第5主題 少女に出逢う
白百合の病は遺伝する。後世に伝えては
人生に
僕は少女のような人を愛した。
のみならず余命
或る月曜日、点滴治療に赴いた際、処置室の寝台に眠っていた。
衝撃的な
同じ病気の人に、初めて出逢った。
イワノ医師が、少女の点滴のシリンジを調整している。僕と同じ薬液の色。
「頭痛が始まったのです。今、横になると悪くなる」
と嘘を
眠る彼女も同じ。睡眠時に
「あっ、バス停の、おにいさん。
こどもに話し掛けられ、針の刺さっていないほうの手で
「美味しかったよ。ありがとう。キミも……」
白百合の病なのか。立ち入りを厳重に取り締まっている白百合研究室に、こどもがいるとは。
「今日は、みるくおせんべい、あげる」
白猫の模様のポシェットから、白い菓子を出す。天使だ。ありふれた表現しかできないが、邪気の無い天使のような、こどもだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。