無残に散ったその花は

苔田 カエル

無残に散ったその花は

とどかぬ心に どうして伝えよう

この白い薔薇の美しさよ

たとえ 全く同じとはいかないまでも

見姿みずがたに 心奪われぬ者などいようものか


響かぬ心に どうして伝えよう

この白い薔薇のかぐわしきことよ

たとえ 全く同じとはいかないまでも

彼の香りに いやされぬ者などいようものか


鋭く尖ったそのとげ

触れる程に刺す棘の その知恵は

誰かを傷つけようとあるものか

その名のもとに 振り上げようとするのなら


けがれようもないその花の

純白なまでの花の その花びらを

誰かの血をもって染めようなどとは

真紅しんくの薔薇に たとえどれほどこがれようとも

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無残に散ったその花は 苔田 カエル @keronosuke3

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