遅くなってしまいましたが、拝読しました。
最初の「雪が毎年降るように、後悔は何度も訪れる」の部分で、過去に何があったのだろうと思い、そのまま物語に引き込まれました。
全体として落ち着いた文体の中で、声が枯れる程に美冬が泣くシーンが激しく感じられ、とても印象に残りました。美冬の感情が強く伝わってくるようで。
素敵な作品をありがとうございました。
始めまして。企画から来ました。
少し病的な、美冬と秋人の絶妙な関係の描き方が素晴らしいと思いました。
お互いに離れようとしつつ、引き留め合うような……
>今朝方けさがたに残した足跡は消え、代わりの誰かのものが延々と続いていた。その間隔の広い足跡に自身の足を置いていく。子供の頃に遊んだタイル踏みゲームのように、手を広げてバランスを取りながら。
特に、この描写が二人の関係性を雪と絡めながら、見事に表現していると思いました。
最後に、今回の企画をとても楽しませてもらっています。
素晴らしい企画をありがとうございます!
作者からの返信
コメントとご評価くださりましてありがとうございました。
(にも関わらずご返信が遅くなりまして大変に申し訳ございませんでした)
お楽しみ頂けているとのことで幸いでございます。
ご指摘の箇所は私としても気に入っているところで、美冬の少女性と前に進めていない感を表現したかった部分ですので、そのように捉えてくださりとても嬉しく思いました。
此度、企画にご参加頂き、本当にありがとうございました!
秋人、熱いハートを持ったいい男だなって思いました。
暴力はよくないことだけど、そうでもしないと大切なもの一つ守れない旧態依然とした閉鎖的な場所なんでしょうね。
この昭和のドラマや韓流ドラマみたいなテイスト、結構好きです。
雪に閉ざされていく村と、秋人を乗せて力強く発車する電車の対比も印象的で、窓から見えた秋人の笑みに、美冬への深い愛を感じ切なくなりました。
あと、雪を鬱陶しく感じる = 大人っていうのも、日頃から思っていたので共感しました。
作者からの返信
コメントとご評価くださりましてありがとうございました。
(にも関わらずご返信が遅くなりまして大変に申し訳ございませんでした)
秋人の想いが伝わってよかった、と思いました。
▶大切なもの一つ守れない旧態依然とした閉鎖的な場所
この環境を表現したかった(だから秋人を悪とは思えない美冬がいた)という所が伝わってとても嬉しく思いました。
雪、歳を重ねるとどんどん鬱陶しく感じるようになりますよね。特に交通が……
此度、自主企画にご参加頂き、本当にありがとうございました。
編集済
こんにちは。いいの すけこです。
冒頭の、雪で表現した美冬の苦しみにいきなり心を持っていかれます。
静かな文章なのに、ところどころ美冬の激しい感情が見え隠れして、まさしく雪と熱が混ざり合ったような文章だと感じました(わかりにくいですね、すみません)。
素敵な作品でした!
作者からの返信
コメントとご評価くださりましてありがとうございました。
(にも関わらずご返信が遅くなりまして大変に申し訳ございませんでした)
▶静かな文章なのに、ところどころ美冬の激しい感情が見え隠れして、まさしく雪と熱が混ざり合ったような文章だと感じました
ご評価くださり本当に嬉しく思います。美冬の感情は激しいと思っていたので、それが伝えられたのは成功したなと安堵いたしました。
此度、自主企画にご参加くださり、本当にありがとうございました。
拝読させていただきました。
最初と最後に同じ文章を配することで、より強く美冬の感情が読者に印象付けられるように感じました。どれほど後悔してもし足りない、という消えない傷跡を。
わたしももっと、印象に残る書き方を勉強していきたいです。
企画に参加させていただき、改めてお礼申し上げます。
作者からの返信
コメントとご評価くださりましてありがとうございました。
(にも関わらずご返信が遅くなりまして大変に申し訳ございませんでした)
印象づけしたいということで少々安直ですがリフレインを使ってしまいました。
後悔や思考にとらわれると、気づかないといけないことを見過ごしてしまうことってあるなぁと思って作品にいたしました。
そのあたりが伝わってよかったなと思います。
此度、自主企画にご参加くださり、本当にありがとうございました!
