特殊なスキルなんて必要ない。むしろ邪魔
つい先日、とある人が、
「一時間に一万文字書ける力と、アイデアが大量に湧く力。どっちがほしい?」
というツイートしていた。
だがマジレスをすると、「どっちも邪魔」である。
気持ちはわかる。
オレも、そういうのに憧れたことがある。
だが経験上、
「小説ってスキルで書くものじゃねーわ」
と、肌でわかったのだ。
というのも、スキルとか特殊技能で書こうとしている人は、書かなくなるからだ。
小説に限らず、イラストでも同じことが言える。
就職・結婚・育児など、ちょっと時間がなくなると、もう書かなくなる人がいる。
みなさんも、心当たりはないだろうか。
「えーあの人イラストやめたの? めっちゃうまいのに」
「うそでしょ? この人小説家書かなくなったの? めっちゃうまいのに」
という経験が。
オレも小説講座で、そんな人を死ぬほど見てきた。
文章講座で、天才的な感性の持ち主がいた。
だが、結局その人たちは小説講座の本講にまでは上がってこなかった。
書いているという話も聞かない。
たとえスキルや特殊技能なんてあったところで、
「やらない人は、やらなくなるだけ」
なのである。
つまり、必要なのは「書くのをあきらめない力」程度だ。
「普通の人でも書ける」のが、小説の魅力である。
特殊な技能、スキルなんてものは、持っていたとしても使いこなせなければゴミにしかならない。
また、特別な力をアテにする人は
「私はそのような力がないため、あきらめる」
と、筆を折ってしまうのだ。
必要なのは「スタートする力」と「継続できる習慣化」であり、それは誰でも持っている。
プロだって、最初は普通の人だ。
色々と時間を自分で作って、少ない時間で試行錯誤をして、ようやく昇りつめたのがプロだ。
そこに特殊なスキルなど、存在しない。
作家で研究者の森博嗣さんに至っては、
「集中力すら必要としない」
と、ご自身のエッセイで語っている。
「一日で一万文字かける天才小説家!」
という謳い文句だけが独り歩きしていて、先生は辟易しているという。
実態は、大抵スキマ時間で一時間で一〇〇〇文字書いて、その間は犬の散歩やら研究に費やしているらしい。
そういう中でも完成していく、できていくのが小説なのだ。
要は、モチベーションやら特殊技能に頼って書くってのは、幻想でしかない。
普通の人でも、普通に仕事をしたまま、普通に書き上げることができる。
小説の面白いところとは、そこにこそ存在するのである。
アイデアが枯渇しようが、文字が書けないくらい指が痛かろうが、小説は完成させられる。
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