、オレは言った。
オレたち決闘者は叫びまくった。
乱闘を通して、気に入った女を保健室に連れ込んだ。
寝た。
翌朝。
「あ~」と、オレ基準で学校一の美女は起きて言った。
まさか、オレが、このような女を気に入るとはと、生徒たちは思った模様。
そうだ、オレにとっての美人は、この世界では不細工とされているようだ。だから、オレは不細工に大変やさしい男で、なおさらモテてしまう。
「よし! いくぞぉ!」と、オレはアワビに向かって言った。
今日の朝飯はアワビ! うん! 豪勢だ!
「佐藤。バンガロー、どうする」
「そうだなぁ、まあ、いいけど、先アワビで!」
「朝アワビか」
「そうそう朝アワビ」
「登山か。なんかたのしそうだ。登山ってさ、俺精神疾患あってもなかなか好きでさ。でもそれも無理になってきてからはしていない」
「山いいもんね。オレ大きい山大好き。テント張ってすみつきたい。ムロイはテント大きいよな、その体だと、大きくないと入れないもんな」
「テント大きくないとサックスも置けないもんな」
「ああ、サックスって大事だ」
「オレも毎日使ってるよサックス」
「ヘッドバンキングすると余計にキマるぞ」
「ムロイほどではないよ」
「え? 佐藤くんのがキマってるよ!」と、オレ基準で学校一の美女は言った。
「あはは、ありがとう。ああ、そうだった。まださ、昨日来てない子も今日来るし、その子たちと大乱闘してからだ。バンガローは!」
「だな。愉しめよ、大乱闘。俺は加わらないけどな」
「おお!」
「おっ、パインがあるけど、食うか? 俺の女の」
「うん! 食べる食べる!」
「ほら、持ってきたぞ」
「おっ! パイン来た! ウマそうだ!」
「アワビにパインと豪華だな。ホモにでもわかるよ。ホモでも感覚ずれてるとか思うんじゃねえぞ~?」
「んな、ないよそんな偏見」
「さすがは佐藤」
「ああ。オレ、ヒロシって名前だけどさ、ウチュウって漢字で書くから、からかわれたなぁ~、これ、かっこいいかもだけどさ、オレはイケメン主人公でもないから、似合わないし。しかも親がたまたま見たスポーツ選手からとったってだけで、べつに特別でもなんでもないんだ。オレさ、アニメならスポーツたのしめても、リアルのは、ちょっと……」
「たしかにな。俺もリアルのスポーツ番組はまず見ないわ。大好きなやつって結構いるけどな。でも、たのしいのもあるぞ」
「え? それってどんなのだよ」
「哲学者のサッカーとかさ」
「哲学者? なんかおもしろそうだな、それって」
「でも俺はこの世界のがおもしろいと思ってるよ」
「きっとオレもそうだ、まだ見たわけではないけど、そのサッカーを」
数分後、オレは教師に提案した。
「何者だね、君は」
「オレは佐藤宇宙です。でも、異世界的にいうと、サトウ・ヒロシ、かな。どっちも読み同じだけど」
「授業妨害したいのか」
「いいえ、オレは、もっとこの学校を愉しいところにしたいのですよね。いまから大乱闘でも、って思いましたがやっぱやめます」
「ええええええっ!」と、オレを求めまくってる女子生徒たちは言った。
「でも安心して。放課後にやることにするよ。汗たくさんかいてる女の子もオレ大好きだから、たくさん汗かいてきてよ。なんなら一緒にサウナ入ろうか」
オレは女子生徒たちから絶賛された。
「君がハンサムボーイなのはわかるが、今後このような妨害はつつしんでくれ、このままだと、みんなが、君に夢中になりすぎるだろ!」
「先生、オレに命令はよくないよ」
「そうよ!」と、オレには届きそうにない女子生徒は言った。
でも、その女子生徒は、元いた世界でオレは届きそうにない子だ。
「女の子はみんな、オレに、尽くしたがっている。そう、女の子は、オレのために働いて、オレと結婚もしたがっている。女の子たちはね、オレを人生の意味にしたがっている!」
「大賛成!」と、クラスのマドンナは言った。
みんなオレの意見に賛成している感じが伝わってきた。
オレのことが好きすぎて騒ぎ出す女子生徒たち。
「みんな! 落ち着いてよみんな! オレのこと大好きなのはわかったからさ」と、オレは笑いながら言った。
「……」
「大好きだよ!」
再び、騒ぎ始めた女子生徒たち。
きっと、アイドルもオレに負ける。
そうだ、こっちのアイドルを仕事なくしてやろうか。
「もう私佐藤様のファンしかできない!」
「オレいまからさ、アイドルグループ全員超えようと思うんだけど」
「もう超えています!」
「でもさ、それを見せないと超えてるってされないじゃ~ん? 残念ながら」
「なら私にお任せを!」
「ん?」
「私、放送部で部長しています!」
「おっ、なら頼むよ!」
「はい!」
放課後。
「どうしようか。先大乱闘か否か。よし、先大乱闘にしよう!」
今回のが女子生徒が多く参加している。当然だが。
オレは、体育館に女子全員を並ばせた。
「私を選んでくれませんか……?」
「……気に入った! その態度!」
オレはひきつづいて女子生徒代表者たちを厳選していった。
数時間後。
「よーい! 始め!」と、体育係代表の女子生徒は言った。
大乱闘がスタートした。
すげえ数だ。
ヤバい。
「ハァハァ」と、オレは笑顔で言った。
オレとダンスしたいとよってくる女子生徒が来た。
「社交ダンスでも……」
「いいよ」
オレは彼女と踊る。
激しいダンスだ。
もう社交ダンスの域を超えてしまっている。
ノリはブレイクダンス以上だ。
「アッ! ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」と、オレは言った。
オレは賢者のように静まりかえった。
「放送部、準備整いました!」
「よし! いくぞ!」
オレは放送部の部室に向かった。
いまテレヴィ局のが来ている。
オレは特集されている。
「絶世のイケメンがこの学校にいると聞いて、やってきました」
「ありがとう」
「かっこいいですね」
「だろ~? だからオレ、この姿をアイドルたちに見せてやろうって」
「なるほど~」
「だからアイドルたち呼んで、見せてやってよ。負け認めるかな?」
オレは思った。こっちのアイドルと競い合っても、べつに嬉しくはないのでは、と。
元いた世界のアイドルは、好きになれなかった。
でもオレはこっちの世界が好きなんだ。だから……。
「どうかしましたか?」
「あの、すみません。やっぱり、いいです。代わりに……」
「代わりに?」
「メッセージを」
「メッセージですか?」
「はい。この世界のみんな! 愛しています!」
オレは、世界中のみんなに愛を伝えた。
このオレの愛のメッセージは、きっと革命だと感じた。
こんなステキなアイドル、オレの元いた世界にいただろうか。
オレは、こっちでは完璧の男とされている。それが、全人類に愛のメッセージをおくった。
オレはスーパーヒーローなのさ。
「素晴らしいメッセージ、ありがとうございます」
「そうだ。プリマとフレンチェにも」
「それは、私たちにはできないです。そこまでの力は持っていませんので……」
「そうですか」
オレは、そうと知っても、実は、さっきのオレを、プリマとフレンチェは見てくれていたと願った。実際に、そうだろうと、思った。オレは、超能力に目覚めたかもしれない。
「見ています、チラッと。でもしっかりと心をときめかせて」
「レイノ、ありがとう。助かったよ」
「どういたしまして。貴方によろこばれること、これが私の生きる意味ですから」
レイノの霊力で、オレは安堵。
オレはバンガローヒルへと向かう。
オレは外へ出た。
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」と、オレは言った。
オレは人生に歓喜した。
こっちの世界だからこそだ。
元いた世界では、常に自殺と隣合わせでいつ死ぬかなんて謎だ。もうさんざんすぎだった。
中庭で叫んでも叫んでも足りない歓喜を表すオレ。
オレ、気づいた。オレ、何してもかっこいい男だってことを。
「キャアアアア!」と、オレのファンの女子生徒たちは言った。
オレのよろこびは、他者のよろこびでもある。
オレが元いた世界で、己のよろこびで他者をよろこばせれるアイドルは、知らないオレ。きっと、オレのほかの人も、知らないはずだ。
よろこばせれたふりをさせるのは上手くても、実際は他人だ。結ばれることはあったとしても、結ばれたら他人の域を超えている。
「オレは王だ! オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオウ!」と、オレは言った。
この感覚が、スーパーマンってことか。
「ヒーローシ! ヒーローシ!」
繰り返されるヒロシコール。
それに反応しヘッドバンキングしてノリノリのオレ。
これが人生の意味だってわかったんだ。やっとわかった、これが人生なんだ、と。
オレが元いた世界の人生は、人生なんかではないって、オレは思うんだ。あくまでも、オレの基準だけどな。
いつか、ライヴステージにでも、上がりたいものだ。ロックンロール界のスターのように、ノリノリにキメてやるんだ。
オレは、もし、急に、まえいたところに戻されたら、ムロイといるから、上手くやれるのか? その答えは、Noなんだろう。ムロイがいても、オレは救われないんだろう。そもそも、ムロイ当人も、もう限界そうだ。
「ムロイ」
「どうしたんだ」
「イチか、バチかで、頼りいって、ふたりと出会ったのか。それとも、偶然か」
「それは、また話すよ。俺、脳での処理がすごく苦手になってしまったから」
「すまん、また、話したくなったら、言ってくれよ」
「ああ」
オレが中心で回りだした異世界。
無理に中心になったとも違うさ。
オレを尽くすオレの女たち。
オレの家来であるムロイ。
オレのことが好きなファンのみんな。
異世界の中心人物を支える、この仕事、みんなは、尊い仕事だって、思っている……ってオレは思う。
「みんな! オレに尽くせれて嬉しいよなあああああああああああああああああああああああああああああああ!」
「嬉しいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」
「ほらやっぱりなっ」
「よかったな、佐藤。俺も嬉しいよ、佐藤宇宙の、家来になれてさ」
「ムロイ、オレもおまえという部下を持てて嬉しいぞ!」
「よし、それならバンガローヒルへと向かおう」
「よし! いくぞー!」
オレたちはスターティングオーヴァーした。
バンガローヒル、そこでは、なにがオレたちをまちうけているのだろうか。
敵か、味方か……なんだっていいさ。もう、オレは、誰にも負ける気がしないのだから。
「オレ、ツエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!」
「ヘッドバンキング」:頭を銀行に預けてどうする!
異世界銀行。
まあ、こっちからしたら異世界は、元いた世界のことなんだろうが、オレにとってはこっちが異世界なのには変わりはないし、異世界銀行、これでよし。
異世界銀行では、さまざまなものが管理されている。オレが元いた世界の世界銀行以上に。
気持ちいい。いい雰囲気だ。
「ヘッドバンギング、だぞ。まえまであえて合わせていたが」
「ヘッドバンキング?」
「ヘッドバン、ギ、ング」
「ギ? えぇっ? ずっとキングかと……」
「俺も、キングだけどな」
「ああ、キング違いだけどな。ちなみにオレゴッド」
「知ってる」
「へぇ、そうなのか。オレ音楽系のこと詳しい気になっていたが。まさかこんな初歩的なこともわからないでいるとは。でもオレは、そういうものよりも単に音楽を追求していたから、間違えてても普通か、外国語だし。まあ簡単な英語かもだが……」
「ちなみに、ヘッドバンキングだと、頭を銀行に預けるって意味になる」
「頭を銀行に預けてどうする!」
「いいノリツッコミだ、ホントだよ」
「でもメタル系だろ? 大抵? ヘッドバンギングってさ。アハ、いえたよ、今回は、バンギングって、ギ。オレ、メタル系のはあんまり興味ないんだ。長髪でかっこいいとかそういう感じの意味でなら評価できるが。まあ長髪はメタルに限ったことではないが」
「でも外国語は日本訛りだと結局全然通じないだとか、ネイティヴ云々でどっちもどっちかもだな、でも結局伝わりそうだ。俺は外国人と話はすること何度かあったけど、そういう厳密なところまで求められる関係ではなかった。俺の家政婦ふたりは、外国人のようで別物だ、だからまた別だ、俺が使い慣れてる日本語で会話している。水仕女っていう言葉があってさ、家政婦っていうよりもそのほうが、かっこいいんじゃないかって。でも水締め係みたいでなんかまぎらわしいかなと」
「話長くないか? ただオレが記憶力弱いだけだろうが。まとめて言われるとぜんぶのこと返せれない感ある」
「俺は聞き返されてもキレないようにするからまた聞き返せばいい」
「ありがとう。まあ今回は聞き返す必要はないから聞き返さないけど。でもやっぱり気になることが……外国人と話ししてたの?」
「ああ。まあ、旅行者っぽいものに質問されたとか、昔通っていた、英語塾の延長で、関係があったって程度だけど」
「なるほど。でもムロイぐらいなら、外国人でも簡単に攻略できるだろう、人種や言語の壁をこえてさ」
「そうだ、しかも、俺は俺の家政婦のふたりから、元いた世界では少なくとも一番外見がかっこいい男だから、ということで気に入られた、もっと詳しく話せるが長くなる」
「ああ、また聞かせて」
確かにムロイはオレが元いた世界でどんな男よりもイケメン。
夢のようだ、あの超人ムロイとともに生活ができるだなんて。
でも、これも夢ではないし、空想でもない。
オレ、なんか人間的成長ができた感覚だ。実際はべつにそうでもないとしても、なんにしてもオレは、いますごい存在。
「そうだ。でも、こっちの銀行、頭を預けれるらしいぞ」
「着脱可能ってことか?」
「そういうタイプのものもいるってことなんだろうか。でも脳のデータを保管するって意味らしい」
「じゃあある意味ヘッドバンキングだ」
「だな、ヘッドバンキング」
オレたちはその場でヘッドバンギングをした。
ムロイもオレも長髪。
オレたちはまるでミュージシャンみたいだ。
オレのヘッドバンギングを見て惚れる女多数。
銀行でもダンスしだすオレ。
ダンスダンスアンドレヴォリューションだ。
オレとダンスしたがる女多数、交わりたがってる。
「ハロー? オレとダンスしたい?」
「ぜひ!」
「よっしゃイってみよー!」
オレは激しくダンシング。ピストン運動っていうんだっけ? この動き。
オレは元いた世界ですご腕ダンサーともいわれてたマイク・ジャクソンのハネムーンウォークを真似た。できていないが。
ハネムーンウォークは前のほうに歩く運動をしているように見えるが後ろに移動しているというダンスだ。マイク・ジャクソンは、これを徹夜で練習したんだとか。
ハネムーンウォークは失敗、でも、オレは歓声を浴びている。
銀行でダンスダンスんでダンス!
スーパースターのMVのようだ。
オレは主役でスーパーヒーロー。
「名前は?」
「サトウ ゴッド ヒロシ」
「ゴッド……」
「ホオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」
オレはマイク・ジャクソン意識して吠えた。
オレは歓声を浴びる。
オレはこっちでならマイク・ジャクソンより人を盛りあがらせれる。
銀行の横にある皇立図書館にオレはノリノリで移動。
オレが人を通り過ぎるたびにその人々はオレについてってノリノリだ。
オレは、ムロイに頼みたいことがまたできた。
「どうしたゴッド」
もうムロイは、オレのことをゴッドと呼んでいる。そのほうが呼びいいのかもな。
「動画撮ってよ、MVを」
「OK」
ムロイは一緒に異世界入りしたニッコンというブランドの高いカメラでオレの勇姿を撮影。
本来図書館で騒ぐのは問題行為、しかもここは皇立図書館。でも、みんなノリノリだからいいんだ。
女館員と乱取りしだすオレ、寝技。
平和だ。
魔街
「夜になるのはこれから二時間ぐらい経ってからだよ」
「ありがとー、ならまた!」
オレたちはバンガローヒルに向かう。
今は夕方。
最寄りの駅まではまだ遠い。
夜行列車を頼ろうと思う。
女子高生たちと一旦距離をおくことにする。嫌われたわけではない。もちろんオレはこの世界のことをし、彼女らを嫌ってなんかはない。ならなんで離れたのか。それは、単に、本命ではないから、フレンドどまりというか。
なんにしてもオレは女子高生たちといろいろやりまくったし、今後も別の学校の子ともあってやろうかなって感覚あるよ。別れてもまた会いたくなったら会いにいくし、もうなんだってありさ、オレは、こっちでなら、どこかにマスをかくようにウマくいく。オレ、マスをかくのは大得意だから。でも数学はニガテだ。
真四角とかをさ、定規でたくさんのマスを上手くかいていくの、そんなんでも昔はたのしめた。マスは数学的だ。ていうか実際、数学は英語でマスだったっけ? アハ、アハハハハハハ!
今夕方七時。
こっちの世界では、夜になるのは九時頃からって女子高生から聞いた。こっちに来て数日もういるオレだが、時間までは気にしていないから、しっかりとした把握はできていないが。
まえいた世界の時間は酷なもので、時間がほしい時は本当に短く過ぎていく。時間はいろいろと大切で、いつなにするか、そういうこともつき纏う。オレが苦しさでどんどん壊れていった頃からは頭が壊れたのか、時間がすぐ過ぎた。嫌だった、だって、その頃オレは、いろいろとアートを作りたかったから、才能がなかったとしてもだ。
オレは学校に通っていた頃、時間がありすぎてその膨大な時間が気持ち悪いなんて、感じていた、これはもうオレの思考の癖にもなっていって、結果、オレはテキトーに生きていくようになったのかもだ、時間なんてどうでもいいんだ、と。
でも、時間も、どうでもいいって思うオレ。オレは廃人だ。だから、何も、なしとげれない。こっちにきたいまならなしとげれることはたくさんあるけど。
でも、もうオレは勝ち組。でも、時間はどうでもいい。だって、こっちは、時間に追われて苦しむことも、ないのだから。
愉しい、さいこう!
まえいた世界でオレの使っていた寝具はオレの崩壊と比例するように破れていって、オレはワタだらけ。家族にはキレられるしもうオレの居場所はどこにもない気分だった。
でも、こっちは違う。
オレは歓迎されている、世界に。
異世界、こっちこそが世界。もうまえいたところなんて、オレは世界とは思っていない。もう無関係といってもいいオレとまえいた世界。でも、オレは、まえいた世界に、まだ、オレを壊そうとする要素がいるんだって、思うと、馬鹿だろって、思ってしまう、気を使っているんだ。
急に、マンゲキョウが見たくなったオレ。
またマンゲキョウを見せてもらおう。オレは持ってないから、誰かのを借りて。
マンゲキョウ、オレ好きなんだ。漢字で書けないけど。
「駅弁大会やろう!」と、ムロイは言った。
「いいな駅弁! ほら、綺麗なバイトさんも一緒に!」
オレたちは駅弁を購入。
オレたちは駅弁をむさぼった。
駅弁売りのバイトの美少女も一緒に駅弁大会に参加した。
「ウマいな!」
「駅弁すげえ!」
「オレ運動ニガテだけど駅弁食いする力ならあるんだああああああああああああああああああああああああああ!」
オレはダンスしながら駅弁食いした。
「すごいむさぼりよう……」
「だろ? 駅弁屋さん!」
「まだバイトなんですが……」
「それでもジョウデキ! もっと愉しませてくれよ! 駅弁じゃなくてもいいんだぜ! ……あっ! そうだ! 駅弁屋さんのお姉さん! マンゲキョウプリーズ!」
「どうぞ!」
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! 仕事早すぎ!」
オレの手の動きはもっと早くなった。
駅弁食いのスピードが早くなったのだ。
「うめえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ! お姉ちゃんうめえよおめえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!」
「あはは、どういたしましてっ」
「うん、いいねっ。その態度、食欲そそる」
「ゴッド、そろそろ乗車券買わないと遅れるかもだぞ」
「おお、そうだな、われに返してくれてありがとう、キング」
「どういたしまして、ゴッド」
オレは、乗車券売り場で。
「……バンガロー、あった、あの! 十三番の券くれませんか! えぇっと……何人いるだっけ……とりあえず十三人分で」
異世界銀行でのゲリラライヴで儲けた金をテキトーに支払った。
「どうぞっ」
「あざーす!」
とりあえず購入。
「どうだった、ゴッド。まあゴッドが買いにいかなくてもよかったが。俺はただゴッドが駅弁に夢中になりすぎてるから、ああやって声かけたんだ」
「でもいいさ! こっちでのパシりやみんなのために頑張るのって嬉しいからさ!」
「さすがゴッド! 余裕だな!」
「キングこそ、なんか愉しそうだ」
「アハハ、そりゃな、まえいたとこなんかよりも、ずっと」
十三番行きは……魔界都市バンガロービル行き列車だ。バンガローヒル行きは、十三番ではなかった。バンガロービルをバンガローヒルと見間違えたオレ。魔界都市バンガロービル、そこは、知る人ぞ知る、魔境。知ってる人は、魔街と呼ぶのが基本。……といった具合で、列車に乗って、指定席のある部屋に入って、くつろいでいる頃に、オレは、思った。これは予知能力か、ただの妄想か。
きっと、ボスのかわいい娘がいる……それは妄想だ。
オナニ様陣営
山田和氏、オナニ様と出会う
底辺校卒業後、メカトロ部だったというコネで進学を可能にした男、山田和氏。
山田和氏は、ヤマカズのあだ名で呼ばれている。
山田和氏の身長百六十センチメートル。
山田和氏の体重通っている学校でもっとも重いキログラム。
山田和氏は、メガネをかけている。
現在専門学校除籍寸前の山田和氏。もう彼は、人生に意味を見出せないと思い出している。それがいまのヲレ氏、こと山田和氏。
ヲレ氏が一人称さ。
学校に通うのが嫌で、創作活動を考えだしたヲレ氏。
ヲレ氏は専門学校進学後、一度も髪の毛を切らずにいて、ロン毛なのさ、いま肩ぐらいまで伸びている。毛のセットには小一時間以上かけている。でもべつに、ファッションリーダーとかではないからな。
ヲレ氏はミシャグジ様を信仰することで下半身の伸びがよくなるのだろうと思う。思い立った。
早速創作に使わせてもらおうとなって、使った。その辺から不吉なことがもっと増えだしたんだ。
ヲレ氏は昔から不吉なことがよく起きる宿命を感じていた。
ヲレ氏はミシャグジ様を彼女にする話を作ったりしていた、とかの記号をセリフにつけるぐらいに愛していますというのを表現。主役は結局ヲレ氏で、創作活動は自己満足をモットーにした。そして、ミシャグジ様があまりにもヲレ氏のことを不快に思ったのか、今日、会ったんだ。会いにきたんだ、向こうから。もうすぐにわかった。向こうから名乗りでなくても、このお方がミシャグジ様なんだって、テレパシーっていうの? でもいるよね、宗教系の人で宇宙人とか、死んだ人と対話できる人って。
でも、不快にさせたから会えるなんて、寧ろレアで、普通は警察だとかが来る。ミシャグジ様は神だから、瞬時にヲレ氏のもとに来れる。
ミシャグジ様はとても美人でヲレ氏の部屋で一緒にいるのがそういった意味でも奇跡的光景。そもそも神と会える時点で奇跡だ。
ヲレ氏の通う専門学校は街にある。結構の都会だ。でも、人がすごくいるとかとは違って、街のビルのショーウィンドーによくうつってるんだ、ヲレ氏が。
ヲレ氏は街のビルのショーウィンドーにうつるヲレ氏を見て落胆した。睡眠中に夢を見て、その時もそういう嫌な光景が浮かんできてかなしいんだ。すごく下半身が短く見えるからってのは特にあるんだ、でもほかにもあるよ、特にあること。なんか、こう、ほかにもあるぞっていうの、うちのジジイとババアが、ヲレ氏に悪口言うとき、よく使う、それ嫌いだ。
「なぜ様と付けない」
「さ、ま……?」
「ミシャグジ様、と」
「ああっ! すみません!」
「そもそも、もっとちゃんとした大学で神について学んでから創作をしろ」
「低学歴ですみません!」
「しかも、初期のほうの表記がミシャクジだったりミシャグシだったりバラバラで覚えてもらえてないし、テキトーに私を使いすぎだ」
「すみません! ヲレ氏、実はあなたのこと、全然知りません!」
「教えてやろう」
「ありがとうございます!」
「……もしかして、すべてこちら側にまかそうとでも?」
「すみません!」
ヲレ氏はネットでミシャグジ様のことをいろいろと、調べた。
なんと、あの特にマニア受けするゲーム会社、アストラまでも祟ったんだって。ゲームでミシャクジ様を雑に使ったのがまずかったようだ、しかし、主役にしないといけないとかではないようで、いいものであると描いてあれば、問題はないとヲレ氏は思う。
ヲレ氏はミシャグジ様をとても綺麗で素晴らしいお方だと描いた。でも、様付け忘れがよくなかった。実は、単なる説教ではなく、とても綺麗で素晴らしい存在に描いたヲレ氏への感謝の意を込めてここに来てくれたのか?
アストラはミシャグジ様に祟られてから、トラブルが続いて、謝りにいったんだと。でもどうせアストラの人たちは、ヲレ氏みたいに実際にこの方とは会っていないのだろう。ヲレ氏、怒られてるだろうっていうこの瞬間でも、今後なぜかずっとこのお方と一緒に生活できると思っている、気に入ってくれると、思っている、なぜか。不思議だ。もしかして、先程、ヲレ氏にミシャグジ様であるのを伝えたあれのように、今後も一緒に暮らそうねって、伝えてくれているのかもしれない。
ヲレ氏とミシャグジ様の毛の長さは同じぐらい。これは、お似合いカップルだととっていいのか。
「祟られるの、怖いか?」
「あなたに祟られるなら、寧ろ気持ちいいかもしれませんね」
「単に祟ってもおもしろみがないだろ、なら、異世界にでも、飛ばしてやろうか。祟るのは、最後の最後ってことにして」
(え? 異世界転移? それってご褒美? あまりに急にデレてると変だから、祟るといってツンツンしているのか? アハハ)
「ものすごくニヤけているな」
「そりゃもう」
「よし、ならどこへいきたいんだ。どんなところがこのみなんだ。いってみるがいい」
「ウユニ塩湖みたいな! そこから始まる物語ってかっこいいじゃんって!」
「なんか、馴れ馴れしすぎないか?」
「すみません!」
「私は、御何っていうんだ、真名」
「オナニっ?」
「様を付けろ」
「オナニ様!」
真生活・新生活・神生活……エトセトラ
「ミシャクジ様」と、ヲレ氏は検索した。
「前回はミシャグジ様と検索していたが」と、オナニ様は言った。
「これは……調べてみるといろんな呼び方があるっていうから、その呼び方分調べるんですよ。ちなみに、アストラっていうゲーム会社ではミシャクジ様っていう表記で、別って感じが出ている。やっぱりミシャグジではないんですよね、アストラのは」
「様」
「さっきのは様なくても問題ないのでは?」
「まあ、そこでそういう調べ方をしても、結局すべてを知れるわけでもない。でも、知らないよりはマシだな」
「調べても知れない、秘密とは……?」
「これとかさぁ」
オナニ様はアワビとカズノコなどの海鮮物系のものを見せつけた。
バッチリ見たさ。素晴らしい。
なんて鮮やかな色、シミ一つない。ヲレ氏の飼育中のミルクイなんかと比べ物にはなりゃしない。
シミだらけのヲレ氏の体、シミ一つないオナニ様の体。オナニ様はスタイル抜群、ヲレ氏の体と比べ物にはなるわけないほどに美しい、でもオナニ様はそんなヲレ氏の体をバカにしてきたりはしない。
「えぇっ!」
「もっと見たいか」
「いいのぉ? こんな! はい、ぜひともみたいです!」
「口に含みたいか」
「はい! むしろここで断っても罰当たりってものですよね?」
「そうだな、私はそういう神だから」
「そういうとは、どういう神なんですか」
「みんなの活力になるものを捧げている」
「いいお方ですね」
「精力剤よりビンビンできる」
「はい、元気でビンビンですぅ。精力剤のビンどれだけからにするほど使っても追いつかないほどに」
「このツボはどうだ? 名器だぞ」
「アアッ! 素晴らしいですね! ……あの……ヲレ氏、あなたと出会えてから、なんか、この世界のことが好きになれました、ありがとうございます。今夕方でもうすぐ夜になりますけど、散歩、したくなったので、一緒に、散歩しませんか」
「いこうか」
「よしィッ! いくぞォーッ!」
ヲレ氏、玄関でアニメキャラにあこがれ買ったローファーを履いた。そうそう、女子高生がよく履いてるような、あれね。でもいいサイズの近所なかったから、ちょっと専門的なところで買った、特別なローファーさ。色は茶の。
「私がそれ履きたかった」
「ああ、いいよ、はい」
ヲレ氏は代わりに〝瞬脚〟というシリーズ化している靴を履く。たぶん、第四世代の型。まあ、すぐに新しいの出るから、世代はすぐ変わるし、ヲレ氏自体もしっかりと把握していないから、たぶん第四世代型。
ちなみにヲレ氏の足は遅い。瞬脚は速くなる靴のようだが。
ヲレ氏の外出。ひさしぶりだ。
ヲレ氏は専門学校進学できてもついていけないっていう理由と単に行きたくないって理由とかいろいろとほかにもあったから、半年ずっと学校にいっていない。
「この町で一番好きなところは」
「ないです。でも、あなたといると、ぜんぶ、特別に見えますね」
ヲレ氏とオナニ様は乳繰り合っているであろうカップルに見えるかもだ。
電車の音がする。
「列車に乗ってさっきみたいに見せてやろうか」
「映画みたいですね。ヲレ氏そういうのいまだによく見ています」
「でも私がいるからもうそんなものいらないだろ」
「はい。綺麗な女性と親密になれるって素晴らしい。母親には特別さを感じていませんが、やっぱりあなたのような美しい方は特別だ」
海岸到着。
「腹が減った。ミルクイが欲しい」
「どうぞ」
「小さいがガマンしよう。ダイエット中ということで」
「はい、ガマンしすぎてもう汗だくです。ていうかあなたもう十分痩せています」
「いま冬だぞ」
「でも汗は冬でもかきますよ、かくときは」
「腹減ってないのか」
「はい、さっきのアワビとカズノコ定食であと百年ぐらいは持つかもです。でも……中毒です、もう一度以上振る舞ってくれませんか」
「いいだろう」
「ああ美味しい」
「もっと求めろ、私はそれを求めるものを祝福する神だぞ」
「お言葉に甘えて。ぶぢゅうううううううううううううううううううううううううううううううううううううう! ああ。のどかわいたな。あそこの自販機で何か買おうか」
「私が潮水持ってるからそれ飲めばいい」
「センキュー!」
ヲレ氏は潮水をがぶ飲みした。オナニ様の潮水所持量は多く、割と長時間飲み続けた。
「どうだ、うまいか」
「ぷはぁっ! ごちそうさまです。センノリキューよく知りませんが、センノリキュー超えしています、センキュー」
「ケフィアヨーグルトが食べたい」
「いいよっ!」
ヲレ氏はあわててその場で、ケフィアヨーグルトを作成。
「作るの早くないか」
「どうぞっ!」
ヲレ氏は早くオナニ様に味わってもらいたい、むしろ味わわせたいため、勢いよくオナニ様の顔の前に出した。オナニ様の口には入っても、オナニ様の顔に結構の量のケフィアヨーグルトがかかった。
オナニ様、笑顔。
ケフィアヨーグルトまみれの顔で笑顔のオナニ様を見て、かわいさのあまりヲレ氏は小一時間その場で立ち続けた。全力出し尽くした後だというのに、驚きのあまり静止した具合に。
ヲレ氏の生活に色がついた感じだ。過去は、モノクロのように暗い世界だったからさ。
これがヲレ氏の真生活。
「そろそろいこうか、異世界に」
これから始まる新生活。
「うん!」と、オナニ様はイった。
これぞリア充な神生活?
ラヴランデヴー
「よし、入るぞ」
「……あっ、結構あっさり入っちゃうんだね」
ヲレ氏とオナニ様は異世界入りした。
「この塩湖、どうだ」
「いいですね、ヲレ氏の望んだ通りです」
「私、空飛べるんだ」
「空! さすが神!」
「どうだ、いっしょにやってみるか? 早速?」
「はい! やります! やります!」
ヲレ氏とオナニ様は抱き合う。
宙に浮いた。
「どう?」
「気持ちいい! 超!」
空高く飛んで山のいただきが見える位置までいってヲレ氏は大興奮。
勢いよく飛びすぎでヲレ氏の所持品のミルクイとオナニ様の所持品のアワビが擦れあった。
「ああ」
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァッ!」
「飛べてよろこんでるのか」
「はい、こんな経験は初めてで。当然ですけど……。ヲレ氏がまえくらしていたあそこでは遊園地でジェットコースターが急に止まったりとか、不自由あったんですけど、あなたとの戯れなら、そんなバカな事は起きない!」
「よかったな、私と一緒に入れて」
「当然ですよ!」
向かい合って抱き合うから、ヲレ氏の顔とオナニ様の顔が重なった。
「外の世界で空飛んだってたのしくないだろ?」
「あなたとなら、愉しいはずですけど、こっちでこうやれるほうが愉しいですね! でもあなたとですから、どっちもどっちっていうところです!」
「あはは。それにしても腹が減った。オタマジャクシ、出せるか」
ヲレ氏、空を飛びながら腰振りダンス。
「はい、少々お待ちを……アッ! うあああああああああああああああああああァッ!」
狂ったように勢いのいいヲレ氏。
ヲレ氏はビオトープで管理していたオタマジャクシをすぐに出した。オナニ様の所持品のツボの中に。
オナニ様所持品のツボには、卵が入っている。
ヲレ氏のオタマジャクシはオナニ様の卵とイキイキと戯れた。
「すごい液量だな」
「すいません。ヲレ氏特製ビオトープの液体です」
絶景。素晴らしい。
「……みとれているのか、絶景に」
「はい、あなたという絶景に」
ヲレ氏、美女体こそが、絶景だとしている。
ヲレ氏の目の前にある絶景、オナニ様の体。
「もし、ほかに女が手に入ったら。私への愛は失うのか?」
「それは、ないでしょ。だって、ヲレ氏、あなたのこと知るたびに、昔からもうあなたは最高な世界の核であるっていうこと、知ってしまっていますし。実物も見て、奇跡も体感させられ、さらに、あなたを嫌いになれそうにない、もう」
「上半身と下半身、どっちが素晴らしいと思う?」
「……あなたのものなら、どっちもですが」
「なら今はどっちが欲しい気分だ」
「上、ですかね。オナニ様は何カップ? Fぐらい?」
ヲレ氏はまだオナニ様の上半身のことを完全には把握していない。
「まあ、そんなのどうでもいいだろう、それよりも、大切なのは今カズシが本気出したいものに本気出せ」
「はい! それに和氏ってヲレ氏の名前、呼んでくれましたね! 嬉しい!」
ヲレ氏はダンスに命をかけている。
特に腰振りダンスはヲレ氏の得意中の得意分野。
「ロックダンスしろよ」
「ロック? それってどんな? ヘッドバンキング?」
「カズシが私の下半身の方に顔を向けているフォーメーション」
「ロックっていうんですか?」
「ああ、ロックだ。6と9、あわせて69それがロック!」
「ああ! なるほど!」
「それと、ヘッドバンギング、だぞ」
「えええぇっ! 初耳ですぅ!」
「ヘッドバンキングだと頭を銀行に預けるっていうことだ」
「シュールレアリスムっすねえっ!」
ヲレ氏はロックダンスをしながらも腰を振った。
ヲレ氏はダンスが大好きなんだっ。
「汁が出てきてるぞ」
「はい、本気出しすぎた結果出た汗です」
「あ~なるほど。でももう少したつともっとドバァーッ! って出るぞ」
「はい、中学とかのスポーツ盛んのとき、夜中それ経験しましたね、汗だくです。それにしても、努力が実らないって感じの思春期でした。青春なんてなかった」
「でもいまは?」
「青春してますううううううううううううううううううううううううううううう!」
ヲレ氏は強くオナニ様を抱きしめてから、ちょっと大声で出してみた。
生フレンチェ
ヲレ氏とオナニ様は町に舞い降りた。
この乳繰り合い具合、嫉妬されたかもしれない。
「神だ!」
「ん? 確かにこのお方は神だ。それともヲレ氏の髪の毛のことか? カミって」
反応したさっきの男とヲレ氏・オナニ様の距離は結構あって、ヲレ氏の声は反応したさっきの男には届かない。
「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァッ!」
「ん? なんだ? まるでアイドルに叫ぶ女性ファンだ」
「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァッ! こっち見たわよ!」
「オナニ様にいっている?」
「あのメガネの方に見られたわ!」
「ん? 見ちゃ悪いか?」
「違う。カズシだ」
「あのメガネのお方かっこよすぎるわ!」
「ヲレ氏? ……ええええええええええええええええええええええええええええぇっ!」
「神よ! 神がついにきたわよ!」
ヲレ氏は、町中で話題に。
町には他の国からヲレ氏を見にくるものまできだした。
塩湖から飛んで数分ヲレ氏とオナニ様はこの町についたわけだ。
「騎士様たちだわ!」
「こんなとこまでおいでになさるとは……」
「騎士の方たちがこの町にくるのは初でしょう?」
「え? もしかして、ヲレ氏?」
「ヲレ氏というものなのか。神とは」
「いえ、ヲレ氏は本名山田和氏です」
「ヤマダカズシ?」
「はい、ヤマダ・カズシ、です」
「デラセルナゲヴァラ大統領がお呼びです、ゴッド=ヤマダ・カズシ」
「はい。でも、あの、このヲレ氏の伴侶、オナニ様はヲレ氏の命の恩人以上の存在で。ご一緒したいのですが」
「ゴッド=ヤマダ・カズシがいうなら」
「何をいっている、神の伴侶なら当然ご一緒させろ」と、こちらに向かってきた男は言った。
「すみません! 団長!」
「気をつけろよ、新入り」
「はい! ダ・メル騎士団長!」
「ありがとう」と、オナニ様は言った。
礼儀がいいオナニ様。こういうところもかわいい。
ヲレ氏とオナニ様は騎士団についていった。
「あの、お伺いしたいことが」
「なんでしょう、ゴッド=ヤマダ・カズシ」
「騎士団のお名前は」
「南方聖堂自由党メイスン騎士団、です」と、ダ・メル騎士団長は言った。
「へぇ、かっこいいお名前だ。創作に使いたい」
「ありがたきお言葉」
デラセルナゲヴァラ大統領が暮らすホワイトストライプハウス。
ヲレ氏、オナニ様、南方聖堂自由党メイスン騎士団員はホワイトストライプハウスに向かう。
「デラセルナゲヴァラ大統領、連れて参りました」
「よろしい、ならば会談だ」と、デラセルナゲヴァラ大統領は言った。
「私にも入れてくれ」
「フレンチェ様」
「今日は実家に帰ったからついでにここによった。事前に報告はしなかったがな」
「そうでしたね、フレンチェ様は数年前まではこの国の少女。フレンチェスコ様が法皇となれらてからは活動拠点変更の理由で引っ越されましたが。フレンチェスコ法皇は?」
「私は今日父ときたから連れてきていない」
「そうですか。いいタイミングに来られましたね。今日は神が降臨した日です」
「神?」
「そちらに」
「このお方が……」
「色男でしょう?」
「……はい。男前だと感じちゃいます……」
「前、急に生出演したイケメンの、サトウ・ヒロシという神の噂もあるあの方といい勝負」
「……」
「やはりサトウ・ヒロシに惚れてしまいましたか、フレンチェ様も」
「あれは……卑怯だ……格好がよすぎる……」
「まあ、そういうものですよ。自分はすぐに負けを認めましたけどね、男として。どうです? こういうあっさりと負けを認めちゃうのも潔くてなかなかイケてるのかな、と。サトウ・ヒロシ、そしてゴッド=ヤマダ・カズシ……これから彼らが争いを起こすのではないかと予想している。国際問題だ。フレンチェ様、あなた様は、どちらを選びますか? ……失礼ですが、初恋はおいつ?」
「欲をいえば両者とも選びたい、ゴッド=ヤマダ・カズシはこちら側の味方という政治的な意味で優遇したいというのはあっても、それだけで、サトウ・ヒロシを捨てるのも……。初恋は……サトウ・ヒロシ様」
「ですよね、むずかしい問題ですよね」
「はい」
「あの……質問いいですか?」
「どうぞ、ゴッド」
「サトウ・ヒロシってもしかして……異邦人なんでは」
「その話はもうかなりすでにあがっている。もう魂が纏わりつく程度にありとあらゆるものに付着しているぐらいに」
「あんなイケメンが、いたことが信じられないし。宇宙人とかそういったものであるとほとんどの人が思っている。貴方様は神。神なら、信じれます、その格好の良さも」
「宇宙人ヴァーサス神、といったところか」
「……確かに。あなたたちは2Dのキャラのようだ」
「それは、形而上学的な話題ですね」
「え? ただのヲタクな話なんですが。ヲレ氏アニヲタ歴二十年近くて」
「……幾何学的というか……なんともいいがたい、哲学を感じる……」
「ですよね、フレンチェ様。医者でもあり政治家でもある勉強家な自分にもついていけない。あなた様もお年頃、ゴッド=ヤマダ・カズシに抱きつかれたい、とか思っているのだろう」
「……はい。嘘はつけません。それぐらいに惚れさせられた」
「ありがとう、ゴッド=ヤマダ・カズシ。送られた書類通りに聖人君子」
「いえいえ、こちらこそ」
「とんでもない。なんて謙虚な男なんだ」
ヲレ氏とオナニ様はホワイトストライプハウスの出入り口から外出。
「あの、サトウ・ヒロシって。知ってます?」
「彼の所持しているミルクイは小さい。知っているぞ、カズシと同じところにいた男だ」
「もしかしてあの同じ学校の」
「そいつは違う。サトウ・ヒロシ違いだ」
「いや、そうかもでしょ?」
「まあ、断定はしない。カズシがそうしたいのなら」
プリマのもとにイコー!