こんにちは。いつもお世話になっています、薮坂です。
遅ればせながらゆあんさんの作品、読ませて頂きました。
なんたるビターエンドなストーリー! という印象で、苦めのお話好きの私としては大好物ですね。
いやしかし、さすがだなぁ。筆致というか比喩表現というか、情景描写が素晴らしいです。「雪が音を奪う」が特にいいです。すごく好きです、この表現。
さてお話の中身ですけど、あえて情報を制限しているのがとても効果的に感じました。キャッチコピーの「覆い隠す」とも相まって、シンプルなお話がより際立っていますね。
反面、少しわかりにくいと感じられる方もいらっしゃるかも知れませんが、「静かで他の音を奪っていく雪の情景」と相まって独特の世界観を感じることができますので、私は成功していると感じました。
ラスト、美冬が「あたしにこそ秋人が必要だった」と思うところがまた良いですね。後悔を毎年降る雪になぞらえるあたり、苦いけれど良い余韻を感じました。
いやぁ、素晴らしい作品でした! 面白かったです!
作者からの返信
コメント&素敵なレビュー、ありがとうございます!
ビターテイストがお好きということで、評価して頂けて嬉しいです。今回、ハートウォーミングな作品が多く、冷たい印象の作品を書いてしまったので、あまり感触は良くなく……ですが響く人がいてよかった。
雪の時、雪を踏む音しか聞こえなくなるような、あの感じをイメージして書きました。
構成に捻りを入れないことと、「文字数を削減する」は今回のテーマの一つだったので、評価して頂けて嬉しいです。ついつい書きすぎちゃったり文字数が多くなってしまうので、なんとか省ける場所はないかと色々やった結果、伝わりにくい作品になってしまったかなと思っています。
「手を差し伸べてくれていることに気づけなかった」という過去の経験を、織り込んでみました。お陰で書いているだけでテンション下がり続けました(笑)
でもお褒め頂けてテンション爆あがりです。
此度、ありがとうございました!
ロックだ! と、思いました。ロックの精神をどこまで自分がわかっているか怪しいのですけど。最後のフレーズなど、青春ってかんじです。時代的には「いま」より古い印象でしょうか。私より上世代の話ぽいなあ……と。ヤンキー全盛期的な(?)
>それを大人と子供の境界だとだとするなら、
ここ誤字かな。ご確認を。
作者からの返信
コメント&お星さま、ありがとうございます。
時代的には今よりちょっと古いですね。がっつり古いという訳ではないですけれど、少なくとも悪事がすぐにSNSで拡散されてしまう時代ではない、というイメージで書きました。車高短仕様がきっとたくさん走ってると思います。
誤字指摘ありがとうございます!
さっそく修正いたします!
此度ありがとうございました。
編集済
設定やお話の展開にゴテゴテさがなくてとてもシンプルで、美冬の後悔に覆われた閉鎖的な心情面と、それに重なり、色付けする銀世界の情景描写にフォーカスして注力された筆致に、
「ああ、自分もこういう風に書ければよかった……」と思いながら拝読させて頂きました。
タグにバッドエンドとある通り、すれ違いのままで終わってしまうのもいい意味でのもやもや感を確かに感じました。
以下、少し個人的な感想を記させて頂きます。
ゆうすけ様が「色々仕掛けがあるような」とのコメントをされていますが、
私も「この表現はどういう意図なのだろう……?」と迷いを感じる表現がちらほらあったように感じました。
例えば、「この身に刻まれた後悔」「傷跡」という言葉が要所要所で出てきますが、(秋人の台詞なら何も違和感はないのですが)美冬視点の言葉だとすると「『身』ってあるから、もしかすると物理的・身体的な傷跡だろうか? もしや役人の息子に暴力沙汰起こしたのは美冬で、秋人は無実の罪を被ったとか?(超推理)」などと勘繰ってしまったり、
「あたしじゃあんたを守れない」という一言について「それまで美冬は秋人の話を聞いてあげたり『監督』したりしていた、とは書いてあるけれど、『守』ろうとはしていたのだろうか?」と少し考えてしまったり……といった感じです。
(「考え過ぎですw」「別にそこは本質じゃないです」ということであれば上記は無視してください……)
もう一点感じたのが、暴力沙汰を頻繁に繰り返すのに美冬以外には事情を全く他人に言わない男(秋人)、そんな彼を止めも諭しもせず一緒にいる女(美冬)、という2人に対して、読み手としてどのように感情移入してよいのかが少し難しく思えてしまいました。
コメント欄で「欺瞞」というキーワードを拝見してようやく「あー、そういうことなのか」とわかったのですが、
