バリ島冒険譚Ⅰ

ムラニシタカ

はじまりのはじまり

 これは西暦二〇一〇年代以前を纏めた伝記の一部である。


 告白します。わたくしことタカ・ムラニシは女性である。

 男性のフリをしだしたのは高校卒業後である。

 村西鷹という名前は本名ではない。男性としてふるまうためのものである。男らしい名前と言ったらこれかなという感じで、決めてからずっと変わらない思いです。

 首席卒業しても、進学先は一日も行かずに辞めました。

 ガール・スカウトの時、出会った子がいます。女性です。〝ルツ・ラウリッヒ〟という名前で本名、わたくしはこの名前が大好きである。

 ルツ・ラウリッヒはデンマーク出身。身長は百六十センチメートル台の後半。わたくしことタカ・ムラニシはそりよりも十センチメートルほど高い、百七十五センチメートル以上である。

 ルツ・ラウリッヒも男性のフリをしています。ルツ・ラウリッヒは幼少期から男性のフリをしているとききました。

 男性のフリをしていても長髪であることには変わりないのは、どこか、ヘヴィ・メタルバンド等の人たちにもわたくしたちは思われていることでしょう。

 そうです、実は女の子なんですよね、わたくしたちは。


 男の子のフリをして、男の子とも仲良くなりました。仲良くなった男の子の名前は〝ブレンダン・マクラフリン〟という名前です。

 ブレンダン・マクラフリンはバリ島に行きたいということで、日本人でブレンダン・マクラフリンよりバリ島に親しめてそうなわたくしをバリ島旅行に電子メールで誘いました。

 男女で旅行するというのは新婚旅行みたいなので、わたくしはルツ・ラウリッヒも呼んでいいかと、電子メールで訊きました。

 わたくしはルツ・ラウリッヒにも電子メールを送ろうと思いました。電子メールで、〝ブレンダン・マクラフリンからバリ島に行く誘いが来たので一緒に行かないか〟と送りました。

 ルツ・ラウリッヒから電子メールがとどきました。ルツ・ラウリッヒは行くことに決めたようです。

 ブレンダン・マクラフリンから電子メールがとどきました。ルツ・ラウリッヒの同行を認めました。

 バリ島には百二十日間滞在する予定とのことで、それは長いのか、短いのかは、進学先をやめてすぐのわたくしには感覚的にわからないかもしれない感じのところはあります。

 ブレンダン・マクラフリンにはわたくしが女の子だとは言っていません。ルツ・ラウリッヒにはわたくしが女の子だと言っています。

 ブレンダン・マクラフリンはワイト島よりバリ島が興味あるという思いに最近なったようです。ずっとワイト島にあこがれをいだいていたブレンダン・マクラフリンを変えさす魔力があったようです。魔女ランダとヴィシュヌ神の影響が大きいとのこと。

 バリ島に着くまではレディオカセットレコーダーで何かを流そうって思って用意しました。

 バリ島到着後、屋敷に向かいました。

 屋敷には長髪の男の人らしき者がいます。わたくしたち三人は長髪でバリ島に着いた身で、長髪という共通点が声をかけるきっかけをつくりました。

「マイネーミズ、タカ・ムラニシ」と、わたくしことタカ・ムラニシは言った。

 マイネーミズとはMy name isの意味がある。

「ハート・エールリッヒ」

 ハート・エールリッヒという名前だとおっしゃりました。


 庭にはランダの衣装を着て、ランダの衣装の口から顔を覗かせる美少女らしき者と出会いました。

「マイネーミズ、タカ・ムラニシ」

「……ランダ」

 本当にランダというのは冗談か。

 魔法美少女ランダ、すばらしいと、思った。

 美少女ヴィシュヌ、これもまた、すばらしい。

 グレート。

 エクセレントよりブリリアント、マーヴェラス、アウトスタンディングのが上のようだ。

 ブリリアント・マーヴェラス・アウトスタンディング。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る