蓮(睡蓮とは似て非なるもの)

蓮について


去年、蓮の種(羽子板の羽根つきの先端の黒いアレ、ムクロジの種を想像するとよい、恐ろしく硬いやつ)を一粒もらったことがきっかけで、水生植物に挑戦することになった。

常時水に満たされた睡蓮鉢(睡蓮と蓮は似て非なるもの)は、蚊の幼虫であるボウフラの温床になるが、その年は一匹しか発見しなかった。


蓮は冬枯れし、春になった頃だったと思う。たっくさんのボウフラが土の中で越冬していたらしい。やいのやいの出てきた。

対策のためメダカを飼うのは面倒だし、薬は使いたくないし、獲ろう、という判断で極小版金魚すくい大会(日課)になった。


百匹か二百匹はいたと思う。

全部赤かったので(アカムシ)、人を刺さないユスリカの幼虫だとか、おそらく。


まとめ獲りを終えても、油断すると日に数匹はあとを絶たなかった。


そんなことを繰り返しているうちに、ある日、生き残ったメダカが一匹、蓮の鉢にやって来た。(もう初夏になっていた)


つまり、メインは蓮なのである。


メダカではなく、蓮を育てたいのであるよ。



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