第7主題 ミヨシくんと話す
まっぷたつに割れた菓子を、泣きそうな顔で拾い上げるミヨシくん。
「ミヨシくん。おにいさんに、
イワノ医師は、おかあさんを介抱している。おかあさんと
「おせんべい、割れちゃった」
「いいんだ。割って食べるものだから、割る手間が省けて良かった。おにいさんは、片方の手を動かせない。ミヨシくんが封を切ってくれたら、助かるんだ」
ミルクの香り立つこどもが、みるくおせんべいの封を、ポシェットから出した小さい
「
ありがとう。そう云われることが余程、嬉しいのか。ミヨシくんは頬を
彼は地上に存在するキューピッドだった。
また違う月曜日、はち切れそうなポシェットを提げたミヨシくんが、レントゲン室の前の長椅子に
「やぁ、ミヨシくん、キミも」
白百合の病なの?
こんなに小さい男の子に
「白百合の病は、おかあさん」
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