「そうは言っても、暴力沙汰を頻繁に繰り返すのも、間近にいたのにそれを止めも諭しもしなかったのも、さすがに人としてちょっと……」という気持ちの方が先に来てしまうのが率直なところです。
どんな理由があっても暴力はダメ、というのが我々の社会の絶対的な基本通念かと思いますので、その点について秋人と美冬に情状酌量させるなら、もう少し補足や説明が必要だったような気がします。
端的に申しますと、美冬の秋人に対する想いの読解に少し自信が持てない部分がありましたので、
2人の関係がこじれる前後の説明や背景があれば、もしくは秋人がここまで明白な問題児として描かれなければ、
文長個人としてはよりスムーズにかつ深く、2人に対して感情移入できたかも知れない、と感じました。
……と言いつつ、私の感じ方も多分にずれているのかも知れませんので、もしお気分を悪くされましたら申し訳ございません。
「お前の読み込みが甘い!」という部分がありましたら逆にご指摘頂けますと幸いです……。
※5日AM11時頃追記
とても熱のこもった返信を頂き大変恐縮です。。何だかすみません。。
▶︎ 意図してミスリードを狙っている箇所もあるとは思うのですが、おそらく個々の表現に対する突き詰めが私の中で甘いため、「意図しないミスリード」を発生させている可能性があると私は思いました。
そうなのですよね、上記感想で持って回った言い方をしてしまったのですが、
「こういうミスリードを誘発しかねない書き方(選語)を無意識にされているなら、ひとつひとつの言葉に対して少し乱雑な気がする。でもゆあん様のことなので恐らく何か理由や意図があってこう書かれているはずだけど、本文を読み返しても読み取れない……」という、良くない意味でのもやもや(読解のストレス)が正直あった……というのが私の感想の本質の部分です。
字数を削る内にこうなったということですが、意図をご解説頂けますと「なるほど」「そこまで裏設定(?)があったんだ」とすんなり腑に落ちました。
「秋人は田舎のヤンキーで、喧嘩っ早くて周りから誤解されがちだけど根はいい奴」「だけどついに一線を超えた喧嘩をしてしまって、それを機に美冬も見放してしまった」というのがもう少しストレートに伝わる描き方であれば(それこそほんの一言、二言でいいので説明があれば)私個人の見え方も違ったのかな、という気がします。
(本文にある「頻繁に暴力沙汰を起こす」という強い言葉での説明だけだと、もはや子供の喧嘩とか田舎のやんちゃな兄ちゃんというレベルではなく、社会通念の通じないモンスターか反社のやべー奴なんじゃないかという印象を個人的に受けてしまって、それも感情移入のしづらさを感じた要因でした……)
ともあれ、私の拙い感想にここまで真摯なご返信を頂けて、本当に恐縮の限りです。。
もしゆあん様のご創作にとって微かにでも他山の石にでもなるようなものであれば幸いですし、私も私ひとりの感想しか書けませんので「まぁ、そんな人もいたんだな」ぐらいにお受け止め頂ければと思います。
丁寧なご返信、ご解説を頂けて、改めてこの作品の姿形を具体的にイメージすることができたように思います。私こそ本当にありがとうございました。
作者からの返信
コメント&お星さま、ありがとうございます。
また文量のあるコメントも大変ありがとうございます! とても嬉しく思います。
鋭くかつ具体的な指摘、ありがとうございます。
まず二点目の「感情移入」についてですが、
▶もう少し補足や説明が必要だったような気がします。
おっしゃる通りだと思います。実はこの点、もう少し文量を割いていた所だったのですが、全体をコンパクトにしようとした時、この過去編が不釣り合いに長くなってしまったことも踏まえて、かなり削減したのです。その結果、伝わりにくい部分や「それでいいんだっけ」という要素が出てきてしまったことを少々認識しつつアップしました。「やっぱりそうだったよね」という大反省です。
個人的な感覚として「大人に比べて子供の方が暴力が許容される(殴り合いの喧嘩とか男児なら割とある)」「事情があれば暴力も時に許されると思いがち(鉄拳制裁の考え)」「田舎・地方にはヤンキー文化が根強い場所もある」と思っていまして、その環境で育った二人という設定にしてありました。周囲からは理解されない彼の暴力は、彼から事情を聞かされている美冬だけが肯定できる(彼の考えに共感してしまう、この時点で共依存関係だった)、美冬自身はそれが彼を守ることになっていると思い込んでいたとしたかったのです(だから周囲は監督者と言っていた)。
