執筆に必要なのは、才能や努力ではない。〇〇だ。

「小説が書けない!」


 と、悩んでいる人は多い。

 

 あなたは何かを書こうとするとき、以下のことを考えてはいないか?


「うまく書く方法は?」

「起承転結って必要なの?」

「美しい日本語で書かないと!」


 最初からこんな構えでは、いつまでたっても筆なんて進まない。


 大事なのは、ポリシーとか創作論とか、そういうのではない。

 物語を作ることに、変に構えないことだ。


 下手でもいい。


 オレが最近アップした「トルコライス」なんて、

「カップルが古臭い洋食店で、トルコライスを食っている」

 だけである。

 

 単にモノガタリードットコムで、「大人向けのお子様ランチを表現せよ」とお題があったから書いたのだ。

 きっかけなんて、そんなものである。


 起承転結もクソもない。プロットもなにもない。

 オチだって、ただのアドリブでああなっただけ。

 仕掛けとか、メッセージ性とか、そんなものはドブに捨てている。


 オレに言わせれば、ただの習作だ。


 けれど、書きたかった!


「大人向けのお子様ランチを平らげる、バカップル」

 を、めっちゃ書きたい。

 で、コイツラの結末を、自分で想像してみたい。


 その衝動に突き動かされて、あの作品は完成した。

 

 誰かを泣かせるためでも、笑わせるためでもない。

 どれだけこちらに主張があっても、受け止め方なんて読者それぞれにある。

 なので、好き勝手書く。本能の赴くままに。

 ああ、これも短編どころかショートショートだからできるわけだけれど。

 


 オレがかつて小説講座にいたころ、生前の眉村卓先生の講義を聞く機会があった。


 そのとき先生がおっしゃっていたのは、


「とにかくモチーフ。内的な衝動が大事です」


 だった。


 いわゆる、内的な衝動が、小説を形作るのだと。

 


 ノベプラで質疑応答をなさっている、作家の森沢明夫先生も

「書きたいから書く」

 ことを大切に、とおっしゃっている。



 もし、あなたが筆をとることに戸惑っているなら、「モノガタリードットコム」をおすすめする。

 あそこは、毎回違ったテーマで作品を募集している。


 お題の制限時間もない。


 公募以外に、締切は設けていない。長編短編も関係ない。


 おそらく、もっとも書きやすい媒体ではないかなと。


 ほぼまったく人には読まれないが、その分気楽である。

 

 もし読まれたいなら、オレのようにどこかへ転載すればいい。

 ショートショートの公募に出すのもいいだろう。


 また、PIXIVとかも毎月テーマを設けて小説を募集している。

 あちらは、アマゾンギフトなどももらえるので競争率は高いが。


 きっかけがないなら、作ればいい。


「無性にこれが書きたくなった!」

 という衝動、きっかけが、物語を形作っていく。


 いい映画を見た。

 小説を読んだ。漫画でもいい。


 とにかく、きっかけ、モチーフを手に入れる。


 そうすれば、手は勝手に動くんじゃないかな。

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