「一番以外はダメ」という思考が、すべてをつまらなくする

 現在北京五輪をやっている。


 しかし、あなた方は

「金メダル以外は意味がない」

 とか、思っていないだろうか?


 他のジャンルでも言えることだ。


「ランキング一位以外は意味がない」

「自分のフェイバリット小説・マンガ・アニメ・ゲームを序列づけ!」

「一度おいしいものを食べてしまったら、他のものが食べられない」


 これ、うちの母親も言っているのだが、

「自分は社会人時代に食べた塩ラーメンの味が忘れられず、今だにあれを超えるいっぱいに出会えない」

 と、ラーメン屋を見かける度に言う。


 これは、人生をものすごくつまらなくする思考だ。


 そもそもオリンピックに出ている時点で、その人はもう最強だ。


 ランキングに顔を出している時点で、その作品の面白さはある程度保証されている。

 自分に刺さるかどうかくらいである。


 映画、ゲームの好みだって、人による。


 序列をつけてしまって選り好みしていると、「わざわざ自分の好みのハードルを上げて」しまう。

 結果、「80点以上はムダ」と考えてしまう。

 手広く見なくなる。

「65点だが、自分には深くぶっ刺さる」という作品を見逃す。

 ジャンクフードも、存在時点で許せなくなる。

 

 オレも一時期そんな状態にさいなまれ、「地雷作品を恐れて、自分で探さなく」なる。

 他の情報に頼るようになってしまうのだ。


 また、自分がトップでないと意味がないと思っていないだろうか?

 ランキングに固執してしまうと、ズルに走ってしまう。

「結果がすべて」と考えてしまい、不正しても構わないと思ってしまうのだ。



 自分のなかのベストなんて、自分で決めていればいい。

 トップに固執する必要もないし、自分の中のベストを他の人の意見に擦り寄せる必要もない。


 第一、ベスト自体決める必要はないとさえ思っている。


 人は入っていないが、自分的にはおいしい。

 流行っていないが、そこそこ面白い映画もある。

 読まれていないが、自分にはツボる小説・エッセイがある。


 それでいいと、オレは考えている。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る