先駆樹。それは、何もない大地に緑を授け、役目を終えるとすぐに死んでいく。この先駆樹のおかげで、豊かな森が形成されたのだ。主人公の夫は、その役割の解明に人生を捧げる。武蔵野台地の先駆樹とは、一体どんな樹木だったのか!?初めて聞く言葉だったので、研究結果に興味が湧く。そして夫の心を支え続けたもの。出会った少女の心遣いに、胸がじーんと温かくなる。今度武蔵野台地に行ったら、あの樹木を探してみよう。そんな気持ちにさせてくれた、優しい作品だった。