「もしかして、オナニ様、そのサトウ・ヒロシともう先に? こちらへ?」
「いいや、おくったのはカズシで初めて」
「初体験?」
急にヲレ氏はオナニ様に筆を見せた。
ヲレ氏はオナニ様の綺麗な頭を筆で擦る癖がある。虫眼鏡で凝視して、細かいとこまでチェックして大興奮も。
「なんだ、急に筆を見せて。もう私にとっての筆始めもしただろ」
「あはは」
「フレンチェという先程の女も抱きついてみたいんだろ」
「でも、ヲレ氏にはオナニ様が」
「いいんだ、私はカズシがなにかを愛したり恋したりするそのエネルギーをよろこべる神であるから。そのカズシの心の解放をさせるのも私の仕事だと感じてる」
「なるほど。それじゃあ」
「カズシにベタ惚れ。それはもういきなり抱きついてやるぐらいのが丁度いいかもしれないな」
「あはは」
「しっかりと攻略してこいよ」
「フヒヒ、はい」
ヲレ氏はフレンチェが部屋から出るのを待ちぶせ。
後ろから抱きついてみたいんだ。
「だ~れだ、って後ろから抱きついてやれ」
「……ん。やっぱりやめます」
「べつにいいが。ガマンしてるとまた汁が出るぞ、汗」
「もう出てます。ヲレ氏、オナニ様がすでにあるからってのもあるんでしょうけど、あえて、向こうから迫ってくるのを、愉しむよ。フレンチェを操ろうとせず操りたい」
「おお、成長したな!」
「成長なんですかね」と、ヲレ氏は笑っていった。
「でも、私は、そんな地味なやり方より、もっとガツガツと食いついてほしいんだよ、がっつかれたいんだ」
「そうですか……」
「フレンチェだって、そうだよ」
フレンチェが部屋から出た。
フレンチェがヲレ氏のほうを見た。
「なにをやっているのですか?」
「いえ、特に何も。フレンチェ様が、今後どうされるのかを、期待していまして」
「私は……サトウ・ヒロシ様に会いにいきます」
「え? それじゃあ、敵側につくと?」
「そんな、そもそもサトウ・ヒロシ様のテリトリーは私たちと協力関係ですよ。ゴッド=ヤマダ・カズシがサトウ・ヒロシ様と争うか否かというところが問題視されているだけですよ。だから私たちはどちらを味方にするのか、ということでいま議論をさまざまなところでしているところ。私はゴッド=ヤマダ・カズシもサトウ・ヒロシ様も守りたい、ふたりの妻になりたい」
「あはは」
「どうですか? 私のこと、好き?」
「はい、大好きですよ。オナニ様の輝きに満ちた金の髪も大好きですが、フレンチェ様の白髪よりも白い綺麗な髪も大好きですし。ヲレ氏、髪の毛手入れしてるからわかるんだけど、その長髪のセット具合は、相当のお手入れがいるんだとわかりますし。それにしても、法皇のお孫娘さん、でしたっけ? お孫おメスめっていうべきなのかな? ごめん、かんじゃった、お孫お娘っていうべきかな? そのような立派な立場で、そこまでオスを求めてもいいのでしょうか?」
「べつに問題ない。ただ私はたくさんのオトコトモダチとかをつくってなかよくやりたいっていっているだけですから」
「あーなるほど!」
「この毛は地毛で、このタイプの毛は滅多にいません」
「私のこの金髪も地毛だが、ヒトの金髪とはわけが違う。神特有の髪というものだ」
「素晴らしい、さすがオナニ様。ヲレ氏の命の恩人以上の存在」
「髪特有の髪? まあそれはさておき、サトウ・ヒロシ様のいる国に、一緒にいきませんか? 安全な船を出します。向こうについて、城で宿泊できます。プリマ姫はよきオンナトモダチになるはずです」
「オンナトモダチ?」
「ようするに、ゴッド=ヤマダ・カズシが愛し、恋をする存在、と。恋敵とは見れません、どのみち、ゴッド=ヤマダ・カズシはプリマを目にして一目惚れするはずです。実は、私もプリマと会うのは初めてになります、今回。仲よくやれるかはまだわからないんですが、やれますよ」
「え?」
「サトウ・ヒロシ様は、大のゲテモノ好きだと世界中で話題にされていましたからね、今でもどこかでその話題はあがっているでしょう。恐らく、ゴッド=ヤマダ・カズシも、そういう好み持ちなのでは、と、推測がされています。それでは中に入ってください、一緒にいきましょう」
船が窓から見えた。
「あーなるほど」
「いい船でしょ」
「そうですね、創作に使いたい」
ヲレ氏、オナニ様、フレンチェ、南方聖堂自由党メイスン騎士団員は船に乗る。
「いい旅にしましょう。夜もたくさん愉しもうねっ」
「あっ! はい」と、ヲレ氏はいった。
「できれば、カズシ、フレンチェ様、私用の部屋で過ごしたい」
「もうはじめからそのつもりです」
「はっはっ、すげえ男だ」
「ナイトホース元騎士団長」と、フレンチェは言った。
「俺はもう騎士団員ではねえ、でもさあ、こういう旅もしてえから、酒のんで、参加さ」
「ナイトホース師匠は現役時代いろいろとやりまくりでしたからね、モテモテで。まあ、ゴッド=ヤマダ・カズシほどではありませんけど」と、ダ・メル騎士団長は言った。
「本来なら怒ってたけど、ゴッド=ヤマダ・カズシくんと比較されるとくると怒れねえや、わははっ」
「ゴッド=ヤマダ・カズシを護衛できる、これだけでも、我々騎士団員には最高に名誉ある仕事だと感じています」
「ダ・メル、おまえはバカだが、戦う姿はかっこいいからそこを依りどころにして修行して、ある日俺から買われ、おまえの今がある。そう思うと騎士団もあんま大したことねえや」
「外の世界の軍人もそんなもんだよ」
「そうなんですね、オナニ様」
生プリマへのあこがれ
ヲレ氏、豪遊。
ヲレ氏、美女に囲まれ食事。
動物の体をむさぼるヲレ氏、立ち食い。元いた世界の動物もうまいことはうまいのだが……なんか、ヲレ氏の体側が不自由があったりと、大変だった。こっちで肉体の屠殺はしていない、なんと不思議な。屠殺なしで肉をむさぼれるシステム、って、こういわれても、元いた世界のヲタクを頭ごなしに否定するわからず屋の方々には特にわからないのではないだろうか。まあ、ヲレ氏だってついていけないほどこっちって素晴らしい。
オナニ様と戯れ、フレンチェとも仲よしに。よし、今度はプリマとやらも、攻略してやろう、受け身で。
受け身攻略の神となろう!
「ゴッド=ヤマダ・カズシ」
「フレンチェ」
「呼び捨てなんて」
「あはは」
「私の料理、美味しい?」
「うん、美味しいね、特にお肉がぁ」
ヲレ氏、柔らかな山のように盛り上がる肉を口に含ませて甘噛み。肉の頂点をベロでベロベロ。
「あっ」と、フレンチェはいった。
「はぁはぁ、あっ」と、ヲレ氏はいった。
「カズシ様、かわいい」
「あはは、ヲレ氏のこと、下の名前で、呼んでくたぁ」
「それだけ触れ合ってみて相性がいいって体感しちゃったっ」
「イェ~イ」と、ヲレ氏はいった。
「いぇーい」
ヲレ氏、フレンチェと手合わせ。
腰を振り出したヲレ氏。ダンス、ダンス、ダンス、んで、出した。
「筆だぁ!」と、オナニ様はいった。
「もしかして、フレンチェは和製の筆見るのは初めて?」
「え? 筆ってなんのこと? 和製? 元いたという国のこと?」
「あ、まだ位置的に見えない位置でしたか」
ヲレ氏はカチカチの筆を仕舞った。
「筆、仕舞ってしまったんですか」
「いいや、あのね、ヲレ氏、もっと、ちゃんとしたところ、ちゃんとした関係の絶頂のところまで到達したら、がっちり見せつけてやろうって思う」
ヲレ氏は若干強がっている。でもね、ホントは無理やりかわいい女の子側から筆を見せてくれと要求されるのもロマンだと思うし、いいなって感じるんだ。あはは。
「カズシ様ぁ」
「フフ、フレンチェ様、だらしないところもお美しい。もっと乱れたらどうです?」
「ありがとう、カズシ様」
「ヲレ氏、フレンチェ様も創作に登場させたい」
「創作……前もいっていましたね、作家?」
「はい。やっていました、同人ですけども」
「ぜひ使ってください」
「うん、ありがとう。あ、そうだ、膜は?」
「ここにあります」
「うん、いい膜だね」
ヲレ氏は、皮膚を保護するための膜を査定。
「ありがとう」
ヲレ氏、オナニ様、フレンチェのいる部屋に大量の海の幸が運ばれてきた。
「うはうはあああ! うまそう!」
「先程いた国のミスコン上位のモノたちですよ。さぁ、冷めないうちに早く食べておいて、そのほうが美味しいから」
「でも、フレンチェ様のが当然、ステキだ」
「あああん! もう!」
「ロマン大事にするヲレ氏の情は一生冷めやしないさ」
「そうだよ、どのみち冷めないように私がカズシにしっかりと惚れさせているからな、イイオンナというものに」
「私がイイオンナだなんて」
「あたりまえですよ、ヲレ氏が元いた国にフレンチェ様のような美女はひとりもいなかった……まあ、もうちょっとで、って感じの惜しいのはひとりいました」
「カズシの元いた国、とても気になります」
「地図には載ってないかな」
「神様、ですからね」
「フレンチェ」
急にヲレ氏、真顔でフレンチェの顔を凝視した。
「きゃあ」
「そんな、恥ずかしがらなくてもいいよ、超かわいいから」
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん」
赤面のフレンチェ。
ヲレ氏、フレンチェの頭をなでたくなった。
海の幸たちはヲレ氏が寝る頃にはむさぼり尽くしたので、シェフが片付けて退室した。
夜明け。
「よく寝た」
ヲレ氏、フレンチェの寝顔を凝視。
ヲレ氏、フレンチェの顔面にめがけて寝起きの息を全力で吐きかけた。
「臭い」と、フレンチェは寝言を言った。
数時間後。
フレンチェの起床。
「フレンチェ様、何カップあるんですか」
「Rですが。普段は胸の型崩れ防止のために装着するもの等の影響で目立たないようになってますが」
「R! でかした!」
「デカ」と、オナニ様は言った。
「うひょひょおおおお!」
「カズシ様、よろこびすぎ」
「おおおお!」
ヲレ氏、嬉しくなってダンス、ダンス、ダンス。
「よろこんでるカズシ様かわいい」
「神生さいこう!」
「神でもジンと読みますからね」
「よかったな、〝神〟になれて」と、オナニ様は言った、寝言で。
「生でプリマもみたい」と、ヲレ氏はいった。
生プリマ
「ついた」
「ついちゃった」
ヲレ氏、フレンチェとともに他国へ初到着。朝立ちで。空は晴れている。
オナニ様とは他国まで飛んだ仲だが、フレンチェとは初! 両者ともに。当然か、ヲレ氏が初なら。
初体験だ! ヨッシャアアアア!
「ああ、よしっ、いくか」
「いいよ」
ヲレ氏、出た。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
「そんなに驚きですか」
「異国の空気、新鮮だから、すごく夢のようで」
「よい感性ですね」
「でしょ? ヲレ氏こういう世界での旅行にはあこがれててね。旅行とかは積極的ではない性分だけど」
「私もインドア派ですよ、気が合いますね」
「あははぁ~」
「ロマンがありますね、ステキ」
「はい。ニューロマンって言葉、ヲレ氏大好きで。フレンチェにはさんざんニューロマン、感じちゃうよ」
「ありがとう。もっと感じてください」
フレンチェがヲレ氏により接近した。
「あはは」
「感謝しなくて全然いいんですよ。カズシ様がしたいなら、してもらっていいですけど」
「カンシャカンシャ!」
「ホント、ステキなお方」
「ステキ! ステキで思い出したけどステーキ食いたい! こっち来てからは重いものだろうと朝っぱらから食えるぞ! ……ああ、外の世界では寝たきりでいたなー。なんかさっきのとは別の意味で重くて」
「ステーキなら、城についてからにしませんか? 代わりといったらなんか変かもですが代わりに私の肉でも」
「OK! いいよ!」
ヲレ氏たちがさっきいた船から車が出てきた。
「あれに乗って城にいきます。あの中で私の所持している肉をアナタの目の前で出します」
「うおおおお! アナタっていってくれるの興奮しますぅ! そして肉ありがとうございます! ほんでもってリムジンみたいなのきたあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ! ヲレ氏、乗り物好きで。メカトロ部で雑用していた高校生活でしたが、進学して、もうメカトロ部はやめようってなって、学校もやめようかなってなって……フリードマンスタンスに。あ、フリードマンって人の名前ではないっす」
「お手伝いを神様からされていたなんて……慈愛に満ちた殿方……」
「まあ、神のくせに学校行っていたのもなんか、変だったかなって」
「真面目な方……」
「何だあの長い車で何を表したがっている、もしかして……」
「ミルクイかな。オナニ様はあえてとぼけた感じにいってるんでしょ。返事しなくてもわかります」と、ヲレ氏は言った。
ヲレ氏、車の中にはいる。
「おまたせ」
「ええええ! いきなりいいいい! 早いよ、出すの……そんなにヲレ氏に体張って尽くしてくれるなんて……大興奮っす」
「どうぞっ」
体を左右に揺らして、ヲレ氏に近づいてきたフレンチェ。
ヲレ氏が昔よく見ていた映画女優の演技以上の大興奮物。
「イッタダッキマース! あ~ん」
揺れ動く肉。
ヲレ氏、たいへんな笑顔で口に含めて大感動。ヨダレだぁ~だぁ~でごわす。
「アナタすごい幸せそうっ」
「アナタっていわれるともう夫みたいで嬉しいです」
「フフ。カーサックスって愉しいと思いませんか?」
「車の中でサックスやっちゃうと?」
「はい」
「それにしてもすごく揺れることもない静かな車だ。肉はプルプルブルンブルンと揺れまくってるけど」
「はい、最高級のものなので」
あつくなったヲレ氏は、上着を脱いだ。
ヲレ氏は元いた世界で着ていた、なんかそのへんの男が着てそうな服を着ていた。
「あっ! ついたったっ!」
「じゃあもう出ましょう」
「うん、出るっ」
ヲレ氏、車から出た。
「お風呂、入りたくないですか?」
「ああいいねお風呂、入ろう。でも先にプリマ姫とあいさつしようかな。そのあと、お風呂で」
ヲレ氏、フレンチェに導かれ、プリマ姫のもとにいこうとキメた。
数分後。
「初めまして、プリマ姫」
「初めまして、フレンチェさん」
「横の男性は……」
「ゴッド」
「ゴッド?」
「事前に報告した、神です」
「どうも、初めまして。フヒヒ」
「初めまして……」
プリマ姫。毛の色は、濃い紫色。
「そのお毛々は、地毛でしょうか? プリマ姫」
「はい」
「ステキな髪色ですね」
プリマ姫、フレンチェと同じぐらいにかわいい。
ウァレンティヌス卿のチョコレート盛り
「今日はウァレンティヌス卿が来られる日です。フレンチェ様が来ると聞いて来訪を決めた模様です」
「ウァレンティヌス卿か」
「ウァレンティヌス卿? どんな方?」
「とても博学な、まあ私たちの先輩といったところでしょう、現時点」
「博識、というと」
「保健体育の学者でもあって、私やプリマ姫などをはじめとした皇族の身体の発育にも貢献した偉大な女医でもあります」
「あーなるほどー」
「ウァレンティヌス卿はとても料理上手で。飲ませると必ず双子が産まれる薬を開発したりしました。不妊症という概念も消え去ったと言っても過言ではないほどにもなりました。ゴッドのディーエヌエーはたいへんたくさんの女性から求められています。ウァレンティヌス卿もデータを欲しているということもあって、狙われるはずです。実は、フレンチェ様に会うというのは口実で、本当はゴッド、アナタと会いたいのだと思います」
「じゃあスーパードリンクSカップとか飲みたいな」
「Sカップ……!」
「え? どうして? ……プリマ姫はどうしてそんなに恥ずかしそうにしているの? ああ。プリマ姫は何カップあるのかな。アッ! なるほど、プリマ姫はSカップですね」
「はい……」
「すごい大きいオッパイですね。じゅるっ! ああ、よだれ出てきちゃったな、お腹がすいたよ」
「スーパードリンクSカップとは、プリマ姫の母乳のことではないようですね」
「ゴッドには当然、私の体の内部までもしっかり把握されていますから、恥ずかしがるのも、どこか変ですが……」
「いいや、ヲレ氏はそういうのはあえて目を背けてずっといきてきた男だよ」
「おやさしい……」
「ウァティヌス卿の性別は?」
「女性。綺麗な方ですよ。私にはないアダルトな感じがありますね。姉御肌、というか。ウァレンティヌス卿のが年産まれるのが早かっただけですが」
あっ、そうだった。ウァティヌス卿じゃなくてウァレンティヌス卿だ。
「いいえ、フレンチェ様、もう十分大人っぽいですよ。老けてるっていいたいのと別ですよ、見た目は少女です。美少女と言わないと失礼ですが。それにしてもそのウァレンティヌス卿はお若いのですね。飛び級系の天才少女だったか」
「はい、私をいっぱい褒めてくれるアナタの気持ちはとても嬉しいのですが……私が美しくてもそれは、アナタが創造してくれたからあるものですし……ウァレンティヌス卿が天才で飛び級しすぎた件だって、アナタのおかげ……」
「まあ、作家というのもあって妄想力はないわけではないよ? あーそうだ。それにしても、最近ずっと、筆がカチカチ。このお城の水的なもので柔らかくしたいな。泡風呂とかさ、浸からせるといいかもな」
「わかりました。泡風呂を沸かします。頑固な筆のお手入れ、愉しそうなので、私も参戦します」
「私も大丈夫ですか? プリマ姫?」
「ええ、もちろん。ウァレンティヌス卿によって熟成させた」
「熟成って、まるで老けてるみたいにいわなくても」
「フフフ……お筆ほしいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!」
「プリマ姫……」
「プリマ姫は英才教育尽くしで、私よりも勉強熱心なんです。欠点をさらしたいわけではないんですが、ゴッドはわかりきってると思いますが、隠しちゃうのも罰当たりだと思いますから、いいますが、私は偏差値79ですが、プリマ姫は、それよりも上の成績で大学を飛び級で卒業されました。プリマ姫と私は別の大学出身で私はブレイドブリッヂ大学でプリマ姫は乳母歩道大学。どちらも最高クラスのレヴェルの大学。プリマ姫と同時期に卒業、プリマ姫も私も首席。でも私は全世界模試で姫より下です、プリマ姫に比べたら半端者」
「79? 69ではない? 79はそれ十分高いよねえ? すげえ……」
「フフフ」
ヲレ氏にまた褒められたフレンチェは笑顔。
「十分頭いいじゃないか。なんかムラムラぁってきた、変な意味じゃないよ」
「当然ですよ、ゴッドが、変な方なはず、あるわけありません! さぁこんなバカな私にノノシリを」
「ノノシリって、あはは」
「ゴッド=ヤマダ・カズシ、早くアナタをよろこばせたい。尽くさせてください。そして、救いを」
「そんな懇願しなくても救うよ」
「ありがとうございます。もう大好きです、当然ですよね、スキになれないんて、素直じゃない、罰当たり者です……さあ、早く、お筆を」
「ゴッド=ヤマダ・カズシのお筆を宝具にしましょう」
「いいですね、プリマ姫」
いかにも〝オンナ〟って表情でプリマ姫とフレンチェはヲレ氏を囲んだ。
「よしよし」
ヲレ氏は宥めようとしている。まあプリマ姫もフレンチェも苦しそうにしているのと違うから、宥めるというのは誤謬かな。ただ使いたくなったんだ。
「……プリマ姫……」
「はい」
「……あの……」
「はい、なんでしょうかフレンチェ」
「サ……」
「!」
「ト……」
「サトウ・ヒロシ様ですね……」
「はい……」
「私はあの人と出会ってから、何か、よくわからない感覚です。嬉しいのか、不愉快なのか……いいえ。私はこころおどっています、彼で、感じています、よろこびを感じています、人生への、歓喜です、これは!」
「でも、」と、フレンチェは言いかけた。
「おはよう! 姫君ら!」
「ウァレンティヌス卿」
「あら、イイオトコ」
「ですよね、さっき、サトウ・ヒロシよりも素晴らしいと彼を絶賛しようとしたのですが。ごめんなさい、アナタ、言いかけで」
「いいよ。でも、フレンチェは、ヲレ氏という神と己がふつりあいだとは思ったことはない?」
「……ごめんなさい。傲慢でしたか? ……アナタ、私のこと人間の最高傑作だってやさしく頭をお筆でも撫でてくれたから……。プリマ姫のが好きになってしまいましたか?」
「ううん、どっちとも大好きだよ」
ヲレ氏は、ズルっとフレンチェとプリマ姫の超高そうないかにも皇族だよアピールしすぎの服の胸元に秘められた帽子を、出した。すごい勢いで。
ヲレ氏、計四つ分の帽子、吸う。
「アァッンっ!」
「ごめんね、嫌いだなんて思わせちゃって、フレンチェ……」
ヲレ氏、吸いつき具合はフレンチェの帽子を吸う左側のが強い。同時吸い、でも、左右で吸いつきの強度がだいぶ違う。このテクは、大食い癖から習得した。
「はい……こちらこそ、アナタに気を使わせて、すみません!」
「フヒヒ、いい子だ」
ヲレ氏は、元いた世界でよく好んで食っていた、フレンチクルーラーを思い出す。〝フレンチクルーラー〟と〝フレンチェ〟はなんか似ている、語感が。
ヲレ氏は、一旦プリマ姫の帽子から離れて、フレンチェのを集中的に吸った。フレンチクルーラーを思い出したからだ。フレンチクルーラーを思い出しながら吸うフレンチェの帽子は、味わい深さが倍以上のものとなった。
「ワオ! これは仰天だわ! サトウ・ヒロシも帽子吸いつきの癖持ってたから! ……実際に見たわけではないけど、学者以上の学者の私は知ってるのよ、サトウ・ヒロシの癖を」
「……もしかして、兄弟?」
「ノンノン! ヲレ氏サトウって名字ではないし! ……ああ! フレンチクルーラー!」
「フレンチクルーラー? ……ああ、もしかして……ドーナツの種類とかかしら。それがほしいなら、私がこの城に仮に設けた実験室でたくさん作るわよ」
「じゅっぱぁっ……ならお言葉に甘えて!」
ヲレ氏が先程いった〝じゅっぱぁっ〟とは、帽子から吸いつき離れた音。かなりわざとらしく立ててやった。なんかそっちのが雰囲気出るから。
ヲレ氏とプリマ姫、そして、フレンチェは、ウァレンティヌス卿についていった。オナニ様はトイレにいってから実験室に来るとのこと。
数分後。
できあがったフレンチクルーラーらしきものをヲレ氏はもらった。そして、フレンチェの帽子の上に、乗せようと思った。
実験室から出てきたウァレンティヌス卿は換気も兼ねてか、入っていくよりドアをしっかり開けているため、中がよく見えた。ウァレンティヌス卿は実験室には自分以外の人を入れないように心がける神経質な面がある。
「あら、こんな雰囲気が変わるのね、同じ城でも……初めて入ったわ」と、プリマ姫は言った。
「まあね、メイドにも掃除に入るなっていってあるし」
「フレンチェ、帽子の上に置くけど、触れてもヤケドとか大丈夫だから安心してっ!」
ヲレ氏は急な宣言をして、フレンチェの帽子の上にフレンチクルーラーらしきものを乗せた。
「ああぁっ! すごく感じるっ!」
「手を合わせて、合掌! イッタダッキマース!」
ヲレ氏は、フレンチクルーラーごと、帽子を口に入れた。
顎が外れそうだ。フレンチェの帽子はバカでかい。確かに、ヲレ氏のデブな母親の麦わら帽子っぽいのも結構のデカさだったが。当然フレンチェやプリマ姫ほどいい帽子ではない。
「アナタ、美味しい?」
「うん! 美味しいよ!」
「ほかに何が欲しい?」
「プリン! プリマ姫の帽子にプリンを!」
先程、〝プリン〟と〝プリマ〟が似てると思ったヲレ氏。
「プリン、わかったわ。そうだ、今日は」
「今日は?」
「わかってるでしょ? 女子なら? ウァレンティヌスデー」
「ゴッド=ヤマダ・カズシにチョコレートをあげたいわ」
「そうね、それ私も思っていたのよ。とっておきとして、夜渡そうかなって……」
「ああ! ヴァレンタイねぇ!」と、ヲレ氏はいった。
ヴァレンタイと言ってしまったが、スティーヴンさんを、スティーヴさんというあれと似て、許容してもらいたい。最後に、ねぇ! ともあるが、これは、その、ンが消えた、よって、ねぇ! それ即ち、ない! とも取れる。ヴァレンタインデーの〝デー〟と〝ねぇ〟で韻踏めてるしさ。まあなんにしても興奮しすぎてしっかりしゃべれていないヲレ氏ってこと、神とはいわれていても、やっぱり人間さ。小説の誤字にしたって、それがあるから云々は許容するべき。電子的トラブルのせいだとか、結局、うつしているものなのだから、本やウェブ小説で大元と異なってもブレはないし、追記する、誤字を直す程度なら、流れは逆流していない、OKだ、ってヲレ氏は思う。
ヲレ氏はダンス、ダンス、ダンス。超激しい。
ヤバい。激しさが度を過ぎて、ボキャ貧だっていわれるだろうけど、ヤバいとしかいいようない。
ちなみにヲレ氏、ボキャ貧というならヴォキャ貧にしたい。
「もっと! もっと! 腰振って! アナタ! ダンシングゴッド!」
「うん! ああああ!」
ダンス、ダンス、ダンス。大暴れ。
「ゴッド=ヤマダ・カズシだいすきいいいい!」
ヲレ氏はその日、いっぱい食べた。もらったチョコを。帽子を皿の代わりにして、いっぱい食べたさ。平らげたった。ミルクも美味しかったお。
ザ・ミルキーナイトって気分だお。
ダイヨクジョウの筆洗い
ヲレ氏、イン、ダイヨクジョウ。
ヲレ氏はダイヨクジョウと呼ばれるところに今いる。
最近特にカチカチなヲレ氏の筆。平凡な筆。誰かに見せたって、元いた世界ではよろこばれたりなんかしない。いいものだって描けたことない。
ヲレ氏の筆はこっちの世界だと、出せば大反響モノ。
フレンチェもプリマもヲレ氏の筆のことが大好物のようだ、もう態度でわかるんだ。
ヲレ氏は筆を出してダイヨクジョウで待機している。
「おまたせ、アナタ」
「フレンチェ……」
「さ~て、お筆を洗う時間よ」
「プリマ……」
ヲレ氏はフレンチェとプリマにヲレ氏の筆を洗わせた。
神とされるヲレ氏の筆だから、大きいちゃんとしたところで洗ってきよめよう、とのことだ。これは儀式だ。
「わっ、ホント、ガチガチなお筆……こう触ってみると特にわかる……」
「だろ? いままではやや騒ぎの中の交わりっていうのもあってか、しっかりとこのヲレ氏の筆の硬さに気づけないでいただろ」
「はい、もっと教えてください、アナタを」
「いいよ」
「私にも教えてください、貴方様」
「わかってるから」
「これから、毎日お筆を洗わせてくれると嬉しいな」
「もちろん、頼むよ。プリマの帽子と一緒に洗おう。フレンチェ、キミもだ、キミたちはずっとヲレ氏と一緒さ」
「はい!」と、フレンチェとプリマは言った。
「いい子らだ。素晴らしいハモり具合だ」
ヲレ氏はフレンチェとプリマの頭を撫でた。
右手でフレンチェの頭を撫で、左手でプリマの頭を撫でる。
メイド長が飯を持ってきた。
「昼食です」
「ありがとう。うん、美味そうだ」
ヲレ氏はダイヨクジョウで飯を食べた。幸せだ。
ヲレ氏は今日の日程を昨日の騒ぎまくりのダンスパーティー中に教えられている。
ヲレ氏の装備品を、与えてくれるようだ。とてもメカって感じで、ヲレ氏好みでかっこいいようだ。
ヲレ氏の筆、いろいろとたまったものが流れ出ていくのがはっきりとわかった。
たくさんたまっていたヲレ氏の固まったような筆の含有物はヲレ氏の筆の先端から大量に流れ出た。気持ちいい。
ヲレ氏のカチカチの筆は柔らかくなった。
「いっぱい出ましたね」
「硬さがさっきと比べてぜんぜん違う」
「ありがとう、フレッシュって感じ」
ヲレ氏は研究所に向かった。その研究所ではいろんな兵器を開発していて、あらゆる実験が行われていて、それはとても緻密な作業なんだと。
元メカトロ部であるヲレ氏でもよくわかっていないんだ。そういうの。
「初めまして、神。これが設計図であります」
博士がヲレ氏に設計図を見せてきた。
「へえ、いいね。ロボットになるとは違うけど、メカを身に纏って、サイボーグのようになる、と」
「はい。美男子の神である貴方ととてもお似合いだと思って」
「そうだね、ヲレ氏そういうの好きだよ。あと、初めましてとかいわなくてもいいよ、だって神は知っているのが普通でしょ」
ヲレ氏は他人はもちろん、自分のこともよくわかっていないが。自分の性格はよく知っているが、なんだかんだで仕組みや忘れたことなどはよくわかっていないし。
「大変失礼しました」
「いいや、そんなことでヲレ氏は怒ったりはしないさ」
「私にそんなありがたい気遣いを……」
「いいんだ、気にするな。よし、なら着用させてもらおうか」
ヲレ氏は身に纏った。
ヲレ氏であることは確認可能だ。腕や、頭部などにメカが付属された感じであるが、ヲレ氏の体は少しもメカになっていない。
「誰かに殺されるようなことはありえない装備です。全身が覆われていないのにもわけがあって、弱点にはなりませんよ」
「ありがとう、こういう気持ちだけでも神はよろこぶものだよ、知ってると思うけどね、キミぐらいの秀才さんは」
「貴重なお言葉、ありがとうございます」
「ちょっと、戦闘してみたいな」
ヲレ氏、試験室へ。
ヲレ氏は、壊す用に作られた、物体を手足で破壊した。強さを実感した。
「お見事、神」
博士は拍手。
「戦闘的な意味でもヲレ氏に逆らえないね、これ。よし、帰ろう」
ヲレ氏、研究所から出た。
「戦っている姿とてもステキでした、アナタ」
「えへへ」
「私と結婚か、フレンチェと結婚か、どちらがいいのですか、貴方様」
「……両方がいい」
「アナタ……。さすが神っ」
「貴方様がいうなら、仕方ありませんねっ」
ヲレ氏らは車に乗った。
「ふたりは何月生まれかな?」
「私は8月です」
「私は9月」
「フレンチェのが妹になるのか、立場上。まあ実の姉妹ってわけではないのは知っているけど。ていうかヲレ氏が勝手に妹とかいい出したんだが」
「貴方様は? 何月生まれ?」
「ヲレ氏は6月っす。6月生まれのヲレ氏と9月生まれのフレンチェ。6と9……6、9……」
フレンチェは体を動かした。
「8月生まれの私はその8で帽子を使うことを表そうかな。意味わからないですか? 私流の哲学として受けとってもらえればわかるかと。なんしても体感させます」
プリマは帽子を二つ出す。
6と9のコンビネーションと、8の絡み合い。すごいいい。最高だ。
「さすがプリマ、頭いい子」
「えへへ」
「でもフレンチェがその分嫌いとかではないぞっ?」
「アナタ」
ヲレ氏、いつもメカをつけているのは、抱きしめ合ったりするときに邪魔だから、必要なときだけつけようと、恋愛から、学んだ。
乳吸い体験
「今日は牧場にいきましょう」
「牧場?」
「OK牧場というところですよ」
「OK牧場!」
「え?」
「ガッツ岩松の名言だよ!」
「それは」
「いや、スポーツ詳しいつもりないから」
スポーツ選手の、ガッツ岩松の名言、OK牧場の意味まではわからなかったヲレ氏。わからないまま異世界転移。
「スポーツ興味ないのですか? あんなにダンスうまいのに」
「今日もダンスお願いしますよ! ア、ナ、タ」
「今日は昨日よりも早く腰振りをお願いしますねっ」
「もちろんすぐ抜けてもらってもいいんですが、すぐ抜けるのはなしの方向で……抜けてもダンスし続けて」
「今夜は貴方様を絶対離さないぞ~」
「うん、それはいいんだけど」
「ダンスはテクニックよりも誰がするかだと感じちゃいます」
「そのとおり。好きでもない人にスゴワザ決められても、で? って感じ。まだアナタにしか決められたことはないけどね~」
「うひょひょ、そのなんか冷たい感じのフレンチェもステキ」
「アナタには冷たくはしませんよ」
「キミたちならヲレ氏はナマイキなところにも愛せます」
「アナタったら」
フレンチェはやさしく妖艶な笑顔でヲレ氏の顔に顔を近づけた。
「OK牧場では貴重なミルクが飲めますよ。私が来るから出してくれるって」
「ミルクか。いいね。今すぐでも飲みたい」
ヲレ氏はすぐそばにあったミルクを飲んだ。がぶ飲み。
「美味しい?」
「すごいいいよ」
車に乗って。駄弁った。
数時間後。牧場に到着。
「この牧場に来るのは初めてです」
「そりゃフレンチェは外国人だからね。ヲレ氏もだけど」
「アナタとはわけが違いますよ」
「はははは」
「でもこの牧場は私がまえいた国でも有名で、外国人でも来ていておかしくはありません」
「あーなるほど。あー美味しそうな匂いがする」
「肉壷の匂いですよ」
「肉壷!」
「え?」
「肉壷とは?」
「肉壷という飲食店がお肉を焼いているんです」
「あーなるほど。でも先にミルクを飲みたいな」
「どうぞ、こちらです」
ミルク登場。即座にヲレ氏がぶ飲み。
「うまあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ! ああ。こういう大自然で壮大なところで飲むミルクは格別だぁ」
「どうぞ、もっと吸ってください」
「アナタ、私のもっている分も吸って」
フレンチェは、ふた袋分のミルクをかかえてヲレ氏に懇願する。照れながら袋を上下左右に揺らして懇願するフレンチェを見てヲレ氏大感動。
「あっ、ああ」
「そろそろ肉壷にいきましょうか?」
「うんっ! イくっ!」
肉壷に入るヲレ氏。
「いらっしゃい! 四名様?」
「はい」
「すごいねぇ、兄ちゃん! こんなに女の子に囲まれて。さすがイケメンだな! 上品な女の子にモテる男は超イケメンだぁ!」
「どうも。店員さんも背が高くてかっこいいですね。そういえば、ウァレンティヌス卿も百七十五センチメートル以上はあったな」
「アナタ、なにをいっているの? 男性の背はアナタぐらいのが一番モテるんですよ」
「そうだよ兄ちゃん、お世辞だとしてもきついよそれだと」
「問題、サトウ・ヒロシの背は何センチかわかるかな」
全知全能ぶって問いかけるヲレ氏。
「機関のデータによると、貴方様と同じ程度だと聞いています。でも、外観がそっくりというわけではないので、別の美があり、どちらも欲しくなってしまうのが人の性です」
「ありがとう。さぁて、ミルク吸いながら、ミルクイも出させてもらおうか」
「はい、アナタ」
「私のも吸って」
「そんなたくさんもってこられても……」
ヲレ氏、とりあえず同時に吸う。ストローで。
「あぁんっ! こんなの初めて!」
「学校では習わなかったのかな? 保健体育とかでさ? あはは、習わないよね。それにしてもすごいミルクだぁ」
「こんなこと、アナタしか教えてくれません! ほかの方が見ると嫉妬しますよ?」
「ぶぅ~ぢゅぢゅ~」
ヲレ氏は、わざと音を立てて吸いついてる。
「すご~い」
「じゃあ、ミルクイあげるよ、ヲレ氏の分だけど」
「アナタ! ありがとうございます! あ~ん」
「あー! ズルいー! 私にもちょうだ~い」
「プリマ、おちついて」
「貴方様」
「あとでたくさんモグモグしていいから」
「やった!」
ギシギシギシギシ、パンパンパンパン! と、ヲレ氏がダンスしすぎて部屋で鳴り響いている。
ヲレ氏、フレンチェ、プリマ、オナニ様は個室でメシをむさぼっている。オナニ様はまだ食べだしてはいないが。
ヲレ氏、続けてダンス、ダンス、ダンス。腰振りを繰り返した。
「じゃあさぁ、ヲレ氏の分のケフィアヨーグルトを食べてもらおうかな~」
「食べたい食べたい!」
「アナタ私も~」
「じゃあ同時に振る舞おうかな。できるかなぁ~?」
ヲレ氏、体を振って、プリマ、フレンチェの顔にめがけて、ケフィアヨーグルトをふるまう。
「貴方様、ほんの、ちょっとしか口に入らなかったわ」
「私も」
プリマとフレンチェの顔に大部分がかかったヲレ氏分のケフィアヨーグルト。
「でも嬉しい~」
「私も~」
「あはははは」
ヲレ氏はプリマとフレンチェの前に立った。
「……アナタ?」
「大好きだぞ」
ヲレ氏はオナニ様にはすでに愛を十分伝えているから、ふたりを本気で抱き寄せ愛をこの場でもしっかり伝えようとした。
「私も」
「愛してますアナタ」
ヲレ氏はその日、夜までメシをむさぼり続けた。肉壷はうまい。ヲレ氏はダンスをしながらメシも食う。プリマが教えてくれた名物ミルクも吸う。がぶ飲み。
ヲレ氏の持っているミルクイも人気だから、みんな欲しがる、よって渡した。みんなでいろいろと味わわせあった。
ペット:フレンチェ
「わんわん!」と、フレンチェは言った。
「よしよーし、かわいいぞ~」
ヲレ氏は最近フレンチェを犬の代わりにしている。首輪付けていて、犬耳の髪飾り。たしかに犬って感じだ。美女だが。ヲレ氏より体大きいけどね。
「わん!」
「じゃあ、お散歩いくか~」
城の中庭で散歩。
「わんわんわん!」
「あー、お散歩が大好きなんだねぇ、ポチポチ」
「わん!」
フレンチェは犬ごっこするとき、ポチポチ、と呼ばれる。シロ、という候補もあったが、城、と紛らわしいためボツとなった。
「よ~し、じゃあじゃれあおうか」
「わんわんわんわん!」
ヲレ氏とフレンチェは抱き合った。両者笑顔。
「ん? おしっこ?」
「わん……」
フレンチェは、中庭で液体を放出した。
「いいんだよ、プリマには許可とってあるからね。そしてヲレ氏は神。OK射出」
「わん!」
「ポチポチのお小水なら気持ち悪くないよ」
「わんわん!」
城にはいった。
「よーし、ご飯だよ」
「わーん」
「ミルクイ定食~」
「わんわーん!」
「あとでケフィアヨーグルトも出すからね。豪華だぞ~」
「わーん!」
「じゃじゃーんっ。ケフィアヨ~グルト~」
四次元ポッケから道具出す某猫風アンドロイド風にケフィアヨーグルトを出すヲレ氏。
「きゃあ~っ!」
「フヒヒ、素が出てるよ、素が。フレンチェ」
「アナタ~!」
「かわいいなぁ、ホント」
「アナタもかわいい」
撫で合うヲレ氏ら。
「あっ! あ~……スッキリした」
ダイヨクジョウに移動。
「アナタ……」
色っぽくヲレ氏のほうを見つめたフレンチェ。ヲレ氏とフレンチェは手を繋いでいる。ダンス中でも手は繋いでいるほうがなんか好きでよくやる。
「衣類を洗うぞ。まずは帽子からいこう」
「わんわん!」
また始まった犬ごっこ。
帽子を丹念に洗うヲレ氏。
「ヲレ氏まで気持ちいい」
「わん~」
「ポチポチも気持ちよさそうだ。いいね、ならヲレ氏の筆も、ついでに一緒に洗おうか。筆たくさん使うんだよ~ヲレ氏って」
「わん~わん~」
「あはは」
ヲレ氏の筆も風呂の中に入れた。
「わんわん~」
フレンチェはヲレ氏の筆に夢中な模様。
「ほら、ヲレ氏の筆に付いていた、いろいろなもの、特にこのぬるっとした物質が湯に入って、湯に模様ができた」
「わん~!」
「かわいいぞ、ポチポチ」
フレンチェの頭を撫でるヲレ氏。
犬、とはしても、結局人間としてしか見れないほど以上に美しい。
「わんー!」
「ほれっ!」
「あんっ」
フレンチェの帽子の一部分にある、綺麗な出っ張りをヲレ氏の筆で押し付けた。そして擦った。綺麗な出っ張り、といっても、フレンチェは全身綺麗。
「ああっ」
「わんーっ!」
「あっ!」
ヲレ氏は洗浄行為が気持ちよすぎて脱力したった。
「わん~っ」
「はぁはぁ」
「わん~っ!」
素早いダンス中のヲレ氏。
「あぁっ!」
「わん」
「フレンチェ……」
ヲレ氏とフレンチェは抱き合った。
ヲレ氏とフレンチェは風呂を上がった。
「まぁ、もうお風呂? 早いわね」
「じゃあもう一回プリマも一緒に」
もう一度ダイヨクジョウにいったヲレ氏。
「にゃ~」
「フヒヒ、猫ちゃんかな?」
「にゃー」
「よしよーし」
「わんわん」
「二匹ともかわいがっちゃうぞ~」
ヲレ氏はフレンチェとプリマの帽子を使ってヲレ氏の筆と絡み合わせ、悦楽に浸った。
「にゃんにゃん」
「わんわん」
「にゃーにゃー」
「あっ!」
「わん~?」
「タマタマ!」
「にゃ?」
「キミはタマタマだ!」
プリマにタマタマと命名した。
「にゃー!」
「タマタマポチポチ~!」
「にゃーにゃー!」
「わんーわんー!」
ヲレ氏、流れに身を任せてダンス。
ヲレ氏の筆等を入れていた温泉が流れるプールの如く、流れ出した。急なことだった。
ヲレ氏は温泉の流れにのって、フレンチェとプリマも連れて、温泉で一緒に流れながらダンス!
