「ワナビ」という言葉は、使っちゃダメらしい

 結構衝撃的なタイトルだが、実際そうらしい。


「自分以外のなにかになろうとする人は、不幸になるよ!」


 という実験が、2019年ニューヨーク大学で行われた。



 メンタリストDaiGoさんの動画

「目標を3文字変えるだけで【やる気が3年以上続く】心理テクニック」


 科学に興味を持った子どもたちを、


「あなたは、科学者に『なりたい』ですか?」


 と聞いた、何かの『存在』にスポットを当てたグループと、


「あなたは、科学をし『ながら』生きていきたいですか?」


 といった『行動』に焦点を当てたグループに分けて、後にどうなったかを追った。


「夢の達成率が変わるのかどうか」の実験だ。


 すると、衝撃のことが。


 なんと、「存在」にスポットを当てたグループは、



「三年以内に、科学者への興味が失せた」



 のだ!


 逆に、科学をし「ながら」生きたいという『行動』にスポットを当てたグループは


「何年経ってもモチベを維持した、あるいは好奇心が向上した」

 らしい。


 理由は、動画にて。

 4:16あたりからスタート。



 おとなになっても同じで、なにかの「存在になりたい」と思っている人は、モチベが続かないという。




 実は、思い当たるフシがある。


 小説講座の生徒に、「有名ミステリ作家」の熱狂的ファンがいた。

 しかし、彼女は作品を一切提出しなかった。

「あの先生には勝てないから」

 といって。


 ウチはガチガチの新人賞応募勢だ。

「応募前に指導を受けて、改稿して新人賞へ」

 という流れを作れるのが、ウチの強みなのに。

 

 結局、結局一作もまともな作品を書けず、講座をやめてしまった。

 デビューしたという話も聞かない。


 正直なトコロ、「この人、やめるだろうな」と思っていた。

 彼女は「作家にお近付きになりたい」だけであって、

「作品を書いて、面白がってもらいたい」

 という感情に乏しかったから。


 同じように、

「〇〇先生のようになりたいんです!」

 っていう生徒の作品提出率は、著しく低い。



 動画にあった理由を聞いて、「なるほど!」と思った。

 そりゃあ、やらんわ。



『存在』ではなく『行動』に目を向けるべきだという。


 自分は自分そのままと受け入れて、その上で行動を変えていく方が、実現性が高まるという。


 なので、夢を持つときは

「自分以外のなにかになろうとしてはいけない」

 らしい。


「どういう行動を取りながら生きていきたいのか、考える」

 ほうが、目標達成度が上がるという。




 最近、オレも「ワナビ」という言葉を使うのをやめた。

「オレは作家だ」

 と思うようになった。


 漫画家の「かいち」さんが

「志望者って書いちゃうと、そんな目でしか見られないから、ウソでも自称してみた!」

 とおっしゃっていたので、自分も真似しただけだ。


 しかし、それは実に理にかなった行為だったのである。

 



何かになりたいワナビ」という言葉は、逆効果なのだ。

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