サユリさんは法律の世界に生きてきた人だからタケさん以上に堕落した人も沢山目にしてきただろうし、自分なりの線引きは出来る自信があるんでしょうね。
作者からの返信
いつもご愛読いただきありがとうございます。
まだ残暑厳しい日が続きますので、どうかご自愛を!
その通り、サユリさんは自分なりの線引きを大事にしたかったわけで、
それについて他人にあれこれ指示されることにウンザリしています。
ここでの主人公は”口うるさい大人や先輩”の象徴として描いており、
ついあれこれ他人領域にまで踏み込んで、
相手の自主性を奪う人間として配置してみました。
旅がそれほどすごいこととは全く思っていませんが、
何の責任も背負わされない状態なので、
短期間で相手の本質が見えてしまいます。
お金の使い方、欲との付き合い方、人生観など、
本来長い付き合いの中で見えてくる部分がすぐに見えてしまう。
学生同士ならそれほど差はないのですが、
大人から見るとまだまだな部分が見えてしまう。
私も旅で、芸事で、さんざん先輩たちに怒られてきました。
近づいてはいけない人に無邪気に近づいてしまったり、
安易に命を削るような生き方をしていたり、
その都度小言を言ってくれる人たちに囲まれていたので
大きく道を外さずに済みました。
ただ中には「おまえはこうしろ」と決めつけてくる先輩もいました。
そういうの嫌だったなぁということを思い出し、描写に乗せてみました。
いつもコメントありがとうございます。
励まされます!
お互い信頼が生まれそうな予感?
最後のところホッとしました。
作者からの返信
ご高覧ありがとうございます!
会社でもこれに近い相関関係を知っています。
新入社員Aは根はまじめで頑張り屋さんなのですが、素直に「わかりません」「教えてください」と言えないタイプ。妙に意地を張って自分で全部を抱え込んだ結果、先輩たちから総スカンをくらっています。
そこに手を差し伸べたのは先輩B。彼は折り紙付きのクズ社員で、わざとウソを教えたり、面倒な仕事を押し付けたりするタイプで、彼もまた社内中から総スカンを喰らっているのですが、陣営を築くため、こういうちょっと会社社会になじめない感じのコをいつも取り込もうとしています。
新入社員Aと先輩Bの急接近を警戒したみんなは、今になって必死に引き剥がしにかかりますが、「私はB先輩を信じてますので、余計なことを言わないでください!」とますます意固地になり、とうとうダークサイドに落ちていきました。結果として新入社員Aは半年後に突然会社に来なくなり退社しました。この場合私も含め外野C群にも罪があり、新入社員Aを型にはめたいい子に育てようとした結果、最初の段階で反発を招いてしまっています。
それぞれにそれぞれの問題がある。
主人公はサユリに対して淡い気持ちを持ち始めているけど、それを力づくで否定し、「恋愛なんてもういらない。そもそも俺は一人になるために旅に出たんだから」と自分の殻に閉じこもろうとする。
サユリはサユリで自立していると思っていますが、かなり危なっかしいところがあり、言語もできないし、結局誰かを頼るしかない。だけど素直じゃないので、頼るべき人を間違えてしまう。
ヒッピータケは主人公よりも旅においては先輩ですが、御覧の通りのろくでなしです。ただ根底に寂しさを抱えており、やはり肯定する人たちに囲まれていたいと思っています。
さて、この後パリに到着します。
そこで主人公は、破り捨てたはずの過去を思い出し混乱します。そう、シドニーのホテルで働いているあの人のことを…。さてさて、どうなるやら。お楽しみに!