「世間が同じような作品ばかり」と、悲観しなくていい

「ネット小説って、同じような作品ばかりで辟易する」



 また異世界か。

 またオッサンとJKの疑似家族モノか。

 また追放ざまぁか。



 オレからすれば、そういう意見こそ辟易している。

 聞き飽きた。

 二言目にはそれか。


 案外、「探していないだけ」だからだ。


 オレが入ったときのネット小説は、それこそ異世界が多かった。


 ところが、色々なネット発書籍ラインナップを見てみると、とんでもない勘違いだと判明した。


 異世界以外の作品、どんだけあんのよと。


 横浜の街が文字通りダンジョン化した『横浜駅SF』。

「世界一泣ける『たけしの挑戦状』」こと、『モノクローム・サイダー』。

 実写・アニメ共に映画化された『きみすい』。

 R18とも言えなくもない『イックーさん』……。



 そして何より、オレの運命を決定づけたのが『スーパーカブ』だ。


 つまり何がいいたいかというと、

「お目当ての作品は、探せばいっくらでも見つかるよ」

 ということだ。



 ノベプラの……正式名称忘れた。出版社『フューチャーコミックス』主催の「結婚コンテスト」だっけ? あれも、エロ描写に関してすごい物議を醸したやんけ。


 ところが、フタを開けてみたらどうよ?


『にいづましょうぎ』とか、めっちゃ面白いやんけ。


 将棋にハマってしまったダンナを振り向かせるために、自分も将棋を習う若妻の話なんだが、ヤバい。面白い。

 ちゃんと将棋がストーリーに直結していて、将棋知識がなくてもドラマで楽しめる仕組みになっている。


 この作品の何が素晴らしいかというと、

「ターゲット層が、計算し尽くされている」

 ところである。


・結婚:陽キャ寄りの象徴

・将棋:陰キャ寄りの趣味


 この二点を押さえてバランスを取っている。

 つまり、陽キャの陰キャも楽しめる仕掛けになっているワケだ。


 これは、なかなか思いつかないのでは?


 しかも、ドラマ性が強く出ている構成なので、将棋がよく分からない層にも十分

「何が起きているか」

「何が起きると主人公にとって不利益なのか」

 がわかる。


 上位を取る作品って言うのは、こういうことなんだと思い知らされた。


 まとめると、

「現状がダレてきたなーと思ったら、それは『別の場所へ行って新しい価値観を身につける』いいきっかけとなる」

 わけだ。


 おそらく、長くいすぎたせいで、自分の中でマンネリ化が進行している可能性がある。

 そこで、新天地に行って

「ヨソのサイトはどうしているのか」

「あまり調べたことのないあそこの新人賞って、どういうものを求めているのか?」

 など、研究してみるのも一興だ。


 ただそこにとどまって「違うモノを出せ」というのは、マクドに行って「そうめんを出せ」といっているのと同じなのである。

 今のマクドなら出しかねないが……。

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