ゼロ・ヒャク思考は捨てる

 精神科医・樺沢紫苑先生が警告する症状の中に、

「0点か100点か」

 という思考は、とくに危険だという。


 イエスかノーか、極端な二択ですべてを決めている思考のことである。


 これは非情に生きにくい症状で、うつになりやすいという。


 創作界隈でも


「プロにならないとダメ」

「書籍化していないとダメ」

「ランキング上位じゃないと認められない」

「そもそも小説が書けなければならない」

 

 と考えて、病んでしまう。


 だいたい多くの成功というのは「ぼちぼち」である。

 0点100点なんてまず取らない。

 だいたい70点前後だろうとのこと。

 しかしゼロヒャク思考の人だと、「70点とれても0点と同じ!」と考えてしまう。



 書籍化するに越したことはない。だが、

「すべての作家が、書籍化しなければならないわけではない」

 のだ。


 しかし、ゼロヒャク思考だとこうはいかない。


 樺沢先生は対策として

「数値化する」

「プランBを用意する」

 ことを推奨している。


 人の成功値を数値化してみると、案外65~70点くらいだったりする。

「だったらいいじゃん」と割り切って、100点だけ評価しないこと。


「プランB」」とは

「〇〇が うまくいかなかったら、☓☓しよう」

 とすることである。


 小説サイトだと、

「なろうで交流がうまくいかないから、ノベプラ行こう。ランキングに左右されないPIXIVもいいかも」

「R18書いてBANされたから、ノクターン行こう。あるいは自分でサイト作るのもアリかも」

「公募に出してもパッとしないから、ネットでリサイクルしよう」

「レッドオーシャンのジャンルでランキング乗らないから、敵の少ないジャンルを選ぼう」

 と言った感じである。

 このように、別の選択肢を用意しておく。


「小説が書けなくなった。じゃあエッセイ書こう。小説を読んで感想を書いていけば、作品のコツが掴めるかも」

「長編が難しかった。だったら短編で力をつける。あるいは短編賞を狙う」

「逆に短編はアイデア勝負だしランキング乗りにくかった。長編でジワジワ客を増やそう」


 という、プランを立ててもいい。

 つまり、失敗したときにすることを決めておく。


『失敗の化学』

 という本があるが、航空会社は失敗やトラブルが発生する度に、フィードバックして再発防止に努めている。


 逆に医療・法律業界はプライドが高い。

「失敗は恥」

 という考えがあり、しくじりから何も学ぼうとしない。

 それどころか、逆に意固地になってより失敗を繰り返すらしい。


 要は、プライドの持っていき方に問題があるのだ。


 オレだってつい最近

『「読み合いしましょう」と同じ文芸部の後輩宅に誘われたので自作ラノベを用意したら格ゲーに付き合わされた。読み合いってそういう意味じゃねえから!』

 って作品で、「カクヨムコン」に間に合わなくて、「HJ文庫後期」に投稿し直した。

  

 常に「失敗を想定しておけば」、失敗は怖くない。

 万が一失敗しても、それは「学び、のびしろ」という。

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