しかし気絶させる程の暴力事件を起こした時に、何かが違う、過ちだと気づき、秋人を否定し、「あたしにはあんたと一緒にいることはできない」的な言葉で突き放してしまった、みたいな感じでした。
またこれも削減してしまったのが悪いのですが、作中で「秋人の暴力の原因は美冬にある」と嘯いていた主犯格はこの役人の息子だったので、それを知った秋人は「こんな自分と一緒にいてくれる美冬に対する冒涜」と受け取り、やってしまったということにしていました(それを「お前を守りたかった」の一言に集約させてしまっていました)。
ここらへんがしっかりと描写されていても、それでも「いやあ、そんな危険な関係の二人に共感はできんでしょ」という問題がまだあると思うので、せめて「そっか、そういうことはあるかもしれない。私にはわからないけど」くらいの理解は得られるようにすべきだなぁと思いました。
ありがたいご指摘だったと思います。(自作品の解説をしなければならない時点で失敗です)
一点目のご指摘に関しても、「本質じゃない」というのはおっしゃる通りなのですが、それに甘んじて詰めきれていない・説明しきれていないのだと思います。
二点目の部分がうまく伝わると、単純に後悔であること、それが体への反応として出てしまうほど(秋人を見ると体が熱を持つ、秋人を失った日常が望まないものだとわかっていてもすがり付いてしまっていること)の後悔を、自嘲も含めて「この身に刻まれた」と大げさに言っているのが伝わると甘んじていたのですね。
意図してミスリードを狙っている箇所もあるとは思うのですが、おそらく個々の表現に対する突き詰めが私の中で甘いため、「意図しないミスリード」を発生させている可能性があると私は思いました。
甘えてしまうようで恐縮ですが、他にも「これは、ん?」と思った箇所などあればご教示下されば幸いです。
今回は気持ちの上でも執筆の上でも多少いつもと異なるスタイルで挑んだのですが、とても得るものが大きかったです。
その中でこのような具体的な指摘が頂けてとても嬉しかった!
時間と精神の余裕を見つけて、上記解決できるように改稿を検討してみます。
此度、本当にありがとうございました!
感情が絡むことほど、おなじ間違いを繰り返してしまったりするんだよね……と我が身を振り返りながら拝読いたしました。
現在の美冬にとっては後悔しかないのでしょうが、そしてずっと消えることもないのでしょうが、最後の最後で本心に気づいて、気づいたことを自分で認められたことにわずかな希望を感じました。
そして、美冬の涙以上に秋人の笑顔が切なかったです。彼のなかにある後悔もまた深く消えないのだろうなと。
でも、後悔は人を育てますから。二人の未来がいい方向にむかいますようにと、祈らずにはいられなくなる物語でした。
作者からの返信
コメント&お星さま、ありがとうございます!
▶感情が絡むことほど、おなじ間違いを繰り返してしまったりするんだよね
まさにおっしゃるとおりだと思います。前に進めなくなる原因ですよね。それを作品の中に落とし込みたかったので、そこが伝わったのは良かったなぁと思っています。
おっしゃるとおり、秋人の後悔も消えないのだと思います。
最後の一行は、ふたりでユニゾンできるような意図で添えておりました。
そこも伝わって嬉しいです。
後悔が人を育てる。私もこの二人が報われる未来を願っています。
此度、ありがとうございました!
〉農道を覆う白い絨毯じゅうたんを形成し、道と畑の境界線を曖昧にしている。
からの、
〉せめて冬の間は、その傷跡を覆い隠してくれ。
で、ブワッてしました(語彙力なーい……(泣))
自分がやらかしてしまったことほど消えることはなく、疵痕から目を離すことすら出来ない感じが、痛ましくも美しかったです。
作者からの返信
コメント&お星さま、ありがとうございます。
雪解けしたあとにアスファルトが姿を現す様をみて、傷口がでてくるようすを描きました。化粧で傷を隠しても落とせばまた出てくる……というには残酷すぎるでしょうか。
美しいと言って頂けて嬉しいです。願わくば、二人が幸せになってくれる未来を作者としても祈っています。
此度、ありがとうございました!
とても素敵でした。
別れるときになって初めて気づいた心。
切ないです。
文章も綺麗にまとめられて、私のレベルでどうとかはないのですが、これは文体の好みの問題なのでしょうが、最後の一文が美冬の言葉に感じられませんでした。〜くれとすると、男性側の言葉に感じられて、人称の視点が美冬から秋人にいきなり変わってしまったように感じました。読み違い、かもしれませんが。
作者からの返信
コメントありがとうございます!
