第3話 暴走と真のキングと終物語と

すると、ブラックハートは、

『あっ、うぐ、何だ!凄い苦し、あぁぁぁぁ』

と、突然また、もがき始め、また白目を向きながら発狂し始めた。そして今度は、白目を向いたまま、暴れ始め、周りにある木々を倒したり、色々な物を破壊して、辺りは地獄の様になってしまった。すると、カッカッと言う足音が聞こえ、誰かが来た。

『ハートさん、だよね?とうとう自我を失ってしまったか。でも、自我を失ったからってここをこんなにした罪は重いし、放って置けない。だから君には死んで罪を償って貰う』

と、言って、左手に持っていた杖を離し、剣のように持ち替え、タッタッタッと走りブラックハートの方に近付いて行き、杖を振りかざして小声で、

『この杖はねぇ、あんたのような柔い腕を簡単に切り裂くことが出来るんだよ』

と言い、振り下ろそうとした時、上の方から

ガサガサと音がし、

『どりゃー』

と言う声が聞こえ、剣を持った青年が落ちて来て、相手の左肩を思いっ切り切り裂いた。

『誰だ君は?今はワシとブラックハートで戦っているんだから邪魔するな』

と、言われたのでその青年は、

『俺か?俺はスペードだ。ここに居る知り合いを助ける為に来た』

すると、

『お前に治せるのか?』

と、言われたのでスペードは、

『あぁ、このポーションを使えばな』

と言って、背中に背負っていたリュックから、取り出し、ブラックハートの口の中に無理矢理流し込んだ。すると、

今度はブラックハートの体の周りに 緑色のような光が現れ、それが消えると、

『あれ、ここは?あっ、そうだ。俺は探し物の依頼を受けてここまで来たんだ』

と、ハートが言って来た。なので、

『ふう、これでハートを蘇らせることが出来た。なぁ、ハート』

『貴方、誰?』

『俺はスペード。お前がクラブやダイヤの手によって精神が壊れて狂っていたからそれをポーションで治療した者だ』

『あぁ、あの王の座を決める時に仕切って、下劣な事を考えてた……まさか、お前に助けられるとはな。ありがとう、助けてくれて』

『どういたしまして。それじゃあ、今敵が目の前に居るから倒さなきゃ。だから倒すの手伝ってくれないか?』

『うん。良いよ』

と、2人で話していると、

『おい、2人共。もうハートは回復したのか?』

と、ブラックハートを倒そうとしていた人にに言われた。なので、

『あ、昨日、助けを求めに俺の元まで来た人だ。もう大丈夫ですよ』

と、ハートが言った。すると、

『そうか。じゃあもうハートを倒す意味が無くなったな。それじゃあ2人共、元気でな』

と、その人は帰ろうとしていた。すると、

『ちょっと待った』

と言う声と共にダイヤと、クラブが現れた。

『お前ら、確かブラックハートに殺られた筈だろ?』

と、スペードが言うと、

『あぁ、それならクラブのヒーリング魔法で何とかしたよ。それより、さっきの借りを返してやるよ』

と言いながら、クラブは魔法で武器を生成して、攻撃を仕掛けてきた。すると、その人は、後ろからクラブの腕を目掛け、杖を振り上げ、振り下ろし、クラブの腕を切り裂いた。

そして、

『えっと、ハートと、スペードだっけ?お前らと一緒に戦ってやるよハートには昨日の借りがあるしな。俺の名前はキングだ。これからよろしくな』

と、言われたので、スペードは、

『本当?ありがとう』

と言って、キングを味方に付けた。

『ふ、敵が増えたか。まぁでも、腕が切れたとしてもまた生成すれば良いんだけどな』

と、クラブが言うと、切れてしまった腕の周りから緑の光が現れ、それが消える頃に、腕が元通りになっていた。

『この魔法は1回しか使えないからこんな早くには使いたくなかったんだが……完璧に誤算だ。だが、結局お前らを倒して王の座を貰えれば良いんだが』

と、言ってまた攻撃を正面から仕掛けてきたので、また、攻撃を受止めようとしたら、ダイヤが後ろに回り込んで、思いっ切りアッパーしてきて、キングは吹っ飛び、木にぶつかってしまった。

『うっぐ、なんか、力おかしくないか?』

とキングが言うと、

『そりゃあーそうですよ。力を増幅させる薬を飲んで来たんですから』

と、言われた。すると、 キングは、

『まじか。まぁ、でも、まだ、全然動けるがな』

と言って、口に付いた血を拭いながら、また杖を剣の様に持って、攻撃を仕掛けた。だが、一度も攻撃を当てる事が出来ず、やばい、強過ぎる。どう考えても勝ち目無いぞと思っていると、ハートが、