ヲレ氏、激しすぎるダンスを繰り出した。
犬かきのフレンチェとプリマ。泳げるのにヒトではないのを体現。
ヲレ氏はフレンチェとプリマを抱きかかえる。
「大丈夫だよ、怯えないで」
ヲレ氏、引き続いてダンス!
ダンス! ダンス! ダンス!
「わわわわわ!」
「にゃにゃにゃにゃにゃ!」
「ァッ!」
数分後。
「あ~」
「気持ちよかったですね、貴方様」
「ホント、ハァハァ」
ヲレ氏、頭を洗わせようと思った。
「アナタ、頭を洗ってあげます」
「ありがとう、はぁはぁ」
「長期戦でしたね」
「ああぁっ」
大好きな子に、頭洗ってもらえるって気持ちいい。
「貴方様の長髪ステキ」
「あはは」
「でも短くてもかっこいいもーん!」
「当然」
「あはは、さすがキミたちの男だわ」
「うふふ」
「アナタだ~いスキ」
「ヲレ氏も大好きだよ」
「私も?」
「あたりまえさ、どっちとも愛してるよ」
「はい、おやつあげます」
「わたしのも~」
「あ~ん、フヒヒ、ぶぢゅうううううううううううううううううううううううううううううううううううううう」
ふたりともヲレ氏の妻に選ぶよ♡!
「ヲレ氏、そろそろ決着をつけたいと思うんだ」
「それは」
「まずヲレ氏の結婚のこと。ヲレ氏は好きな誰かを一部見捨てるなんてひどいことは、できないのだからな。そして、サトウ・ヒロシのこと。ヲレ氏はキミたちがヲレ氏もサトウ・ヒロシも手に入れようとする、それをもう一度以上、見直してほしい。ヲレ氏のが、ふさわしいかもしれないだろ? ……キミたちに」
「わかりました」
「サトウ・ヒロシの居場所はどこかな」
「それが、機関も見失っているようで。どこの博士も知らないとのことで」
「逃亡か」
「異空間に転移したとかも、一説にあります。故郷に帰っただとか」
「ヲレ氏が怖くて逃げた」
「かもしれませんね」
「なら、もういいだろ? ヲレ氏で。もう、キミたちの男はヲレ氏しかいない、で、さ?」
「しかし……サトウ・ヒロシは魔街にいったという説もあって……」
「……魔街?」
「はい。アンダーグラウンドな。入り口が地下にあって、魔街にいった人は中々いません」
「へぇ。じゃあヲレ氏たちが結婚してからサトウ・ヒロシが帰ってきて面倒になる前にいってやろう、魔街に」
「私もいきます。どちらにしても、神である貴方様のことを見捨てることはできません」
「私もいきます、アナタ」
「いこうか、一緒に、その下のほうへ」
「はい、いきましょう」
「いきましょう」
ヲレ氏、メカ装備。
「騎士たちを呼べ。南方聖堂自由党メイスン騎士団を」
ヲレ氏、メイドに命令。
「アナタ、出発前にダイヨクジョウでもいってみませんか」
「うん。帰ってきたらどうせいけるが、いまからでもまたいい。あそこはホント、いい景色が見れる。大きい山とか」
「うふふ」
「貴方様、私の持っているこの作品も見て」
「うひょひょ! あはぁ……、すげえ~……」
「貴方様の気が抜けた顔、ステキ」
「アナタかわいい」
「あはぁ」
「元気になってきましたね」
「元気ビンビンなアナタステキ」
「あははぁ」
「帰ってきたら体洗ってあげますね」
「太ももの裏側を洗ってもらうのが好きだってアナタいってましたね、さすらせてね、アナタ」
「うん」
朝食タイム。
「はい、アナタ、アワビですよ~、あ~ん」
「私の持ってる栗も食べて食べて! 貴方様」
「あ~ん、モグモグ、うまい!」
「もっと、食べて」
「うんわかったよ……」
「もっと愉しいことしよっ、貴方様」
「はぁはぁ」
「もっとぉ……奥までしゃぶりついて」
「あぁ……でも、そろそろ時間だよ、いかないと」
「はい、いきましょう!」
「よし、いくぞー!」
「よし、ヲレ氏、朝立ち」
城から出た。朝立ち。異世界転移後は朝方で暮らせている。
車に乗った。
「ご飯食べたくなったらいってね、用意するから」
「車の中でメカつけてると特に抱きつきにくいからね、魔街最寄りの研究所にヲレ氏用のメカを用意させよう」
「いいですね」
ヲレ氏、さっきつけたメカを外した。
「さっきの外したのがこの車よりも先に研究所に送られるのか?」
「いいえ、貴方様専用のメカをあらゆる研究所に用意しました」
「おお、有能。すごいね」
「ありがとうございます、貴方様」
「フヒヒ、抱き合いながら魔街へゴー!」
数分後。
「アナタ、ママって甘えて」
「ママぁ」
ヲレ氏はフレンチェに甘える。母親に甘える子ども以上の勢いで甘えるヲレ氏。
「あはは、かわいいアナタ」
「ふひひ」
「私にも甘えてよ」
「お姉ちゃん」
「ママではなくてお姉ちゃんって」
「さすがアナタ、設定に気が使えてますね」
「あはぁ」
「脚擦ってあげます」
「あぁ、ありがとう」
ヲレ氏、脚を出した。ブルン! と。
「帽子で挟んであげる」
「あっ、あぁ」
「どう」
「気持ちいいし、あったかい」
フレンチェのぬくもりが感じれるその帽子。
「もっと激しくさすってほしい?」
「うん」
「ローション付けますね」
「あぁ、すごい音」
ローションで擦る音が室内で鳴り響いた。音フェチのヲレ氏、興奮。
「すごい、こっちまで興奮する」
「あっ! あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ~っ!」
「アナタすごい気持ちよさそう」
「うん、最高だよフレンチェ」
「私だって!」
「あっ」
車の中で遊ぶのも結構愉しい。
「そうだ、ミルク飲みませんか?」
「飲む飲む!」
ヲレ氏はミルクをがぶ飲みした。
「私の持ってる分のも吸って、アナタ」
「あ~、うまい」
ミルクは、異世界転移してから大好物になったヲレ氏。
「もっと、近づいてもいい? アナタ?」
「私も」
「きてきて、フレンチェ、プリマ」
「嬉しい?」
「うん! さいこう!」
恋愛愉しい! って思うヲレ氏。これも異世界転移後特に思う。そもそも、ヲレ氏がまえいた世界の女との恋より絶対愉しいよ! こっちのが! ありがとうオナニ様!
今日はオナニ様を連れていないのは、サトウ・ヒロシ関連程度でオナニ様まで連れていくのも何かどうかなと思ったからだ。
数分後。魔街最寄りの研究所に到着。まえ会った博士と別だがまえ会った博士と同じぐらいすごい博士と会って、メカをもらってつける。
数分後。魔街到着。
車から外を見たヲレ氏。
見つけた。あれか、サトウ・ヒロシって……多分。すれ違った、推定サトウ・ヒロシと。
推定サトウ・ヒロシ、が振り返る。
推定サトウ・ヒロシ、とヲレ氏の目があう。
推定サトウ・ヒロシ、はヲレ氏を見て恐れを感じているだろうと感じさせる。
妄想彼女の異世界入り
スガワラノ・エンシ
ワイ将、鈴木一太。
レンタルショップでバイトしてるよ。
世代はロスジェネでもないし謎。何世代かよくわからない世代だ。中年でもない。まあ、家のジジイからは四代目だっていわれてる。
ワイ将の一人称は、ワイ将。
身長は百五十八センチメートル。体重は重くもないし軽くもない。
野球が好きで、その理由は、漫画及びアニメの野球少女に恋したから。その野球少女の影響で野球始めた。野球、うまくなろうと努力した。でもヘタクソで駄目だった。
親父や弟とも一緒に野球の練習しても、喧嘩して、もう嫌だった。
ワイ将よりもかっこいい顔して背も高いスーパーマンみたいなのにずっとあこがれていた。特に高校の時なんてさ。
ワイ将の特徴は、出っ歯だ。でも、これをトレードマークなんていってたら、なんかかなしいよ。
ワイ将は最近トレードマークをつくった。腰より長い毛だ。腰より上の毛の人はミュージシャンなんかには結構いるが、腰より長いとくると、中々いないんだ。
今日もレンタルショップでバイトの日。いかないと。
「よぉ、鈴木一太か?」
「おひさしぶりです」
ワイ将は、ワイ将が中学の時同じ学校で学校で一番か二番に不良の男とバイト中に会った。
「もっと稼げるとこ紹介するけど」
「どこでしょうか……?」
「明日、朝四時ぐらいに、おれの家の前来いよ」
「はい……」
ワイ将は、とりあえず、がんばっていってみたよ。
「よぉ、きたな。トラック乗れ」
ワイ将、トラックに乗る。
「あの……」
「まあ、あんなとこよりかは稼げるからさ」
トラックは目的地に到着したようだ。
「あの……」
「あのすぐ近くある倉庫で着替えてこいよ、ツナギあるからさ」
ワイ将は、倉庫にいってみようと思った。
倉庫には散らかった感じでツナギ服があった。
「これ着てみるか……」
赤色のツナギ服。だぼついている。
いまは夏だ。暑い。
ワイ将はツナギ服をノースリーヴにカットしてみた。
よし、これなら、作業中に袖が邪魔にならない。それにしても、ワイ将、肉体労働は、ちょっと……キツすぎ。
「よぉ、似合ってるぞ、そのツナギ」
「あの……」
「へへへ、ひさしぶりに会ったがおまえおもしろいな。こんなふうに話ししたこともなかったな」
「はい……」
「これさ、おれんちの仕事なんだ。おれんち土方始めてさ」
「へぇ……」
「じゃあ、やるぞ」
(今後ここで、続けてけれるのだろうか……)
「どうした?」
「夜からレンタルショップでバイトなんで」
「まあ早く帰すとかしてやるよ。でも車は用意できねえ。自分で金支払って帰ってくれ」
「はい……」
たしかに金はてにはいりそうだが……。
数日後。
ドリルで穴を掘る仕事が行われる日の事。
「なあ、これでどこまで行けるかやってみようぜ」
「いいんですか?」
「いいさ、ほら、やってみな、おまえが。鈴木一太」
「はい……」
ワイ将、ドリルで掘って掘って掘ってった。
当然、下まで掘ったら遠いとことかに近づくんだろうがそれじゃおもしろみがない。ワイ将は横に掘っていった。
ワイ将、掘り続けて何かに当たった。続けて掘ってみた。すると、上がもう掘られた状態のところに通じていた。
人骨発見。
ワイ将、よからぬところに着いた模様。
一旦戻ってみるワイ将。
「よぉ、どうだったよ」
「なんか、墓……? みたいなところに着きましたよ……」
「なんだよそれ、たのしそうじゃん、行こまい」
「……はい……」
ワイ将、ついていき、もっと掘っていって……。さっきよりも墓を荒らしてしまう。
最初に荒らしたのも、案内して引き続いて掘ったのもワイ将。
ワイ将は、仕事が終わってから、家に帰って風呂も入らずに寝た。早く寝たいぐらい気分が良くなかった。
ワイ将は墓を荒らしたその日から、祟りっぽいことにあうハメに。
ワイ将、いま、どこかわからない場所に閉じ込められている。どこまで歩いても抜けれない。
嫌いだった世界と別れることはできたが、こっちはもっとキツい。
「あの……」
「え?」
綺麗な声。誰だろうか。
「私はスガワラノ・エンシ」
「スガワラノ・エンシさん? どちら様?」
「私のチチが貴方を祟ったようで……」
「ああ、あの、ごめんなさい!」
「はい、貴方に悪気がないのは見ていてわかるんですが……」
「あの、ここは?」
「ここは、呪いの空間で貴方はいま祟りによって閉じ込められているのです。私のチチの墓を荒らした、呪いです」
「一生このまま? のど乾いたんです……ミルク欲しいよぉ! ママぁ!」
「わかりました。とりあえず、私が、一旦この空間から解放させます」
「またまえいた世界に戻れるの?」
「いいえ、異世界ですが」
「異世界転生!」
「異世界転移、ですね」
「なるほど、死んだわけではないんだ」
ワイ将、さっきいわれた異世界に到着。
ワイ将の目の前に、綺麗な女子。
「はい、死んでいませんよ、貴方」
「キミが、スガワラノ・エンシ……ちゃん?」
「はい」
「今後、こっちでどうなるんですか?」
「それは、私にも……でも、一緒に頑張れば見えてきますよ!」
「うん、ワイ将、頑張る、キミとなら」
ピラミッド?
ワイ将の現在地……ピラミッド?
「あの、ここって、まえいたところと違うんですよね?」
「もちろん、ミスはしていないはずです。私のチチの霊力は凄まじく、多くのものを祟ってきましたからね」
「その凄まじいチチウエの娘さんである、スガワラノ・エンシちゃんも凄まじい力を持っている、と」
「はい。知りませんか? チチを」
「いいえ。自分処女作公開もまだで。教えてくれませんか? スガワラノ・エンシちゃん?」
スガワラノ・エンシちゃん、彼女、普通に人間に見えるが、霊なんだろうか。普通の少女、には見えないほどに美しすぎるが。
「……あの、どうかしましたか?」
「キミって……? 幽霊なの?」
「いいえ。ただの幽霊とは違いますよ。幽霊は霊力が強いと実体化できるんです、私みたいにねっ」
「へぇ……」
「触ってみればわかりますよ。完全に一致した弾力も持っています」
スガワラノ・エンシちゃん、ワイ将に二の腕を見せる。
「ああああ! 嬉しい! あはは、もみ、もみ」
ワイ将、女子との交流は初といってもいいので余計に愉しい。
ワイ将、肉体労働している。そして、大忙しでもあり、風呂も入らず、歯磨きもできていない。はっきりといわなくても、臭い。ちょっと口開けても臭い。
「嬉しそう」
「はい」
「うふふ」
「あはは、女体をなめていました、ワイ将の想像以上にフクヨカだ」
「昔お母さんのおっぱいを吸っていたのは覚えていないのですか?」
「いや、多分ワイ将哺乳瓶派だから」
「そうなんですか、また味わいたいって思いませんか?」
「そうですね、まあ、うちのオフクロはべつに好みのタイプではないですけど。スガワラノ・エンシちゃんはガチで好みですね。大和撫子の最高傑作といいますか、素晴らしい!」
「ありがとう、嬉しい」
「……スガワラノって、どっかで……」
「はい、知っていると思いますよ」
「ようは、相当危険な霊力と接触したわけだ、ワイ将」
「はい。でも、貴方、すごく私に好意を抱いていますし、チチへの悪意もないようですので、例外」
「やったー! うひょひょー!」
「よろこんでる貴方かわいい」
「イッタ、です」
「イッタ、さん?」
「はい、スズキ・イッタ、です」
「イッタくんね」
「はい」
「実は、私と接触したのは貴方で初で」
「……ん? ということは?」
「もちろん生きていた頃の私とは接触した人はいますが、霊体となってから、会いにきた、のは貴方で初めて!」
「うひょひょ! 初体験と!」
「はい! だからひさしぶりに愉しい刺激ができて嬉しくて!」
「あーなるほどなー」
ピラミッド。うん、怪しい感じだ。墓だっけ? なんか不吉だな。まえいた世界でもそう思っていたよ。こんなこと思ったら呪われちゃう? なら、尽くそうか? よくわからない異世界のことだし、この、ピラミッドで。
「ここ、とりあえず、入ってみませんか?」
「入っていいの? 呪われちゃわない?」
「尽くす気持ちがあれば、歓迎されますよ! 私はそのタイプ! ただ怖がられて無視されてもっていうのは普通は嬉しくない!」
「あーなるほど! じゃあイってみよー!」
「はい!」
数分後、ピラミッド内部。
「すげえ、ピラミッド、探検。まるでゲームだ。ゲームみたいでロマンだ」
「はい、愉しい異世界ライフにしましょうね!」
「うん!」
愉しいぞ。
ワイ将、いま感じてる、愉しいぞ、って。
「腕、太いですね。私のに比べると、特に」
「まあね。野球やってたし。あと肉体労働を短期間だけど」
「私、どのぐらいかわいいと思いますか?」
「そりゃもう、満点。こんな綺麗な日本人がいたのかって仰天もん。すごいべっぴんちゃんだよ~」
「うふふ、嬉しい」
スガワラノ・エンシちゃん、スタイルがいい。顔もいい。性格もいい。最高、彼女。ワイ将の妄想の野球少女の彼女が、負けちゃうんじゃってぐらいね。
よっしゃあぁっ! 精力が漲ってきたぞぉ~っ!
「手、繋いでみない? ほら、いいでしょ? 細部まで、感じたい、霊であっても。いや、霊だからこそ」
「どうぞ」
「あっ」
ヨッシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァッ! もうすでに愉しい異世界ライフ! 空想で考えたりもした、なんかそういうとこいってみたいとかもあった、それがもっとすげえイイカタチで実現した!
ワイ将のバット
こんな愉しい旅は、初めてだ。
「ボロンっ。見てよこのバット、スガワラノ・エンシちゃん」
「これは……小さくてかわいいですね」
「でしょ? ……これね、ワイ将の思い出の品でね」
「でもこれじゃ、野球はむずかしいですよ」
「だよね。まあこれで野球するわけじゃないし」
「どういう使い方をするんですか?」
「ならちょっと触って考えてみなよ」
「単純に観賞用?」
「まあ、そうだとも言えるよね。でもこの緻密さっていうの? よく見てみなよ、すごいできだから」
「ホントですね」
「オマモリっていうかさ」
「私にとってもそうでありたいです。私持っていないので、そういう物品は……」
「触ってみて」
「はい」
「もっとガシッってさ」
「ガシッ」
「あっ」
「いいですか?」
「いいね」
「球は」
「あるよ、ほらねっ」
「これも野球はむずかしそう」
「だよね。でもいいんだよ、これで。触ってみなって」
「はい」
「あぁっ」
「球は人を熱くさせるって」
球自体もアツい? ってスガワラノ・エンシちゃん思ってくれたかな? もしそうなら尚更萌える。
「よく知ってるね」
「だって、スポーツ選手でも、熱心に球使っていますし」
「そうそう、でもそういう知識はない子もいるよ。球をただの球だと思っているんだ。キミは知的だね、スガワラノ・エンシちゃん」
「はい、私のチチはとても勉強された方で。学問の神様、だと言われました」
「学問の神様! なんかそれ、聞いたこと、ある!」
「そうですよね」
「ああ、やっぱりワイ将のバットも球のこともよく理解してくれているわけだ。もっと、触って、ね?」
「はい」
「ああぁっ。保健体育得意だよね」
「はい」
「もう体からして、育ちいいし、体育しているよね」
「はい。特に保健は気を使っていますよ」
スガワラノ・エンシちゃんはもっとワイ将によってきた。
「やっぱり。家庭的って感じだから」
「実際、そうです」
「あははぁ」
ワイ将は、スガワラノ・エンシちゃんに、空想の彼女がいるけど、その彼女よりキミのほうがかわいいということを伝えようと思う。
「うふっ」
「ねぇ」
「はい……」
「ワイ将、空想で、彼女をつくったことがあるんだ。空想だ、だから、キミのように愉しめるわけではない、空想って空想止まりだからね」
「どんな方なんですか」
「野球少女でさ。元になったのは創作で、結局そういう点も、空想だ。だからこそ、キミに出会えて本当によかったんだって、なる」
「……またその彼女さんを思い浮かべて」
「え?」
「好きなんですよね、まだ、本当は」
「だからキミほどでは……あぁっ!」
出現した。ワイ将の空想彼女。
空想っていうよりも、妄想っていうほうがいいかも。だって、ワイ将は、一緒に空想彼女と寝てる気分、メシを食べてる気分、空想彼女のために毎日を生きるという感覚で生きていたのだから。
「このお方が貴方の彼女さん?」
「そうです……。ねぇ?」
「どうしたの? イッくん?」
「ああぁっ!」
空想及び妄想彼女だったはずのあの彼女がワイ将に語りかけている! このことにワイ将は驚き。
「どうしたの~?」
「触るよ!」
「前からも触っているのに」
「え?」
「前からもう私たちはあってるんだよ」
「あっ、あははははっ、そうだ! そうだよね!」
ワイ将、彼女と抱き合った。
スガワラノ・エンシちゃんは、たしかにもうワイ将と仲はいいが、ワイ将の彼女だとは胸を張っていえないんだ。どうしてか、それは嫌いだからとかではないさ、ワイ将のことを本当の意味で好きになってくれるのかというところにある。恋愛の醍醐味が、結ばれるまでのところにある、という考えもできるが、ワイ将にとってはそれは不安でもある、嫌なんだ。でも、訊いてみようと思う、まえいた世界でそむけ続けたのを繰り返さないようにするためにも。
「だ~りん?」
「あっはははは! 嬉しいよ! こっちに来てもそういってくれて! ……そして、エンシちゃん?」
「どうかしましたか?」
「ワイ将、を、エンシちゃんの彼氏として、認めてくれますか?」
「貴方のことは、頼りにしていますし、この世界で、ともに生きていくこと、そういった協力は私としては大切にしたいとは少なくとも思っていますし、親密な関係にならないってわけにはいきません!」
「やったァッ!」
ワイ将、その場でふたりの彼女と抱き合った。
「まだ彼女さん、いますよね……?」
「ああ、そうだ……、呼んでくれる? エンシちゃん? ワイ将の力じゃ、召喚できそうにない」
「はい、いいですよ」
ワイ将の妄想彼女は、次々と現れていく。
異世界宇宙旅行計画
ピラミッド内部、でも異世界のピラミッド。
まえいた世界でのピラミッドと、どう違うのだろう。なんにしてもロマンを感じるのは断然こっちだね。ワイ将は結構生きた、もうまえ暮らした世界のことはたいていわかってる……はずだ。でも、わかってない年配者は意外にいる。中年過ぎても暴走族とかさ……いたんだ。どうせいまでもブンブンとやっているんだろう。でももうワイ将はあっちには戻る気ない。移民だ。
『移民の唄』っていう楽曲があって、ワイ将、あの曲はワイ将が仮にイケイケリア充だったとしてもべつに好きになれないと思う。でもだ、あの曲は好き嫌いではない、こっちがノってって、あの曲の真価が決まる、こっちの問題。心の底から好きになれる世界で生きてるいまなら、ノれる。『移民の唄』、いいよ。
ワイ将のロン毛、これ、ロックミュージシャンっぽい。でも薄毛。
ワイ将はレンタルショップで働いていて、映画やらドラマはもちろん、楽曲だって詳しいんだ。まあ、前より詳しくなったって程度だけど。
ピラミッド外部でもピラミッドの周りにある関連したなんかの辺にいるならピラミッド範囲内だとワイ将は思う。まあべつにこれをいったことに大した意味はないが。
ワイ将、彼女たちと歩いて、ピラミッドっぽくないところに着いた。
「これって」
「ロケット」
「ロケットとかも知ってるんだね、エンシちゃん」
ロケットおっぱいっていう形の体のタイプもあるようだ。どういうのなのか。安産型とかも聞いたことあるが、そういうのは未熟で詳しくないワイ将。
「はい。予想して知っていましたし、夜中旅をしていて見たりなどと、見識も豊富!」
「うひょひょ、うんうん、豊富豊富」
「何をしにきた」
後ろからクールそうな女らしき声がした。
「ワイ将ら?」
「ワイショウ?」
「そう、ワイ将」
「矮小とでも?」
「あ、違う違う。通じないか? ワイ将はワイ将の一人称さっ」
「なるほど。だがここは観光するためにできたものではない、去ってくれないか。ここは、住居だ」
「すみません、ワイ将たち、移民で」
「移民? 異世界からきたというのか?」
「はい。そうだ、エンシちゃん、ワイ将より先に、外からこっちの世界に来たものって? ……いるのかな……? べつにいてもいいんだけど……」
「気配、感じることは感じます」
「いるんだ。どのぐらいなのかな」
「すごくわずかです。そして、貴方と似た波長を感じます、貴方の敵にはならないでしょう……」
「でも、逆にそれが、敵になったりは……」
「なんだ、こちらに敵意でもあるのか」
「いいえ、申しわけないです。でも……この設備は……ただの住居には見えないんだが」
「いいだろ、べつに。だが、先程の会話で霊力があるように見えたが」
「はい、彼女が霊能力者で」
「この縁を大切にしていく代わりに、この設備について教えてやってもいいが」
「だったら、帰らなくても、いいと」
「そう」
ワイ将らは追い出されずにすんだ。
「あの、ここでは何か計画が」
「宇宙にいくことを目指している」
「宇宙?」
「そう、宇宙だ」
「宇宙って、空の上のまた上の」
「そう」
「あーなるほど」
「宇宙に施設を造ろうかなとも思っている」
「なるほど、いいですね。ワイ将たちも連れてってくれますか」
「いいだろう。だが、試験合格してもらわないとな。個人の信頼云々以前に」
「確かに、下手に参加しても、危険だからね」
「食事にしよう」
「ああ、いいですね」と、ワイ将はイった。
非常口のようなところから、ワイ将たちは出た。
ワイ将、ワイ将の連れている団体を、〝ワイ将ら〟、とか、〝ワイ将たち〟、と呼んだりするけど、特にその差に意味はない。ワイ将、これ国語力ないのだろうか。でもワイ将は、そのテキトーなところに趣きもあるのでは、とも感じたりもする。まあ、国語って限定するところでもないか。
ワイ将たちはピラミッドを正面から入ったのか、裏から入ったのか、右から入ったのか、左から入ったのか、ワイ将は把握できていない。
先程ピラミッドから出たところはワイ将たちが最初に入った出入り口ではない。その出たところは、キャンプのような感じに人々が暮らしていた。人々、といっても人数はわずかである。ワイワイと騒いでるような感じはなく、呼び方的にも〝村〟とできない感じ。
ワイ将の前に、肉が運ばれてきた。
美味しそうな肉だ。
「何肉ですか?」と、エンシちゃんは言った。
エンシちゃんはきっと何肉か知っているが訊いている。エンシちゃんはモノシリだからな。うひょひょ。
「この肉は単に動物の肉ではない」
「どういうこと? ワイ将追いつけないでござる」
「ここでなくても、都会のレストランでも、メニューに記されている、あらゆるところでそれは確認できるぞ。屠殺ではないのだ」
「なるほど。ワイ将のいたところでは屠殺だらけでした。屠殺ではない、これはいい。おちついて食えます」
「この辺はある意味自然豊かだが砂漠が多いっていう意味が強い」
「なるほど、そういう意味もありますね」
「食後、会ってみないか? オキナにでも」
「オキナ……さん?」
「私たちのリーダーで、計画のまとめ役だ」
ワイ将たちの宇宙の旅が始まろうとしている。
ちなみに〝宇宙〟とは人名ではない。そういう名前の人もいるんだけどね、ワイ将は知っている。
ナマで出演♂
「この肉うめえ!」
ワイ将、ふくよかなふたつの肉の塊うまさに歓喜。爆発するんじゃないかってぐらいパンパンに膨れあがってて、んで、大きなその肉。房のようになっている。
ふたつでひとつの肉、これは大抵うまい。
「もっと食べてください、ヒー。ワイさん」と、家事・育児担当の少女のピラミは言った。
ピラミは大きな肉を持っている、それをワイ将にしゃぶらせた。なかば強制的に。
「ヒーワイ?」と、ピラミの横の女はイった。
「〝ヒー〟、これで〝彼〟という意味のつもりでしたが、ワイさんって愛称にしようかなとっ」
「うん! 食べる食べる~! いいね、ワイさんってあだ名!」
ワイ将、仲間の関係になれたピラミッドの住人たちからは、さっきから〝ワイさん〟で呼ばれている。
「もっと、こっちの肉も」
「あ~ん」
ワイ将は持ち前の出っ歯でも肉を噛む。
「ああ! ワイさんすごい!」
「ここまで食事が様になる男性を見たのはこれで初だ。ヨッ! ハツモノ!」と、ワイ将とピラミッド内部で最初出会ったピラミッドの住人、ピラドはイった。
ピラドはピラミの横にいる。ワイ将もピラドの横にいる。
ワイ将、周りのみんなと早くも仲よし。
「すごい食べっぷりですこと、見ていて興奮しますわ。私はオキナの娘です」
「ああ! これはどうも、初めまして。ワイ将のこの彼女の、クウノそしてクンコ、彼女たちは霊力によって作りだした芸術だよ。クウノはクンコとは血は繋がっていないって設定あるんだけど、名前とか外見が似ているから、主役がクウノとクンコどちらを選べばいいのか、愛を告白されたらどうしたらいいのか、もうどっちもだって感じに狂わす妖艶なある意味での悪魔っ娘さ! クウノは野球少女で、強くてね、体格よくってさ。ワイ将、だから筋トレ日課にしてた、クウノと互角の筋肉はつけたかったから、彼氏として。主役はクウノに追いつこうと必死、もう思春期だなあって感じさせるよ、あのドラマには。まあアニメだが。クンコは野球は主役より下手で、それゆえ主役に食いついてくる、でも、ツンデレ属性に分類される性格だから、なかなか結ばれないんだよねー、実質、野球ではクンコより上でもほかは下ってのがその主役なわけで、ツンデレ抜きでも結ばれは遠いっていう見方もできるんだよな。主役はいわゆるマヌケ、でもなんかメンタルも脆くて、でもきっと作中で誰よりも脳筋野球少年で、主役なんだろうなって感じ。で、途中、急に現れた、他校のジローっていう下半身長いし長身イケメンすご腕の野球少年にボロ負けしてからはアニマルモード突入でね……視聴者はドン引きしてたと思うよ。あれは、クウノもクンコも被害受けてるだろって感じの荒っぽさっていうかさ、自己解釈になっちゃうけど。まあ、クウノもクンコもあそこでもうジローに取られた感もあったけどさ、どうなったんだろうか、でもワイ将は健全だから、そういうのはない、って判断した。だから原作ホントは好めないんだけど、クウノアンドクンコはかわいいからさ、好きなまま。こういうのもホントは妄想者としてなら彼女らの否定でもあり、彼女らがワイ将のリアルの彼女という妄想が崩壊する危険もあるからNジーなんだけど、保健体育の神様、スガワラノ・エンシちゃんがそれを阻止してくれているから、クウノもクンコもただのヒト、創作の女ではなくてワイ将の女。ただのヒトっていってもかなりの美人だけど。そして、いまその、クウノ、クンコがワイ将の横に、いるんだよな~」
「つまり、真性なスピリチュアルにも愛されている存在が、ワイさん……と……」
「そう」
「素晴らしい……」
「よし、そろそろオキナ様に会おうか? ……スズキ・Y・イッタに改名しようかな、アハハハハハハハハハハハハハハハハ」
「オキナ様は内部の上層階あたりにいます。オキナ様は筋トレに熱心な方で、階段を使って毎日三千階までのぼりおりします」
「三千! っていうか、何階建てなんですか」
「三千階です」
「もしかして、ワイ将も、それを……?」
「エレヴェーター、あります。でも……もし、ワイさん、貴方が三千階のぼってきたら、オキナ様は貴方を大歓迎してくること間違いなし、かな」
「……三千階は、そんなののぼったことないと思うんだが……でも、やってみよう!」
「頑張って! のぼり終えたら私たち女性陣がご褒美あげます! お肉も!」
「お肉! やったぁっ! 全員爆乳の子でご褒美お願いします!」
「おやすいごよう!」
「よーし! のぼるぞー! ……あぁ~! 感じちゃうよ! のぼってきてる、体液が……勢いよく……体液もたぎってきた的な感じきたよ~! ミナギッテキタアァッ!」
ワイ将、元気いっぱいになって足踏み。
早速、ピラミッド内部突入を目指した。
「ワイさん頑張って~!」
「まかせて!」
ワイ将、すごいモテてる。しかも綺麗な女の子たちに。でもさすがにワイ将の外見まではかっこいいとはされていないはずだ。なにせ、元いた世界では、かなりからかわれてたからな、いろいろ、と……。
ワイ将、努力派だ。
好きで努力したいのではない。
努力しないと、駄目になってしまうから努力してるってだけ。ようするに凡人です。でもなんでか、こっちでなら、単なる凡人では済まされない気が、するんだ。
そうだ、水分補給はどうしようか……。
「のどかわいたらいってください、私がミルクを出しますので!」
「さすが保健体育の神様!」
「あっ? あれって……カメラマン、もしかしてテレヴィ局かなんかか! ……もしや、ナマ? ……いきなりナマか、恥ずかしいな……もしかして、ワイ将、このマラソン生放送でもされてるのかな?」
カメラマンの少女がワイ将に接近してきた。
「はい、そうですよ、このすごい建物で長距離マラソンが超特別に実施されるとのことで、ぜひ来てほしいと」
「いいよ、ワイ将のかっこいいとこの見せ場だしな! 一緒に走ろう!」
「はい! 私はマラソン撮影担当の通称マラコ!」
「頑張ろうマラコちゃん!」
「はい!」
ワイ将率いる管弦楽隊による『汗だくサックス』
「アンアンアンアンアンッ!」
ピラミッド内に鳴り響いた、あえぎ声。マラコちゃんがキツそうになって走っている。体も、しめつけるなにかをきっと感じてるなって感じの表情。
パンパンパンパンッ! といった感じにピラミッド内で反響。ワイ将の足音である。
ワイ将、努力で筋肉質にはできても、運動は苦手なタイプ。でも、努力しただけあって、ある程度の速度で走ることは可能。その速度はスポーツ選手にとってじゃ遅いけどもね。
ワイ将のロン毛がワイ将の速さで靡いてる。
パンパンパンパンッ! ワイ将、毎回同じような音を立てて体を酷使。最初のほうから張りきりすぎたか、どこかもうキツさを感じた。でも、そこには、キツさがない、これは、景色がとてもいい、ピラミッド、そこに単調さはない、素晴らしい、きてみればわかるさ!
ピラミッド内はいろいろな形をもっている。愉しい。ゲームのようだ。
マラコちゃん、キツそう。ホントはまだ初めてなんじゃって感じの子。
クウノ、速い。さすが野球少女。そして、妄想彼女。
クンコ、速い。さすが野球少女。そして、妄想彼女。
エンシちゃん、速い。さすが保健体育の神様。
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォッ! パアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアイィッ!」と、ワイ将はイッタ。
叫ぶことで気合をイれた。パイとは確か利益的な意味があった。でもワイ将がパイで連想するものはまずはオッパイだ。でも、さっきのは、〝パイ〟を伸ばして叫んで気合を入れる、利益をもらうぞ! って感じだ。問題ない。
「あらあら~! オ、ト、コ」
「でしょ? 男の底力、見せてやるよォッ! むしろオスのさ!」
パンパンパンパンパァッンッ! さらに大きく鳴り響いた、体の酷使音。
「ステキ~!」
「ハァハァハァ、だろ?」と、ワイ将はイッタ。
疲れてるならドヤ顔しても引かれないんじゃというワイ将のテキトーな心理学でドヤ顔もした。
マラコちゃん、それに対しても笑顔、かわいい子。
「汗すごい出てきちゃった」
「汗だくサックスやろうか? 走ってさ」
ワイ将、サックスを出した。ツナギ服の便利さは、こういうものを確実的に仕舞えているということ。なんでこんなこというのか。前、気づかないうちにサックスがズボンからはみ出たっていう人がいてさ、なんか不審物だとされて警察沙汰になってたからさ。
「すごい! オ、ト、コおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉっ!」
「だろ? 走りながらサックスやれるなんてさぁ~?」
ワイ将、スポーツするとなぜか俺様系になるのはこっちで愉しんでいるからだろう。べつに、まえいた世界ではこんな俺様気質にはなっていなかったぞ。
「すごいすごい! うわあああああぁっ! 過激すぎぃっ!」
「半端ねえぞワイ将!」と、ワイ将は言った。
「ワイ将、だけに、ワイドショー!」
「うまい! でもキミはワイショーで通じるんだねー。まあ、メディアっていうの? モノシリさんかもな~。キミはステキだが、元いた世界でのマスメディアだかは、なんか悪質みたいなことよく聞いたが、ワイ将、そういう事情あんまり興味ないから、なにが、どうで、とかまでははっきりいえない。まあ悪口っぽいこといういじめのノリがあるんだからかもな、半端な解釈ですみません。不正後に号泣会見した伝説の元議員はなんかいじめのように追われていたからな」
「元いた世界……ってことは貴方はやっぱり、サトウ・ヒロシさんやゴッド=ヤマダ・カズシと同族? どうりで、とても魅力的な人だな~って、感じました~」
「きっと、それだ。う~ん、でも、気になりますな、キミと会話してて、増えたんだ、疑問点」
「私も貴方と会話して増えました、疑問点」
「先に聞いてどうぞ。こっちが忘れないうちに言いたい気はマンマンだけど、あえて気を使ってみる」
「そんなぁ、いいですよ、聞いてください、お先に」
「では、お言葉に甘えて! サトウ・ヒロシのことやゴッド=ヤマダ・カズシのこととかを。なにやる人?」
「彼らは、私が口でいったところで、なんか、伝えれないというか。私たちがこの世界を糞にしてしまうことはないです、真面目な仕事をやっていくだけ!」
「うん、いい子」
「もっと! もっと! 汗だくサックスを! そういうのやってても全然セーフですから! この放送!」
「いいよ、待っててなっ」
ワイ将、汗だくサックスしながらダンス。
情熱的な、ダンス。
ダンス、ダンス、ダンス、アンド、ダンス。
腰も振ってダンス。
ダンス、ダンス、ダンス、アンド、レヴォリューション。
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンッ! すごいよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉっ!」
「フヒヒ、いい声」
サックスで準備運動
「あ! そうだった! 準備運動しないと! ……いや準備体操っていうべき? ラヂオ体操やったな~、子ども会とかで。でもそういうのよりもっとちゃんとしてて、激しいっていうか。なにせ、三千階を登るんだからね」
「ならサックスやりましょう!」
エンシちゃん、ワイ将とサックスやりたがる。
「あ! この手があった! エンシちゃん、ならワイ将のフルート使って!」
「いいですね!」
「さすが、保健体育の神様はほかの学業でも秀でれるんだね」
エンシちゃんを褒めるワイ将。
ワイ将はエンシちゃんの頭を撫でた。
「イッくん、私にイッくんのバット頂戴!」
「アタシにも! イッタくん!」
クウノは素で一人称が〝アタシ〟だ。
ちなみに、クウノ、クンコはワイ将のことを〝イークン〟と呼んだりもする。気分によって呼び方変えてくる。
休日は一緒に野球観戦とかしている。親父が録画した古いのとかを。こっち来てからは、またそういうの見れるのだろうか。
ワイ将、クンコとクウノから神とされている。
「もしかして、貴方は、神?」
「マラコちゃん、ワイ将がそう見えるの?」
「現人神、というか……」
「きっと、走りすぎて疲れて気が狂ってるんだよね?」
「そんな、失礼ですよ、それだけの理由で貴方を神としていかないのなんて」
「あはは、いい子いい子」と、ワイ将はイった。
「貴方、一度確認させてもらいますが、名前は」
「スズキ・Y・イッタ」
「スズキ・Y・イッタさん」
「そう、スズキ・Y・イッタ。よろしく」
「ありがとうございます、よろしくお願いします」
「いいよ。それにしても、つくかな~? 奥まで」
「大丈夫ですよ、夜までにはつけるはずです」
「そうかな~、だってキミ新人ちゃんでしょ?」
「はい、ほぼ素人の」
「だろ? その容姿は十代前半だよ。褒めてるんだよ」
「ありがとうございます」
「もっと愉しくやろうね。ハァハァ」
「はい。昔はパイロット、目指してました!」
「おっパイロットか」
「自由な感じに空飛んで。昇天したいって」
「うひょひょ! それワイ将も感じてる!」
「ですよね!」
「女優向いてるよね、キミは。ワイ将は男優になることも考えたことあってさ」
「女優なんて……」
「え?」
「私が女優なんて、無理ですよ!」
「えええぇっ? どうして?」
「私、見た目、綺麗じゃないから……イジワルですよ?」
「えええぇっ? 綺麗綺麗! なにいってんだよぉ、もう……」
「やっぱり……」
「え?」
「やっぱり、そうだったか、と……」
「え?」
「サトウ・ヒロシ、ゴッド=ヤマダ・カズシも、ゲテモノ好きだと」
「ゲテモノって! そんな! 少しもゲテモノなんていうつもりないんだけど!」
「そう、そして、そのように、やさしい、と……」
「どういうこと! 逆にワイ将がそうやって貶されてるの?」
「そんな、けなせるわけありませんよ、貴方のようなイケメンさんを」
「イケメン~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~?」
「はい」
「どこがなの!」
「ぜんぶです……」
「ぜんぶ? テキトーだよね、それって。ワイ将の全部見たわけでもないのに」
「でも、わかるんですよ、ホンモノ、だと」
「ホンモノ?」
「はい。ホンモノの方は不思議な魅力がありますから」
「確かに、ワイ将が見てきた男は、どこかしっくりこない俳優ばかり。でも、ワイ将の地元のある少年は、不思議と、ああ、あのしっくりとこない感じがない! って、された。それと似た感じのこと言ってるのかな」
「恐らくそれに近いものです、共感した気がするので」
「教えてよ、キミたちのこと、もっと。ワイ将は知ったかぶったりしない」
「いいですよ」
そう、ワイ将たちは、管弦楽隊。
これは、まえいた世界でも同じことさ。
クウノはワイ将の楽器を使って愉しむ。楽器と書かずに、愉器と書く。クンコだってそれ。
ピラドやピラミも実質もうそれに近い仲だ。仲よしだからね。また甘えさせてもらおう。
エンシちゃんだってもうワイ将率いる管弦楽隊の一員さ。ホント優秀、この子。今ワイ将の楽器使って愉しんでるところ。
ワイ将は、エンシちゃん、クウノ、クンコのクビレを見て、おもしろい形だと女体を愉しんだ。
ピラドやピラミ等のピラミッドの住民は変わった服を着ている。常にクビレをさらした服を着ている。民族的衣装なのでそういう構造だ。寝るときは脱いで寝ているようだ。
「ワイさ~ん!」
ドリンクをかかえてエレヴェーターでワイ将より先に上にきたピラミが手をワイ将に向かって振り続けている。
「ピラミさん! 助けて! のどかわいた!」
「は~い」
ピラミ、ワイ将にドリンク渡す。
ピラミッド産か? この液体は?