素晴らしいご指摘だと思います!!!!!!!
これは二人の言葉として書きたかったもので、どっちが言ってもいいようにしたのは狙いだったのです。後悔しているのは二人とも同じだったからです。そのために美冬はあんまり言葉遣いがあらっぽいキャラにしていたのですが……そこは不十分だったなと思います。
ちょっと修正するか、考えます。短くかっこよく言いたいので。
すぐに思いつかないのが悔しいです。
此度、ありがとうございました!
編集済
重い雰囲気の文体が、これまで美冬の背負ってきた思いを表しているかのようでした。
ずっと秋人に振り回され、彼には自分が必要と思い続けて、だけど本当は逆だったのですね。
ようやくそれに気づけましたが、全てはもう遅かったのでしょうか。美冬の傷と後悔も、どんなに覆い隠しても、決して無くなりはしないのでしょうね。
作者からの返信
コメント&お星さまありがとうございました。
結構鬱になりながら書きました(笑)過去の後悔を思い出しながら書いていたので……。
無くならないと思います。彼女がこの後どうするかは私自身はわかりませんが、
様々な経験を経てきた私なら、この後彼を追ったと思います。そうしないほうが、その先もずっと後悔することになるでしょうから。
此度、ありがとうございました!
編集済
秋人に自分が必要なのではなくて、自分に秋人が必要だったと思い知った涙だったのですね。
積雪と同じだけの重みで、美冬の口も重たくて、周囲から誤解されまくっていた秋人を諭すことも説得することもできなかった。
つまり、どこか欺瞞があったということに気づいたというお話ですね。
境界線をあいまいにしていく雪の存在が、美冬の意識まであいまいにさせていったのでしょうか。
涙は流れましたが、美冬が真実に気づけてよかったと思うことも可能ですね。
いつもながら、お見事でございました。
秋人の笑顔と、美冬の涙が鮮やかな印象でした。
作者からの返信
コメント&レビュー、ありがとうございます。
ご慧眼です。とても嬉しいです。
欺瞞に気づいたという部分と、それに縛られていたのは自分だけだったこと、そしてご指摘のように、自分の心に耳を傾けられなくなっていたという美冬を描きました。そうでなければ、きっと彼がこの環境から救い出しに来てくれたのだと、気づけたでしょうから。
手を差し伸べられた側が心を閉ざしてしまっていたことによってそれに気付かない、なんてことがよくあると思っていたので、それをメッセージにいれていました。本質を見てくださりとても嬉しいし、伝わってよかったと胸をなでおろしました。
ありがとうございました!
編集済
ほほう。面白いですね。
純文学調かと思ったらいろいろ仕掛けが仕込んでありますね。
しかも答えは読者の想像に委ねるという。
是非タネ明かしをどこかで教えてほしいです。とても良かったです。二度読みします。仕掛けの自分なりの解明のために。
追記
えー、列車の噴射音、って書いてあるの、地球じゃないところが舞台の仕込みじゃないんですか??てっきり列車と書いてあるけどロケットみたいな乗り物なのかと。村の人間と同じように、ってあるのは美冬たちが人間じゃないことの仕込みかと。深読みしすぎでした……。
でも仕込みがないのなら列車の噴射音、という表現はちょっと派手過ぎません?
作者からの返信
さっそくお読み頂いてありがとうございます。
深読みありがとうございます。
どこが気になっているか教えて頂けると嬉しいです。
(真面目に自分ではわかってない)
でも読者の方に、何かこう、もやっと、そういう物が残せればと思っています。
最初の三行で全てを語っていますね。
「重ねていた足跡が彼のものだったのだと、あとになって気づいた。」
ここが凄い印象的でした。
美冬と秋人の関係性を物語ってますね。
美冬の後悔が染みる物悲しいエンディングですが、まだ挽回の余地はありますぞ。
それは秋人のくれた特急券。
指定席であれば、指令された列車のみ有効ですが、同じ区間の列車なら自由席として使用可能。ただし当日限り。
一緒にあるはずの乗車券ですが、100㎞以下なら当日限り。しかし、101㎞以上なら翌日以降も使用可能。距離によって2日~6日あります。
まだ始発。
終電までは時間があるぜ。
最終までの特急に乗り込むんだ美冬ちゃん!
それなら涙のハッピーエンドです。