『ここは、俺ら2人に任せて、キングさんは休んでて下さい』

と、言われた。なのでキングは、

『大丈夫か?凄い強いぞ』

と言われたが、ハート達は、口を揃えて

『大丈夫』

と言った。なのでキングは、

『そうか。ならよろしく頼むよ。俺はお前に切り裂かれた左腕の応急処置をしてるから』

と、言い、戦いを、2人に預けた。

『さて、あんな事言ったけど、どうやって倒すか?』

と、スペードが言うと、ハートがこんな事を言って来た。

『あのさ、ちょっと試して見たい事があるんだけどやって見てもいいかな?』

と、なのでスペードは、

『あぁ、いいぞ』

と答えた。するとハートは、

『ありがとう』

と言い、左足を1歩前に出し、そこから思いっ切りジャンプして、クラブの背後を取り、素早く首にチョップを仕掛け、その次に、くるりと回ってダイヤの背後に回り込み、今度は回し蹴りを首に食らわせ、2人を弱らせ、その後に、お腹を1発ずつ殴った。

『ぐっは、お前を、倒すために、こんなに、頑張った、のに、何故だ、何故、負けたんだ』

と、2人は、涙を流しながら、悔しがっていたが、スペードが2人の前まで移動し、

『お前らは、ハートを傷付けた。この罪は重い。だから最期の言葉を残しておけ!』

と、スペードが言うと2人は、

『やだ、まだ死にたくない!』

と、駄々をこねるので、スペードはキレ気味に、

『そうか、それが最期の言葉か、それじゃあ、死んじゃえ!』

と言って剣を振り上げ、2人の心臓部分に、1発ずつ刺して行った。

『よし、これで終わり』

と、スペードが言うと、

『ちょっとこれはやり過ぎじゃない?まぁ、良いけど』

と言われた。なので、

『そうだね。でも2人も酷いことをお前にしたんだからお互い様じゃないか?さて、こんな所にずっと居てもあれだから、もう山を降りようか』

と言った。するとハートは、

『うん。キングさーん!もう山を降りるから来て』

と、キングを呼んでくれた。そして、それにキングは、

『え、こいつら2人を処分しなくて良いの?』

と、言うので、

『いいんです。どうせその内無くなるので』

とスペードとハートが答えると、キングは急に周りを見始め、

『ん?何かの気を感じる』

と、言いながら、キングが寄りかかっていた木の辺りを探り始めた。そして、キングは、その木の中心部分に穴が空いているのを見つけた。そして、そこを除き込むと、

『ん?何か鉄の塊が入ってる。何だこれ?』

と、言いながら、手を伸ばし、木に空いている穴からその鉄の塊を取り出した。そして、

『何だこれ?見た事ない。ただの鉄の塊でも無いし』

と、言いながら、色々弄り回していると、急に、電源が入り、ブラックハートがダイヤと、クラブを倒した時から、今の今までの行動が、全て動画として映っていた。そして、それを見たキングは、

『ねぇ、これ見て』

と、言いながら、ハートとスペードに動画を見せた。すると、スペードは、

『なんだこれは!クソ、あの2人、こんな事までしやがって』

と言いながらそれを踏み潰した。それからスペードは、

『よし、これでもう大丈夫だろう。それじゃあ、そろそろ山を降りようか』

と、言った。そして、

『うん』

と、2人は答え、山を降りた。

そして山を降り、城に戻るとハートは、こんな話を2人に持ちかけた。

『なぁ、2人共』

『何?ハート』

『あのさ、助けて貰った後にこんな事言うのも悪いんだけど、クラブとダイヤの代わりに城で働かないか?』

と、それに、2人は、

『え、逆に良いの』

と言われた。なのでハートは、こくっと首を縦に振ったので、2人は、

『じゃあこれからよろしく』

と、了承した。なので城の周りに国民を集め、話を始めた。

『皆!これから大事な事を話すから聞いてくれ!クラブと、ダイヤが裏切りを働いたため、2人を追放した。』

と、剣でクラブとダイヤを刺した事を隠して話し、この国から追放した事にした。そして、一昨日セットして置いた部屋を見渡し、録画出来る道具を下に落とし、

『皆!今落とした物に入ってる動画を見てくれ!』

と言った。そして、全員が見終わったなと、思ったタイミングで、

『なので今日から王の仕事のお手伝いをしてくれる人が変わるから、新しく入った人を、紹介していくぞ!』

と言って、2人を呼んで、隣に並ばせ、

『まず1人目は、スペードだ!そして、2人目は、キングだ!これから、この2人をよろしく頼む。』

と、2人を紹介して行った。そして、紹介が終わり、話が終わったので、

『それじゃあ話は以上だ!解散!』

と言った。すると、皆はまた、

《わぁぁぁぁぁ!》

と言いながら走って、家に帰って行った。

そして、ハート、スペード、キングは、勝負に勝ち、王の座に君臨し、それから争い事は起こらず、平和に暮らして行ったとさ。

めでたしめでたし




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スートバトルイズ2on3トランプ ナイトメアン @naitomeann

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