ピラドもきた。最初であった時の厳格そうな感じではなくて、ワイ将に優しく笑顔。
ワイ将、ドリンク飲みながら、ついでにメシ! 肉だ!
ピラドやピラミとは、食事をしている間、ワイ将が疲れてその場で横になると、ワイ将のフトモモを撫でだした。フトモモの裏を撫でられると感じるワイ将。
マスター・オブ・ジ・オキナ
「じゃあ! ワイ将そろそろー、イってきま-す!」
「は~い」
「いってらっしゃ~い」
「レッツゴおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉっ!」
元気いっぱいにワイ将は走り出した。エンシちゃんも、クウノも、クンコも、マラコちゃんもだ。
ワイ将についていきたがるみんな。
人生愉しいぜ。こっち来れたいまなら!
ワイ将とのダンスや食事その他モロモロにヘトヘトなワイ将のガールフレンド以上なおなごたち。みんな美人揃いだよ。
「学問以外も、素晴らしい! こんな愉しいことが、あったなんて! あ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ん!」
「うんうん、でもワイ将がそれを与えれたのはエンシちゃんのお陰でもあるよ! アァッ!」
「ありがとう!」
ワイ将、曲がり角、曲がった。
すれ違った。威厳満ち溢れる、男性と。
「おお、おおっ、元気にやってるのぉ。でも見ない感じの外観だ。神聖なものというのか」
「お褒めいただきありがとうございます。ところで貴方は」
「オキナだよ」
「お、オキナ様!」
「知ってはいるようだな」
「はい! 実に素晴らしいお方だと、聞かされております!」
「そーかい。誰に?」
「ピラドさんとか」
「そうか、それは上手くやれているようだな」
「はい、それはもう。すごいいいおもいさせてもらっていますよ」
「よかったな」
「そうでした。ワイ将、オキナ様、貴方に会いにきて」
「どういうヨウケンだったかな?」
「ワイ将たちを、よろしくお願いします、と。そういった具合かと」
「よろしい。ここで住みたいというわけだな」
「ええ。ワイ将、異国のものでしてね。そうそう、移民で。まだこちらの土地に慣れていないんです」
「そうだろう、こんなところじゃな」
「とんでもない! たいへん素晴らしい場所です! 愉しいよ! ここ!」
「ほほほほっ、それはよかった」
「そうだ。いま、何階、登ったんだろう。三千階はいけたのかな」
「まだだよ、乃公はてっぺんから、さっき何回もおりてきた」
「だいこう?」
「我のことだ。移民には馴染みない一人称かもしれんな」
「なるほど、勉強になります。また今度、創作にでも使おう。ワイ将、創作も熱意、まだ捨てきれなくて」
「ほほほほっ、そうだったか、さすが、世界そのものをゼロから創り出せそうなカリスマを持っている」
「オキナ様、照れます、ワイ将」
「ほほほほっ、謙遜するな」
「そうでした。ワイ将たちは、オキナ様的には、どの程度、好める存在でしょうか」
「満点だ、素晴らしい。仲間として認めよう。上品なおなごたちも多く連れている、信頼抜群」
「ありがとうございます」と、ワイ将は言った。
「いいんだ、もっと気軽にしろ。ワイ将殿のいた国は、堅苦しい場所だったんだろう」
「はい、その通りで。あと、ワイ将、というか、ワイ将は、スズキ・イッタ、あるいは、スズキ・Y・イッタと申します」
「では、失礼なくフルネームで。スズキ・Y・イッタ殿。今後ともよろしく頼むぞ!」
「はい、オキナ様」
「乃公は、マスター・オブ・ジ・オキナとも呼ばれる。覚えておくといいだろう」
「マスター・オブ・ジ・オキナ……かっこいい! 創作に使いたいです!」
「いいぞ、ぜひ使ってくれたまえ。とりあえず、王座の間にともに行こう」
「はい! お願いします!」
「ほほほほっ、元気がいい」
数秒で王座の間に着いた。というか、その階にもあるのだ。
「素晴らしい、とても豪華」
「ああ、くつろぎたまえ」
「クレオパトラみたいなお方もいるのかな~?」
「クレオパトラ? それは、クレオッパイトランコのことか?」
「クレオッパイトランコっ!」
「どうした、そんなに驚いて。人名だぞ」
「で……そのクレオッパイトランコさんとは……」
「乃公の嫁だ」
「そうでしたか……なんか変に反応してすみません」
「いいや、乃公もそう反応してしまう。おっ、来たぞ。クレオッパイトランコ」
「はい」
「え! お若い! そしてオッパイデカい! そしてカワイイ!」
「そうかカワイイか? 気に入ってもらえてよかった。そうだ、乃公より何十歳も年下だ。嫁は複数人いる」
「それはそれは。たしかに、海外では、一夫多妻は普通だって、聞いたことある」
「ここから丁度地球の裏側にも砂漠があってだな」
「おお、ロマンチックですね」
「ああ。そこの周辺で、現人神を見たというものがおる」
「現人神?」
「サトウ・ヒロシという名の」
「サトウ・ヒロシ! またそいつか!」
「そうか、もう知っていたか。そして、そことは別の離れたところでは、浮遊能力を持った、神が、お現れになった。名前は……」
「ゴッド=ヤマダ・カズシ、ですか」
「そうだ、それだ。もう十分に情報は伝わっているようだな」
「ほら当たった! マラコちゃんの教えてくれたとおり! ……いえ、まだ教えてほしいこといっぱいありますよ。移民は意味不明な点あると特に思うんだ、なんというか、まえいた世界は、そういうのがない、でもこっちはいろいろと不思議があって、その謎もいいものなんだ!」
「おお、いいことを言う!」
ピラミッドから目指す、あかるい魔街旅行計画
「マラコちゃん、マラソンは一応一旦終わったし、カメラ回すのやめたら?」
「いいえ、カメラはもうマラソン終了後、自分用でしか使っていませんので、問題ないですし、悪用もする気はないです!」
「ありがとう。でもね、キミ、仕事終わったとしても、帰さないよ。……もっといっぱい、思い出つくんなよ、カメラでとってさぁ……」
ワイ将、マラコちゃんを後ろから抱きしめた。
「ああァ……! スズキ・Y・イッタさん……」
「スズキ・Y・イッタ殿」
「はい、なんでしょう、マスター・オブ・ジ・オキナ」
「魔街、というものを、ごぞんじか」
「魔街。まがまがしい感じですね。さあ、かかわりたくないですね」
「たしかに、魔街は邪なものが溢れているという言い伝えはないわけではない」
「でも、なにか?」
「魔街は、今後発展していくという説もある。後でいうが、実はあるすごい情報が入ってな」
「悪にのっとられるのですか?」
「そうでもない。神たちが、そうはさせん」
「なるほど」
「魔街はここからだいぶ離れた場所にある」
「なら、行かなくてもいいか……な……」
「まあ、そういう見方もあるが、魔街は、ここの地下と繋がっている」
「えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええぇっ!」
「だが、厳重に遮ってあるから問題はない。もしも、出たくなった場合は、ロックを外していく」
「ロック」
「そうだ、ロック」
「ロックンロール」
ワイ将、縦に首を振った。ロックなリズムで。
「おお、これは、奇遇だ。サトウ・ヒロシもそういうことをする男でな。だが当然、そのロックとは別の、ロック。通じ合っているのかもだが、別としたほうがいい」
「なるほどな。サトウ・ヒロシはロックンロールの洗礼を受けている、と……。なにが好きなんだろう……。オルタナかな、プログレかな……。なにか、発したメロディーは?」
「デンデデデレ、デ」
「『移民の唄』!」
ワイ将、なんか、クイズ番組で即答した選手みたいだった。曲当ての。解答ボタンはないし、早押しとかはないから厳密にいうと違うが。似て非なるものといったところか。
「そうだ、『移民の唄』だとサトウ・ヒロシもいったらしい。彼がゲリラライヴシーンを見せてからちょっと経って全世界でそれが大ヒット、語り継がれているって聞いた、デマかもだが。彼はその点、音楽界でも大成功した、噂の範囲でなら、少なくとも。乃公たちがサトウ・ヒロシのそういう噂を聞いた感じ、サトウ・ヒロシ自身には自覚はなさそうだがな」
「なるほど、なら母国一緒すね、きっと」
「そうか、もしかして、国歌、か? その、『移民の唄』は?」
「まあそれに近い感じです。レゼプ信者にとってはだけども」
「レゼプ、とは?」
「レッド・ゼップリン、の略。ワイ将流の」
「なるほど。デンデデデレ」
数分後。
ワイ将たちは、汗まみれで疲れた体を洗い流すため、〝ダイイチダイヨクジョウ〟と呼ばれるところに向かった。〝ダイイチダイヨクジョウ〟、略して、〝ダイダイヨクジョウ〟。
ワイ将、早速シャワーを浴びた。
ワイ将、ロン毛洗う。
べつに、冷静に考えなくたって、わかることなのだが、冷静に考えてみると、ワイ将の仲間の女たちより長い場合がある。また比較させてもらおう。
ワイ将、機嫌がよすぎて、なんか逆に冷静じゃなかったんだろう。でもいいこと、ワイ将は全く悪さしてない。
「ああ~」
「気持ちいいですか~?」
風呂の外からピラミがワイ将に訊いて風呂の質を確認。
「はい、素晴らしい!」
「よかった」
「あはは」
ピラミ、バスローブ姿で登場。まだバスローブ姿のワイ将の頭を洗いに来てくれたようだ。
ワイ将、ダンス。調子に乗って、風呂内でダンス。
風呂内の仕切りの向こうには、ピラドがいる。
「ピラドさん、はい、ケフィアヨーグルト!」
風呂内でケフィアヨーグルトを振る舞うワイ将。ケフィアヨーグルトを投げ飛ばした。
「あんっ!」
「入った~?」
「ごっくん! はいっ!」
「ナイスキャッチング」
ワイ将、全方向にケフィアヨーグルトを投げ飛ばして、仕切りの向こうにいる女子たちに振る舞った。腰も振りながら、ダンス。
ダンス! ダンス! アンド! ダンス!
「すご~い」
「冷めないうちに食えよ~、ワイ将特製ラーメンも~」
「ありがとうございます、スズキ・Y・イッタ様」
「ああ、その声は! もしかすると、クレオッパイトランコさんでしたか!」
「そうです、もっとわたくしに、イッタ様のラーメンを」
「へいおまちィッ!」
ワイ将、麺を投げ飛ばす。ワイ将が元いた世界の麺職人もすごい高くまで投げ飛ばしてた、シーエムとかで。
「やったぁ~!」
事後。
「魔街旅行計画会議!」と、マスター・オブ・ジ・オキナは言った。
ワイ将たちは魔街旅行計画を立てる。
なぜ魔街旅行計画なのか。宇宙のほうは、どうなったんだ、と。宇宙、これは人名のほうじゃないほうの。
「極秘情報が数時間前に乃公のもとに入っている、漏らすぞ。いま、魔街に、サトウ・ヒロシ、そして、ゴッド=ヤマダ・カズシが率いる、皇族と南方聖堂自由党メイスン騎士団がいるとのことだ」
「それは! ……すごいことになってきた」と、ピラドは言った。
「魔街行き下り坂ボタンを押すと魔街行き通路下り坂となっていく。よって、ボードで滑っていける。帰りもそうできる。帰りもボードで滑って帰ろう」
「いい旅になりそうだな」と、ピラドは言った。
「まだ乃公もサトウ・ヒロシや、ゴッド=ヤマダ・カズシをこの目で見てはいない、魔街だってこの年でも初体験。とても収穫になる旅だと思われる! みんなでよりいい旅にしよう!」
「はい、マスター」と、ワイ将は言った。
「乃公はスズキ・Y・イッタ殿のマスターになるつもりはない。オキナをはじめとした者のマスターである」
「あれ? オキナ様は貴方様でしょ?」
「オキナには階級があり、乃公は、オキナの最高ランクの〝マスター・オブ・ジ・オキナ〟、なのだ。この〝マスター・オブ・ジ〟は、その意味でも、明確に区別してあるオキナなのである、証明でもある」
「なるほど! それでは……はい、マスター・オブ・ジ・オキナ様」
「よろしい! ならば行くぞ!」
「はい、マスター・オブ・ジ・オキナ様」と、ワイ将は言った。
スキー!
(ああ、そうだった……ワイ将、ボード上手く滑れる自信がない! ……どうしよう……)
忘れっぽいワイ将、今更こんなニガテなことを思い出した。ワイ将はここ十数年ずっと滑ってない。まあ、ウケないって意味では滑ってるけど。
マスター・オブ・ジ・オキナはリュックをせおう。
「よし、出発するとしよう」
「あの、スキーしにいきません?」
「スキー?」
「みんな、急にボード使うのも滑りにくいんでは? と。練習してからとかでは?」
「たしかにそれもあるな。ならいまからいくのはスキー合宿としよう!」
ワイ将の提案が、実現。
「ここから一番近いスキー場がこの世界で一番大きい」と、ピラドは言った。
「スキー場は魔街と位置が別方向にある」と、マスター・オブ・ジ・オキナは言った。
「確かに、魔街より、スキー場のが愉しそうだ。よい提案をした、スズキ・Y・イッタ様」と、ピラドは言った。
「でしょ? ワイ将が中学の時は、カレー食ったよ、スキー場のバンガローでね。その時、メシの容器倒してしまってこぼしちゃってね、たくさんあふれ出てしまって大騒ぎになった。でも客であるワイ将は責められず済んだ、ああ、何も問題ないさ。今回ならピラフ食いたいね」
「よし、なら向こうの職人にピラフを作らせよう。乃公はケーキを食べようと思う」
「どうも。ああケーキっすか、いいっすね、ワイ将も食べよう」
「うまいぞ、昔は黒いのが好きだったがいまは白いケーキ派だ。でも黒いのもうまい、結局どっちもどっち、時と場合によって変わる」
「ワイ将も黒いケーキ大好きで。誕生日はいつもそれ! って感じで。……昔は純粋な感じだった……」
「昔のワイさん……とてもかわいい!」と、ピラミは言った。
「でも見てないでしょ。……ワイ将はかわいいなんて思ってないよ」
「見なくてもわかります!」
「それはどうも」
ワイ将たちはピラミッドを出た。
辺りは砂漠。
徒歩数時間で街に着いた。大都会だ。
「これからまだ歩くぞ。だが、バスやジェットなどでもいける」
「せっかくだから、歩いていきましょうよ。ワイ将初めてだから、たとえ同じような場所の繰り返しでも、いろいろと見ていきたい。ワイ将は、新鮮さ欲しくて、通学路変えて下校したりした。でも通学路違反で怒られたなぁ」
「通学路違反で怒られる理由がわからない」
「そうですよ、ワイ将もそれいつも謎で。通学路のが、タバコの煙やらといろいろ蔓延していて変だったよ。ああ、タバコがなくなればなぁ……と、いつも思っていた」
「タバコは創作上しか存在しないぞ、こちらだと」
「マジっすか!」
「ああ。よかったな」
「はい! マジで嬉しいっす!」
「魔街でもだ。文献から知っている」
「へぇ!」
「実は、魔街には、旧友が、いるんだ」
「マスター・オブ・ジ・オキナ様の?」
「そうだ。もうだいぶ会っていない。二十四歳の時別れてからそれきり」
「どんな方なんですか」
「ユウジイって名前だ」
「魔街ってことは、ヤクザ的ななにか?」
「そういうイメージもあるだろうが、もっと、もっと、先鋭で、裏世界権力者層が存在しているといったところか」
「それは……」
「魔街四天王」
「魔街四天王?」
「その中に、ユウジイが、いる」
「なるほど、相当ヤバい人、と」
「でも、わしはユウジイとは大親友だったから、安心しろ」
「でも旧友なんでしょ?」
「だが、仲は悪いわけではない」
「どちらにしても、マスター・オブ・ジ・オキナはこの世界で影響力ある人なのは確かなんでしょうから、平気か」
「安心しろ」
ワイ将、ピラフの匂いを感知。
「ピラフ!」
ワイ将、その匂いを追う。
「どうした」
マスター・オブ・ジ・オキナ、ワイ将を追ってきた。
「ここピラフ店です!」
「よしならここで昼食とするか」
ピラフの匂いが漂うその高級レストランに入る。
「あ! お姉さん! お姉さんのピラフ食べたい!」
「はい、わかりました。ですが、私はシェフではないので……別のもののピラフになりますけど……」
「そう! いいんだけど」
「何名様でしょうか……」
「ああ、いっぱいいるけど、マスター・オブ・ジ・オキナ様が知ってるから訊いといて。先席座りたいな、勝手に座るよっ」
「マスター・オブ・ジ・オキナ様っ! 先程の彼はお仲間?」
女店員はまさかの来客に驚いている、マスター・オブ・ジ・オキナ様の一派に。
「そうだ、彼は乃公の認めた素晴らしい男」
「それはそれは……」
ワイ将、席座った。階段上がってもっとも奥にあるところ。
懐かしい。なんか、不登校の立場で行った高校の体験入学の時を思い出した。場所は全然違うが。
高校の体験入学日、帰り、ファーストフード店入って、食った。レッドホットチリペッパーバーガーを。
レッドホットチリペッパーバーガー、これ、また食いたくなって、前注文しようとしたらもう販売停止になったっていわれた。あーあ。レッドホットチリペッパーこっちにはそういうのあるのか。
マスター・オブ・ジ・オキナ様たちがワイ将の座る席周辺に来た。
「よい席を選んだな」
ワイ将は、ふかふかソファーな席を選んだ。
「レッドホットチリペッパーバーガー食べたいっす」
「それ、乃公も好物だ」
「あるんですね!」
「あるよ、ここでも作らせよう」
ピラフが運ばれてきた。
ワイ将、食べた。
「美味しい! こんなうまいピラフはハツモノ!」
「これ、十二万円だ」
「十二万! いいんですか! そんなの!」
「いいさ。レッドホットチリペッパーバーガーは八万円のを頼もう」
「ええええぇっ! ワイ将がまえいた世界では八百円もしなかったのに」
ワイ将、豪遊。たくさん食った。そしてついでに寝た。
翌日になった。
「よし、なら再出発といくか」
「はい。でもここで朝食を」
「そうだな、ここで食ってから出よう」
「ピラフとレッドホットチリペッパーバーガー!」
ワイ将、またピラフとレッドホットチリペッパーバーガーを頼んだ。
数時間後。
「よし、なら再出発といくか」
「でもここで昼食を」
「そうだな、ここで食ってから出よう」
「ピラフとレッドホットチリペッパーバーガー!」
ワイ将、またピラフとレッドホットチリペッパーバーガーを頼んだ。
数時間後。
「よし、いくぞぉ」
街を数時間歩いて、町へ。
スキー場到着。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! 壮大なふたつの大きな山が!」
「あれ、オッパイ山だ」
「オッパイいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい?」
「そう、オッパイ山。自然豊かな場所で育まれた、オッパイ山」
「ZZZカップ超えっすよね」
「ZZZって、寝てるみたいだな。乃公も、寝てる乃公の女のオッパイ揉むぞ」
「へへへ。そうだ、早速オッパイ山から滑ってやろう」
スカイデッキ!
ワイ将、谷間へ向かって山から滑ろうとしているが、なかなかうまく滑れず、こける。すると、やさしく綺麗なお姉さん客がワイ将に気を使ってくれた。
「イケメン様、大丈夫ですか?」
「うん、ありがとね、気遣ってくれて」
「いえいえ~」
ワイ将、また滑ろうとして、今度は、女性客とぶつかって、体を触ってしまった。
「すみません! ぶつかっても痛くない、フクヨカなお体だ」
「ありがとう、イケメンくん」
「いえいえ」
ワイ将、何回もイケメンといわれてるが、ゴーグルゆえか。スキーだからゴーグル一応している。でも、ピラミッドでもワイ将をイケメンって感じに接してきた子多いが……。
「夜はケーキ食べまくろうな」
「はい、マスター・オブ・ジ・オキナ様」
「おっ、パイロットが乃公の知っているやつかもしれん」
「え? オッパイ?」
「いや、あの船だ」
超巨大戦艦が空を飛んでこっちに向かってきてる。
「ええええええぇっ! なんだよあれ!」
「段々と、こちらに近付いてくるぞ。乃公がいるからか」
「……そうだ。マスター・オブ・ジ・オキナ様、運動すごくできると聞いたんですが、スキーのほうも?」
「まえ、スノーボード大会で優勝した」
「素晴らしい! やはり得意なんですね。見てみたいな」
「いいぞ。だが、あの船が……」
「はい、ワイ将も気になります」
「乃公がものすごい勢いで、高所から飛んで、あの船に飛び移ろうと思うのだ、あの船がちょうどもう少し前にいったところでなら、山が飛び移れるところにある、やろう」
「ワイ将は飛び移れないと思います」
「乃公とともに来ればいい。乃公のボードに乗れ」
「なるほど!」
「よし、いくぞぅッ!」
ワイ将、マスター・オブ・ジ・オキナ様を信頼して乗る。
「クレオッパイトランコも乗れ、スズキ・Y・イッタの後ろへ」
オッパイ山の頂点にいった。そして、滑る。とても勢いある。そして、超巨大戦艦に向かって飛んだ。
無事着地。でもそこは超巨大戦艦の中庭的空間で、坂になっている。坂の傾きに任せ下に向かって滑っていく。
「おおおお! すげえ!」
「安心しろ、安全に滑るからな、乃公に捕まってろ」
曲道も華麗に滑るマスター・オブ・ジ・オキナ様。老人だといっているが、老人とは思えない運動神経のよさ。
「でも、これいってどうなるんすか」
「おっ? パイロットが乃公の知り合いだから」
「そうですか」と、ワイ将はイッタ。
ワイ将にしっかり捕まって体が接触してるクレオッパイトランコさん。
とても壮大な光景のスカイデッキ。いいところに来た!
坂がなくなって平面になってきている。平面突入。それでも長距離を滑り続けるボード。
マスター・オブ・ジ・オキナ様のボードだ、特殊ボードなのだろう。
向こうから人が来た。
丁度、向こうから来た人とすれ違ったと同時にボードの滑りが止まった。
「よぉ、オキナじゃないか」
「よぉ、イエイツ」
どうやら、その男は、イエイツというようだ。
「どうしてここに来たんだ」
「愉しみに来たんだよ」
「へぇ。その女性は新しい女か。色男までも連れてやがる」
「ああっ」
「なるほどな」
「中入るぞ?」
「おお、くつろぎたまえ」
中へ入った。ワイ将はゴーグルを額にあげた。
「そうだ、サトウ・ヒロシとか、ゴッド=ヤマダ・カズシのこと、知ってるか? イエイツ」
「知ってるさ」
「どの程度だ」
「ものすごいメカを三博士の内の誰かが作ってさ」
「誰か?」
「そうだ、そこはなんか気になったが、共同制作だと。どこを誰が作ったのか、みたいのまではワシにも教えてもらえなかった」
「あの〝三博士〟の共同制作とくると、相当のメカだ」
「ああ。あの三博士という世界最高権威が共同制作しているが、その研究は、ほとんど広まっていない。が、三博士とともに働いていたことがあるワシなら知っている」
「だろうな。乃公は文系だ。まあ理系教科も得意だが、メカとかそういうところまでは得意といったら嘘だ」
「そうだ、ワシは理系。アイキュー三百を遥かに上回った存在」
「ああ知ってる。天才だ。ブレイドブリッヂ大学の理工学部首席よ」
「そうだ、ブレイドブリッヂ大学の理工学部であることが、重要なのだ」
「それは、理系の最高峰だもんな」
「ああ……でも三博士にはなれない」
「仕方ないぜ、三博士は、発明者だから。オマエのが早く生まれたらそのみっつぜんぶ発明できただろ。オマエは大学院卒業後、世界のあちこち飛び回っているだけだもんな」
「オキナにはそう見えるんだろうな。それに、ワシがこうしてきたのは、もう発明するものがないというところまで、いろいろと実験を重ねわかりきったからだ」
「でもさ、それでも、ウァレンティヌス卿がもっとすげえのつくったじゃんか」
「……まあな……でも分野が違う」
「どうせ出るぜ、もっとすげえの、同じ分野のでも」
「……」
「あの、サンハカセって」
「三人の博士って意味だよ。ようはすげえもん発明した博士三人分と」
「ほぅ……」
「ゴッド=ヤマダ・カズシがそのメカを身にまとっているらしい」
「ヤバいな、超最強ってわけか」
「ああ。知能指数は、不明だが……」
「ウァレンティヌス卿、いるだろ。彼女の知能指数は世界最高レヴェルだと、聞いている。その知能指数を優に上回ったそうだ」
「なるほどな……三博士を超えていると見ても実質は問題ない、大天才、と……」
「そんなことより、神なわけだから、博士たちも、協力しないとバチが当たると思って、自分たちが、結果、良くないめにあっても、そのメカ開発にかかわっていったっていう感じなんだろ?」
「ああ。それに……」
「なんだよ」
「ゴッド=ヤマダ・カズシは、法皇孫娘のフレンチェ様などをはじめとした、皇族を支配したようだ」
「ゴッド=ヤマダ・カズシはあの、プリマ姫と付き合っているようだしな。そういう、恋愛系の話は積極的に耳にしようとしてるから知っているんだよ」
「そうだ。それに、皇族ではない法皇派の者までもゴッド=ヤマダ・カズシが魔街に向かった影響で、魔街に向かっていっていると。南方聖堂自由党メイスン騎士団は当然既にゴッド=ヤマダ・カズシとともに魔街に向かったらしい」
「なるほどな、もう大衆はゴッド=ヤマダ・カズシを慕ってしまっていると、表面上は少なくとも」
「ああ、だが、サトウ・ヒロシはアイドル……もはや、誰からも愛されているといっていいような存在だ。ワシはファンではないが」
「どちらも慕われていることには違いない、と。でもだ、この、スズキ・Y・イッタは、その、サトウ・ヒロシやゴッド=ヤマダ・カズシと並ぶ人気者になれる可能性を持った男だと、乃公は判断した」
「スズキ・Y・イッタ、彼は、いったいなにものだ」
「彼はね、霊能力者なんだ」
「なるほど!」
手を叩いて愉しげに笑ったイエイツ。
ワイ将、魔街へ、イっちゃうよ〜♡!
「例えば、どんなことが、できるのかな」
「エンシちゃん、クウノ、クンコ……出ておいで」
ワイ将、ドヤアンド笑顔。
エンシちゃんと、クウノと、クンコは無から現れた。
「おお! 素晴らしいぞこれは!」
イエイツは大笑い、大拍手。
「だろぉ? 自慢の相棒でもあるんだ。だからさ、彼、すげえって」
「あーなるほど、ワシ、負けた! スズキ・Y・イッタよ、超最先端技術士のひとりであるワシが、霊能力権威者として認めるぞ!」
「ありがとうございます」
「そういえば、サトウ・ヒロシにも、そのようなことができるという噂を聞いたが」と、イエイツは言った。
「はい、それは、私も感知していますが、その霊力は、私のが強烈なものであり、先鋭」
「と、いうわけです。スガワラノ・エンシ、ちゃん。彼女はワイ将が霊的体験を初めてした時に交わった存在」
「なるほど。確かに、オカルトともいえる、が、データでは、そのように、人格を持った霊は存在しているというのは知っている、昨年度のハルヴァード大学の首席論文でな。ワシはそれを否定的に見ていない。そして、さっき、ここで、実現化したのを見た、事実だったのだ」
「となると、学者の間でも霊を操れるに近い人は既にいるということでしょうか、イエイツ氏」
「だろうな。だが、目立っていない。完全な制御はできず、暴走させているということだろう。それか、呼び出しが偶然で、たまにしか出てこれないとか……なんにしても、霊の権威はスズキ・Y・イッタ、君だよ。確かな召喚者だ」
「ありがとうございます」
「だろ? スズキ・Y・イッタはサトウ・ヒロシ、ゴッド=ヤマダ・カズシと互角以上と言える。ともに過ごしてても、わかる、スズキ・Y・イッタ、彼はホンモノであると。いまリーダーにふさわしい男トップスリーの内のひとりであることは間違いない」
「ワシは当然無線にも詳しい。大得意。無線的なことを理解しているワシでも、いや、理解しているからこそ、わかったことがあるのだ、よく観察していると、霊的作用としか思えない現象が起きることがある!」
「なるほど、それほど、オカルトとはできない、と」
「そうだ。そして、オキナのいうとおり、スズキ・Y・イッタ、彼は、サトウ・ヒロシ、ゴッド=ヤマダ・カズシと互角以上の存在と見ても問題ないとも思える」
「ちょっと、空を見えるところに行きたいのですが」
「君の後ろの部屋から見れるよ」
「ありがとうございます」
ワイ将、後ろにあった部屋に入る。
すごい。ほぼ全面ガラス張り。下の風景も見える。床が割れたら死んじゃえそう。
スカイダイヴィング、してみたいなぁ。綺麗な女子と手繋ぎながら、ダンスして。
ワイ将さっきいた部屋に戻った。
「どうだった」
「とても、よかったです。そして、スカイダイヴィングしたい、とも」
「スカイダイヴィングか、いいな。やれるように用意してやろう」
「ついでに魔街にいこう。そうだ。無線で、乃公の娘に今イエイツの船にいると言っておいてくれ」
「わかった。ついてこいとはいわなくてもいいのかな?」
「まあそれは自分で判断して問題なしとしておいてくれ」
「わかった。だが、地上に降りたところで、魔街にはつかない。魔街を船のまま行ける特殊通路から行こう、ワシはそういうところに入ることができるからな。だが、燃料が足りない。サイバーシティーで入れにいこう。……こちらイエイツ、オキナはワシの船にいる、魔街にいくか否かはそちらの自己判断に任せるとのことだ、以上」
イエイツはトランシーヴァーらしきものを仕舞った。
「サイバーシティー! そういうところもあるんだ」
「あるさ。有名さ」
「サイバーシティー見学もしてみたいな」
「いいな、一緒にいってみようか」
「そうですね」
数分後。
「着いたぞ、サイバーシティー」
「ここは、サイバーシティーの、どこ?」
「WIT。大学だ。ブレイドブリッヂ大学、乳母歩道大学、ハルヴァード大学と同じぐらいやれるのもいるんだ」
「なるほど、天才大学か」
「入りたいか? 入学するって意味ではないが」
「そうですね、なんか、女の子も気になるし」
「よしっ、イってみようっ」
中に入ってみると、作業服着た子たちが。
「ねぇねぇ、あのツナギ着た人、超かっこよくない?」
「ほんとだぁ!」
「よし、攻めよう、質問で!」
「うん! あのぉ~」
「え? ワイ将?」
「はい、かっこいいですねっ」
「え? ワイ将?」
「はい!」
「あはははは」
「すご~い、彼氏にしたい」
「キミら、エリートちゃんなんだよね? ワイ将、イエイツ氏の船から来たんだ」
「イエイツ氏って……あの?」
「すごい人だよ。マスター・オブ・ジ・オキナ様も一緒」
「えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええぇっ! ちょっと、ちょっと! このイケメンタダモノじゃないわ!」
「うん、ワイ将認められてさ、彼らからも」
「ヤバいヤバいヤバい、どこ出身の人?」
「まあ、宇宙こえたところ」
「すごすぎなんですけどおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
「そう、イエイツ氏からも、マスター・オブ・ジ・オキナ様からも大絶賛されてさぁ」
「あの、記念に握手を」
ワイ将、握手する。
「うん、この学校かわいい子多いね」
「かわいいって言ってくれたぁ!」
「うん、かわいいよぉ」
「あはは!」
でもワイ将は、べつにかわいいとは本気では思っていなかった。
「あ、そうだ。急がないと。ワイ将、これからまた旅でね。この学校一綺麗な女の子は?」
「私!」
「え? そう? ……ならもっとも変な子は? オッパイはドデッカくていいから」
「えぇっと……あの子かな、ハーツマン」
「ハーツマンちゃん? どの子?」
「右のすぐそこにある教室の後ろの隅のほうにいる」
「……かわいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいぃっ!」
「え?」
ワイ将、ハーツマンちゃんに向かって、いきなりサックスを見せた。
「あ、あの……」
「結婚しようよぉぅっ!」
「は、はい、いいですよっ……」
「よっしゃあああああああああああああああああああああああああああああああぁっ! いまからワイ将、イエイツ氏とマスター・オブ・ジ・オキナ様と魔街、いくけど、どう? キミは?」
「魔街? ……興味あります。でも私の立場では、入れないはずで」
「ワイ将がなんとかする! ワイ将、イエイツ氏とマスター・オブ・ジ・オキナ様に買われた男!」
「! ……」
「よっしゃあぁっ! ハーツマンちゃんとも魔街だぁっ!」
下校時間のアナウンスが入った。
ワイ将、ハーツマンちゃんを連れ去る。
ワイ将がはしゃいで連れ去るから、ハーツマンちゃんの下のほう銀髪で、上のほう金髪の肩までも届くか届かないぐらいの毛を激しく揺らした。乳房も揺らしてやった。ブルンブルンと。そしてハーツマンちゃんは作業服上着で、下は超ミニスカート履いている。
幼い系の顔でデカチブサのハーツマンちゃん。ワイ将、大好物です。
ワイ将、ハーツマンちゃんを連れてイエイツ氏の超高性能超巨大戦艦に乗った。
「女の子ゲット!」
「おおっおおっ、でかしたぞ……」
「連れてくる女の様子からしてサトウ・ヒロシやゴッド=ヤマダ・カズシとも気が合うのだろうな」
「……本当にかっこいい人って、ゲテモノ好きなんだね……」
日が丁度暮れだした。またワイ将の新たな旅が始まった。
「魔街は地下だ。この船は海でも運転は可能だが」
魔街、そこは地下にある。海から入るのか。この船は海にも入れる。でも魔街はそうやっていくものではない?
「あの地面の巨大マンホールあるだろ」
「マン、ホール? ……。ハーツマンちゃんの穴……?」
「違う、前方を見ろ」
ワイ将の目の前にはハーツマンちゃん。身長はきっと百五十四センチメートルぐらいかな~?
「ほんとだぁ。いいね、入ろう、入りたいんだ!」
イエイツがリモコンでマンホールの穴、開けて、船は入って、船が入ってから閉じた。
「おお、いい穴だ」
「あ、そうだ、ハーツマンちゃん、キミ年は」
「十三」
「あーなるほど、飛び級ね」
「はい」
「こうやって魔街に通じてもいるんだ」
「なるほど、ピラミッドルートではないが、こういうのもありだな」
「だな」
「いえ、マスター・オブ・ジ・オキナ様のやり方の否定ではないです……」
「気にするな、どうせ乃公はオマエより下だ、見下されてるよ」
「そんな! そこまで否定視しなくても……」
「否定視なんてしてないぞっ」
「ありがとうございます……」
また塞がれたところがある、すぐ開かないと、ぶつかって事故りそうな。
また開いて通過した。ワイ将、まるで映画の主役気分だ。
魔街、到着か。
ワイ将、ドヤアンド笑顔。ハーツマンちゃんの頭に顔を密着させ、背後から抱きしめながら。
魔街に現れた男、田中大
レプリカ宝具:クサナギノカタナ
おらっち、田中大。
一人称は〝おらっち〟。
顔がデカい。五頭身。
坊主頭で、ヲタクやってます。坊主でなんか運動家っぽいって思われるかもだけど運動ニガテっす。
身長は平均的。女子のほうの平均だけど。当然おらっちは男だ、知り尽くしてんだそんなの。女じゃねえ。
体重は平均的。男子のほうの平均だけど。
はっきりいって、おらっち、クズだよ。だってさ、好きな子と、強制結婚したいって思ってるから。
おらっちは〝タナカ〟っていうありふれた名前だけど、学年で田中なのはおらっちひとり。意外と少ないんだ、おらっちの周りではの話だけど。
おらっち、大の爆乳好きでね。最低Uカップは欲しいね、彼女。結婚もして子どもにそのオッパイ吸わせてあげたい。
Uカップある噂ある子、ひとりだけならいた、おらっちの高校に。その子は顔もかわいくてね……。
それにしても、毎日が、退屈だ。恋人が欲しい。抱き合いながらダンスしたい。アワビ食いてえ。栗と栗鼠食いてえ。巨峰の房食いてえ、吸いつきてえ、ベロベロ舐めまわしてえ……エトセトラ。
おらっちは高校卒業後、就職したんだ。町工場、そしてブラック企業の。
おらっち、きっと学校で一番モテなかった。おらっちは、高校中退して定時制高校に入ってそこも中退して、今度は別の定時制高校入って卒業。その後、就職したわけだ。過酷な経験だったよ。べつに金持ちでもないのに、貧乏といわれて当然の家なのに何度も、学校にはいった。でも低学歴。
無職で金に困るおらっち。ゲームやってた。カップヌードル食した後にスイーツをデザートとして引き続いてたのしもうとしていた。
なんか割れた音がしたぞ。
ゲーム、続けたいが、放置。
(んん? ……あれって……チクショウ……)
無職しだして数日後のある日、おらっちの家にドロボーが来た。そのドロボーに見覚えがある。
「何も盗んでなんかない」
「嘘だろ!」
「クソ」
「おいっ! 同じ学校だっただろっ! 小中と! ……仲間に入れてくれ」
「……いいぞ、その代わり、今回の盗みを許せ」
おらっち、強盗犯の仲間に加わった。
おらっちが仲間入りした強盗犯グループのリーダーは、おらっちの中学校でもっとも悪いやつだった。何度も犯してきたんだとおらっちは聞いた、昔から。
「今日やりにいくのは宝の山だぜ」と、強盗犯グループの副リーダーは言った。
今日おらっちたちが盗みにいくのは宝の山だそうで。
数時間経って、夜になった。
奇襲予定の屋敷は、誰もいないようで、誰かいる感じ。デカい屋敷だ。どんな人が何人いるのだろうか。娘のオッパイはデカいのか。
おらっち、刀みたいなの、盗んだ。
すげえ、なんか感じるよ、すげえってものを。
おらっちたちは、逃げた。
いつものように基地に帰った。
「タナカダイ、何盗んだ」
「刀だ」
「なんだよそれ」
「いいだろ? なんかセクシーな曲線美っていうか! ……抜いちまおう」
おらっち、抜刀寸前。
「斬るなよ」
「それ、クサナギノカタナだ」と、強盗犯グループのリーダーはいった。
「クサナギノカタナって、あの!」
「でもレプリカだろ。熱田神宮にモノホンのがあると聞いてるから」
おらっち、抜刀。
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
紫色の炎が音を立て、おらっちを包んだ。でもおらっちはヤケドしたわけではない。おらっち、〝おらっち〟よりも〝オラッチ〟という感覚、オレ様系になった感じ。でもおらっちって感じのままだ、しっくりこないんだ、おらっちが、オレ様系なんてさ……。
「おい、こいつどうなったんだ! タナカダイ!」
「おいおい! もえるぞ!」
「どうすんだ! タナカ!」
意識が意味わからなくなった。まあ、もとから意味わからない感じだが。抜刀直後、特に意味不明なんだ。
おらっちの周りには、女の子? でもおらっちの所属した強盗犯グループに女はひとりもいない。しかも、その女の子たちは、綺麗……!
