第11話―日本人は日本語を間違うさだめなのだ!―

高校生になってから口うるさい後輩と頻繁に会う。後輩を周囲の評価は必ずと言っていいほど好感だ。

それこそメルセンヌ素数のように絶対に理解できない評価。なぜかと問われれば本性を知らないからと強く主張しておこう。

放課後ラインの着信音に嘆いた。

夕日に照らされるドーナツ屋、家族連れや女子トークに花を咲かす周囲に浮くのは僕達だ。


「後輩よ。こんな所を指定した要件を聞かせてもらいたい。完結的に学生でも理解範囲でだ!」


「ププッ、先輩また間違えてやんの。

無知で蒙昧な先輩に教えて差し上げますけど、学生って厳密での意味は大学生を指すんですよ。

わたし達の場合には生徒だって

いつも言って・い・る・じゃないですか」


「ふ、ふん。さすがは後輩。試してみただけだよ」


腕を組んでみて誤魔化したが後輩の目は馬鹿にしたそれだ。

名は夏目季代なつめきよ、中学3年生で容姿は整った美少女と呼ばれる種族。僕が唯一の後輩であり理解者で文系では無双するほど優れている。

長い黒髪はストレート、大きな瞳はイタズラ的な宿っていて猫を彷彿。それに右の髪に白猫の髪飾りをしている。


「わーい、ありがとう☆正解したので逆にわたしが先輩を試してあげますねぇ。

わたしは先輩の理系だけには穿った見方だと関心している。妥協を許さないほど熱い人…こほん。

さて、先輩このセリフが文章としまして間違って使った日本語は分かりますか?」


「ふふ、イージー!まったくイージーだよ後輩よ。答えは穿った見方であろう。間違った見方なんて意味じゃないか」


絶対的な勝利の方程式に後輩は頬を歪めた。そして肩を落としてため息をし、失望したと乾いた笑みをこぼす。


「まったくキレイに間違ってくれて、まぁ…なんていうかお疲れ様です。穿った見方は本質を捉えた鋭い見方なんですよ。間違ったなんて、とんでもない天才の目、鬼才の目ですよ」


そ、そうなのか。頭にメモしておこう。もう一度また不正解すれば

何倍になってバカにされるから。


「な、なるほど…勉強になったよ。それで正解は?」


「妥協です。これ立派な大人でもびっくりするぐらい間違えるんですよね。先生に指摘しないと

いけなかったから。いつも言いたいのは辞書を見やがれです。

妥協の意味は、主張が対立している場合、お互いの主張を可能な範囲で譲り合って一致点を見出して答えを導くですよ」


後輩は何度になるか分からないため息をこぼす。そしてストロベリーリングを口に運び満足そうな顔をする。


「一致点を見出す?」


「つまりは争いをするのを仲良くするために考えたアイデアですよ」


「なるほど…」


これも脳内メモをしておこう。

なかなか難しいものだな妥協は。


「それよりも先輩!樋口さんとは別れましたか?彼女いないですか」


「そうだが、そんな事を?」


「あはは。普通ですよ」


不思議に訊いてみたが納得である。けど同じ住人には、いつも通りだ。


「一言を言うなら小言を言うようになったことだ」


「そうですかー。はぁー、わたしもそうだけど樋口さん面倒くさい正解をしているなぁ」


盛大にため息をするとボソッとそんな発言をする後輩であった。

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今日のラブコメはやめた 立花戦 @fadpgf33gaa5d5d

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