作品に、必要以上の価値を求めない

 作品が行き詰まっている?


 それはひょっとすると、

「心のワクワクが減っている」

 からかも知れない。



 精神科医・泉谷閑示氏の書いた

『仕事なんか生きがいにするな』

 という本によると、

「豊かになると、人は物事に価値を求めてしまう」

 らしい。


「働かなくても生きていけるのに、なぜ働いているのか」

 と、人は考えてしまうのだそうだ。


 人は価値を求めると、


「絵やゴルフ」などの「無価値だが死ぬほど好きな趣味がある」としても、「それに価値がなければ」仕事を優先してしまう。


「プロになるわけでもないから、やっても意味がねえ」


 と思って、やめてしまうのだ。


 そうすると、

「無価値だけど、心からワクワクするような体験」

 がどんどん減ってしまう、と。


 で、結局「価値はあるけど収入を得られる労働」に時間を費やしてしまう。

 うつ病の人は、この傾向が強いという。


 精神科医の先生が書いたので、説得力も高い。


 対策として、


『価値があることは、労働だけにして後は無計画に遊べ』


 と提案している。


 変に計画などを立てずに思い立ったら即遊べ、と。 


 この発想はなかった。

 


 オレも最近、いろんなことに価値を求めすぎて生きてきたなと思っていた。


 小説を書くときも「これは書く価値があるだろうか?」と考えてしまう。

 公募で勝てるかどうかを先に考えてしまうのだ。


 昔はもっと、思うままに書いていたはずだが。



 無計画に楽しいことがしたい。



 そこで、「自分の好きだけ垂れ流すページ」を作ってみた。


 ノンジャンル、文字数も自由。期限なし。ノルマもない。

 できれば毎日。

 小説で書くことがなかったら、最優先でこのページを埋める。



 で、ワクワクが溜まってきたら、公募に向けた作品に取り掛かるのもいい。

 自分の好きがわかった状態で挑むから、さらにおもしろくなっているはずだ。

 で、自分の好きと読者の好きをすり合わせると、なお最強かもしれない。


 そういうワクワクするページを、みなさんも作ってみたらどうだろう?

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