「寝てるとこ襲いかかってんじゃねえぞ!」
「そうよ、急に抜いてくるなんて……乱れてるわね」
「しかもアタイらの体触ってんじゃねえぞ!」
「ごめん!」
「あやまって済むと思うな! 犯罪者!」
おらっち、なんか、危なそうな雰囲気の街にいる。こんなとこ、知らない。どこだ。もしかして、異世界転移か。
でも怖いよ、逃げよう、この女の子たちから、そして、この街から。
逃げ場はどこだ……。今は路地裏……。
おらっち、とりあえず公衆トイレにはいった。そして、放尿。
放尿後、出口近くにある、鏡でおらっちの顔を見たが、呪われた男の顔みたいになっている。ゲス顔の。顔芸っていわれるだろうって程度の。そういえば、さっきの女の子たちも、なんかすごく不吉そうなオーラがあった。ひとりは貧乳で毛の色は緑。もうひとりは爆乳で毛の色はピンク。そうだ、あの子、Uカップはありそう……だが、おらっちがあの子を落とそうとしたところで、殺されるかもだ……ってぐらいの怖い系の女の子だ、でも美形なので、許容範囲だ、恋愛の。
強盗犯グループのメンバーになったんだし……誘おう、か? ……。
おらっち、またさっきの場所にいった。
さっきの女の子たち、いたぞ、よかった。
「あの」
「アァッ?」
「ごめんなさい!」
やっぱり怖くて逃げるおらっち。
どうしよう、どう逃げるんだ。怖いよー。
もうあの子たちのことはあきらめよう。でもさ、なんか、寝てるとき襲っただとか、急に抜いたとか……。もしかして、おらっち、強盗後に酔っ払ってて、女の子を襲ったのかもな……変なところにもきちまって……おらっち、記憶力悪いし……強盗後、ほとんど記憶ない。そういえば、叫んだな……でもあれは酔っぱらいの馬鹿騒ぎか……?
駅だ。駅弁大会したい……。さっきの子たちと一緒に……無理か……そんな関係にはなれないさ。
駅で、おらっちは金支払わずに電車の旅する方法を知っている。強盗犯グループのやつらから教わった。使わなくなった、定期券を、駅員に見せて通る。これで通れた。つまり、騙しているのだ。しかし……おらっち、それで止められてダッシュで逃げたんだよな、昨日の昼。
どうしよう、おらっち、もう逃げ場ない。狙われすぎている、いろんなとこから……。……モテてるわけではないが。
おらっちはとりあえず服を売って切符代を手にする。
列車に乗った。
これからおらっちは、どうなるのだろうか。
プロフェッサー・レェィトゥンシィさん
おらっち、列車内で揺られ、昔、電車でいろいろと嫌なことあったの思い出す。しかし、その嫌な記憶だったはずのものは、不思議ともう纏わりついてないんだ。この、よくわからない地域にいったから、ふっきれたんだろうか。
おらっち、こういうことがあった。数年前に女子高生が、なんか話ししていた、そして、おらっちがなんか質問されてる、と思ったというのもあったが、そういうわけでその女子高生たちのほう見たわけではないのに、ちょっと顔を彼女たちのほうに向けたら、とても嫌な感じに反応された。〝オマエじゃねえよ〟的なこといっていやがったな。ほかにも、周りの視線がね、嫌なんだ。でもオマエなんて見たくないぜみたいな感じにもとれてね。
おらっち、まだまだこの不慣れな地域で、どう過ごすのか、ということでとりあえず横の駅に行くだけいくという感じで、その駅分の切符を買ったんだ。
おらっち、数年前、電車で爆乳の子の横に座ったことあるよ、その子おっぱいデカすぎてびびった。なんかムラムラする女子高生の横も座ったよ。でも仲よくはなれないね、どっちの子も。
こういうのもあったな、おらっちが駅内で歩いてて、外から、見たんだ、窓際にその子はいた。おっぱいデカくて、顔もかわいい感じで、お嬢様って感じだった。毛は黒くて長い感じ、ストレートの毛。おらっちの地元にもあんないい感じの子がいるんだ~って気にさせられたよ。うひょひょ。……でもさ、仲よくなれる感じ全然しない。だが、そういった子たちより、さっき会った女の子ふたりのが、綺麗だ。おらっち、あの子たちを落とせる男を目指すよ、今後は……。しかも、おらっち、二の腕を揉んだんだ……さっき出会った彼女たちの……。すげえ、やわらけえ……うひょひょおぉっ!
着いたぞ、さっきの駅からひとつ横の駅に。降りないと。いや、どうしよう。まあいい、降りよう。
駅弁屋だ。駅弁大会したいが……。ガマンだ。汁が出てきた。汗か。
駅内部から外部を見た。うん、まだ空気が重い、よどんでいる感。でもなぜか、不思議と、不快にはならない。おらっち、もっとこの辺を旅しようと思った。
もうひと駅横だ。横、へ、いこう。
そうだ、ここ、何県なんだろう。当然日本なんだろうが。
なんかがいる。あれは、なんだ。挙動が怪しい。近寄ってくるぞ。
なんだ! すげえ怖え! ……ヒトか……? まるで犬のような荒い息に声、牙、挙動、そして……ヨダレ……。
おらっち、さっき発見した犬のようなヒトみたいなのから離れ、追われ……。もう少しで次の駅だ。今回はさっきよりも早く次の駅に着く。次の駅に着いた、ドアがあいた。よかった、間に合った。もう少しで、行き止まりで追いつかれ、つかまえられ危なかっただろう……。でも、まだ追ってきている。何だあいつは……。ちゃんと、金支払って列車乗ってるのか? ……。
おらっち、走って逃げる。港町。いや、港街か? まあいい。おらっちは、船に乗った。他人の船。船に侵入したんだっていうことだ。
船の物置部屋に入って身を潜めたおらっち。
人の足音っぽい音がする。
声がする。
「シューダンジャングルは俺ら初体験だから、愉しみだっ」
(シューダンジャングル……? 聞いたことねえ……)
おらっちのいる物置部屋ほうに近付いてくるっぽい音……する……。
怖いよお……。勝手に入ったのおらっちだけども……。
どうしてるんだろうか、さっきの、美少女ふたり組は……。
ここすげえ退屈だし、なんかヤりてぇ……。
ああ……。
足音は過ぎていったぞ。
よし、なら、これで問題ないかもだな。でもだ、降りてからだ。そこで、バレるんだろうか。
シューダンジャングルにまず着いたとしよう、おらっちバレることなく。でも、帰り、どうせ、バレる。どっかで降りないとな、タイミングよく。今から抜け出したって、あの犬だかヒトだかわからないのに食われるかもだ。
どこで降りよう。ああぁどうしよう……。
「シューダンジャングルってぇ、どんな人いるんだろ」
「さぁな、土人かもな。でも、土人って差別用語なんだってな、でもだ、べつに文字だけで見て、べつに差別的な要素はないし、差別の意思なけりゃ使っても問題ないだろ」
「だよなっ。土人って。ああ興味あるよそういうの」
「俺もだ」
(土人って……ああ、おらっちも興味あるけど、なんか……不思議で……。ああ、眠い……)
「シューダンジャングル愉しかった~」
(……え? ああ、おらっち、寝てたんだ……もうなんか旅行帰りっぽいし……)
「よし、帰ろう」
「だな」
(やっぱり帰りなんだ……。何時間寝たんだろう)
「半日は過ごしたよな、あそこで。シューダンジャングル」
(半日ぃっ? もうそんなに経ったんだ……)
「……そうだ、ちょっと物置部屋見てくるよ」
(えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!)
「何しにいくんだよ」
「特に何も」
「なら帰ってからでいいだろ」
「そうだな。でもさ、本持ってきててさ」
「読むと酔うぞ~?」
「俺船酔い平気だし」
「そう」
(ああマズいよ~!)
もうおらっちのほうに足音が。もう一歩で部屋はいる……。……もう一歩でおらっちがバレる位置……。おらっちは、単に上から見ると、バレる場所にはいないが、母乳が出ない状態の乳首のように袋を窄めたから、見えないだけ。そこを、開けられば、バレる。
足音が元いたほうにいった。
よかった、バレていない。
「そうだった、俺も、取りいくものがあったんだ。思い出した」
(ああ! 来ないで!)
おらっちのほうに近付いてくる。もう、あと一歩ほどか……。
おらっちが入っている袋の先っちょが動いたぁ……。
ああああああ……。
「おい、誰だよオマエ」
「あぁ? なんだぁ?」
「侵入者だ」
「嘘ぉ?」
「ほんとだ。おいこのイケメンうみ落としてやるぞ」
「待って待って! 追われてて……。仲間になります! ……ていうかイケメンって……」
「駄目だ、この船高かったんだぞ」
「ごめんなさい! ああ! 待って待って!」
おらっち、海に落とされた。
船、去っていった。
おらっち、水泳、ニガテだ。
シューダンジャングルまで、距離も遠く、つきそうではない。
おらっち、おぼれる。
おらっち、今海の中。鮫にでも食われそうかも。
あれ、ここは? ……。
「おはよう、イケメン」
なんと、おらっちの目の前に爆乳推定Pカップで白衣姿の美少女!
「えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええぇっ?」
「何そんなに驚いてるの? かわいい」
「アナタのほうがすっげえかわいい! ……え? ていうかここ何? ……ここ最近、気づくと別のとこいきすぎ! アァッ! はぁはぁ……」
「大丈夫? アナタ、さっきまで、海の中。人工呼吸したのよ……」
「えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええぇっ! 初めて……。初めてっす、キス……」
「ワタシもよ」
「えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええぇっ!」
「イケメン、貴方はね、最先端観察装置で海を観察していた、このワタシに、たまたまぁ……発見されてね……救われたのよ……」
「アナタの名前は……?」
「プロフェッサー・レェィトゥンシィ」
「プロフェッサー・レェィトゥンシィ、さん……?」
「そうよ、わかりにくかった? もっと教えてあげるわよ?」
「はいはいぜひ教えて! レェィトゥンシィさん!」
プロフェッサー・レェィトゥンシィちゃん
「なにが知りたいの?」
「おらっち、いろいろとわからない。低学歴で……教えてよ、保健体育とかさ」
「いいわ、保健体育教えてあげる」
「そうだ、ここは……?」
おらっちは立った。
「ここは研究施設だよっ。ワタシはここで研究をして、暮らしている。男性の体について最近研究しているから、貴方の体のことも教えてね。丁度、貴方の方な人が欲しかったわけよ! ……ちなみにこの場所は海底よ~。ワタシは、プロフェッサーでも、ほとんど隠居しているんだ~、そして、世間とかには秘密ですごいもの開発してるんだよ~。イケメンくんにはこの秘密教えちゃう」
「いいよ! ていうか海底! すげえ!」
「あと、ワタシ、さん付けとか、なんか堅苦しいかもって気あるから……ちゃん付けは? どう? 硬いのが嫌いってわけじゃないよ、ワタシに頑固なぐらいがっついてくれる男の人って、すごくかわいいと思うから。ケーキの耳とかの硬い部分もワタシ、だ~い好きなの」
「いいのっ? なら、プロフェッサー・レェィトゥンシィちゃん! フヒヒ」
「うん、そのほうがしっくりきた」
「あはは」
数十分経過。おらっち、座った。
「じゃあ保健体育のこと教えてあげるね」
「うひょひょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉっ!」
「じゃあ……まずはアワビを、どうぞ」
「わあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああい! おらっちのミルクイも見てお!」
「美味しそ~」
「プロフェッサー・レェィトゥンシィちゃんの水色の毛、素晴らしい……」
「ありがと~」
「口に入れてモグモグしていい?」
「いいよ」
「あ~ん」
「美味しい?」
「モグモグ、うひょひょぉ、うまい」
「貴方、名前は」
「田中、大」
「タナカ・ダイ、くん……」
「ベロベロベロベロぉ~」
「あ~ん……」
「フヒヒ」
「この栗と栗鼠を見て」
「うひょひょ、これは、実験動物? 飼育しているの? どれどれ、触らせて、いや、まずは舐めよう、うひょひょ」
「あ~ん」
「おいしー!」
「やったぁ~」
「肉ちょうだい肉!」
「はい、どうぞ」
「ぶぢゅううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう! アァッ! プロフェッサー・レェィトゥンシィちゃんの肉うまい!」
「ありがと~」
プロフェッサー・レェィトゥンシィちゃんはふたつの肉を上下に小刻みに揺らしながらお礼して数秒がたった。
「ああぁっ! その揺れ好き! その揺らし方たまんねえ! あああああああああああああああああああ! もっと、もっと教えてよぉっ!」
おらっち、立ち上がった。さっきよりも勢いよく立ち上がる。
おらっち、急な、ダンス。
ダンス、ダンス、そして、ダンス。
「すごい腰の振りよう!」
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああんッ!」
「汗だぁだぁだよ?」
「フヒヒ、まあ、ここまでの刺激の強い運動は、このぐらいの体液出て、当然っしょ」
「だね」
「〝だね〟って、やっぱりそうなんだ。うひょひょ」
「見てよ、このクビレ」
「うひょひょ! マジヤバ!」
「でも、ワタシ、ダイくんに、いろいろと教えられてばっか」
「いえいえ、おらっちこそ、プロフェッサー・レェィトゥンシィちゃんにいろいろと教えられてばかりでそうろう」
「じゃあ、おあいこだね」
「うん、おあいこだね、うひょひょ」
おらっち、またダンス。ダンス、ダンス、そして、ダンス。
「もぉ~」
「フヒヒ?」
「がっつきすぎだよ?」
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァッ! カワイイヨォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォッ!」
「ありがとう! ……嬉しいわ」
「フヒヒ、うひょひょー!」
パンパンパンパンっ! と、おらっちのダンス音が実験室中に激しく鳴り響いた。
「ああん! すごいセクシーに踊るわね」
「だろぉっ! あああん!」
「大丈夫? ……筋肉痛になっちゃわない?」
「なら、準備運動一緒にしよう、手を繋いでさ」
パンパンっ……準備運動している音が、静かな実験室で鳴り響いた。
「そろそろいいかも……」
「じゃあいくよぉっ?」
パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンッ! おらっち、腰の振りが随分早い。
「すっごっ……」
「真似できないよね、女の子じゃこういうの? ……まあ、女の子でも、ダンス上手い子いるようだけどね、よく知らないけど。いや、あの子らはフリツケ担当でダンスは上手くないのか」
「ステキよ、貴方」
「ああ、プロフェッサー・レェィトゥンシィちゃん、キミこそ、ステキだよ」
「ダイスキ……」
「ダイだけにか?」
「はい」
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァッ!」
おらっちの全身は汗まみれだ。
これから汗だくサックス毎日しようと思う。
おらっち、これから、プロフェッサー・レェィトゥンシィちゃんと汗だくサックスレッスンしちゃうんだよ。うひょひょ。
おらっちを覺醒させた、プロフェッサー・レェィトゥンシィ
「うふふ」
「フヒヒ、アンド、うひょひょ」
おらっちらは、抱き合った。ガシッとつかみ合って、とても熱い、ロマンがあるよ。ついでに社交ダンス。
「ねぇ? 覺醒、してみない?」
「覚醒……?」
「そうよ、覺醒。単なる覚醒とは分けて旧字体を覚醒の〝カク〟の字にして、使ってるの」
「あっなるほど」
「じゃあ、しようか?」
「でもさ……どんなの? ……」
「怖くないよ。とても簡単で……楽チン」
「ちん?」
「ちんっていうでしょ?」
「いいね。いいよ」
「じゃあ、このベッドで横になって……下着姿になって……」
「はい……」
「ほとんど全パワーを主に下半身に持っていくのそして、脳にも絶大なパワーを……おくるわ」
「はい」
「刺激的すぎるよ、いいよね? 毛の色、薄くなるけど?」
「ハゲるの?」
「ううん、ハゲじゃないわ。計算してあるからね」
「愛してるよ、プロフェッサー・レェィトゥンシィ……」
「アッ! 呼び捨てされちゃった ワタシ呼び捨てされると興奮するんです」
「でもそれは、見下し的になるんでは」
「いいえ、好きな人なら別です」
「でも、それは、もう既に……彼氏とかが、いると……?」
「いいえ、いませんよ」
「ヤッタァッ!」
「おおよろこびですね」
「そりゃ当然さ! こんなメチャメチャイイカラダしててさ、美形で……。キミのようなデカチチムスメは、マジで、好みだ。Uカップはいるって思ってたが、キミぐらいもいい。おらっち童貞だけど、バストサイズへの執着心は生半可なものじゃなくてだね、見て、わかるんだよ、大体、バストサイズを」
「ダイくんほどのイケメンさんが、ワタシにがっついてくるなんてね……すごく夢のよう……」
「すごい嬉しいよ、プロフェッサー・レェィトゥンシィ……」
「アァッ」
「あぁ」
おらっち、プロフェッサー・レェィトゥンシィを抱く。激しく求めあう。プロフェッサー・レェィトゥンシィは、仕事しながらもおらっちと抱き合うことが可能、それで仕事のできが悪いことにはならないぐらいに彼女は有能。
おらっちは、特殊薬で、深い眠りに入った。寝た。プロフェッサー・レェィトゥンシィと。
目が覚めた。時計の時刻は寝る前から半日後。
「ダイくん、おはようございます」
「おはよう」
「うふ」
「あはは、不思議だ。おらっち、あいさつすごくニガテで……でもキミとなら、むしろ愉しい。結婚したいよ」
「あぁもうっ」
「うひょひょ」
おらっちは、プロフェッサー・レェィトゥンシィをしっかり見つめた。真剣な表情で。
「かっこいい」
「不思議だ、こんな変なおらっちが、愛されるって」
「変なんかじゃありませんよ、もう」
「……なら鏡見てみよう」
おらっちは、見た、鏡を。
おらっちは銀髪。ものすごい筋肉質。
「これが半分の半分覺醒した、貴方」
「これがおらっち? ……たしかに、顔はおらっちだけど……」
「どんな感じ?」
「嬉しい。これなら、嫌われた女の子も、おらっちのこと認めてくれるかも」
「嫌われた女の子? そんな……筋肉で人を判断するなんて、ワタシにはよくわからないわ……それに、貴方を嫌うだなんて……相当欲深い女なのね……」
「あはは、はは、はは……」
「うふふっ」
「ねえ、これで……?」
「まずは空は飛べるようになっているわよっ」
「空ぁっ?」
「うん、空」
「すげぇ……某宗教団体の教祖の浮遊の件思い出したわ……」
「そういえば、まえ、空を飛んで町に降臨した現人神がいてね」
「なに、それ……」
「あれは、神ではなくて……ワタシのような開発力を持った、者による工作なのかもなって」
「おらっち、空飛んで、どこかに現れると、神扱いと……」
「そうともとれるわね」
「飛んでこようかな」
「トレーニングとして、シューダンジャングル、いってみる? 野外でやっちゃう?」
「やるやるぅ!」
海底研究施設から潜水艦で、シューダンジャングルまで向かった。
屋外プレイ、実施。
「さぁ、飛ぶイメージをして、簡単だから」
「飛ぶ、イメージ……うわぁ! 浮いたぁ! よっしゃあああああああああああああああああああああああぁっ! ねえねえ、これ、急に落ちたりしないよね?」
「しません。ワタシを信頼して」
「うん、するよ、信頼」
「実はね、ワタシ、プロフェッサーではあるけど、大学は出ていなの」
「えぇっ?」
「でもね、そんなの、全然平気。ワタシは、実際に、こうやって、貴方を浮かせれた。ワタシは素晴らしい才能があるんだわ、大学関係ないのよ、ワタシの次元だと」
「そうだね、イイオンナだ。よしっ、じゃあ、ひとっ走りしてくるよ、走らないけど!」
おらっち、シューダンジャングルをとりあえず一周しようと思う。
全速力出すぞ。うん、いいね、サイコウ。速すぎて曲がれない? 大丈夫かな。もうちょっと、安全運転でいこう。
落ちないよね? うん大丈夫だ!
よし、シューダンジャングルも奥まで来たか? ……なら、あえて、もっと進んで……。
おらっち、ジャングルを飛び出した、今海の上。海の上を飛んでプロフェッサー・レェィトゥンシィのもとへ戻ろう。
〝オッパアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアイ〟と叫びたくなるいまの感覚、大好きだよ。
おらっち、プロフェッサー・レェィトゥンシィのもとに帰還。イェイッ。
「たのしい?」
「愉しい! もーいっかい飛んでくる! 今度はキミと一緒だ! プロフェッサー・レェィトゥンシィ!」
おらっちは、プロフェッサー・レェィトゥンシィを抱きかかえ、飛び回った。
愉しいぜ。
イェイッ! イェイッ! イェイッ!
マビ・スチーヴンスンのもとにいっちゃうぞっ♡? でゅふふ♡
おらっちとプロフェッサー・レェィトゥンシィは潜水艦で過ごした。その潜水艦は、潜水艦でもあるし、研究施設でもある。
そうだ、おぼれたおらっちはどう救われたんだろうか。網ですくわれた? なんか、ユーフォーキャッチャーみたいなので、つかまれたのか? まあいいや。また教えてもらえば。
「ワタシがね、作家のデータが欲しいってことで、ある女に、データを求めたことがあるの」
「そうだね~、おらっち、こっちの作品も味わってみたい」
この辺はなんていう地名なのか。もう異世界と思ってもいい。もう異世界にいるとしようって、改めて、思った。
「うふふ、なら、直接、会ってみたり、する?」
「誰と?」
「マビ・スチーヴンスン」
「マビ・スチーヴンスン?」
「ペンネームよ」
「あぁっ! なるほど」
「M・スチーヴンスンというほうが一般的かもね。しかも彼女、Mカップなの」
「Mだけに! うひょひょォッ!」
おらっちは立った。
「そして、Mよ」
「攻められて、感じちゃうの?」
「そうよ」
「あぁっ! なるほど!」
「この前は最近はやりのアイドルのサトウ・ヒロシとゴッド=ヤマダ・カズシ、そして、知る人ぞ知る噂のアイドルスズキ・Y・イッタに攻められたいって」
「へぇ~、結構だらしないんだね……。それにしても、サトウ・ヒロシとか、ヤマダ・カズシとか、スズキ……とかなんか、おらっちの知ってる人だったりするのかな……?」
「うふふ、貴方にもどうせ、攻められたがってるわ」
「でゅふふ」
まだマビ・スチーヴンスンにあったわけではないが……。
「特にオッパイが弱点よ」
「うひょひょオッ!」
「そうだ、どうしよう。なにでいきたい? ヘリ?」
「ヘリって、ヘリコプターだっけ? おらっち、馴染みないよ、リアルで見たことないからね、ヘリは。でもいいね、ヘリも」
「自家用ジェットも、あるよ」
「うひょひょ! いいねぇ、そっちのがなんか、旅行! って感じになるわ」
「どうしよう、いつ会いたい? ワタシはいつでもいけるんだけど、貴方となら」
「じゃあいますぐいってみよう!」
「なら、きまりね。これから軍事施設に向かうわ。そこに、いっぱいあるのよ、メカが。でもね、ワタシはプロフェッサーでも、もっとも愛してるのは、貴方よ」
「うひょひょ。いつもはげんでいることよりも、おらっちのが強い、と」
「うん!」
おらっち、プロフェッサー・レェィトゥンシィに連れられ、潜水艦で、軍事施設に向かう。その軍事施設には、プロフェッサー・レェィトゥンシィの愛機などが格納されている。愛機というか、所持品というか、彼女は……特にのは機械よりもおらっちだ。
「マビ・スチーヴンスンちゃんは、どんなのかくんだろう」
「ロマンス。……若いしどうせ恋愛のこと、よくわかってないのに。ワタシも若いけど、彼女よりかはしってるつもりよ? 貴方とのつきあいもあるし」
「うひょひょォッ!」
「でも処女よ。マビ・スチーヴンスンは。恋愛的交際経験はゼロ。とても生身の男を知りたがってる、でもね、あの子メンクイなのよね……ウブで……。貴方の出番よ。乳繰りあいのデータとらせてね。彼女は天才よ」
「いいよいいよォッ」
「貴方は空を自由に飛べる。それはワタシの力によるもの。でも、ワタシは貴方のことを神だと思っています」
「うひょひょ。キミはいい子だね。いいねぇ~」
おらっち、寝る態勢にはいった。
おらっち、起床。さっき寝る態勢にはいったと思ったらもう半日が過ぎた。
朝立ち。
「起きた? ついてるわよ、目的地に」
「むにゃむにゃ、あっ、おっぱよ~、もとい、おっはよ~」
プロフェッサー・レェィトゥンシィはおらっちの真横にいる。
「はい、おはよう」
「ヘリ乗らないとね、あっ、違った、自家用ジェットだった。まあ、どっちでも、いいけど、乗るのは。ヘリもやっぱりいいね」
「ヘリにしましょうか?」
「う~ん。それにしよう。……が、マビ・スチーヴンスンちゃんが、どっち派かにも、よるでごわす」
「あーなるほど、彼女は、どっちも好きらしいけど……きっと今日は、ヘリっていいそうね」
「うひょひょ、気分まで読めちゃうのね、天才ちゃんの」
「ワタシとマビ・スチーヴンスンは天才同士似ているのよ、脳が」
「あーなるほど! なら、下半身のシワも似ているのかもね。データとっちゃおうかな。いや、それは別か」
「別じゃないと思います。そのデータもとりましょう。いい提案をしてくれましたね」
「おらっちって、天才?」
「はい。そもそも神だとすら思っていますので」
「うひょひょォッ! おらっち現人神~」
「はい、そのとおりですよ」
「オッシャア!」
「ちょっと待っててほしいんです。呼びたい人がいるので」
「いいよォッ」
数分後。
「お待たせしました」
おらっちとプロフェッサー・レェィトゥンシィはヘリに乗った。
「プロフェッサー・レェィトゥンシィ、アナタは運転しないの?」
「はい。できますけど。代わりに、パイロットの爆乳キムスメを用意しました。彼女は天才のパイロット」
「オッパイロット!」
「そのとおり。オッパイロットと呼び親しまれています」
「名前は?」
「エレキャ」
「エレキャちゃんね」
「来ましたよ」
「よろしくお願いします、エレキャです」
「うひょひょおおおおおおおおおぉっ! ロリ顔爆乳の合わせ技ぁっ!」
「うふふ! おおよろこびですね」
「ありがとうございます、イケメン様」
「おらっちのこと? じゃあマジでおらっち、イケメンだって思っていいのかな? 思っちゃうよ?」
「と、とんでもない。イケメン以外の何物でもないのに……」
「エレキャちゃん、おらっちにベタ惚れなんだね!」
「もちろん……」
「うひょひょお! うひょひょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉっ!」
「では、いきましょう」
「ボン・キュッ・ボン。うん、よろしくね、エレキャちゃん」
おらっち、絶頂。
まだまだだ! おらっち、マビ・スチーヴンスンちゃんとも会うし、前会ったふたり組の子にも認めさせにいく……おらっちは、もっともっと絶頂するよっ! でゅふふ!
おらっち、気分いいと、〝でゅふふ〟ってよろこぶんだよ。でゅふふ!
スッポン、スポン
「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおい!」
「ねえ、誰か来たよ!」
「あれは、スポンですよ」
「スポン、ちゃん?」
「そう、スポン。スポンって名前だけにね、スッポンが大好物なの」
「スッポン! いいねスッポン! スッポン! 食べたことないけど。また食べてみたいね」
「はい、また、プレゼントしますよ、アワビと栗と巨峰もセットでたくさん盛りましょう。スポンはワタシと仲がよく、この第2B地区施設の同期」
「あぁなるほどぉ。エレキャちゃんとスポンちゃんは名コンビと。うん、いいね、おらっちの、まえいたところでは、女と女がなかよいのは偽りだと、いわれていたが、キミたちにはそれを感じさせない」
「そうですよ! わたしはパイロットコースじゃないけど、エレキャと大親友!」
「スポンちゃんは、何コースなのかな?」
「スポンは、格闘技に秀でていて」
「あぁなるほどぉ、しまりのいい肉体をしていると?」
「はい。でもTカップあります」
「ティー! デカすぎだお! ……うひょひょっ」
スポンちゃんの毛は茶色。エレキャちゃんの毛はベージュ。
「わたしもいきたいですが、どこいくの?」
「マビ・スチーヴンスンのもとへ」
「マビ・スチーヴンスン! 知ってるよ! よんだことはないけどね」
「あはは、さすが体育会系……ふひひ、まあ、おらっちは体育会系ではないが、作家は詳しくないと思うけどね。でゅふふ、まあ、平均よりかはしってるかもだけど」
「そして……この……イケメンさんは……?」
「おらっち、田中大でごわす」
「タナカダイさん……?」
「イエス」
「なるほどぉ~、いいお名前ですね」
「そう? おらっちは、全然かっこいいとか、思わないよ」
「いいえ、かっこいいですよぉ~」
「ありがとう」
「いえいえ」
「さぁて、いこうか。さぁ、スポンちゃん、横乗りな、おらっちの」
「ありがとうございます!」
おらっち、おらっちが、プロフェッサー・レェィトゥンシィとスポンちゃんに挟まれるように座った。
「よっしゃ。でゅふふ」
爆乳っ子だらけのヘリに乗ってるおらっち。歓喜。
おらっち、ダンスが、したいんだ。
うひょひょでゅふふ。
ヘリが起動した。うるさくない、心地よい音。
施設の天井が開いて、空を飛ぶヘリ。
「あぁん! すごい激しいダンスですね! 運動大得意なわたしでもそれはできないです……」
「だろ? おらっちダンスが趣味でさ」
「あぁ~んもうさいこう」
「そんなにおらっちが好みのタイプだったかな?」
「そりゃあ……もう……」
「ず、ずるいよ~!」
エレキャちゃんは、オートパイロットモードに切り替えて、一緒にダンスしようと、運転席からやってきた。
「うひょひょ! エレキャちゃんは大胆ですなぁ」
「エレキャは、普段真面目だけど、好きな人のことになると、とことんだらしなくなる乱れた子で」
「うひょひょ、おらっちの大好物です。デュフフ~」
「あぁ! もっと踊って!」
「うひょひょ! 爆乳多すぎてヘリがパンパン!」
パンパンパンパン! うひょひょ。
「それでも、もっと、ダンスをお願い!」
「でゅふふ、おらっちのダンスにメロメロと?」
おらっち、プロフェッサー・レェィトゥンシィの開発のお陰で、筋肉質、よって、ダンス技術がだいぶ、上がった。愉しい。
「はい! すごいよぉ~!」
「よっしゃあ! もっともっと腰振っちゃうよぉ~」
もうほんとパンパン、汗がダァ~ダァ~だぁ。
「タナカダイくん、わたしと汗だくサックス希望」
「うひょひょ、スポンちゃんから、希望してくるとはね。スッポンの力かな? ビンビンなんだよね? スッポンで?」
「はい、そのとおりです」
「はい、サックスだよ」
「わ~い!」
おらっち、スポンちゃんの、セッション。
熱いセッション。
「ふぅ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!」
おらっちは激しく腰を振った。
「あぁ、すごい激しい……」
「もっとやるよ~? うひょひょ」
パンパンパンパン! すごい音が鳴り響いてる。まただ、パンパン! ってさ。うひょひょ。
「はい! きて! きて! もっとわたしを!」
「もっとわたしを……なに?」
「求めてきてください」
「うひょひょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおい!」
超高速で腰振ったおらっち。
「すごすぎ……」
「そろそろつくかな? 目的地?」
「いいえ、まだですよ……」
「もっと愉しみましょう」
「タナカダイ様……」
「タナカダイくん……」
「貴方」
「でゅふふううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう!」と、おらっちは人生讃歌、熱唱。
おらっちの、人生讃歌も……続く。
異世界三大爆乳女流作家(おらっちによる暫定):マビ・スチーヴンスン、ネテリア・ニュートン、エレーネ・トンプスン
「そろそろ無事つきそうですぅ」
「あっ、ついた」
「はい、つきましたね」
「うひょひょ、ついちゃったお」
場所は、中庭。
おらっちたちは、ヘリから降りて、いく。
おらっちらちは、扉のほうへ向かった。
マビ・スチーヴンスンらしき女が出てきた。見てわかるが若い。少女だ。そして質のよさそうなデカチチ。ナマでは見れてないけど。ウヒョヒョぉ。
「連れてきたわよ、マビ・スチーヴンスンさんっ」
「……あの……このお方は……」
「彼は、タナカダイ、よ」
「タナカダイ……ナイト・グランド・クロス=ナイトハルト……」
「なになに? ナイトハルト? おらっちのこと? どういうこと?」
「わたしの作品で、わたしがもっとも好きな主役の騎士、ナイトハルトとそっくり……」
「えっええっ? それは、どういうことなのかな? えっえっ?」
「わたしは、サイコウの男性を、いつも考えて、そして、創造しています」
「あぁっ、なるほど。ようするに、おらっちは、理想中の理想の男なわけだ」
「はい……」
「うひょひょ、キスしたい? 抱きつかれてみたい?」
「はい、もちろんですよ!」
「でゅふふうひょひょ」
「かっこいい……」
「おらっちと子どもつくりたい? 結婚したい?」
「はい」
「うひょひょおう!」
数分後。
「ハァハァ」
「おらっち、すっごい気持ちよかったよ、はぁはぁ」
「わたしもですよ……」
「でゅふふ」
おらっちは、マビ・スチーヴンスンと、ダンスしたった。うひょひょ。
まだ中庭。そろそろ中に入りたい。
「また踊ってね」
「うん、いいよ。もちろんさっ。うひょひょぉ」
おらっちは、マビ・スチーヴンスンのクリ色の毛を撫でた。そして舐めた。
クリ色。スポンちゃんの色とはまた違うタイプの色だ。
「すごい腹筋ですね」
「だろ? ……ごめんね、中に出して」
「いいえ、中庭はよく出るので」
「うん、ならよかった」
おらっち、リヴィングルーム、入った。
「タナカダイ様、くつろいでね」
「うひょひょ。じゃあくつろがせてもらうよっ」
おらっち、背後から、マビ・スチーヴンスンを抱きしめた。くつろいでいる。こんなくつろぎ方、まえいたところでやると、牢獄行きだろうな。
「あぁっ」
「うひょひょ」
「あの、コスプレしてください」
「コスプレ?」
「ナイト・グランド・クロス=ナイトハルトの」
「あっ! なるほど」
「わたしは、その彼女役を……」
「うひょひょ! 原作者とヤれるなんてリアル~!」
「作品は、もう、読まれましたか?」
「いや、まだです。おらっち、移民でしてね」
「移民? わたしは、既に、世界的に有名な作家なんですよ」
「プロフェッサー・レェィトゥンシィと出会うまでは、変なところいたんで」
「もしかすると、それは、魔街?」
「そうそう、終点の魔街って看板にも、あった気がする」
「なるほど。魔街出身の方だったのですね」
「魔街って実在したんだ!」と、スポンちゃんはいった。
「魔街は、知っていましたが、どうせいっても、まがまがしいし、いく人は滅多にいませんし、テレヴィ局も、撮影禁止を暗黙的にもしているんだとか、聞きますよね」と、エレキャちゃんはいった。
「ワタシはデータ持ってるけど、元々コネがないと、あっちではウマく生活もできないでしょう。どうやって暮らしていたの?」
「まあ、暮らすというか、ちょっといた。んで、服をリサイクルショップに売った。戦闘用で、普段着ではない服で、汚れてていらないし、捨てるついでに売ったんですよ」
戦闘用っていうか、強盗用だけどね。この子たちにそんな過去言っても引かれちゃいそう。
「壮絶な過去があるんだね」と、スポンちゃんはいった。
「ほんと、壮絶です」
「そうだ、マビ、近況は?」
「ネテリア・ニュートン……」
「ネテリア・ニュートンがどうしたの?」
「ニュートン? 学者さんかな?」
「そうね。まあ厳密にいえば、作家だけど、哲学的で、学者ともいえるわよね」
「彼女、わたしのライヴァルで」
「そうなんだ。ド天才にもライヴァルいるんだ」
「でも、ネテリア・ニュートンは物語みたいなのはかかないタイプだから、分野別だけどね。でも、なんかスピリチュアルでね~、単なる思想家の域を、脱してるんだよな~」
「なるほど、プロフェッサー・レェィトゥンシィが正式的に、マビ・スチーヴンスンとネテリア・ニュートンがライヴァルだと認めれるほどに、衝撃的な作家なんだ、ネテリア・ニュートンは」
「ネテリア・ニュートンは爆乳で……」
「ええぇっ! キミも爆乳だよねえっ! うひょひょっ、聞いてるよ、Mカップだってことっ」
「そうだけど……ネテリア・ニュートンはNカップでね……」
「あっなるほど、ネテリア・ニュートンはマビのよりもワンカップ上なんだ。うひょひょ、将来、どっちも我が子に吸わせたいでそうろう」
「マビ・スチーヴンスン? ダイのためということもあって、会いにいかない? ダイはきっとネテリア・ニュートンにも会いたがっているよ。だから、どうせ、あっちゃうなら、現場、見とこうよ」
「そうだね。でも、タナカ・ダイ様がそれでよろこぶなら、平気だね。ネテリア・ニュートンをむさぼろうが」
「うひょひょ、乳トン、愉しみ! ニュートンだけにね。まあ、重さトンまでいってることはないだろうけど」
「……いますよ、それっぽいのは……。新人作家に……Tカップのエレーネ・トンプソンっていう爆乳作家が……」
「うひょひょ! 新人ちゃんってことは、まだダークホース的に見ているのかな?」
「まあ、気にしていないけどね、いまのところは。でも乳が……」
「しかも、データでは、エレーネ・トンプスンは芸名、最後にスンときているのは、もしかすると、マビ・スチーヴンスンへの対抗にも取れるの」
(あれ、トンプスンって表記だっけ……? ここ数年物忘れがひどい……)
マビ・スチーヴンスンちゃんはなんか考え込んでいる様子。
「なるほど、作家界隈では乳のデカさでも争いがあるんだ!」
「そのとおりです。タナカ・ダイ様」
「うひょひょ! 名前覚えてくれたね!」
「当然です、あなたが気になって仕方ありません」
(ふひひ、イイオンナ……)
(彼の名前は忘れませんね)
異世界三大爆乳女流作家(おらっちによる暫定)、全員集合(仮)!
「うひょひょ。マビ・スチーヴンスンちゃん含めて、ネテリア・ニュートンとエレーネ・トンプスンとも遊びたいお! うひょひょおぉ」
「はい、その願い事、叶えてあげます」
「ほんとにぃ? ありがとう、マビ・スチーヴンスンちゃん!」
「うふふ」
「うひょひょ」
おらっち、なんか、昔、まえいたところでの、クソな事情を思い出した。
「どうかしましたか? タナカ・ダイ様?」
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
おらっち、マビ・スチーヴンスンを強く、抱いた。おらっち、発狂している、だが、強盗犯時代以前よりおちついていて、そこに苦しみはないといってもいい。不思議だ、きっと、プロフェッサー・レェィトゥンシィの開発のお陰なのだろう。
「大丈夫ですか? 泣いてしまいそうな、顔にも見えます……」
「うっ、うん。ありがとう、ね……キミたちのお陰だ……アハハハハハハハハ!」
「よかった……」
おらっちの周りのおなごどもは胸を撫で下ろした。
おらっちは、強盗犯時代以前、何回か、自殺について、考えた。もう、こんな人生は、生きていたくない、これ、マジであったんだ。それにしても綺麗なおなごたちだ、そのおなごたちに愛されているおらっちは、幸せものだ。いまなら、自殺、せずに、耐えられる。
エレキャちゃんの身長は、おらっちよりも低い。百四十四センチメートルぐらいなんだろうね。だが、スポンちゃんは百六十六センチメートルぐらいだろう、おらっちよりも大きいね。マビ・スチーヴンスンちゃんは百六十五センチメートルだろうな、感覚としてわかるんだ。プロフェッサー・レェィトゥンシィはスポンちゃんよりも、背が高い。スポンちゃんは子供っぽく、背は低そうだが、実は、高いほうだ。おらっちは、彼女たちと比較しても、小さい、が、おらっち、いいんだ、この子たちは、おらっちが背、低くたって、気にしない、いい子なんだ、わかるんだよ……勘だが、今までの食いつきようは、そうとしかいいようがない。
「ありがとう……」
「タナカ・ダイ様の平穏を壊そうとするものは、許さないですからね。寝ましょう、きっと魔街のことでつかれたんでしょう? タナカ・ダイ様ほどの男性は、ネテリア・ニュートンの作品のような、オカルト的なことも発生してしまうのでしょう」
「霊障……?」
「まあ……」
「うん、こういうときは、寝よう、キミたちと……ふひひ」
おらっち、ベッドイン。
目覚めて支度したら、ネテリア・ニュートンとエレーネ・トンプスンとあいたい。いくんだ、あいにいくんだ。いってやるよ。綺麗な顔した爆乳っ子たちをおらっちのコレクションにしてやるんだ……うひょひょ! ダイ攻略だぁっ!
