第33話マリンの今

「なんでや!」


マリンは声を荒げた。褐色の肌に茶髪のオールバック、今はTシャツにジーンズというラフな格好をさせさられていた


「なんでや!」


またマリンは叫ぶ。そして誰も突っ込まない


「くそっ、いつもやったらミズハが突っ込むのに……」


そのミズハがいない。里美が下に持って降りたと思ったらそれから戻ってこない


「なんかあったんか……?」


そういえば里美が見捨てるどうのこうの言っていたような……?


「まさか……里子に出されたんちゃうやろな?」


あんなに可愛がってもらえてたのにか?マリンは動揺する。明らかに贔屓されてたミズハが……まさか、そんな


「なんかあったんやろか?」


ミズハは手紙を書いてからそわそわしていたようだったし、里美も何かいいことがあったのかウキウキしていた


「手紙の持ち主とこんに行ったんかな?」


そうなったらワイは……


「うわぁぁぁぁぁあ!」


叫ぶ、叫ばないとやってられない


「一人やん!寂しいやん!どうしてくれんねん!!」


嘘だと言って欲しい。なんやかんやミズハは不思議な魅力があった。しゃべっていても楽しかった


「くそー、ホントに里美を呪わなあかんやん」


愛情の裏返しの嫉妬、呪いの原動力としては十分だ


「あかん!まともな考えができん!どないしよ」


マリンは考えて考えてひとつの答えにたどり着いた

「…寝よか」

明日になったら解決しているだろう

そんな軽い気持ちでいた

ミズハの気持ちも知らずに


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ドールに転生しました!?(修正版) 冬倉朱華 @takahara1022

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