合わなければ、名作・ヒット作も無視すればいい

 これ、最近わかってきたし、多くのクリエイターさんたちが提唱し始めたことなんだけど、


「気に食わなかったら、名作やヒット作も無視でOK」


 と、強く思うようになってきた。


 昔は、「まんべんなくリサーチしなさい」みたいなのが普通だった。


 オレもそれにならって、色々な作品に触れてきた。



 ただ、わかってきたのは「こじらせすぎるとヤバい」ということだ。



 何がヤバいのかと言うと、以下の二点。



・好きを上手にアウトプットできなくなる

・ただの評論家かアンチになってしまう


 思考が評論家脳になっちゃって、「なんでも冷静に分析しすぎる傾向になる」ことが、実践してみてわかってきた。


 それだけならまだいい。


「アンチになってしまう」は、本当に時間の無駄だ。


 好きを発信すればいいのに、「嫌い」を発信する側になってしまう。


 そのうち、「嫌いを世に物申すようことが生きがいに」なって、たちの悪いアンチへと変貌する。


 最近多い、

「物申すと称して、嫌いなものをあげつらって悦に浸る評論家気取り」

 がすごく増えた背景は、こういった練習法を間違った結果なのかもしれない。



 そんな鍛錬は、さっさとやめたほうがいい。消耗するだけだ。

 そのうち、自分の大好きも発信できなくなっていく。



 断っておくが、これは説教ではない。

 あなたのために言っているのではない。

 自分がそういう状態に陥っているから、話している。

 単なる体験談ってだけである。



 オレも、最近「好きを発信する」エッセイを始めた。

 が、めちゃめちゃ失敗ばかりしている。

 好きを伝えることが下手すぎて、文章が面白くないのだ。


 これはイカンと思っている。


 なので、この原因と対策を考えているところだ。


 対処法としては、 うみはん先生著『漫画家庭教師なお先生』が参考になる。


 ここで提唱されているのは

「15分映画を見て、気に食わなかったら視聴をやめる」

 という方法だ。


 小説や漫画の場合なら、電子書籍で15%でもいいかもしれない。




 どういう訓練法かと言うと、


「海外ドキュメンタリーや、もうだれも知らないような過去の大作を調べてパクる」

 という技法だ。


 ヒット作から盗むと「パクリ」呼ばわりされるから、誰も見たことがなさそうなジャンルから盗めと。


 特に冒頭の15分は、作者のつかみ、狙いが込められているため、大変参考になるとか。



 序盤だけ見るか、読んでみるかで面白くなかった場合、

「その後に進んでも、あなたに刺さる展開は来ない」

 という。


 で、15分の間に「おっ?」と思える展開が始まったとき、

「それがあなたの書きたいもの」

 だとか。


 なので、最初の15分で見切りをつけるといいそうだ。


 オレも最近、最初の数ページ読んで面白くなかったら即切りする。

 名作でもヒット作でも「なんか違う」と思ったら、切っていい。

 苦手な作品の続きをウィキで調べてみても、やっぱり苦手な展開だった。


 それより、好きなジャンルを積極的に見る。

 苦手でも「興味が湧いたらラッキー」程度に留めている。

 だって、しんどいものに時間を使うのはもったいない。


 そうやって、最近は「好きのインプット」を大量に増やしている。



 まんべんなく調べる訓練法自体は、合っている。


 ただ、ムリに好きになろうとする努力はしなくていいということが、最近体験でわかってきた。



「なお先生」でも、大切なのは「映画を見ること」ではなく、

「苦手なものの『味見』ができるか」

 であるとのこと。

「がんばらなくていい。頑張るとすぐに嫌になる」とも。



 わざわざ苦手なジャンルを必死で会得するより、嫌いなものはほんの数%確かめるにとどめておいたほうが、精神衛生的に大切かと。

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