目覚めた。
爆乳に囲まれて寝ていたおらっち。
時計を確認した。朝だ。朝立ちだ。
うひょひょ。
「ねぇ? 一緒にお風呂入りませんか?」
「うひょひょ!」
おらっちは、マビ・スチーヴンスンちゃんと、お風呂に入っている。綺麗なお風呂だ。洗わなくたっていいんじゃってほどのさぁ。
おらっち、マビ・スチーヴンスンちゃんと、お風呂洗い。
「しっかりとたまったカスを洗い流しましょうね」
「洗ったら、おらっちはお風呂に入りたいな」
「もうお風呂入ってますよ?」
笑っている、マビ・スチーヴンスンちゃん。
「ふひひ、おもしろいこというね、キミ。浴槽に、お湯を入れて、入るってことだよっ」
「うふふ、知っていますよ、冗談」
「うひょひょ」
数分後。
「どうですか?」
「ありがとう」
「うふふ」
「マイハニー」
「マイダ~リン」
「うひょひょ! うひょひょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ! ぷぅっ! ぶぅうううううううううううっ!」
おらっち、風呂で屁をこいた。爆音。
「うふふ、すごい音! こっちまでにおってきたわ!」
「うひょひょ、引かないんだね」
「だって、ダイスキな、彼のだよ?」
「うひょひょ」
「あとで、サウナ、入りません?」
「サウナ? あるのっ? うひょひょ、はいるはいる!」
「ありますよぉ」
数時間後。おらっち、長風呂。
サウナに向かう。
なんと、そこには、プロフェッサー・レェィトゥンシィ、エレキャちゃん、スポンちゃんというおらっちの大好物で豪華メンバーがいる。
「貴方、食事にしましょう」
「うひょひょ! 巨峰食べる食べる!」
おらっち、巨峰にかぶりついた。
「うふふ、美味しそう」
「おらっちの、ニヤケ顔のことかなぁ? うひょひょっ、実際美味しいよ! ヴぢゅうううううううううううぁ……べろべろ……ぽんっぽんっ……アァあっあぁっああああああああああああああああああああああああああ」
「すごい……」
「はぁはぁ……うひょひょ」
「あの、タナカ・ダイ様。ネテリア・ニュートンとエレーネ・トンプスンは、連絡して、スリーディーホログラムで対話が可能です」
「うひょひょ、あぁっなるほど。おらっちはそれは映画でしか見ていないでごわす。うひょひょ、ぜひ、ヤらせてもらいたい」
「はい」
おらっち、サウナを早歩きで出て、スリーディーホログラムの映る部屋をマビ・スチーヴンスンちゃんに案内されて、いった。
「それでは、どうなのかな」
「それでは……」
映った女。爆乳。
これがTカップのほうか? エレーネ・トンプスンか?
「彼女がエレーネ・トンプスンちゃん?」
「いいえ、彼女は別人です」
「じゃあ、誰? もしかして、ネテリア・ニュートンでも、ない?」
「いいえ、彼女が、ネテリア・ニュートン」
「うそぉ? じゃあ、Nカップって、おらっちのそうぞうしてるよりおおきいってことおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお?」
「というわけですね……ウブでかわいいですよ、タナカ・ダイ様」
「うひょひょ! すっごいオッパイですねえ! うひょひょ!」
「そして、こちらにも出せます」
映った女。爆乳。
「でっかああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ! Tカップ出たああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
あれ、Tカップ以上、だっけ? まあいいや。いやっ、よくないよ、爆乳っ子コレクションのサイズはしっかりと把握しないと……おらっち、支配者になるんだから……。ああ、さっきから立ちっぱなしだよ。
「タナカ・ダイ様、大盛り上がりですね」
「もしかして、お風呂上がりなのかな、彼女らふたりとも、格好的に」
「そのようですね。それにしても、すごい盛り上がりようですよ、タナカ・ダイ様」
「でしょ? うひょひょ、今日は朝立ちだ! 彼女たちふたりのもとにも、いこウぅッ!」
「はい」
異世界三大爆乳女流作家(おらっちによる暫定)、全員集合! ほんでもっておらっち、ナイト・グランド・クロス=ナイトハルト役で映画化決定?
そうだった。おらっち、爆乳のことを深く考えすぎている、のに、Tカップの女を、もう見ていたし、Nカップ以上の女のもみた。なのに、スリーディーホログラムであった、ふたりにぶらさがる良質の爆乳に、まるで、Nカップも、今まで見たことない大きさ! ってな感じに反応。どうしてだろうか、綺麗な女の子とは、あんなにダイスキなのに、しっかり見てるのに。まあ、おらっちが、それだけ記憶力が悪いってことか……。確かに、学校の成績、悪かったもんな……おらっち。はぁ……。でもいいさ、おらっちに好意を持つ女の子たちは、みんな、おらっちのこんな頭の鈍さも、許容、してくれるんだろうって、思うし。抱擁もさ。
おらっちのパンツの縦幅ぐらいの大きさで映されていたスリーディーホログラムは、オッパイの小さいの順から消えてった。向こうから勝手に切ったんだろう、電源を。たぶん、電力で映されてた。
「ねえ、おらっちが、記憶力、ド悪いって聞いて、どう思う? 低学歴でダセえって、なる?」
「いいえ、なりませんよ、そんな。わたしだって記憶力悪いですよ」
「えぇっ? キミが? 天才作家のぉ? んな、嘘だぁ? よねぇ?」
「いいえ。嘘なんて、言いませんよ、そんな」
「うひょひょ、ありがとう、なんか、支えになったよ! ……でも、特定のなんかでは、すさまじい記憶能力を、発揮するって、あれなんだろ?」
「いいえ。わたしはそういう能力、ないですよ。それに、わたし、すごくめんどくさがり屋で、知的好奇心ほとんどありませんから」
「うーん? そうやって、テキトーになんか……」
「いいえ、そんな」
「うひょひょ、なんか、キミがもっと好きになったよ。アワビ見せて」
「はい、どうぞ」
「うひょひょ、綺麗なアワビだな。かわいいお、ツンツンしたいお」
おらっち、アワビをツンツンした。
「あぁっ」
「でゅふふ、アワビから、液体が」
「そ、そろ、そろ……」
「いく? いいよ、いこうか、ふたりの作家のもとへ」
「でも、彼女らがいる場所は別々です」
「そっかー、ならさ、オッパイ小さいほうから会おうか? なんていうの? 甘いほうを、デザートに。ようは、最後に味わう、と」
「はい、それはいいんですけど、もしかしてわたしのMカップでは、不満でした……?」
「そんなことはないよ、うひょひょ! ダイスキ」
「よかった……」
「うひょひょ!」
そうだ、おらっち、Uカップは欲しいって、思ってたな、まえ。うひょひょ、でも、それ未満でもダイマンゾクだったお。ふひひ、うひょひょ、でゅふふ。イェ~。
Tカップより、上なんだったよな、たしか。なら、スポンちゃんのよりも、エレキャちゃんのよりも、オッパイデカイ、と、いうことか? ……うひょひょ。
Tカップ以上のオッパイ……もしや、Uカップ? ……うひょひょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉっ!
短期間で、Uカップオーヴァー、これ……四人以上集まるんじゃないか?
デカパイ四天王くるううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう?
おっしゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁっ!
「すごい嬉しそうな顔。ヨダレが出てきていますよ? かわいい」
「うひょひょ」
おらっち、朝立ち。このような嬉しい気持ちの中で、朝立ちするのは、また、気分的にも素晴らしいものでごわす、ウッヒョヒョ。
「はい、スッポンのエキスです」
「うひょひょおおお! これ飲んでもっとビンビンするよ!」
「はい、ビンビンになってね」
「うひょひょ! 夜までもたもたすよ!」
「はい」
「うひょひょ! うまい! もっとイッパイ!」
「ごめんなさい、これ、制限されているようで。適切な使用量があって……代わりにわたしの母乳は……?」
「ええぇっ? 出るのぉっ? もちろん、がぶ飲みしたいんだけど」
「わかりません、わたし、保健体育のこともよく理解せずに、恋愛小説かいちゃってますし……」
「うひょひょ、でもそのバカな感じもエロくていいよ。キミがバカって言いたいのとちゃうよ」
「ありがとう」
「うひょひょ! よし、朝立ちで、いくぞオッ!」
「はい! いきましょう!」
えぇっと、まずはじめにあうのは、ネテリア・ニュートン、だったけな。なんか、貴族的な感じの子? いや、平民でも立派そうにしてるん? 〝ニュートン〟って聞くと、立派そうな感じあるしさ。
「ヘリなのかな~?」
「あは、おはようございます」
「うひょひょ、エレキャちゃん、ねえ、ヘリコプターでいくの? また?」
「そうですね、途中で、乗り換えることも可能ですよ」
「ネテリア・ニュートンのほうにあいにいきたい」
「そうですか、わかりました、いきましょう」
「あっ、でも、どっちとも、あつめたいっていうか……ん~どうしような、迷う」
「ネテリア・ニュートンさんの家にエレーネ・トンプスンさんを呼びましょうか? 連絡しますが」
「うん、それいいね。同時に味わいたいっていうかさ。いっきに両方むさぼりたいんだ」
「なるほど、豪快ですね」
「うひょひょ、エレキャちゃんにべた褒めされた」
「いつも褒めています」
「うひょひょ、ありがとう」
「ネテリア・ニュートンさんの家はド田舎です」
「えぇっ? そうなの? ……なんか、旅行のしがい、ない?」
「でも、いい旅になるんではないかと、思いますよ」
「なるほど、空に詳しいエレキャちゃんの言うことだ、従おうか」
「そうだ、タナカ・ダイ様、鎧を、着ていきませんか?」
「あっ、あの……ナイトハルト?」
「はい、ナイト・グランド・クロス=ナイトハルトの」
「ナイト・グランド・クロス=ナイトハルト……言えたお!」
「お見事!」
「うひょひょい」
おらっち、マビ・スチーヴンスンについていった。
「ここ、わたしの部屋です」
「あっ、鎧が収納されているわけね」
「はい、いきますよ」
クローゼット、開く。鎧登場。
「うひょひょ。かっこいいお!」
「どうぞ、着用を」
「うひょひょ! ……ピッタシだお!」
おらっちは、まず、脚のほうから着用。
「すごい! 奇跡だわ!」
「ならこっちは……」
「丁度よさそう……」
「ほんとだぁ! うひょひょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
「あとは……カブト……」
「カブトね。いいね」
おらっち、カブト、着用。
「かっこいい! 全部ぴったりだったんですね!」
「うひょひょ。おらっち、映画化とかでもされるんじゃないの?」
「されます! ていうか、させます! わたしが!」
「うひょひょ」
「重たくないですか?」
「重くないね。そうか、筋肉モリモリだからか」
「すごい! じゃあいきましょう! 早速!」
「うひょひょ、いこうか、朝立ちで」
ナイト・グランド・クロス=ナイトハルトの鎧は、股間部分が、丸く、穴が開いている。社会の窓が、開けやすい。うひょひょ。
おらっち、外出た。マビ・スチーヴンスンの家の中庭だが。
「かっこいい!」
「ほんとだぁ」
「ステキよ、貴方」
「皆……」
「うふふ」
「結婚したいわ」
「ダイスキ」
「うひょひょ、ありがとう」
「貴方、その格好だと、ヘリは窮屈でしょ? だったら、こういう手も、あるんですよね」
プロフェッサー・レェィトゥンシィは、リモコンを地に向けた。スウィッチ、オン。
中庭の中央は綺麗に、開き、ジェット機が登場。ちなみにヘリは、その穴に落ちない位置においてある。
「うひょひょ! 自家用ジェット機っていうんだっけ、これ!」
「それは、貴方が好きに決めちゃえばいいですよ、貴方は神も同然ですからねっ」
「うひょひょ! おっしゃあ! いくぞオッ!」
おらっち、朝立ち。
「でも、タナカ・ダイ様。その格好では、わたしたちと、抱き合うのに……」
「そうだね、まあ、とりあえず、脱ぐよ」
「わたしから着てほしいと懇願したのに、なんかごめんなさい」
「いいよ、そんな。それにしても、キミはかわいい」
おらっち、脱、鎧。
おらっち、マビ・スチーヴンスンを抱いた。
「あぁっ」
「うひょひょ、気持ちいい」
「もしかして、鎧から外れて、っていうのもあるかもですね」
「そうかもね、でもいいね、抱きついて気持ちがいい、これはべつに変態なんかじゃないよね」
「はい!」
ジェット機、起動。なかなか大きいジェット機だが、音は静かで心地いい。
このジェット機は、とても高性能って感じは見てわかった。
飛んでいる。わかるんだ。縦方向に、上がっている。すげえ。おらっち、大興奮。
「この中暑いから、ジャージ脱ごう」
「スポンちゃんは、ジャージが似合うね」
そうだった。エレキャちゃんは、軍服っぽい服着ている。もしかして、その影響で、着痩せもあるかもな。ウヒョヒョ。
「……ありがとう」
「うひょひょ、照れるなよ。もっと自信持てよ」
おらっち、なんか俺様系になってきたかも。
「貴方、このジェット、スッポンがものすごくあるのよ」
「うひょひょ! よっしゃ!」
「食べたいよ~」
「もちろん、スポンちゃんもいっぱい味わって、スッポン」
「やったー!」
「ほかのももちろんありますよね?」
「ありますよ」
「アワビ、巨峰、栗、カズノコ……なども?」
「はい」
「なら、おらっち持参のミルクイどうぞ」
「やった!」
周りの女、おおよろこび。すると……エレキャちゃん、こちらに来た。オートパイロットモードにしたんだろう。
「ずる~い! ミルクいほしいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」
「うひょひょ、安心して、ちゃんと残しとくから」
数分後。
おらっちたちは、食を味わいまくった。うひょひょ。
目的地、着いたのかな? 結構早い。
おらっち、ヒヨケを外し、外の景色を見た。な、なんと、爆乳っ子がふたり、立っているではないか。おらっちはおらっちで〝朝立ち〟で来たわけだが。それにしても、おっぱいでかあああああああああああああああああああぁ。うひょひょ。
おらっち、ナイト・グランド・クロス=ナイトハルトだぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!
うひょひょ! うひょひょ! ついにきたぞオッ! オッパアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアイ! うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ! おっぱいおっぱいおっぱいおっぱいうおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! ……おちつけ、おらっち……。うひょひょ!
ジェット機は、ネテリア・ニュートンの家の中庭に。到着した。
ネテリア・ニュートン、確かに、ド田舎にいる。が、彼女の暮らす家は、城のようだ。ド田舎、というだけあってか、古くさい城。でも、いいね、こういうのも。きっと、熟女萌えに通じるもの、あると思うんだ。おらっちの周りの女の子も、ネテリア・ニュートンも、エレーネ・トンプスンも熟女じゃねえけど。すげえピッチピチ若いよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! って、おちつけ、おらっち! ……うひょひょ!
丁度、おらっちが立っている、床が、パカッって、下へ。ジェット機は、着陸。おらっちは、その、ほどよく、下がった出入り口から、降臨。
「やぁ」
おらっち、クールな騎士気取りだ。
「……かっこいいっ……」
「……この殿方………どちら様?」
「おらっち?」
「ええ」
「おらっち、タナカ・ダイ。ナイト・グランド・クロス=ナイトハルト役に抜擢されたんだよ」
「嘘……確かに、リアル、ナイト・グランド・クロス=ナイトハルトだわ! ヤバい! 超かっこいいんだけど……!」
「うひょひょ、驚きすぎ。……えぇっと、おらっちをヤバがってくれた、キミは……エレーネ・トンプスンちゃん、かな? だろ?」
「はい! 知ってくれてたんですね!」
「はい、もちろん。あれ? じゃあ、前見ていた、スリーディーホログラムは」
「あの装置は、プロフェッサー・レェィトゥンシィが開発したもので……」
「そう、ネテリア・ニュートンさん、エレーネ・トンプスンちゃんからはマビ・スチーヴンスンの部屋は、見れなくなっているのよね~」
「うひょひょ、かっこいい! さすがプロフェッサー・レェィトゥンシィ!」
「プロフェッサー・レェィトゥンシィ……まさか、お会いできるだなんて……」
「ニガテ? ネテリア・ニュートンさんはオカルト的だからね。ワタシみたいな学者、合わないかしら?」
「いえいえ。確かに、ワタシは神秘主義ですよ。でも、テキトーにそんなことをふりまくタイプではないので」
「そうよね、それも把握済みよ」
「うひょひょ、クールビューティー、プロフェッサー・レェィトゥンシィ……ふひひ……うひょひょ、でゅふふ!」
「ねぇ、タナカ・ダイさん、結婚しませんか?」
「いいよ!」
「貴方……」
プロフェッサー・レェィトゥンシィ、ちょっと前とはぜんぜん違う。クールさが、減る。おらっちが、エレーネ・トンプスンちゃんだけと結ばれるのを恐れたのかもだ。うひょひょ。他の子も、おらっちと、エレーネ・トンプスンちゃんだけが結ばれちゃうんじゃ? って、顔してるよ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!
「大丈夫っ! おらっち、みんなを守るよ! 好きになった子みんな! でもみんな平等に、深い愛情で愛す! これなら、不満、なくない? どう? いいでしょ? ねえ? だって、実際、みんな、同じぐらいかわいいからさ……選べないんだよおおおおおおおおおおお! こんな経験、まずないよ! ここはほんとに別天地だよ! って感覚だぁ! うひょひょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおうわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああおっぱいさいこおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおう!」
「オッパイ……一番大きいの、エレーネ・トンプスンちゃん、だよね? ……ね?」
「いいえ、このエレキャ、着痩せしていますから」
エレキャちゃん、軍服っぽいの脱いだあああああああああああああああああああああああああああああああああ!
「でっか!」
「エレーネ・トンプスンさんも驚きのオッパイのようね」
エレキャちゃん、ほこらしげ。うひょひょ。かわいいよ。もうおらっちのものだからっていうのは結構占めてるかもだけども。うひょひょ。
「そうね……」
「本人公認っ?」
「じゃあさ、おらっちがオッパイはかってあげる! どっちが大きいのかを!」
ヤサとバイヤ?
「うひょひょうひょひょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! おっぱいはかっちゃうよぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉっ? うひょひょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
〝食欲の秋〟、などといわれるが、おらっちは、春夏秋冬食欲旺盛! ヨダレ出てきたお。
「タナカ・ダイさん、おおよろこびですね。いつもそういうヒトなんですか?」
「いいえ、おらっち、ダイスキでたまらない、女性にしか、こういう態度、とれませんでそうろう!」
「へぇ、そうだったんですね。ステキ。わたしなんかに、おおよろこびだなんて」
「うひょひょ! あたりまえでごわすよ! ……でぇ……えぇっと……どうやってはかるの? メジャーかな?」
「……いまそういったものはなさそうね」
「あっそうだ! おらっち、頭身、丁度五頭身で。だから、おらっちの顔を定規に使っていいかな!」
「わたしは、全然いいんですが……それで、上手くはかれるかなぁ~……?」
「おらっち頑張る!」
「じゃあ、そういうことで……」
「うひょひょ、おらっち、すごくヨダレ排出されちゃってます」
おらっち、オッパイに顔当たる寸前まで近付いた。寸止め。
「あぁっ、寸止め」
「うひょひょ、寸止めだおっ? じゅるるるっ!」
おらっち、あふれでる、ヨダレを吸った。
「すごいニヤけた顔……」
「うひょひょ! ……ぶううううううううううううううううぅっ!」
「オナラ? すごいにおう……」と、ネテリア・ニュートンはいった。
そう、おらっち、放屁。
「ごめんね、おらっち、屁がよく出て」
「いえいえ、タナカ・ダイさんのような殿方の屁なら……」
「うひょひょっ! ぶうううぅっ!」
「またオナラ……」
「おらっち、五頭身なんだけども、顔が三十一点五十六センチってこと、定規から。見てわかったんだけど。キミら、八頭身以上ありそうだよね? それにしても、また屁が出そう、ぶぅぅぅぅぅ」
ああ、正確に測るのにいい定規なくて、外国の、買ったな……。外国の安いの。
「すごいオナラの回数……」
「ぷぅーーーーーーーーー」
「また……」
おらっちばかり何回もオナラしている件。
「キミたちは、ガマンしてるのかい? ……鳴らしてないけど。おらっちは、学校通ってるときね、いつもガマンの連続でね、学校だけじゃないけど、結局、運よく音鳴らないで出た屁も臭いからね、引かれたよ」
「いいえ、ガマンはしていませんよ、貴方。それにしても、貴方の屁で引くだなんて……変なの……」
「へぇ~。キミたちのおならのニオイも嗅ぎたいでごわす」
「かっこいい人……」
「うひょひょ! ネテリア・ニュートンさんという大作家さんまで大絶賛されるとは、おらっち、大興奮」
「この前、リズ・サンドラ・マレー女王に勲章もらったんだよねー。外国からもらえるなんてすごいよねー。しかもまだ若いのに」
「なるほど、スポンちゃんのような、体育会系でも知っているんだね、そいうことを。そのぐらい、すごいってことなのかな?」
「話題それて申し訳ないのですけど。……あの、実際に揉めば、どちらが大きいかわかると思うますよ? ……でも、そういう比較はしたことないので、わかるかは不明確ですけど……」
「ナイスな提案だね、エレキャちゃん。うひょひょ、でも、なんか、なんにしてもおらっちの手を洗ってからにしたほうがいい、おうち入ろう。おうちっていうか城だね」
おらっち、ネテリア・ニュートンちゃんちに、訪問。ダイダイ色の家。そのダイダイ色はネテリア・ニュートンちゃんの髪の色にも似ていた。ちなみにエレーネ・トンプスンちゃんはパツキン。なんていうのか、とりあえず、なんかパツキンといいたくなる、金髪。長めのパツキン。ヤンキーには見えません、金髪ですが。
「くつろいでね、ナイト・グランド・クロス=ナイトハルト様?」
「うひょひょ、おらっちはあくまでも、その役者だぞ~?」
「でも、そういいはっても、恥じないお方ですよ」
「うひょひょ。あの、テレヴィなんか、見てみたいかもな。この辺、どんなのやってるのかなってさ……記念に……も……さ……」
「どうぞ。点けていいわよ」
「じゃあ、点けます」
テレヴィのスウィッチオンしたおらっち。
テレヴィ画面に映る文字、〝魔街から逃げ出した少女〟……あっ、このふたりは、おらっちの知ってる、ふたりだ……。
「あのピンク髪のほう、すごいわね、おっぱい」
「なるほど、プロフェッサー・レェィトゥンシィという学者様が認めるデカさ、と……そして、おらっち、あのふたりと、会ったことありますよ」
「魔街時代での女?」
「いいや、おらっち、あの子たちにフられちまいました」
「えええええぇっ? ナイト・グランド・クロス=ナイトハルト様をフるって……まあ魔街出身の子でしょ、だから、それもありえるのかも」
「もしかして……追われてるのかな……」
「どうやら、ニュースの内容からして、彼女たちは、魔街で生き残るために、ヤバいやつらとかかわった、んだと」
「プロフェッサー・レェィトゥンシィでもその程度しか知らないってこと?」
「まあ、興味ない範囲だから、そこまでしか」
「おらっち、空飛んで、彼女たちを、救出してくるよ」
「空? ……ナイト・グランド・クロス=ナイトハルトネタのこと……?」
「いいや、おらっち、ほんとに空飛べます」
「えええええぇっ? ガチで、リアルナイト・グランド・クロス=ナイトハルトだ……」
「うひょひょ、それでは」
テレヴィ画面。〝ヤサとバイヤ〟……ふたりの名前か……これは……?
「ヤサとバイヤっていうんだってね」
「ふひひ……どっちがヤサでどっちがバイヤなんだろう」
「字幕の位置的に、爆乳のほうがヤサ、かな。エレーネ・トンプスンちゃん、エレキャちゃん、そして、ヤサでオッパイ比べしないとねぇ~」
「でゅふふ、そっちのほうなら、まだ、冷たくされすぎてはない。じゅるるっ! 待ってろよ、ヤサぁ……」
おらっち、延々と出続けるヨダレ、吸う。
「あの、これを……」
「うひょひょ、ケーキかな? マビ・スチーヴンスンちゃんの髪型みたいにふんわりしてる、美味しそぉ~」
ちなみにマビ・スチーヴンスンちゃんの髪型みたいなふんわりとは、クルクルしているというのとは違う。かわいい毛だお。
愉しいのはまだまだこれからだ! おらっち、ヤサ、バイヤの〝三位♂一体♀〟で魔街再訪:行けるか逝くか。わからないがおらっち魔街へ、イくよ
ネテリア・ニュートンの家の中庭。おらっちの女たちがおらっちの旅立ちのときを見ようとている。プロフェッサー・レェィトゥンシィ以外は、おらっちが特殊能力で浮遊しているところを見たことがないとおらっちは、把握している、実際そうだろう。
好きな女のオッパイの大きさも忘れそうになるおらっち、これは、実際に、オッパイをもっと知る必要性があるんだと実感。また、保健体育の授業としてでいいから、おらっちの女たちに、たっぷりと、教えてもらいたいものだ、その神秘も。
おらっち、浮遊。
おらっちの女たちは、おらっちの浮遊にもベタボレの反応。
おらっち、着地。
おらっちは、おらっちの女全員と、ひとりずつ抱き合った。恋しくなったのだ。そして、おらっちが、ブルンッ! と出した、腕で握手。
「あぁっ」
おらっちは甘えた。
本当は、ずっとこうやって抱き合っていたい。しかし、おらっちには、まだ、攻略しないといけない、女たちがいる。おらっちにはいっぱい夢がある。山の先っちょの色も見てみたいんだ。むしゃぶりつきたいんだ! うひょひょ!
「魔街出身と聞いていますが、魔街についてはどのぐらいの知識が?」
「プロフェッサー・レェィトゥンシィ、キミほどではないと思うよ。短期間の滞在だったからね」
「短期間の滞在……ということは、そのまえに、どこかにいたと……?」
「ああ、そうだよ。でもね、わからないんだ。ここは、まるで、そのまえいたところとは別の世界のようでね。ああ、おらっちの母国、そして、知っている世界の、あの、病んだ感じが行方不明なんだ」
「これは……。貴方はきっと、宇宙人とかそっち系のものでしょう」
「……なるほど、おらっちは、やはり、異世界に来ていたのか……うひょひょ」
「あまり、自覚はしていない様子ですが」
「どうしてだろう。きっと、たまたまなんだろうな。たまたま……うひょひょ! キミたちは、おらっちをたまたま見てしまったと! うひょひょおおおぉっ!」
「なるほど。べつにはっきりとしていなくてもいいでしょう」
「え? でもキミは学者だ。ネテリア・ニュートンちゃんだって、そっち系のことはもっと求めないのかい?」
「そりゃあ、貴方のことは、求めています。でも、もう神の領域というか……」
「求めきれない的な? おらっちは、神すぎると……」
「もう、ワタシ、つまり、ネテリア・ニュートンというひとりの作家、いいえ、他の作家も……〝貴方〟は語れる領域をこしています」
「もう、おらっちは、誰にも、追いつくことができない、存在と……?」
「はい。それどころか、追いついてはならない……。学者であるワタシをここまで、感じさせるなんて、貴方、相当の男よ。……でもね、一応、これもいっておく……」
「プロフェッサー・レェィトゥンシィ、もしかして、サトウ・ヒロシ、ゴッド=ヤマダ・カズシ、スズキ・Y・イッタのこと……? ワタシも興味があって……彼らに……でもね、ワタシ、タナカ・ダイ様、彼を一番手にしたいの。なぜならね、ワタシがリアルナイト・グランド・クロス=ナイトハルトを手にした、これはね、マビ・スチーヴンスンというライヴァル作家とのあらそいを解決させるし、プラス、マビ・スチーヴンスンだって、タナカ・ダイ様と付き合っていればそれはもっとあらそいの解決に向かわせてくれる」
「そうよ……でも、一夫多妻は賛成でも、女側が、男をたくさん欲しがるのは、だらしないことだと思うわ。ワタシはタナカ・ダイという、ひとりの男について、いく……ということを決めたの。サトウ・ヒロシ、ゴッド=ヤマダ・カズシ、スズキ・Y・イッタ……彼らをワタシは、写真で見たの……タナカ・ダイ様、貴方と同じぐらいのイケメンだったわ……でも、さっきいったことと同様、〝ひとりの男〟は決めないといけないの……だからワタシは、タナカ・ダイ様……貴方のことを開発した……」
「開発……?」
「ええ。ワタシが第2B地区施設にタナカ・ダイ様を連れいていくまえに、筋力トレーニング等の意味で、開発したのよ。タナカ・ダイ様はワタシによってつくられたとことは違うわ」
「たしかに……すごい筋力よね……ダンスすごいうまいんだもん……」
「ええ、あんなに気持ちいいダンスができるのは、きっと、タナカ・ダイ様、彼だけよ」
「ナイト・グランド・クロス=ナイトハルトの生みの親として、言わせてもらうけど、わたし、サトウ・ヒロシ、ゴッド=ヤマダ・カズシ、スズキ・Y・イッタというすごいイケメンたちより、愛着がわけるのは、タナカ・ダイ様、よ……」
「たしかに、おらっちは、ナイト・グランド・クロス=ナイトハルトとそっくりなんだ」
「それに、そういう関連性が、より、親しくできると……」
「うひょひょ、そんな、かけひきみたいなのはおらっちには無用だよ!」
「タナカ・ダイ様……」
「でゅふふうひょひょ、マビ・スチーヴンスンちゃん、メスの顔だお」
「あっ、もしかしてその顔、腰振りたくなっちゃいましたか?」
「うん、ダンスしたいお」
おらっちは、ダンス。ネテリア・ニュートンの中庭で、ダンス。いいね、野外ダンスはより興奮する。
ダンスして、ダンスして、数分後、激しいダンスが一旦終わった。またやるよ、当然。でゅふふうひょひょ。でゅふふぅ……。
「とても気持ちよかったですね」
「ああ、マビ・スチーヴンスン、キミとのダンスは、まるで、創作の中のようだね……でも、キミらほかの子とのダンスも、同じぐらいに気持ちいいことなんだ」
「貴方、そろそろいかないとつかまえられちゃうよ? あの、ヤサとバイヤ?」
「そうだったね。さぁって、どのぐらいで、到達できるのか?」
「すごい、早いわよ」
「うひょひょ、確かにおらっち早いでそうろう」
おらっち、飛翔。
おらっちは、上から、見た。おらっちの女たちが、おらっちにベタボレしている光景を。
おらっちは勢いよく飛んでる。
そうだ、どっちいくんだろう……まあいい、きっと、つけるさ。いろいろ旅してから、でもいいや、助けるの。おらっちは、自由な男!
おらっちは、魔街方面へと向かった。おらっちの勘での魔街方面へ。
おらっちは、魔街にふたたび、現れるんだ……強くなってさ。
もしかすると、見つけたかもしれない……。ヤサとバイヤ。
おらっちは、着地した。
「おまえ……」
「覚えててくれた? うひょひょ。追われてるんだよね? ヤバいこと、まきこまれたんだよね? ならさ、おらっち、そいつら、つぶすよ。一緒に来るかい? 魔街? 見てわかるとおり、おらっち、すげえ強くなってるからね。キミらの為に」
「おまえ……」
おらっち、ヤサとバイヤをかかえ、やや浮きながら魔街に向かう。魔街行き列車より、速い、おらっちでそうろう。
見覚えのある、地域。魔街だ。
魔街、再訪。
おらっちのほうを、見覚えのある、狂犬のような性格のヒトっぽいのがいる。こっちを見ている。おらっちは、狂犬のような性格のヒトっぽいののほうを見てやった。やつは、逃げた。おらっちが勝ったんだ……おらっちツエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!
おらっちは、開発されてて、わかるんだ……予知能力の一種だろう。愉しいのはこれから。さっきまでもまあまあたのしませてもらったが、本番はこれからだお。でゅふふ。
わかるよ。サトウ・ヒロシも、ゴッド=ヤマダ・カズシも、スズキ・Y・イッタも、ここで会う。
愉しみにしてなよ? うひょひょ。
魔街四天王
ワイ将のターン!
ワイ将のターン! だ。
ほんとだよ。ワイ将は、異世界に来るまえ、変なこと多くて毎日が暗く苦しくもう嫌だった。だが、もうこっち来てからは、そういうの、ゼロだよ。おっしゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああァッ!
「スズキ・Y・イッタよ。キミはマジシャン。この服を着てみたらどうだ」
「おおっ、これは。ローブっていうんですかね」
ワイ将は、イエイツに右半分紫色で左半分えんじ色のローブをもらう。
「ああ。これから着てみたらどうだ。もう、船から出て魔街にいく気にもなっただろ。もう着いてるがな魔街。だが、船から出てから、本当の魔街だ」
「ええ。これから着てみます。この船はいろいろとあって、遊びがいもあるので、いいです、快適な船で。魔街は不便そうだ、ってことで、いく気おちていましたが、いこうかな。このローブ見せつけにさ」
ワイ将は、ローブをすみずみまでチェック。うん、かっこいいローブ。
ワイ将、例のローブ着用。
「おお! 似合ってるぞ!」
「でもこれ、悪役っぽくないっすか?」
「いいんだ、悪人じゃなければな。それにしても、スズキ・Y・イッタ、キミは本当によくできた人間だ。いや、現人神だったか……悪人になろうとしない、そして、喪女を熱烈に愛していく姿勢。喪女を熱烈に愛していく姿勢を持っている善人は、さらに少なくなるものだからな」
「喪女ね。ふひひ。ワイ将としては、〝喪女〟よりも〝モジョ〟のイメージのが強い。モジョのほうはご存知ですか? ……イエイツ氏?」
「モジョな。知っておるぞ。モジョは、黒魔術的な、そっち系のことだろ。麻薬とも関係があるな」
「そうそう、よくご存知で。ワイ将が、まえいた地域では、悪人や麻薬の騒ぎが本当にたえない。いや、もうずっとそういう世界でいろよとかいうワイ将はワルですっていう主張ではないですよ」
ワイ将、スガワラノ・エンシちゃんのチチウエの祟りの件もあるし、いつどうなるのかわかりませんので悪人にはなれません。……ワイ将は、悪人ではないと自負している。ワイ将は、好きにこっちでヤりまくっているけど、迷惑じゃないし。むしろ超ヒーローって感じで。すげえ。
「魔街は、その騒ぎと通じるもの、あるだろう。しかし、スズキ・Y・イッタほどの素晴らしい男なら、何も問題ない、魔街で困るようなことはないであろう。好きなようにヤれるぞ。おお、ヤりまくったれ、ワシにもその光景を見させろ! 期待しておるぞ~。イイオンナと戯れるんじゃぞ~」
「あっなるほど」
「それではイこうか」
「はい、愉しんでイきましょうね」
「乃公も愉しむぞ、クレオッパイトランコも来い。折角だ。旅行! イっくぞぉー!」
ワイ将、先頭。中央。その右横に、ハーツマンちゃん。
ワイ将、先頭。中央。その左横に、クレオッパイトランコさん。
ハーツマンちゃんの横にイエイツ。
クレオッパイトランコさんの横にマスター・オブ・ジ・オキナ。
ワイ将、先頭。船から出てすぐのポジションを崩さずに魔街を歩行。
船着場から歩いて数分後、酒場周辺で賑わうところで多くのヒトとすれ違う。いや、なんかヒトじゃなさそうな、人外的なのもいる。ふひひ、なんか、サイエンスフィクションの映画みたいじゃん。あんまり映画詳しくないけど、まあレンタルショップバイトの経験あるから、なんとなーくは知ってるって感じ。
レンタルショップでバイト、これしていて、映画のケースみたりして、かわいい系の女優、知っちゃったりさ、あるんだよな~これ。ふひひ。アメリカの金髪子役の子とかね~、もう成人になってるけど。だから厳密にいえば元子役。でもハーツマンちゃんのがカワイイ、金髪女同士で比較するならね。まあ、ハーツマンちゃんは金髪でも、下のほうが、薄いけど。ふひひ。そこもいいね、なんか、ふひひ。……ぶひひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい! あっ、おちつけ、ワイ将。
もうほんとに、ハーツマンちゃんはワイ将の彼女でいいんだよね? そりゃ、興奮するよ。こんないい女を彼女にできるのはさ。だからもっと叫んでやろ、心のなかでなら、べつに迷惑かけないしいいよな? ……ふひひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい! おっしゃ、ヤってやるよ、魔街で。ワイ将が魔街制覇してやる。
「ちょっと見ろよ、あれ、大魔導師だろ?」
「ほんとだ! ……しかも横にいるの! あれ、マスター・オブ・ジ・オキナ様だぞ!」
「おいおい、その反対側にいるお方も忘れちゃいけないぜぇ」
「誰だよ」
「あの天才エンジニア、イエイツ氏だ!」
「ああ! ……あの!」
「イエイツ氏。名前と昔のモノクロ写真だけなら知ってたが」
「すげえ! 絶対大物魔道士だ!」
「なんだ~? 今日は魔街でバトルでもするのか? ヤバいやつら相手に」
「そうだろ。最終兵器みたいな存在かなんかだろ」
「やべえ! 興奮する! ついてこうぜ! バトル見よう!」
ワイ将たちは早速話題だ。
「なんかすごい騒がれてるね……ふひひ。ねぇハーツマンちゃんは、元から、エリートちゃんだったのかい?」
「それは……しかし、勉強熱心になったのは、高校の時から。そして、WITの首席になったんだよ」
「ふひひ、エリートコースに軌道修正した系か。WITね、いいね、貶さないよ。いるんだよ、教授でもね、他の大学を貶す人って、講義中にでもだよ。昔馴染がしたネットでのツイートから知ったんだけど。でもWITは名門校、貶しようがないか」
ワイ将の新たな旅、まだ始まったばかり、みんな期待しててくれよ。……ワイ将も期待してる。
Hカップ・Wカップ・Xカップ・アンド・Zカップオーヴァー
「ゴッド=ヤマダ・カズシ、だ。魔街以外はほぼヲレ氏の土地だ。今後、ヲレ氏は魔街も支配する」
「ゴッドヤマダカズシ? 偉そうだな。ほんとに現人神かなにかなのか」と、衛兵は言った。
「いかにも。……ヲレ氏を、知らないようだな。まだこっちにはヲレ氏の名前が広まっていないのか。ここは、魔街四天王ビル、だね? サトウ・ヒロシは、もうこの中にいるのか?」
「いいえ、そのようなものは入れていません」
「へぇ。でもさ、さっき車から見た時、こっちのほう、向かったんだけどな」
「まあ、魔街だ。魔街は、複雑な構造をしていて、一種の迷路のようにもなっている。霧もあって幻覚も見える。オマエたちは、格好からして、魔街のものではないな」
「なるほど。サトウ・ヒロシの幻覚という場合があるか。……そもそも、サトウ・ヒロシは幻覚の存在なのでは?」
「いいえ。そんな存在ではないんですよ、アナタ」
「幻覚、ではないですね……」
「あっなるほど。フレンチェとプリマがいうならそうなんだろうな」
「何しにきた」
「折角だし、魔街四天王、挑もうかな、と」
「オマエがか」
「ヲレ氏、なめてる?」
「魔街四天王は強いぞ」
「それは知ってる。なんとなくわかるんだ」
「それに、簡単に通すわけにもいかないんだ」
「でも、ヲレ氏、フレンチェとプリマも連れている、他の仲間だっている。これは大きいよ」
「そのようなことを言っても、魔街では大した影響をおよぼせないぞ。まあ、なんなら、この下の通路から行けるところの、元魔街四天王のものたちがいる格納所に行けば? そこから挑んでみたら? どうだ」
「元魔街四天王?」
「ああ。実は、ちょっとまえから、魔街四天王は、変わってな。ずっと、男が半数以上を占めていた。が、いまは、女だらけなんだ。女しかいないんだ」
「男が、女に、負けた、と?」
「ああ、当然のことだ」
「当然って……」
「ひとりだけ変わっていないのは、ひとりめの女。四天王内最弱」
「……なんか、特殊な事情で、負けた感じだ、そんな残り方は」
「確かに」
「色気で負けたんでは」
「そのとおりだと思う。そもそも、この魔街の主要ビルのバンガロービルを支配する、バンガロー御大将も負けた、その、女たちに」
「つまり、武力では、通用しない、相手、と」
「そのとおりだ。オッパイもデカい」
「カップは」
「ひとりめが、H」
「H? べつにデカくないんだが」
「え? デカいだろ。オマエの女がデカすぎるだけだ。Hカップって、いわゆる爆乳になるんじゃないのか。だから、さらしたがるんだ、そのぐらいになると。特に体にしか自信ないような女だと。そんなに、さらしたいなら、俺が、もらってやって味わってやるよってなるんだ。俺は写真蒐集家だ。だから、そういう写真、似たようなのイッパイあるよ。正直いって疲れたね、もうやめたい。ひとりでもいいから、爆乳の子嫁にして、リアルに味わえるほうがマシだ」
「でもね、ヲレ氏、皇族の男だよ? ほら、頭についてるのね、これ、王冠っぽいでしょ。そして、ヲレ氏もその写真蒐集の気持えらくわかる。ただでさえ、体じゃない画像も集めたくなっちまうヲタだからね」
「だからさ、この、魔街では、もう、そんなのも通用しないんだって。気持ちわかってくれるのは扠措いて」
「へぇ~。ヲレ氏はすごくないと見られるわけか」
「そんなわけはないぞ。身につけたメカ、容姿端麗さ……これは、いままでの挑戦者と比べ、すごいいいものを感じる」
「ふたりめは」
「W」
「デッカ!」
「……」
「あっ! フレンチェ! プリマ! へこまないでね! まだ浮気してないから! ……まだ……」
「次くるのは……Xだ」
「デケえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!」
「ああ。しかも全員、天然物ときた。カタチもいい。先っちょまでも、綺麗で、アートのようだ。しかもすげえクビレ持ちで太ももとかすげえいい質感があってだね」
「でも、まだ、ひとりいるよね……?」
「いるさ、Zカップ以上のがな」
「ゼットおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお?」
「ああ、ゼットさ。この目で見るがいい。……が、まずは、どんな男が、負けたのかを、見ていくほうが、いいと思うな」
「すごい、いかついんでしょ?」
「そのとおりだ。ザクヤさん、ユウジイ渠魁、バンガロー御大将……どれも、それぞれ、あるところでの、トップでいた。そして、魔街四天王と自然となっていった。だが、もう彼らは廃人というか、中毒者」
「中毒?」
「オッパイ中毒者だ」
「うひょひょ。その気持わかる」
「しかし、現魔街四天王のオッパイが欲しくても、立場上、負けてるわけだから、手に入れれないわけだ。完敗だ」
「あーなるほどなー、オッパイねぇ……大好きです。うひょひょ」
「俺もだ」
「まあ、なんとなくは知ってたけど。でもさぁ、早く現魔街四天王とあいたいよ!」
「ザクヤさん、ユウジイ渠魁、バンガロー御大将は、どうでもいいと」
「いいえ、興味はあります、が……オッパイのが見たくて。畸形だろうがなんだっていい、デカけりゃさ……」
「まあ、ということなら、入りなさい」
「やっほい!」
「ちなみに」
「ちなみに?」
「ザクヤさん、ユウジイ渠魁、バンガロー御大将たちがこのビルの地下にいる。それもその地下はとても深いし、広いからそれも迷路のよう。すごいよ。なんかね、やつの取得した情報が古いせいか、ある男は、元四天王のほうに会いたいって感じできてね、それは通したよ。彼、サトウ・ヒロシかもね」
「サトウ・ヒロシなんかよりもオッパイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!」
「まあ、ザクヤさん、ユウジイ渠魁、バンガロー御大将を見にいって、で? よりも、先にいまの魔街四天王に勝っちゃったほうが、かっこはつきますね、目の保養かと」
「うん、キミいい衛兵だ、ありがとう。なんかなめてるっぽいけど」
「魔街では普通の対応だから」
「Hカップ・Wカップ・Xカップ・アンド・Zカップオーヴァー」
ヲレ氏、オッパイと闘うぞ!
