②嘘をついたねこくん
いぬ「ねこくん。さっきまでの話は全部嘘だったのかい。」
ねこ「い、いや、そんな話僕は知らないよ。やだなぁ、へびくんも犬くんもどうしてそんな嘘をつくんだい。」
いぬ「言い訳はもう聞きあきたよ!」
ねこ「い、痛い! 許して!」
いぬ「どうしてあんな嘘をついたの。」
ねこ「僕は……一人で神様になりたかった。みんなが信用できなかったから」
うさぎ「竜さんはねこくんの話を聞いて、みんなに手伝いを頼んでいたみたいだよ。みんなも嫌な顔すらしないで手伝っていたよ。」
いぬ「みんなねこくんを信用していたんだ。だから、裏切られて怒った。だからねこくんもみんなを信用したら、優しくなったらいいんじゃないかな。」
いぬ「噛みついてごめんね」
ねこ「僕も、ごめん。みんな、ごめん。」
神様「動物たちはそれを聞いて、みんな空へと飛び立っていったぞい。じゃが、ボロボロになったねこくんの元に最後の一匹が現れたのじゃ。」
いのしし「あーあ遅くなっちゃった、次が12匹目だ。でも先にねこくんがいたから、諦めるか。」
ねこ「いのししくん。最後の競争をしよう。」
いのしし「そんな体じゃ無理だよ。神社まで運んで上げるから、ほら乗って。」
ねこ「ありがとう……ありがとう……!」
神様「いのししくんは自分の背中にねこくんを乗せたんじゃが、ねこくんはゴール寸前にいのししくんを力一杯押したのじゃ。」
いのしし「ねこくん、なにしてるの!?」
ねこ「大切なことを、教えてくれてありがとう。」
神様「こうして生まれたのが十二支。残念ながらねこくんはかみさまになることができなかったんじゃが、大切な気持ちを、仲間を信じる気持ちを持つことができたのじゃ。めでたしめでたし。」
高校生企画 童話脚本 嘘をついたねこくん 青田堂 @p-mam09
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