「おっパイロン」
看板を見て知った言葉、パイロンテンプル。
サトウ・ヒロシ、つまり、オレは、パイロンテンプルってところが気になるんだ。
テンプル……どういうことなのだろうか。おっパイロンもだ。気になる。聞いたことあるワードなんだが……。
「ねえ、ムロイ、パイロンテンプルって、なにかな」
「柱神殿。柱のある神殿ってことだろう」
「柱……」
「俺も気になった。その、パイロンテンプルってさ。絶対怪しいぜ、そこ」
「いこうよ」
「ああ、いくか。そもそも、ここらへんは、ビルが多くて、やっぱり、そういう、遺跡のようなところのほうが興奮できるってものだ」
「そうだ、オレも、興奮してる」
「もうか」
「ああもうだ」
「いいな。これも旅行だ。なんか、行き先間違えてたみたいだけどな。でもオーケー、パイロンテンプルで愉しもうな」
「おお、愉しもう!」
「でも、この、魔街……すげえ、怪しいぞ。パイロンテンプルなんて、もっと怪しいのいるだろう。どんなのがいるかの情報もない、だからこれはもっと危険な冒険だ。でもさ、安心する。まえいた世界よりずっと、いいほうにいってくっていうか。ある俳優がさ、すべて結局ウマいこといくんだと、言ったが……俺は、そんなこと、言われても、不安なんだ」
「だよな、オレもそう思うよ。逆にさ、ウマくイけるものなのかよ? ってキレちゃう」
「だよな」
「いいね、エリートムロイのこと、知れて。オレと考え一緒だとビンゴ! っていうかさ」
「元、だ」
「元エリート。でも、すべてが壊れたってのとも違うだろ?」
「どうだか……安心できないね。元いた世界だったらだが」
「確かに、こっちだと、なんか、そういうのもどうにでもなるって、キセキ感じちまうんだ。いいよいいよ、人生の転機きたぞぉ~」
門番みたいのが立つ、ドデカいビルがあるそのビルの横を通過するオレら。
「このビル、さっきあったビルとかよりも高いな、相当」
「すげえ偉いのがいるんじゃねえの」
「貴族か」
「魔街貴族ね~。どんなのなんだろ」
「ヤバそうなやつだろうか」
「だろうな」
数時間後。
「相当歩いたが」
「向かっている方向はあってると思うよ。駅の辺にあった、看板の地図見て確かめてるし」
「なんか、迷ってる感じ、ないか? さっきと同じ場所通過したとか」
「似ている風景ってだけだろ」
「まあ、向かおう、このまま」
「ああ。五本の柱があるみたいだよな」
「ああ、近付いたらわかるところだろう」
確かに。五本も立ってりゃ、目立つよな? 多分。
「よし! いくぞぉーっ! パイロンテンプルぅー!」
「いいスポーツにもなる」
「歩きだけどな」
「いいんだそれでも」
「あの学年で一番速いムロイの言うことだもんなー。説得力半端ねえ!」
「走るか?」
「おお、走る? 女の子たちのおっぱい揺れちゃうよお~? あ~、ヤイバは揺れないか? いいぜ、それでも、全然気にならないから! スキだよ!」
「ふ~ん」と、ヤイバはイった。
「よっしゃァッ! イくぞォゥ!」
オレたちは走った。なんかふざけててテキトーだけど、いいさ。愉しんでるならさ。まあ、ふざけるっていっても、逆走とかさ、向かうところそれるとかはしないよ。
揺れるおっぱい、おお、いいぜ、いい運動だ。
オレは、ジフ画像のおっぱいの揺れでは満足できないんだ。でも、あれ、よくまとめられてるし、人気なんだろうな……オレは、リアルで、おっぱいいい女と付き合いたい。誰か、おっぱいの関係だけでもいいから持たせてくれよって、さ。でも、もうオレは、爆乳っ子を手にした、少なくともふたりも。ムロイのとか入れると、もっとだ。学校でできた子も入れると計算できねえよ! ラッキーだ。おっしゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ! オッパアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアイ! ……そうだ。もっと、大きいおっぱいの子、いるのかな~? プリマ姫とか、すげえデカそうだったけど。あれは普通なのかなぁ? いや、学校で、他の子のもじっくり見たけど、プリマ姫、超おっぱいデカいよ。うっひょひょ~……。
「おっなんか景色変わったぞ」
「もっと荒れてないか? なんか。ビルが減ってきてる」
「あれかな。いいな。ほんとに神殿って感じだ」
「神殿か~。まえいたとこ、神殿らしい神殿はほとんど無縁っていったほうがいい」
「俺もなんだ。確かに、神殿は知ってるさ。見たこともある。でもだ、俺は、神殿は、もっと、こうじゃなくっちゃって思うんだよな、毎回。でもだ、あの、見える神殿は、ガチのだ」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ! 入りたいよおおおおおおおおおおおおおっ! パイロンテンプル! そして走ってる女の子のおっぱいプルプルぅ~! ふぉおおおおおおおおおおおおおおっ!」
「ゴッド、愉しそうだ」
「ああ、愉しいよ。ほんと。こっち来てよかった!」
「オレもだ! アハハ!」
「いい旅だぁ!」
「おおパイロンテンプルすげえぞぉっ! マジイースポットだ!」
「マジイースポット! ムロイおまえ評論家になれよ!」と、オレはイった。
オレ、爆笑。
1145450721
「で、ヤサとバイヤは、ザクヤという男から、逃げてきた、と?」
名乗ってきたのか? ザクヤってやつは?
「ああ……」
おらっちの攻略によってメスの顔したヤサとバイヤに歓喜のおらっち、つまりタナカ・ダイ。ナイト・グランド・クロス=ナイトハルトとも言われたけどね。
「うひょひょ。ともかく、おらっちが、そいつをやっつけるからさ! ……なんにしてもね、おらっちのあの力、見たでしょ? すごいよねぇ。この力強い下半身と上半身。頭はきっと悪いままだが……そのザクヤってのには、勝てるよ! ね?」
「勝てると思う」
「でしょ?」
「ザクヤは、なんか、西洋風の派手なスーツ着ていた」
「派手って、何いろ?」
「青」
「おらっち、血でその青色を、赤色に変えれるよ」
「そこまでするのか」
「ああ。キミたちをひどいめ、あわせたんだろ? 違うのか?」
「確かに、そうだが。こっちも、ああいったものに頼らないと……」
「あっ、そうだ、キミらって……悪い子? だよな? ……その、ザクヤっていうの、好きなんだろ」
「好きっていうか……」
「……好意はあったんだろ?」
おらっち、偉そう。エロそうな顔で偉そうにしている。
「まあ……でも、いまはおまえのほうが……好き……」
「うひょひょうっひょひょ~い!」
「怒ってすまなかったな。まさか、おまえがこんな力を秘めているとは……特に下半身は……ああああああああああああああああああああああああああああああっ!」
「うひょひょ! 感じちゃう? うひょひょ!」
「ああああああああああああああああああ! 感じるぅ~」
「うひょひょ! 強さに惹かれちゃうんだね うひょひょ!」
おらっち、ダンスの構えを、した。
パンパンパンパンッ! パンパンパンパンッ!
現在地は、超高層ビルの地下。
おらっちは、ダンス。すると、バイヤからも腰を振り出して、ダンス。
ダンス、ダンス、ダンス、アンド、ダンス。
どうやら、この超高層ビルの元々は編隊が得意分野の衛兵によると、この超高層ビルの地下には、ザクヤという男がいて、そのまえによった魔街の超スラム街のヒトのたまり場での情報では、ザクヤは、魔街四天王の真ん中あたりを半永久的に居続ける男なのだと、聞いた。というわけで、来たんだ、そのザクヤのいるビルにさ。
どうやって出会ったんだろう。ヤサとバイヤは、ザクヤに。
「ザクヤは、魔街を徘徊中、会ったよ。こっちは金もなく困っていて、店からモノ盗んだこっち側が、捕まっちゃってねぇ……で、ザクヤがそこに来てささらに、脅迫されたよ。逃げたね。まだ追ってるよ、きっと……でも、おまえがいるからもう安心。これからも守ってね……」
「うひょひょ、デレまくりやないか」
「あの、名前は……」
「ふひひでゅふふうっひょひょ。タナカ・ダイ。または、ナイト・グランド・クロス=ナイトハルト」
「タナカ・ダイ……ナイト・グランド・クロス・ナイトハルト……?」
「まあ、それで覚えてくれてれば、いいよ」
「そうだ。どうして、盗んだ? アタイたちを……」
「盗んだ? えぇ~と……えぇ~……」
「刀だよ」
「カタナ? ……ん~? え? ああ、そのこと知ってるの? バレちゃった?」
「……アタイ、あの刀なんだ。そして、莢のほうが、この、ヤサ。ニュースとか見て、アタイらの、名前、知ったんだろ? ああ、カメラで撮られたよ、助けてくれそうにないけど……あいつらにも、ヤバいおわれされてさぁ……」
「えええええええええええええええええええええええええええええええええ? それって、擬人化っていうか……なんか、擬態化……? 擬体か……? うーん、わからん! でもまあ、あの、刀がなんかなって、キミたちに、なった、と……」
「急激に盗まれて乱暴されるから、アタイたち、嫌になって、暴走、おまえを呪って、制禦もあまりできてないからなんか、アタイたちもこんな変なところにきた」
「そうだったんだ……。そりゃ……美しかったからさ。でも、あの最初出会ったあの時よりも、いまのキミたちのが、綺麗だ……」
「当然だろ……」
「まあ、そうだよね。おらっち、ヒト。おらっち、子孫繁栄を、人生の存在意義だって、いわれて育てられた。そういうの含めて、子孫繁栄は、ちゃんとヒトの形したものとしたい……その意味でもさ、ふひひでゅふふうひょひょ~はぁはぁはぁはぁあっ」
「そうだな~……おまえぐらいすごい力持ってて、ヒーローになれる男の遺伝子なら、欲しいよ」
「うひょひょひょひょひょひょ!」
「なぁ、ヤサもだろ? こいつの遺伝子植えつけられたいだろ? 気持ちよさそうだ。すごい強い子どもが産まれるぞ!」
「うん、タナカ様の子種なら、いつでも大歓迎です。イッパイ子供が欲しいよ」
「うひょひょひょひょひょひょひょ!」
「ひょ、が多い。アタイの時よりも。ヤサのが好きだな? この爆乳中毒者!」
「うひょひょひょひょひょひょ! チッパイちゃんでもキミぐらいのベッピンちゃんならイけますよ! うひょひょ!」
「……ならいいけど? ……」
「うひょひょおっ!」
「よし、ならザクヤをたおしにいこう」
「呼んだぁ? バイヤちゃん?」
「ザクヤだ」
「ああ? バイヤ、てめえ、なんかナマイキになってねえかぁ? そもそも、こんなとこ来て、殺されきたかぁ? ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ?」
「殺されるのはおまえだぞ、ザクヤ」
「おい、なんだ、その鎧着たデケえツラしたデブは、よ? ここはコスプレ広場じゃねえんだぞ!」
「おらっち、ナイト・グランド・クロス=ナイトハルト」
「それ、小説のキャラクターの名前じゃねえかよ! ……読んだんだ。なんか冗談抜きで傑作って話題だったからな……って……たしかに、おまえ、似てるぞ、ナイト・グランド・クロス=ナイトハルトそっくりだ! 作者の描いたイラストのまんまって感じだ! ……もしかすると、元ネタか……? ……あ? 実は、こんなところに元ネタ、と? ……でもな、この、ザクヤさんに喧嘩売っちゃあね、もうタダじゃすまないよ、かえさせねえよ? お?」
「おおおお!」
「なにぃっ?」
おらっち、気合を入れた。すると、毛が伸びた。なんか感覚でわかった。カブトを取った。毛が、おりた。おらっち、ロン毛だ。
「もしかして、さらなる、覺醒? ……新形態? ……うひょひょ! まあ元々空飛べるけど」
「その毛の長さ! 小説後半からのナイト・グランド・クロス=ナイトハルトと同じじゃねえか!」
「これ……イけそうな気がする……こうやってさ……」
おらっち、ヤサ、バイヤ、ザクヤは、廊下にいる。その廊下の左右にある、檻。おらっちは、ものすごく、理屈をこえたような力を自覚、両腕を、檻に向けた……腕が前ならえ的な伸ばしになる頃には、左右の檻を捻じ曲げつくした。ものすごい力。
「何だその力! ……あ? ……なあ!」
「……これがおらっちさ」
「このザクヤさんにまるで動じずにいてナマイキなだけあって、力は、モノホンのようだぁ……」
「ほら、さっ」
おらっち、ドヤ顔。クソワロス。
「チクショウめ。飛びやがった。あの鎧までも浮かせて……こっちの脳内ぶっ飛んじまいそうだ……!」
「おっぱい」
「あ?」
「おっぱい、プルルルルルルッ!」
おらっち、機嫌いいと、大好物である、母乳を想像して、より、ハイに。
「何言ってんだこいつ……おまえもおまえで別の意味で脳内ぶっ飛んじまってるよ!」
「このビル、全部破壊、できるかな。かもな」
「やめろ。ここには、バンガロー御大将、ユウジイ渠魁っつう、この、ザクヤさんでもこせない、大先輩方、そして、爆乳魔街四天王のお姉ちんたちだいるんだからな……たしかに、バンガロー御大将も、ユウジイ渠魁も、おまえには勝てねえだろう、そんな力があっちゃだなあ! ……だがな、爆乳魔街四天王のお姉ちんたち、こればかりは、おまえも、勝てっこねえよ」
「なにぃ?」
「ああ、かてんかてん、あれさ、人生の意味だから」
「人生の、意味? ……子孫繁栄!」
「そうだそのとおりだ。おまえは、あの爆乳魔街四天王のお姉ちんをみて、爆乳魔街四天王最弱のマンゴちゃんとでも子孫繁栄したくなるだろうさ!」
「なるほど……それほど、優秀な母体であると……」
「そうだ、超優秀な母体だ。なにせ、彼女ら魔街爆乳四天王は、ジムで毎日筋トレ、それでさ、すっげえクビレとかしてやがんの、うひょひょオッ!」
「うひょひょ。そうなのか。うああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
「ほらな。めちゃくちゃよろこんでやがんの」
「何だ、ザクヤ、おまえ、偉そうだな、たおすぞ」
「やめろよ……」
「やめてください。だろ?」
「やめてください」
「ならば、イかせてもらおうか、その、魔街爆乳四天王の、もとへ」
「ああ。イけよ……。言っておくが、あるナンバーを、知ってないと、会うのは無理だぞ」
「何?」
「ちょっとまえな、地下からじゃなくて、普通に正面から、この魔街四天王ビルに来た男がいてな。結局、そっちでもそれだ。そこでは、ユウジイ渠魁が、魔街爆乳四天王のお姉ちんたちとあわせないようにしている。ようは、ユウジイ渠魁に勝たないと、駄目なんだ。でもだ、下から攻めるおまえさんは、このザクヤさんに勝ったんだ会えるようにしてやる。1145450721、だ」
「1145450721?」
「ああ。これを、奥にある、エレヴェーターのボタンのとこ、打ち込んでみな。いけるんだよ、最上部に。結構上がるの速いぜ」
「1145450721……」
「ああ、それだ、あたってるよ」
「ちなみに、正面から、いってるのと、このようにしたからいくのでは、どっちが、楽か?」
「そうだな。まあ……どっちもだ。ユウジイ渠魁はこのザクヤさんよりもつええ。このザクヤさんは身長が六点五尺あるわけだが、ユウジイ渠魁は身長が七尺近くあるんだぜえバンガロー御大将はそれよりも高え」
「六点五尺とか七尺とか急にいわれてもピンとこないんだけど、まあ、わかった、あんた見て」
おらっちは、エレヴェーターに向かう。
1145450721……よし、覚えたぞ……! ……うひょひょ!
魔街四天王以上の脅威
魔街四天王以上の脅威(なら胸囲のほうは?):パイロンズ(?)
「あのもうすぐ着く、すっげえでっけえビル、って……」
「あれは、ユウジイのいるところだろう。魔街四天王ビルだ」
「魔街四天王ビル!」
「それよりおいあれはなんだ!」
マスター・オブ・ジ・オキナは遠くのほうを指さした。
遠くのほう。なにか、すごく光っている。だがその光は、赤い。……だが、赤いというよりも紅い。
「それは、マスター・オブ・ジ・オキナ、貴方のが、詳しいのでは?」
「あっあれは。魔街四天王ビルどころではないかもしれん!」
「もっと、すごい力を持ったものが、目覚めた、と……?」
「わからん。きっと、何か戦いが始まったのだろう……乃公の知識上、あの位置には、神殿がある。超巨大だ。それは、乃公の暮らすあの場所以上だ」
「えええええええええええええ! アソコよりもデカいのぉ! 神殿? たしかに! それは、ビルなんかよりすごいよ! ……おっと、こんなこと、魔街四天王ビル周辺でいうと、怒られちゃう……よな……? ワイ将自重」
「自重なんてしなくてもいい! スズキ・Y・イッタ! ……ユウジイはスズキ・Y・イッタのように、霊能力はない! 見た目もイケておらん! あいつは落伍者だ!」
「でっ、でも……ユウジイさん、だけではないんでしょう? その魔街四天王は?」
「当然そうだが。なんにしても、乃公ぐらいの権力者になると、魔街四天王なんかより、あの紅く光るほうにある神殿の五人のが強い!」
「神殿の五人……もしかして女の子!」
「……そうだといいな。なんにしても魔街は調べいくにも危険地帯だと認識している。乃公でも、よく知らん! だがな、ユウジイは、いったんだ……」
魔街四天王ビルの前に衛兵がいる。
「ユウジイ渠魁! このビルの地下にいるのではなかったのですか?」
「その情報は古い。地下にいて、現魔街四天王のお姉ちゃんたちを思い出して、会いにいったよ、全員と。もうボロ負けだ! まただ! ……でも後悔はしていない。負けて当然だあんなの! それに、攻めにきたのはメカ男! あんなメカまでつけて戦うやつに対抗する気はないね! 見苦しいわ! ……そういうと老害扱いだろう? でもこのユウジイには嫌なんだ! このユウジイは黄色基調で黒格子柄スーツを身に纏っていてこそだ。でもアイツはどうせ負ける! ……それに、このユウジイ! あのメカ男の連れている女たちにも負けた! なんだあのできのいいオッパイちゃんたちはっ!」
「確かにっ、私も当然ボロ負けですっ! ボロン! ほらっ! この貧弱な体! 体力面でも勝てるわけがありませんよ!」
「当然だ。衛兵の分際で、このユウジイと同じ結果だったみたいにいってるのは、このユウジイとおまえが同格みたいだろ! ボロン! ほら見ろ! このユウジイの体をおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
「そっそんなつもりでいってはないですよ!」
「……おっ、ひさしぶりだな、オキナよ」
「ユウジイ、ひさしぶりだな」
「そのスーツ……ワイ将がまえいたところの某キャラクターも似たの着ていました」
「うるせえ! パクりだっていうのか? ……これはこの世でこのユウジイしか着てはいけないってルールでな。このユウジイのコスプレ禁止だ、この世界ではな」
「ってことは、ワイ将がまえいたところではいいんだ。でも貴方様のようなしっかりとしたスーツではなくて、ダサいのですよ。ピークドでもないし。オーダーメイドなんでしょ? 貴方様のは?」
「なんだおまえ、異世界から来たとでもいうのか! そもそもそんなオキャルト、このユウジイにわからせれるとでも、思ったか?」
「はい。異世界人です。あと、オキャルトって、オカルトってことかな? なのでそっちのほうはわからないのでわからせれませんねきっと」
「しかも、霊能力持ち。ユウジイ、きっと、おまえのかなう相手じゃないぞ。……乃公は、だから、この男、スズキ・Y・イッタを買った!」
「すっげえマヌケそうな野郎に見えなくもないが、俗にいうハンサムだ。これはいろんなお姉ちゃんもメロメロだな、しかも霊能力者でオキナまでも認めてるときたか、この野郎ぉ」
「しかもゲテモノ巨乳好きときた」
「ゲヘヘ。……イけるかもしれねえ」
「どういうことだ、ユウジイ」
「この、スズキ・Y・イッタっつう男、魔街四天王攻略、イけるかもしれねえ。……だが、もう先着がいる。今頃……」
「メカ男のことか」
「ああ。だが、あの男、女連れだ。まあ、このスズキ・Y・イッタのように、霊能力持ちっつうんなら、女連れてても、結構修羅場になっちまうこともないか。ようは、魔街四天王、女連れて挑むとな、修羅場になっちまう、かも」
「まあ、スズキ・Y・イッタ、この男は平和主義的で修羅場をつくるような男じゃないって、思うのだが……」
「じゃあ、イっちまうかもな、全制覇!」
「早計ですよ~、ユウジイ渠魁」
「ザクヤ、どうした、おまえ、腑抜けた感じで」
「突破されちゃってねぇ。そいつ、バンガロー御大将のとこ、向かった」
「バンガロー御大将のところを突破すると、イパお姉ちゃんと会う」
「ああ……」
「イパお姉ちゃんのところ突破すれば、ばったり会うかもしれねえ、ザクヤ突破者のやつと、メカ男か、スズキ・Yイッタ、が」
「乃公の聞いている魔街四天王と違う」
「情報が古いんだ」
「もっとヤバいのが出てくるとはな」
「いや、いるんだよ、もっとヤバいって、ほかにさ。アソコとかさ」
「神殿……」
「そう、スズキ・Y・イッタは知っているのか、その通り、神殿さ。アソコ、神殿からの光。気になって見に行くやつらもではじめる頃だろうな。パイロンズを」
「パイロンズ?」
「元魔街四天王よりもすげえやつらだよ。ついに、カイホウされてしまった。五体が」
「どうだ、イくか? スズキ・Y・イッタよ?」
「あっイくぅ!」
クッソワロタな『おっぱい論』W
「ついた。ここの戸をあけると……H女か……」
「アナタ……」
「いいんだ、大丈夫。キミたちには、ヲレ氏好みのお顔とHなんかよりもジュウブンにデカ~いチブサがぶらさがっているからね……うっひょひょおうひょひょ~い」
「アナタ……」
「でゅふふぅうひょひょおっおっぱいうっひょひょおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ」
「貴方様……」
「よし、戸をあけるとしよう」
「じゃ~ん」
目をつむって、ドヤ顔で立ちはだかる美少女発見。露出度高い服。
「おおっ! そうやっておでむかえしてくれるその態度は気に入ったが……うん、やはり小さいな、Hだと。うひょひょ」
「きょ、巨乳慣れしてる!」
「巨乳どころか、爆乳慣れでしょ。飽きてないけどね、母乳も。ふひひっ、母乳」
「……強敵ね……」
「でも、キミの母乳も、美味しそうだ。あは! うひょひょ~」
「どうやって攻めよう……もぉ~!」
「うひょひょ、ヲレ氏に困惑ぅ~? かわいい子!」
「……当然よ! 美男で爆乳慣れしてるとか……もぉ~! ずるいよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
「うひょひょ、かわいいかわいい。でもヲレ氏はずるくないよ。ヲレ氏はやさしい。やさしいんだ!」
「たしかに……ね……たぶんだけど……」
「いいよ、ならね、ヲレ氏のやさしさ、みせてあげるよ。うひょひょ」
ヲレ氏は、H女に、抱擁。
「ちょっと……」
「ごめん、ね。メカが邪魔だったかな」
「このわたしっていう存在に、そのような抱擁をできる貴方は確かに、やさしいおとこなんでしょう、ね……」
「もっとやさしさ教えてあげるよ。ふひひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいん!」
「ああ、イイオトコ」
「うひょひょうひょひょおっ~」
「すごい油ね……量も、範囲も……でもなんかステキ」
「だろ? こういうところまでも好きになってくれるんだね、キミらって」
「キミ、ら?」
「ヲレ氏のね、嫁のフレンチェ、プリマとか、ね。知ってるかな。魔街っ子は、魔街以外は知らないん? キミの経歴とか、教えてよおっ~?」
「また、じゃ駄目?」
「いいよマタでも。でゅふふ」
「じゃあ、またで」
「うひょひょっ」
ヲレ氏、ダンス。ダンス、ダンス、ダンス、アンド、ダンス。
「マンゴ。このわたしの名前」
「うひょひょっ、マンゴちゃんね。うひょひょっ」
「貴方は……?」
「ゴッド=ヤマダ・カズシで、ごわす」
「ゴッド……」
「でもね、まあ、キミは、いいや。ああ」
「……そ、そうですよね……。このわたしごときの乳じゃ……」
「でもやさしいから、ヲレ氏。キミに消えろとかはいわないよ。じゃあ」
「ゴッド……」
「マタね。うひょひょ」
マンゴは、失恋のせいか……部屋から、外のほうにいった。
「ねぇ、貴方にかなわない、ショックか、外いきましたよ」
「うひょひょ。まあいいや。キミらのほうが、乳もデカいし、大事なのさ。うひょひょ」
「アナタ……」
「うひょひょ」
この魔街四天王ビル。マンゴの部屋につくまででも結構時間かかったんだ。次の、子のところにいくのはもっとかかるかもな。でも、なんか、綺麗なビルだし、愉しいよ、うひょひょ。
マンゴちゃんね……。いいよ、また会って、今度はメカなしで抱擁してあげるからね。よろこべよ、ヲレ氏にさ。
うひょひょ。
「貴方様、アレを」
「プリマ、どうしたんだい?」
「あの光。あやしいと思いませんか?」
「確かに。魔街の見せる、幻影だとか、なんか、そういうのと別な気もするわ」
「赤い……紅か!」
「確かに。あの色は、紅」
「アレおもしろそうね、ふふふっ」
「あっあなたは?」
「あっアタシ? アタシはねレビキュっていうの。よろしくね、イケメンさん」
「うひょひょひょひょひょ。何カップで?」
「Wです」
「W! ワラ!」
「ワラ?」
「ワロタ! クッソワロタWW」
なんか、ヲレ氏、うちの父親風に笑う。まあ、うちの父親はワロタやら、クッソワロタやらは、いわないが。
「……よくわからないですが……かっこいいですねっ!」
「すっごいデカチブサですね……ふひひ。こういったデカいチブサを見てよからぬことをしだそうとする息子扱いてやりたくなるといったできばえだ」
「うふふ。おもしろい例えですこと。お上手」
(……あかん! ヲレ氏、負けそう! 魔街爆乳四天王のふたりめでぇ!)
「うふふ。イケメンさん、なんか、逝っちゃいそうな、顔ですね? 逝っちゃいそうなんじゃないんですか?」
「うひょひょ。じゃあ、名案があるんだけど、ヲレ氏、あの光が気になるから、たたかいは、また、次回!」
「アタシもいきます、アソコへ!」
「……じゃあ、ここは、魔街四天王ビル。だから、ここから出る以上、決闘は、また次回、ここの闘技場、ようするに、キミの部屋でする、ね、でしょ?」
「いいですけどぉ、べつに、決闘は、アタシの部屋じゃなくてもいいんだけどね~。そんな、部屋内だけなんて、四天王らしくない。もっと、たくさん動き回ってこそのすごいたたかいでしょ?」
「でも、ビル内のが、ベスト……ね?」
「そうですね、じゃあいきましょう!」
ヲレ氏ら、外に向かう。
なんか、ローブ姿の男や、かわいい少女ら、威厳あふれる大人ふたり、そして、なんかヤクザじみたのふたり……ようは、魔街四天王ビル前では、人々が屯している。
「その、爆乳キムスメのお方は……ワイ将、スズキ・Y・イッタ」
「アタシ、レビキュと申します、よろしく」
「うひょひょ」
「スズキ・Y・イッタ……」と、ヲレ氏は言った。
ヲレ氏は、スズキ・Y・イッタという、新しい、ライヴァルと会ってしまった……間違いない、あれは、ライヴァルとなる、男。どうなる、ヲレ氏。
やっとなんか盛り上がりそうな展開なところでも廃人ふたりはこわいから逃げる! でも、今度からはもっと愉しく盛り上がらせてやるからなあああ!
急激にオレたちを邪魔したいかのように地から赤色の光が放たれた。
赤色。といっても、紅だ。とにかく、オレ、光って苦手だから、よく雨戸とかしてたなぁ~……そんなことより、逃げねえと! ああ、それにしても、こっち来てから、光も雨戸で遮らなくても平気! まあ、魔街は、太陽の光はないだろうけど。霧で、雲っぽくなってっちゃあなってる。って、逃げだ! だって、この光がヤバそうだから!
「なあなんだよこの光!」
「ゴッド! 逃げよう!」
「おお!」
オレ、ムロイは、逃げだす。だが、ほかの子たちは、逃げない? だと? なんだ、怖がってないのか? オレたちが廃人すぎて怖がりすぎなのか……?
「ゴッド、光浴びてないかっ?」
「ああ、大丈夫、なんとか。でも、どこまで逃げよう」
「とりあえず、あの光が見えないぐらいに逃げよう!」
「でもそれじゃあ、魔街、抜けないと無理じゃないかっ?」
「じゃあ、アソコだ! あの、魔街で一番、デカそうな、ビル、アソコなら、結構いいだろ、割と公共の場とかかもだろ! 衛兵いたから、説得させよう! オレは、きっとゴッドより、交渉は上手かったはずだ……元いたところではな」
「ああ! 任せた!」
「それにしても、あいつら、なぜ逃げない……アレが怖くないのか? ……まあいい、いまは逃げないと!」
「そうだ!」
逃げて結構の時間が経ち、また、逃げて、んで、やっと見えてきた、例のデカいビル。そうだ、レイノ……例ので、レイノを思い出したが……。霊体化して、いるのかな……オレの近く……。
「なんか、結構の人の数だな。やっぱり公共の場だ!」
「やったな! ……そうだ、レイノ、いるか?」
「ええ、いますよ」
「よかった、レイノは、逃げれるみたいだな」
「どっちみち、霊体化すれば、危険はないので、あの場にいてもいいですが……ヒロシくんが逃げるので……」
「いや、逃げれる精神をしていたことのほうに感心したんだ」
「そちらのほうですか……なるほど……ヒロシくんらしい……」
「だろ? 勇者の旅でも、逃げは選択肢の一つにあるんだ」
「でも、なんかあそこで逃げるのは勇者らしくないですよ……」
「いいんだよ、結果、こっちでなんかイヴェントがあるんならさ!」
「たしかに、それもありますね……」
例のビル、前。
「ワイ将、このレビキュさんみたいな、世界的スターの元子役女優、知っています。激似とかじゃないがなんか、感じが似ています。大好きです」
「ありがとう」
「何だあの爆乳!」
「ゴッド! それより先に中に入るぞ!」
「ムロイ! ホモだからってあっさりしすぎてるぞ! だが、ムロイのいうことも一理あるな……」
目的地寸前、内部へと入っていく。
「なんだ、あれらは。乃公たちをまるでどうでもいいかのように無視」
「サトウ・ヒロシ……」
「何! プリマ姫、アレがサトウ・ヒロシなのか! ……乃公の記憶上、ナマで見たのはこれで初めてだ……。だが、あまりにも、貧弱そうで、臆病な男に見えたのだが……ニセモノではないのか……?」
「まさか。あんなかっこいい人が……そんなにいっぱいいるはずないと思いますが」
「プリマ姫ほどの知識ある才女がそういうなら……否定するのも変だな」
「あの、ここに残ってもいいですか」
「ふ、フレンチェ! ヲレ氏を置いてっちゃうの? ……一緒にいこうよ!」
「い、いえ……でも、やっと、出会えたんです、運命の人、そして初恋の人!」
「な、なんか……ヲレ氏より、サトウ・ヒロシのが本命っぽい……?」
「いいえ、でも、アナタがプリマを愛して同時にワタシをのと同じことでしょ!」
「……うっ、うっ……あっ……言ったね、この夫である、ヲレ氏に向かって……」
「ごめんなさい……殴られるつもりで、いいました。わたしはサトウ・ヒロシにも本気です。でも! それはアナタに冷たくしたいからではないの! ……ああ! もう! ワタシ、だらしない! 乱れちゃってる……! あぁんっ! あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん! ゲームをスリープレイしたいのぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお! ミルクイイッパイほしいイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!」
「おお、これはすごい乱れようだ。あの、法皇の一族である、フレンチェ様が、こんなにみだれた少女だったとは、イエイツ、常識が覆りました……」
「殴るだなんて……ヲレ氏をすごいひどい男としてみてるみたいだ……めんどくさくて、いやらしいってさ……でも、いいよ、イッパイ甘えさせてくれたからね、キミの言ったことには嘘はないんだろうからさぁ」
「許してくださり、ありがとうございます……」
「しかし、あの光のもとへ向かうか、サトウ・ヒロシという超話題の存在のほうにいくか……イエイツ、わかりません」
「イエイツ氏がいうなら、それはガチなんだろう。ってワイ将思うね。ね? ハーツマンちゃん?」
「はい、あのイエイツ氏のいうとおりだと、思います」
「やっぱりそうだ。ワイ将の思ったとおりだ」
「乃公らにもっとも興味なさそうな恐らく従者のムロイというホモ男にも乃公は興味がある」
「ワシもだ。オキナよ」
「だろ?」
「あれ、相当かっこいい男でしたね、ヤバい」
「どこがだ? あんなゲテモノ初めて見たぞ!」
「マスター・オブ・ジ・オキナ様がいうなら……」
♂本番♀、これから。愉しみだおっ、パイロンズも
おらっち。到着した。確かに表示されている〝1145450721〟のナンバー。パスワードとして押したナンバーと一緒。〝1145450721〟……うひょひょ! すごい階だ! いぇ~い。
自動ドア、開いた。
「ザクヤか」
赤いスーツを着た男らしきものが、質のよさそうな椅子に座っている。おらっちのほうは見えていないようだ。
「いえいえ。ナイトハルトです」
「ナイトハルト? 誰だ。侵入者か!」
赤いスーツを着た男が、監視カメラで魔街四天王ビル入口を見た。
「待ってってば」
衛兵がふたりの侵入者をとめそこねたようで、衛兵、ふたりの侵入者を追う。それにしても、ロン毛な侵入者だな、ふたりとも……。おらっちも、ロン毛なのだが。
ロン毛な侵入者、ひとりはブサイクなんだけど、もうひとりがすげえイケメン。で、ブサイクのほうは小さくて、イケメンのほうは大きい。おもしろいコンビだな。おらっちほどは強くないんだろうが。
おらっち、強い。もう、ド強い。ヤバい。すっげえよおらっち。だからおらっち、もう余裕。
「コスプレかぁ? ふざけてんじゃねえぞ!」
「ふざけてませんよ! おらっち、コスプレしていませんから!」
「その一人称からしてふざけてるだろぉう!」
「これは、おらっち流の社交辞令っす!」
「わけわかんねえね! まあ、このバンガローに共感されても困るってものだがな!」
バンガローは、上に向かった。
おらっちも、追う。
数秒後。屋上。屋上! ……しかもすげえよ! なんか赤い光が見えるよ! 赤い。でも、紅いっていうの?
「絶景!」
「何よろこんでんだか、このバンガローに殺されにきたか!」
「うひょひょ、殺されるほうはオマエだよ……っ」
「なにぃ! ちくしょおおおおおおおおおおおおおらぁ!」
バンガロー、急に、固まった。
「あれ? おらっちまだなんにも発動してないよ? ……もしかして、コントロールがなってないのか? ……な? あれ~?」
「くそっ! ふざけんな! ……オマエ何した」
「おらっちの、エスパータイプの能力かも」
「オマエ……エスパータイプっぽくない外観なのにな……。ほとんど動けないぐらいに固められたからジェットで逃げてやろうって思ったが、これじゃあ、ジェットまでもイケねえ」
「まあ、ならさ、おらっちの部下になってよ」
「しゃあねえなあ……くそぉう」
「じゃあっ、さっきの部屋にいるね」
「コンピューターのデータ見るなよ!」
「え?」
「際どいからさ……」
「うひょひょ」
「なにがうひょひょだくそったれがぁ」
おらっち、さっきいた部屋に移動。
「そうだぁ。魔街四天王のお姉ちゃんに会いにいこうかな。どっからいくんだろ、ここと通じてるよな? 当然」
おらっち、バンガローに質問しにいこうと思った。
「あのぉ~」
「なんだぁ」
「どうやって、おりますか」
「何?」
「魔街四天王に会いたくて」
「あはははははは」
「……」
「ありゃオマエにも無理だろ。……だが……その能力とやらがあるなら……。場所は左だ。このバンガローの部屋の左側に、デケえ本棚がある。そこ、実は扉になってる」
「うひょひょ、いいね、その扉」
「そっから、いけぇ。そして、あの、方向、そしてあの紅い光は……パイロンズの、お目覚めだ……。このバンガローの師匠もいる……かなりの間、あっていないが……」
パイロンズ? え? さらなる女の子かぁ~? うひょひょ。でも、先は、魔街四天王っしょ? 早く会えるからね。でも、どっちのがいい女かっていうのにも、よるよなぁ、って、そもそも女なのだろうか。
「うひょひょっ愉しみぃ~」
「へっ」
おらっち、さっきいた部屋に移動。
「お~。この監視カメラいいね。あっ! こっから、見れるかも?」
おらっち、スウィッチ押して、いろいろと見た。
ほんと、いろいろ見れるね。うひょひょ! いいね~。うひょひょ。ほら、もっともっと、見せて!
おらっち、魔街四天王ビル前に屯する、少女をアップして見た。うひょひょ、かわいい。
おっぱいをズームしてみているおらっち。実際にあってみたほうがいいね、これは。どうせ、おらっちに惚れやがる。……あれ、でもさ、なんか、彼氏らしき、男どももいるよな……。あれは、おらっちのライヴァルとなる存在なんだろうな。
でも、魔街四天王のお姉ちゃんらしきものは映っていない……。もしかすると、映す許可をもらえてないのだろうな。
よし、なら、おらっち、魔街四天王のお姉ちゃんたちと会いにいっちゃうぞ~。ふぅ~!
おっぱあぁいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!
最上階だから、位置的に……これから会うのはZカップ以上の子か……。もしかして、あの侵入者らは、魔街四天王挑戦者か。だとすると、さっさと挑まないと! おらっち! おらっち、ナイト・グランド・クロス=ナイトハルトおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!
本棚! で……、押すのか? 引くのか? ……ずらすのか……。ズリズリって……。ズレた。
よぉしっ! 待ってろよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっぱいイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!
♂激動♀の兆候(まだまだコレカラダ♡!)、アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァッ♡! パンパパパンッ♡!
女だ。あれは、チャイナ服? か? もしかして、中国系か? ……いや、ただ、そういう服なのか……?
「ねぇ、キミぃ」
「あら、イイオトコ」
「キミってさ、中国系? オレ、中国のことよく知らないけど」
「中国?」
「あっ、やっぱりそうなんだ。ただ服がそういう系統のだけなんだ。オレがまえいた世界では、それ、中国の服っていうんだ」
「へぇ、そうなんですね」
「名前は?」
「淫」
「へぇ~、インちゃんか」
「はい、淫です」
「いいね、インって名前って」
「ありがとう。それで、きみたちは、挑戦者? あら、セクシーね。すごい汗だくよ」
「挑戦? なにを? え? ……たしかに、怖いから、必死ではしったが、これ、すごい速度ではしってきたわ……走るのはニガテ、マラソン大会は毎回嫌な思いした……でも今日のオレ、はえええええええええええええええええ!」
疲れながら、母乳飲みたい気分でいるオレ。
「どうやらその気はないようね。ここのこと、よく知らないの?」
「ええ。ただ逃げ込んだんでね。なんか衛兵、追ってきたっぽいけど、どうしてるんだろ……オレらを見失ったか。それにしても、インちゃんとは、ワイン、飲みたいね。オレ、ワインは飲んだことなくてね。母親と、昔だけど、飲む約束してたが、結局飲まないままだ。で、もう、こっちの世界きたから、もうほんとに飲めないね」
「あら、ならわたしを母親とおもって、ワイン一緒に飲みましょう? そうしてちょうだい? わたしの母乳も、飲んでくれていいわよ?」
「あっ、それほんといい。ガチで名案だ。ガチオーケー! イェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエッ!」
一方、魔街四天王ビル前。
「お? ワシの名前をよんだか?」
「違いますよ、きっと、〝イェイッ〟っていいたかったんだと思いますよ」
「たぶんあれは、サトウ・ヒロシの声だな。あの弱そうな感じの」
「え? だけど、そこにセクシーなところを感じるんですよぉお」
「ああ。プリマ姫もベタぼれにさせた、アイツの色気というものはけしからんレヴェルだよな、ワシもわかってる」
「階数的に、あの、ビル中間の窓が空いてる辺からだ。窓空いてるとこ、まだあるが、いまサトウ・ヒロシの声がして場所的に、いま、あの辺にいるよ。すごいのぼりようだ」
「スズキ・Y・イッタの霊力、それは、バンガローに使われた。乃公にはわかるぞ、バンガローは、いま――」
「つまり、それは、どこかで、バンガローが、弱っている、と」
「そうだ。なぜわかったか、気になるか?」
「いえ」
「それほど、スズキ・Y・イッタ、お主のことを、信頼し尽くしているというわけだ」
「なるほど! ありがたいお言葉!」
一方、魔街四天王ビル内。
「それでは、ここのこと、ちゃんと教えてあげますね……」
「あっ、オッパイデッカくなった!」
「ただ、下着を、脱いだだけですよ」
「なるほど、着やせしすぎていたと。しかも、その下着の取り方、すげえいい! 気にイった!」
「ここは魔街四天王なんです」
「魔街四天王?」
魔街四天王ビルってことだよな? 無論。
「勝てますか?」
「ナニで? ……」
「せいなる、イクサ……」
「せいなるイクサ! 興奮するわ!」
「きみたちどこからきたの?」
「パイロンテンプルだっけ? テンプルパイロン? まあなんかそんなとこ」
「そんなとこから! すごい人ら……ほんとに現人神かしら……神としか思えない色気の強さだったから……」
「キミの色気だってすごい。それにキミは、母親の代わりというか、お姉ちゃん、ちょっと年上の。いいよ、でも。充分母性はある、甘えたいね。母乳でカンパーイ! ……ヤろうよ」
「大歓迎」
「よし、じゃあ、イくぞ~」
「おテンポよく、ついてきてね?」
数分後。
「で、せいなるイクサは……? 戦う部屋にはついたようだけど」
「ふふ。わたし魔街四天王のメンバーじゃ、ないんです」
「あれっれ? え?」
「魔街四天王スペアなんです」
「魔街四天王スペア?」
「はい、いま、足りていないところを補うの担当よ」
「うん、なら補って補って」
「わたしは爆乳だと思いますか?」
「うん! そのカタチはいいね! 挿み甲斐ありそう。ぜひオレの女になれよ! イン姉ちゃん!」
「はい、いいですよ」
「あはは。もう〝戦い〟も終わっちゃったかな?」
一方、魔街四天王トレーニングルーム。
「おらっちのいま欲しい女見~つけた! ……うひょひょ」
「あら、はじめまして。ワ・タ・シ、Zカップ以上もあるから、ほら、寝たきりなのぉ」
「ふひひぃっ。いいね。なら一緒に寝ようか。寝やすいもんね、そのほうが」
「いいわよ」
「でゅふふぅひょひょ~!」
数分後。
「イッパイ出しましたね」
「うひょひょ、イッパイ汗かいちゃったお。ダンスしすぎたよ。トレーニングマジ愉しいお……懐かしい懐かしい、トレーニングヴィデオ買って、点けて、寝てる時も一緒に寝てたんだ、ヴィデオに出てくる女の子とね!」
「でも、やっと体感できたの? ここで?」
「まあ、アナタぐらいの爆乳ちゃんとは、初めてです。敬礼したくなります、同時に、前屈みになれます。あっそうそう。キミのほかの魔街四天王ちゃんの名前は? もっとも仲いい子は?」
「ウモよ」
「ウモちゃんね。ウモモオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!」
一方、魔街四天王メンバー、ウモの部屋で。
「なにぃ~? きっみぃ~? ……もう! かっこいいじゃないのぉ!」
「だろ? オレ、サトウ・ヒロシっていうんだ。情報、もう、キミのほうとかまわってる?」
「ううん。こっちの立場、見てわかるでしょ? もうこの身分じゃ、ヒトとかかわるのも難しくてね……」
「テーブルの上にオッパイドン! ……たしかにね、それは、テーブルさんも一生懸命だ。すげえがんばってそう、テーブルさん。実際その重さ、触ってみないとわからない……でもない、ねっ。絶対重いよそのオッパイ! ウモモオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!」
「テーブルペニスってナニ?」
「え? テーブルテニスのことかな? 卓球だよ! ほら、あれさぁ! きっとさ、ほら、キミの乳輪の大きさほどのピンポンダマっていうのでポンポンパンパンと。愉しそう! ヤろうよ! ねぇ、インちゃんも一緒にさぁっ! ほらほら、ピンポンダマと乳輪の大きさ比較してみるぅ~? そうだなぁ~、この辺玉はあるかな? おっ、あったぞ、オレの玉! 使えよな!」
「はい……」
「なんだよ、ノリ悪いのか」
「いいえ。ウモさんは、あくまでも、魔街四天王メンバーの身。それは、つまりナニを意味するのかというと、負けないことを目標としている。あなたに簡単に負けているようじゃ駄目! と、見栄をはるんですよ」
「ミエなんて……はってないから……」
「その態度そそるぅ~!」
「からかわないでよぉ!」
「おっぱいおっぱいすげえデケえよおぉい!」
「……もう駄目! きみのこと好きすぎてたまらない! だいてえええええええええええええええええええええ!」
「おっ、ウモちゃん攻略完了? チョロ! でもたまんねえよそこも!」
ん? ……何だ……? オレの体内を、何かが……これは、呪い? ……。
転移された。ここは、さっきの神殿だ……! ヤイバとサヤ的な作用か。
オレは、ついに……主人じゃないことが、バレた……?
どうなんだ! ヤイバ! サヤ!
こ、これは……あの、忌まわしい、中学時代の風景……。曇り空。部活中だ。ムロイがいる。この頃オレは、ムロイとなんて、話せる関係じゃない。ムロイが廃人? んなこといったらいじめ受けるような事件になるほどだ、ムロイは、廃人なんて思わせない、頃だ。とてもつかみどころがない、気持ち悪い、中学時代。べつに中学のときに限ったことではない。
オレの祖父は、オレに、この、孫であるはずの、オレに、気持ち悪いと何度も言った。糞が……チクショウ! ……この異世界は、いい場所だ。マジでいれて、嬉しいって感じた。奇跡だ。オレは、こっち来るまえは、何回か、生きることに価値はないって、ずっとおもっていたのに。
「ヒロムぅううううう! ファイトだ!」と、部員の観客は言った。
テニスグラウンド。この日は、雨がふる予定だが、晴れていて、他校との、練習試合の日。すげえニガテだった。嫌だ、練習試合も、普通の練習も。
電車で大金出して、聞いたこともないし当然いったこともない変なところにまさかの学校が、あってだ、そこでやった練習試合。なんでだよ、まるで、大会ですげえ上までいかないと対戦しないようなやつらのいる学校。いく途中には無人のゴム売り場、馬鹿みてえだ。
オレは、ムロイと同じ部活にいた。テニス部だ。最初バスケとか、入ってた。で、小学校時代とかの本当に最初は、卓球部だった。あんなのでもオレにはついていけない、結局すぐやめちまったよ。
ムロイは、ヒロムって名前だ。まあムロイも名前だけどな。
なんだよこいつってほどに背が高え。六尺以上って感じで中学生。怖えわ。でもそれは、オレに、というか、立場的に弱い人間にとっては怖いってこと。すげえモテてさ、あれ。でも、ムロイは、きっと、ガチのテニスの天才じゃない。なんか、そんな気はした。でも、そういう立場でも、上手くなれるからなんか余計に嫉妬できる。
なんだよ、この映像。でも、オレは、あの頃のように不快感を感じていない。わかった、これは、異世界で見ている、幻影だ。まえいた世界で見ていたら、こんなの、つらすぎるんだ。夢でもさ、焦るはずだよ。
「なんだ。教えてくれ。神殿の呪いか? 実は祭壇を荒らしていたとかか? なあ? ……おっぱい……おっぱいが懐かしいぜ! くびれも……。オレは嘘をついている……そして、ここにたちいって、呪われている? ……オレは、嘘ついたわけじゃない! いや、嘘だ」
オレはいま、宇宙にいる。
覚醒した。カイホウされたよ。あの、悪夢のような何かからさ……。異世界最高!
オレのいまの毛の色は、ヒイロ。
オレは、瞬間移動できるようになった。
これは、空想上おもいえがいていた、オレだ。
オレは、こっちにきて、さまざまな人々との交わりによって、強くなる。
オレは、また、強くなった。
オレは、宇宙ステーションの内部に移動。
オレの前に、きたやつがいる。そいつは、あまりにも、グロテスクな姿をした、塊だ。
なんとなくわかった、あれは、オレが元いた世界からやってきた。負を宿した肉体。肉体を焼いても、成仏できてないだかの、アレだ。あの塊は、この異世界を壊しにでも、来たのだろう。オレはわかった。勝てると。
この世界で、最強のオレは、元いた世界のだれよりも強い存在だということだ。
勝負だ。
格闘技経験ほぼ皆無なオレの無双バトルゲーム
ゴッドオブバトル
オレは、この異世界で出会う実質初めての敵である、目の前の〝アイツ〟に、小指で、ちょっとだけ、を、触れた。敵は、大ダメージを受けた。ウケるオレ。無双できる、と、ほぼ確実パーセントでおもった。
「ニッ」
オレは笑った。オレは、笑って出した息、これだけでも相手をさらに大ダメージをくらわす。
「わkzbがkじhがkgんbさがおあっjんjsかkjkふぁかなgkgんjががんkなかjgんじゃっかじゃうぃjっkjふぁにああkふぁじゃhfjふふふえgはっlqlhっjhgkjsjkbsgkjbsgっkっjsk,sbkjgkjsgbjkhkhfshhjskhjvdjsjgjkbhs,kんkbkん、kなsbんkfsrっjkjkyhgjっfgんcっshhんjhdfへひぇjhsっkhjgkhじゃdghだはdかdっjっ」
相手は、意味不明な言葉をしゃべりだした。
意味不明な相手の言葉、あれは、隠語なのか? ヤツは、ナニジンなんだ? ……もう、感情が壊れすぎてまともに話せないのか。でも、なんか、元は、ヒトだって、なんか、わかるんだ……あの質感っていうかさ。
「ニッ」
オレは、延々に笑う。
「pきじぇくぁhんm,hかhjksljkhっかkhjかkjはfhkんmjmsksぉdjgskhsgっs」
「うるせえぞカタマリ!」
オレは、蹴りを入れた。飛び蹴りだ。
オレ、続けて回し蹴りも。
この宇宙ステーションは、元からあったものなのだろうか? ……この奇妙なカタマリごと、転移でもしてきたのか。
電話らしきものがある。通じるのか。
オレは、電話っぽいのを使ってみた。通じた。何も電話番号は押してないが、通じた。
「こちら国立宇宙情報局」
「知らねえ場所だなァ」
「……だれだ?」
「スーパー=サトウ・ヒロシ……アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ! オレの女は無限大! ザ・ハーレム王なりィッ!」
「サトウ・ヒロシなんて研究員はいないぞ。ああ、ここはな、隠蔽された宇宙情報局だ。この秘密を知った以上、いまからオマエを抹殺しにいく」
「オマエから教えてきたんじゃねえのかァッ! そもそもここは異世界、オレっていう存在知らないなんて、ここの世界の住人じゃないな?」
「異世界だと?」
さっきのカタマリがちょっと元気を取り戻した、何だ、なんか盛ってるようだ。肥大してやがる。棒状のナニかが突起しだしたぞ!
「xes!」
「アァッ? 意味わかんねえこと言ってんじゃねえよぉっ」
オレは、なんか復帰してきたさっきのカタマリに殴りを入れてぶっ飛ばした。
「hjk! opp!」
「アァッ! hjk?」
「……OPPAI!」
「コノヘンタイヤロウゥッ!」
オレは、さっきのカタマリを殴り飛ばして壁にぶち当て、宇宙へ出した。宇宙で屁出した。
外にはもっとデカい宇宙ステーションがありやがる。あれ、さっきなかったはずだぞ。そうだ、わかったぞ国立宇宙情報局は、俺が元いた世界の隠蔽された機関だ。そうに違いない。
オレは、わかった。ホノオが、出せるって。
オレは、ホノオを出して、さっきのカタマリを焼きつくした。
オレは、〝もっと高いほうにあってデカい〟の宇宙ステーションへ移動した。
「xessex!」
まただ、さっき焼いた、アイツに似ている。対面時のキモさ、害虫みてえだ。
「ダマッテロコノヘンタイヤロウゥッ!」
オレは、大きなホノオを出して、また焼いた。また会ったさっきとは別のカタマリを。同種族だろう、さっきのとな。
また電話がある。よし、あの電話、使おう。
オレんちに、かけるんだ。あの電話でさ。まあ、電話機っていうべきか? でもケータイ電話とかって、普通に電話でいいよな? まあそういうのもあんだ、気にしない気にしない。
カカカカカッ、いいねえ、オレ、寛容になった。でも、オレは、なんにもあきらめてなんかいないぜ! オレは、この世界ですべてを手にしたんだよな。きっとそれだ、もうわかるんだ。おお、神よ……って、神はオレだああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ! ヒイロのカミ……ヒーローでゴッド……!
まだこっち来て蚊には会ってないぜぇ? カニ食ったけどなあ。
「OPPAI!」
上から天井突き破って、来やがったぞ……まただ……もっともっとデカいやつだ。キモいね。まえいた世界でのオレよりモテないと思うぞ、コイツ。
オレはよそ見しながら片手でホノオを放ち、さっきのやつを抹殺した。
オレはオレんちの電話番号を打ち込んだ。
「……もしもし、カアサン? ……」
「あんた……? もしかして、ヒロシなの?」
「ああ、サトウ・ヒロシ。あんたの子どもさ、カアサン」
「なんか元気そうね」
「はは、心配しただろうな」
「帰ってきなさい、あたたかく、歓迎するわよ」
「だが断る」
オレは電話をきった。
よし、今度は、ワルの家だ。オレを、いじめた、ワルの家を……。
まあいいや、あんなザコたち。
ていうか……さっきの、カタマリが、ワルなのか? ……。
まあいいや、さっきの国立宇宙情報局、なんかどっか訴えたら阻止できるのか? ……。
外を見た。さっきのやつらと比べもんになんねえデケえカタマリ、そして、顔の部分が、オレを熱田神宮で喧嘩挑んで倒そうとしてきたやつだ……そうそう、騒音者の……。まあアイツ、もともとデブいしな。しかも丁度中央に愛車のドうるせえエルグランドの黒色がハマってるし。何だアイツ? 芸人か? 体張りすぎだろ? 体張る度胸もないからあんな無粋な音で誤魔化してるのになまじダセえええええええええええええええええええええええええええ。しかもアイツの子どもと嫁まで埋まってやがんの。子ども多すぎだったもんな、うるせえし、ワルガキで犯罪ばっかしやがって……。しかもなんかカタマリの下のほう、短い細い棒が生えてるし。何だアソコ。
ホノオを放つオレ。が、なんか、さっきのようにはいかない。
電話が鳴っている。というか、声がする。
「プロフェッサー・レェィトゥンシィよ。機械をのっとって音声をおくっているわ。サトウ・ヒロシくんよね? 地上では、サトウ・ヒロシくんの勇ましい姿がいろんな人に見られている。世界が終わる日、それを阻止して! サトウ・ヒロシくん! あの気持ち悪いのから世界を守ってぇっ! サトウ・ヒロシくんは計算上、無敵よ!」
「……オーケー……この世界を壊そうとする悪をボロボロに壊してやる」
「おっぱぁい……おっぱぁい……じょしこうせいだぁいすき」
「アノヘンタイソウオンシャヤロオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!」
アンセムオブザムーン
オレを苦しめた騒音者のひとりであるカタマリ野郎は、オレのホノオの能力にビビったのか、オレの上を通過して、月のほうへと向かった。月を壊す気か? ああ?
オレを苦しめた騒音者のひとりであるカタマリ野郎は、移動、音を、騒音を、たてながら。
「ブブブブウウウウウン……」
「こっちでもそれか? ……でもね、もういまのオレにはね、きかないね。笑えるぜぇ。オレ、ツエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエッ!」
「ぶうううううううううん!」
「あ? なんだ? それで、対抗? おまえみたいなクズにとっちゃあ残念だが、もう無駄なんだよ」
オレのスウェットの上下の上のほうは特にボロくなってるのは、わざとだ。オレは、上のほうを焼いて、流離いの旅人的な感じにボロくした。自分で焼いてく。昔はいじめで焼かれていたが、いまは自分で焼いていても平気。オレは、ホノオの魔力を持っている。
オレにはもっと羽撃ける潜在性、ある。そう思ったからか。オレは、肩から、龍の羽根が生えた。レッドドラゴンの羽根だ! ……でも、赤い羽根募金のあの赤い羽根とはまた違うぞ。
え? オレ神じゃん? かっこよすぎじゃん? すげぇえ……。ずっと自分のことはキモヲタだって思い込んでた。でも、オレ、さ……いままるで、カリスマだ……!
オレ、龍人神!
勝手につくったワードだけどね、龍人神。
「ブウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウン!」
誰も聞いてないとそんな音鳴らさねえのにな。そんなに聞かせたいか? オレに? ……なんもいいなんて思えねえんだよチクショウ! オレのこの世界を壊すんじゃねえぞ!
もう誰もいないって世界で、それだと、その音も聞ける人いないわけだぞ? なのにその世界を壊そうとなんてするなやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああい!
コード進行もわからないんだろ? どうせ……。オレもだけどな! だってオレ低学歴なんだぞ? 廃人だ。そんなオレに安心感なんて。えるなよ? な? 不良? 不良品!
低学歴でダサいかもしれねえ、オレってさ。でもな、おまえらよりかはダサくはねえぞ! でもさ、なんか、オレのが頭おかしいって感じの風潮、それは、オレが、〝普通〟になれないからなんだ! 世間は、ヒトに普通であることを求めがちだ。なんか普通であることが偉いみたいな。オレはそんな世間許さねえぞ! もうようはないから、いいけどな。オレは、こっちの世界で、オレがおもうように生きていても、素晴らしい人だからさ! だから今日も愉しく、イきまくる!
この戦い終わったら、たっぷり甘えさせてくれよ、マイハニー?
パワーを感じる……ジュウマンコのパワーを。きっと、地上から、マイハニーたちが、オレにおくってくれているパワーだ。すげえ感じる。アッ、すげえ。あったかい。
「ぶぅん!」
「出たよ、なんだ? その屁みてえな音。でも平気さ。ヘーキヘーキ。感じるぜ、ジュウマンコのパワーをォッ! じゅうまんこおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
オレは、教祖になれるぜ。空飛んでるしな。アザハラっつう教祖よりも自由自在に空飛べてる。ほら、だってさ、アイツ、飛ぶのにすげえ必死そうだったし。アイツ死んだんだっけか? 弟子の〝ジョウユウ〟ってのは生きてるらしいけど。ジョウユウは矢澤エイキチのファンらしいが。似合わねえ、よな? オレの父親は、矢澤エイキチのファンだが、オレは別にいいと思わなかったな、矢澤。でも娘のアイドルやってる矢澤ニコルなら、まあまあ好き。
「ブゥン!」
「ふざけんじゃねえよ!」
オレは、ホノオのビームを放ち、オレを苦しめた騒音者のひとりであるカタマリ野郎の愛車の黒のエルグランドのフロントガラスを突き破って破壊。
「ブゥウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウン!」
「それでロックミュージシャンのつもりか? どこの音楽会社がおまえを採用してくれると思う? 音痴が」
オレの昔のあだ名の一つだった、月面。ニキビだらけでボッコボコ、それが主な由来だ。でもさ、オレは、月が変だなんて思わない。でも、オレの女たちのが綺麗。でも、月を! 月を失いたくはないんだ!
カート・コベーンだって、プロになるのに大金払って契約したし、中卒。うーん、そういうところも逆に好感度上げにできちゃうのも、矢澤よりかっこいいところ。プロになるのに大金払うのは、無能、そういうのも覆したね、オレ的にいうとだけど。最近のロック界で、稼げてる日本人は矢澤とホテーぐらいだって、さ。ふたりとも外国のロックにロックの洗礼受けちまってるやつら。でもなんだかんだで、日本もそういうアーティストに影響与えれているところがないといったら間違いだ。日本も捨てたものじゃない、とは思うところはある。でもだ、オレは、異世界、そうだ、このいまいる世界を、〝世界〟の基準にする気は捨てない、オレは、異世界のシンボルだ。これがオレのアンセムオブザムーン。月の讃歌だ。
アイ言葉は、「OPPAI」そして「ジュウマンコ」
「はぁあぁ~い」
「キミ、だれ?」
「君、うちきて、逃げたよね」
「あっ、キミは、あの神殿の子だね?」
「そうだよ、初期のパイロンズのめんどうを見た師匠さ。サトウ・ヒロシくんに、アイたかったんだよ。だからきちゃったよ。ワープできちゃったよ」
「サトウ・ヒロシ・クンニ?」
「うん」
「でへへ」
「えへへ」
「おっぱいでっかちだね。育ちいいでっけえチブサが浮いちゃってるよ、重力? ……ていうかキミはどっからきたの? なんも音もなく、急で」
「ワタシ、魔法使いだから。魔街でも大変有名、サトウ・ヒロシくん」
「あ~なる~ほど~。確かに格好も魔女っぽい。名前は?」
「マリア・T・クロウリー」
「へぇ、クロウリーか、いいね! ……それは、本名?」
「魔女としても、真名は教えないっ」
「そう。マリア・テレサ・クロウリー……」
「でも代わりに、こういうこと教えてあげるよ?」
「え?」
マリア・テレサ・クロウリーのオッパイ、ふくらむ。
「これで、きっとウチュウイチでっかいオッパイだよ」
「うはああああ!」
「うふふ」
「うはああああ! はぁはぁ……はふはふ」
「あぁもう嬉しそうだね」
「キミ……。いい子だね」
「あたりまえさ、ヒーローだからな」
「イイオトコ」
「んーとさ、なんかコードだっけ? 『発禁書目録』ってコンテンツオレ見ててさ、あれで、魔術コードみたいなの出てくるけど、それは? キミなら何よ」
「OPPAI100000KO」
「オーピーピーエーアイジュウマンコ!」
「うん、噛まずによくいえたね」
「キミこそ。噛まないテク持ってる。中でも歯立たせて噛むのって、ネットとかでも嫌われてるよな。キミにはそういうのないし」
「魔術コード普段はいわないように伏せてるんだよ。でもそんなことより見て、このよく育ったチブサを」
「ああっ、パンパン! パンパン。たまんねえ! 母乳あふれ出てきちゃいそう」
「シコってる?」
「見た感じ、こうやって外側から見ていても、シコってなさそうだよ。でも乳首はコリコリでシコってるか。アハハ!」
「ワタシ、いつも乳首ビンビンな体質なんです」
「オレと一緒に子づくりして、そのオッパイを息子にチュウチュウ吸わせてやりたいよ。ホニュウビンいらずさ」
「いい夢ですね。共有しましょう」
「マリア・テレサ・クロウリーちゃんの母乳マジウマそう。あこがれちゃうわ」
「のど、かわいてませんか? ワタシも手ブラ、だから飲み物は母乳ぐらいしか持っていません。まあ潮水もありますけど、物好きの方には、ゲロを要求されたりもしました。ワタシの母乳で補給してね」
「ぶうううううううううん!」
「なぁ、なんだアイツ。オレとマリア・テレサ・クロウリーちゃんがイチャコラしていて、嫉妬しちゃった? だせええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!」
「あんなの、ワタシの魔法で一撃でおっぱらえます」
「おお、おっぱじまってきたか……魔法と龍で、悪をたおすぞ!」
「あと、愛の力でもね」
「いいねえ、この絡み合い、チチクリアイ」
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
「おいおい。夫によく似てデブな嫁がオレとマリア・テレサ・クロウリーちゃんの理想のカップルって感じに嫉妬して吠えてるぞ」
「みっともないですね。どうたおしますか?」
「すっごい魔法、放ってよ」
「メギドフレイムオメガ」
「おっ、いい技名だ!」
「それでいきますか? アナタの騎龍の力があれば、メギドラゴンフレイムオメガプラスアルファエックス、やれますよ」
「キリュウ?」
「騎士と龍……アナタにはどちらの才覚もある」
「マリア・テレサ・クロウリーちゃんと、力を合わせてってこと?」
「そう。ワタシは変態扱いされていたけど、こういうときはちゃんとしてる、アナタと、あの、敵をたおそうって思えれる」
「あいつさ、いきどぐさいから。タバコも吸って食うものも臭えもんばっかで。オマケに歯医者もいってねえし歯も磨いてねえ。オレは、あいつに何年も騒音で嫌がらせ受けてたから、あいつのプライヴェートまで、知る程度に達したんだよ、ギャグみてえだろ」
「いやぁ……絶対結婚したくないタイプ。でもアナタぐらいのイケメンが不潔なのなら特別というか許せちゃう!」
「サイコウ、美魔法少女に共感された」
「うふふ。さぁ、ワタシが馬乗りするから。合体、させて?」
「いいよいいよ! どんときてよ」
「騎乗するねっ」
「うは。いい感触」
「うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ! ゴラ!」
「なんだよあれ。おいおい、あいつ。じぶんの子ども引き抜いて、投げてきた。どんだけ子ども思いじゃないのやら」
「ただの馬鹿よ。よしっ! 詠唱ヤるよ……? ワタシ、爆乳に育てることに命かけてるから。これがワタシの黒魔術。じゃあ詠唱イくよ? 我に捧げよ、爆乳のしもべたち。マワしマワしマワし、爆乳の成長速度を倍速化させよ。我の上半身弛緩哲学に帰結せよ、凄絶美を保ち続けたジュウマンコ小隊分のデカパイ哲学の心象風景を写生するものが九百七十八回目の子孫繁殖の礎となり、その子孫繁殖はやがて、演繹的自灯明に収束する定めなり。コペルニクス的転回という魔力思想を察知し祭壇にはアワビとミルクイとカズノコとケフィアとラーメンそしてクリとリスの物品を捧げ、あるいは、六百六十六年間の沈黙を破り、美酒を解禁させる饗宴とさせよ。漆黒のときは正の方向へ、鬱蒼は陽の方向へ。我が恩師の黙示録のときを精神世界に移行させよ、最後の審判と叛逆、いつかは、また来る、爆乳組成再生のルーティン、コれを我の胸にとてつもない揺れとともに鼓舞させながら疑問符には、だれにも触らせはしない――OPPAI10000KO! メギドラゴンフレイムオメガプラスアルファエックス!」
オレのホノオと、マリア・テレサ・クロウリーちゃんのダークヒーロー的な魔法が、融合、熱を情熱的に帯びた、その攻撃魔法のホノオは、的に向かって、大ダメージを与えにいこうと速いスピードで、飛んでいく。
「すげえ! よくあんな早口で詠唱を! 住職でも無理だよ! 声優になれるよ! ああ! オレの元いた世界の声優のだれよりもかわいいのに!」
見事直撃した。メギドラゴンフレイムオメガプラスアルファエックス。
さてどうなる……やったか! ヤったか! なんにしてもオレはヤりまくりだけどな! あはは! オレの女は無限大!
宇宙になった宇宙
クソバカノ・カタマリ(仮名)との延長戦
「マリア・テレサ・クロウリーちゃん、ちょっと、出すの寸止めしてもらえるっ?」
「いいよ」
「ありがとう」
「でもどうして。これがいわゆる〝寸止射出法〟?」
「そうそう、スンドメ! おっしゃるとおり、〝スンドメシャシュツホウ〟! ……オレの従者、ムロイに見せたくてさ。あいつを!」
「ああっ、あの嫌なやつね」
「そう。あれさ、滑稽すぎるだろっって。でもムロイをどう連れてこよう。マリア・テレサ・クロウリーちゃんは、ムロイの居場所特定すれば、ムロイを連れてこれたりするの?」
「ヤってみる?」
「うんうん、ヤろう」
ムロイがオレの横に現れた。
「ゴッド! どうしたんだよ、覚醒か!」
「ああ! でもさ、あれ見ろよ! 誰が来たと思うっ?」
「クッソワロタ! エルグランドまで来たのかよ!」
「ウェウゥ……デゥエップゥッ!」
「うわ、キメえ、なんだよ、あれ、なんかしゃべったぞ、キレてるのかもな。言葉理解してねえんじゃねえか? 日本語も。だから警察の言うこときけねえんだ」
ぶっ壊れな、〝デブグランド〟。まあ、壊れてるがな、まえから。ちなみに、デブグランドって、ムロイにさっき見せたあいつだぜ。
「オレもしたんだよ。うるせえからさ、警察に通報。でも、警察も馬鹿でさ、まるでやる気ねえ対応されたよ」
「ぶぅぶううううううううううううううううううん」
「出た」
「もしかして、アレ、俺に見せるためにスンドメを?」
「そうだよ。共有してこそたのしいのがコンテンツってものだろ?」
オレ、なんか、こっち来てから、〝共有の快楽〟ってもの、実感してしまった。
「ならあいつ芸人ってことだな! あんなたのしい芸人見たのはたしかに初かもだ。なんかグロテスクな塊にもなってるし。名前知ってるか? やつの?」
「クソバカノ・カタマリ」
クソバカノ・カタマリあるいはデブグランドっていったところか。
「おいおい。フジワラノ・カマタリさんみたいにいうね!」
「よっしゃ潰すぞ、あのクソキメえの、オレがあいつのせいで何回体ダメージ受けたと思ってやがる。ドヤ顔でなに屁こいてんだ? アア?」
「やっちゃえ」
「消えろ非国民!」
「失せろ人非人!」
「そうだ、もしかしてためた分だけ、損しちゃってたりとか、する?」
「ううん、これね、寸止めすればする分だけ強くなるの、出るパワーが」
「そうか! 人間と同じなのか!」
「あと格ゲーでもそういうの見たことあるぞ!」
「よっしゃなら出せえええええええええええええええええええええええええ!」
「うん! イっくよぉ~! ヒイロくぅ~ん!」
「ちょっと待って!」
「ナニ? またスンドメ?」
「うん。〝ヒイロ〟って、オレ?」
「駄目だった?」
「オーケー。でも、ムロイも、ヒロ付く名だから」
「ワタシは、緋色の髪したアナタにいってるんだよ」
「よっしゃアッ!」
「よし! イっくよぉ~! ヒイロくぅ~ん!」
「イっけええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!」
クソバカノ・カタマリ(仮名)にまた命中。さっきよりも、強い。
「あのね、あの技、トリックなの」
「え? トリック? クリと、リス? いや、なんもない。トリック?」
「くらったアイツは、脳が痛みを感知する前に、亜空間に、飛んだのよ」
「つまり、暴力してないってこと?」
「してない。でもね、よくきいてね? アイツは、犯した罪とあやまちの分、地獄を見ることになるわ。ジアポロンの地獄をね」
「『ジアポロンの地獄』! 変態作家ピエール・パオーン・パゾリーニ先生も映画にしたアレね!」
「いや、それとはまた違うわ。創作じゃなくて、ホンモノなのよ」
「アニメじゃない、みたいな?」
「そうね。もう、その域ではすまないのよ。創作、こえたものよ」
「確かに。オレ、ここ来て。もうわかったんだよ……アニメじゃないって……嘘じゃない……嬉しなきだ……」
「それにこの、風景。わかる?」
「あれ? ここは? どこ?」
「ジアポロンの天国よ」
「ジアポロンの……天国?」
「アナタは、ね……きっと、さっきのアイツをたおすために、感情を出しすぎたのよ。いいこと、しすぎたのよ。即天国イき、ということよ。アナタは、〝宇宙〟になったの。宇宙そのもの。アナタは、世界と一体化したの。それは、神、よ」
「ええええええええええええええええええええええええっ?」
「驚くことなんてないわ。アナタ、謙虚なのね、すべてを、持っているのに」
「オレ、オレ……つえええええええええええええええええええええええっ!」
「そうよ。アナタは、強すぎた。今後も、無論。アナタは、驚異を、壊したのよ。あんなの、どんな学者も来るなんて知ってない。たおし方なんて、知らない。アナタは、神なのよ。神じゃなくても、教祖だわ。ヒイロくん。愛してるわ」
「すげえ、オレの精神世界が、限界点を、こえたッ! って感じだッ!」
「アナタは、天空神殿に、まつられる存在となるわ。やっと、神が、降臨したって、ね」
「天空神殿? 柱神殿とは……?」
「違うのよ。天空神殿は、魔街から最寄りの皇居の上にあるの。アナタぐらいの飛行能力があればすぐついちゃうけど、普通の人はまずいけないわ。雲だらけ。視界も安定しなくて、飛行機でもいきにくい」
「やった、オレは、神だ」
オレ的、オレの人生エピソードⅠはここで終了! 次はエピソードⅡで!
SEX(=スーパーイーエックス):隠しステージの隠しダンジョン
この自分、プリマにも、同じように、思われているのだろうけど、フレンチェ……、サトウ・ヒロシが、消えてしまっても、挫けないで……。
「この城の上にある、神殿。そこには、神が今日、降臨するという予言があります。サトウ・ヒロシ様がこの世界を救ってから、この世界から消えてしまった……これは、神がふたたび世に現れる、というものを意味しているとなるなら、それは、間違いなく、あの、サトウ・ヒロシ様のことでしょう!」
「その通り。わかっている。あれほどの、神ワザ、あれは、神以外の何者でもない。いきましょう、この城の上にある神殿へ」
「サトウ・ヒロシ様のためにオフロの準備をしておきましょう。ダイヨクジョウ、うふふ」
「ほんと、いい提案、ワタシも手伝います」
「フレンチェ、サトウ・ヒロシ様とオフロは素晴らしい光景だと、ほめたたえすぎるのも、彼が消えてしまってからも変わっていない」
「うふふ、そうですけど……。消えた、なんて言わないで……」
「わかっています……でも……」
「そうだよね……。とにかく、あいにいこうっ」
「そうですよね。ワタシですらも、その神殿は、実際に見てもいない……。単に飛行船でいくのも、危険」
「と、なると、もしかして……」
「そうよ、その、もしかしてかもね。ドラゴンよ」
「ドラゴン。ワタシたちは、ドラゴンアンドドラグーンと、聞かされていました」
「ええ。それは、間違いではないのよ。なんたってね、ドラグーンは、降臨する神のこと。現人神よ」
「ドラグーンサトウヒロシ……」
「とてもお似合いですこと……」
「はい……」
「はやく再会して、ミルク、飲ませてあげたいですね」
「うふふふふふ」
この自分、プリマ。ドラゴンがいる、地下施設に向かうことに。
この自分の城の地下にある、例の地下施設。そのドラゴンは、賢いドラゴンなので、厳重な管理はしなくても、問題は少ないとされている。でも、しっかりとした鍵がかけてあって。まず勝手な入りは不可能なところ。霊、なら入れてもね。まあ、霊なんて入ってきたことはないかもだけど。
数分歩いて、そのドラゴンのいる施設に到着。
白い巨竜……、この自分、プリマになついてるの、けっこうかわいいんだわ。
白い巨竜、出口は上部。隔離されている、ここから出す、それには、上部を開くの。
上部を開けば、城の第一屋上に出る。この城は、第二屋上という、ロの字型で囲いのような屋上と、第一屋上という、エの字型の屋上があって、並べて、エロと上から見てよめるの。この自分、プリマは、その城の仕組みが大好きで、おもいだしたり、設計図を見たりするだけでも絶頂的陥落を味わえたりもします。サトウ・ヒロシ様も、気に入ってくれれば、いいなって。ね。嬉しいよ。でもわかるのよ、彼、サトウ・ヒロシ様がすごく、気に入っちゃうって。まだ、しっかり話ししたような、関係じゃないんだけど、やっぱり、彼が欲しい。この自分、プリマは、彼のことが大好きで大好きすぎて、たまらないのよほんとに! ……ああ! ……ああん!
いっくよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!
しっかりと貴方様のこと、受けとめるからね! だから、きてええええええええええ!
でも……この自分、プリマが先にいかなきゃね、うふふ!
ドラゴンはリフトであげられ、外へ、露呈。
城の外から、サトウ・ヒロシ様の不格好な従者のムロイたちは、登場した、ドラゴンを刮目した。
「白い巨竜だぞ! すっげえええええええええええええええええ!」
従者ムロイは大興奮。
茶髪のスズキは出っ歯をより見せ大興奮。
「皆さんも、乗りませんか? これから、この城の上に浮かぶ、神殿にいきます。この、白い巨竜に乗っていきましょう! 横に体の大きいヤマダ・カズシさんも乗っても全然平気ですよこの白いの」
「うひょひょおっ! 白いの乗りたいおっ!」
「不思議だ。ドラゴンっていうと、なんか、暴れて、叫んで、うるさい変なやつだって、イメージもないわけではなかったが、そのドラゴンは、めちゃんこおとなしい!」
「そうでしょ? 従者ムロイがいうとおり、この白い巨竜は、素晴らしい。聖人君子的なものを持っています」
「じゃあ、ゴッドは、その白い巨竜のことを、『オッパイせいじん君子』って、名付けるよ! 絶対そうだ! アイツ、そういうネタばっかり使ってたからさ! マジいい線いってるぜ!」
「ゴッド、とは、もちろん、サトウ・ヒロシ、様? でしょ?」
「当然ですよ! アイツ以外に神はいねえ! ……と思うし」
「あのヒトったら……もぉ~」
「もぉ~、というところからも、フレンチェ、アナタはウシのようね。きっと、サトウ・ヒロシ様も、アナタをかわいいウシのようにかってくれますわよ」
「牛乳好きかなあ?」
「ゴッドは、よく給食で出る牛乳瓶をクラス全員分落として割って怒られていました。牛乳っていうか、ミルク関連見るとすげえよろこぶよ、ゴッドは」
「やった! 嬉しい! もっとウシとして扱われたいわ! でもミスは……神の遊びよ、そんなの……」
「フレンチェのような大きいオッパイしたウシさんも、ちゃぁ~んと乗れます」
「もぉ、オッパイは、プリマのがおっきいじゃないの!」
「うふふ、でもウシさんなのは、アナタのほうよ、毛も白いし」
「いいわよ、ウシでも。サトウ・ヒロシ様に高需要家畜としては扱ってくれそうですからね~」
「ああ、そうでした。ゴッドは、カフェ・オ・レ、的なの大好きで。ウシは必需品は確定と思ってもいいでしょう」
「今から、あいにいくわよ! サトウ・ヒロシ様に。レッツゴー! ……だから、白い巨竜に皆さんも乗りませんか?」
「のるううう! うぇええい!」
一同は、愉しげに、同意した。
数分後、上空の神殿到着。数歩歩き、神の間にて。初めてみたけど、ただ、神殿があるだけとはすまされそうじゃないわね……。別にある異世界にも行けそうで、すでに、この着陸地帯からして、さっきいた地上とは別の世界みたい。
サトウ・ヒロシ様は、ハーレム。覚醒で生えた、羽根をベッドの代わりにして。
「よお! この子たち、パイロンズ!」と、ドラグーン・オブ・ゴッド=サトウ・ヒロシはイった。
サトウ・ヒロシ、彼は勇者なのだろうか。
バリ島冒険譚Ⅰ ムラニシタカ @vdanU-takamuranishi
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